F-187:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと -04;“心の災害”にはレジリエンスで! レジリエンスにはコーチングを !! <前編>

 

 今まで私は「感染症」は物理空間、すなわち「身体的苦痛」がメインであり、その対処は主として物理空間で行われるべきと考えていました。例えば「どの抗菌薬を、どのくらい使うか」といった具体的な対処を重視するというように。

 ところが、昨今の「新型コロナ感染症(COVID-19)」にまつわる状況を考察するうちに、今までとは違う考えに至りました。スコトーマが外れたのです。

 3つの視点でまとめます(今回は3つ目の前編)。ぜひ「抽象度」や「超情報場仮説(理論)」等を意識に上げながら読み進め、これまでのゲシュタルトをconnectしてください。

新たな気づき(発見)のきっかけになれることを願っています。

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 01;抽象度&超情報場理論

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 02;コロナ虚弱(フレイル)

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 033つの“感染症”

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 04;“心の災害”にはレジリエンスで! レジリエンスにはコーチングを !! <前編>

 

 最近よく「新型コロナ感染症(COVID-19)対策を災害医療と捉えるべきだ」という主張(claim)を見聞きします。

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 それは主にトリアージの観点から。トリアージ(triage)とは、医療需要(医療を必要とする人)が供給(医療を提供する人・資源)を大きく上回った場合に、医療優先度を決める行為のことです。当然、様々な問題や課題を抱えています。

 (トリアージについてはこちら↓)

 F-146~:トリアージ(triage)をコーチの視点で考える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_401494.html

 

 前回(F-186)お伝えしたように、新たな感染症流行によって、年代や性別を問わずあらゆる人々が心にダメージを負っています。まるで社会全体が「ファイト・オア・フライト」に陥っているかのようです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 こうした状況下での心のダメージは、自然災害によるものとよく似ていると考えられています。災害後の心の動きは下図のようになるとされています。

 

時間の経過と被災者のこころの動き

災害時の「こころのケア」の手引き

東京都保険福祉保健局HP(平成205月)より引用

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/tamasou/sonota_jouhou/saigaitaisaku.files/saigai.pdf

 

 

 ①茫然自失期:災害発生直後の大きな混乱や不安が生じる時期

 日本でのコロナ禍でいうと、最初の緊急事態宣言の頃です(20204月)。海外での感染拡大、一斉休校、日用品の不足や株価の暴落などで緊張が高まり、不安・恐怖や混乱が広まりました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22227952.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21664055.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21664503.html

 

 ②ハネムーン期:団結して危機に立ち向かっていこうという機運が高まる時期

 コロナでいうと1回目の緊急事態宣言後に感染者が減少していった頃です。国や自治体からの経済支援や医療従事者にエールを送る企画など、様々な支援がひろがりました。

 前回(F-187)御紹介したとおり、精神保健センターへの相談件数は4月以降爆増しました(R2.2/7~3/31:1742件に対して、同4:4946件、翌5:4761件)。ところが、同46月の自殺者数は前年同時期より下回っていました。不安やストレスといった心の不調を訴える人は増えたにもかかわらず、むしろ自殺者は減っていたのです。その理由としてハネムーン期の影響が考えられているそうです。

 

 コーチの視点で述べると、ハネムーン期とは「コレクティブエフィカシーがうまく機能している時期」といえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html

 

 団結できるのは、ゴールを共有しているからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ③幻滅期:災害の影響が長引き、思うように元に戻らないことで、社会全体に抑うつや無気力が生じる時期

 ハネムーンはいつまでもは続きません。結婚と一緒ですねw

やがて迎える幻滅期には、うつ病や不安障害といった精神疾患が増えはじめ、やがて自殺者が増加していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22076321.html

 

 新型コロナ感染症でいうと、昨夏(2020年)の終わり頃からはじまり、現在も幻滅期が続いていると思われます。いわば幻滅のコンフォートゾーン化。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

幻滅が続いているどころか、第2波、第3波、第4波と繰り返すたびにさらに深刻化(重度化)しているはずです。希望を失っていく(=スコトーマに隠れていく)たびに、幻滅はさらに固定化していきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 最初のうちは認知的不協和がエネルギーとなるため、ある程度“頑張る”ことができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 しかし、「こんなに頑張っているのに改善しない」ために疲弊していき、ついにエネルギーが尽き果ててしまいます。「怒りと絶望しかない」から「絶望しかない」というように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 特に下記に該当する人は、幻滅期に心の負担が大きくなりやすいと考えられています。

 (該当しなければ大丈夫ということではありません)

 □新型コロナウイルスに感染した人とその家族や遺族

 □医療従事者

 □経済的に苦しい状況にある人

 □小さな子どもとその保護者

 □高齢者

 □女性(とくに妊娠中・子育て中の人)

 □持病のある人(精神疾患、身体疾患)

 

④再建期:復旧が進んで、新しい生活を始めようという意欲が生まれる時期

 引用している「災害時の『こころのケア』の手引き」中の図には、この再建期が書かれていません。その理由はわかりませんが、私は安易に「再建期」としない方がよいと思っているため、引用図に「再建期」が抜けていることを肯定的に捉えています。

 実際、“再建”は一律・平等ではありません。例えば、仕事や生活が元に戻る人と戻らない人がいるように。取り残された(と感じる)人たちは、さらに孤立感が深まり、ますます気力を失っていきます。理不尽感が生じると、心の傷はますます深くなっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22817135.html


 では、どうすればいいのでしょうか?

 

 

 次回、この「被災者のこころの動き」を「レジリエンス(resilience)」の観点で考察します。
 (レジリエンスはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22931091.html

 

F-188につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

―追記1

 最近よく「新型コロナ感染症(COVID-19)対策を災害医療と捉えるべきだ」という主張(claim)を見聞きします

 

 そもそも医療は憲法で保障された国民の権利を守るための大切な社会資本であり、まさしくライフラインです。ワクチンを巡るドタバタ劇で明らかになったように、国防という観点からも重要な安全保障といえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8584289.html

 

そんな暮らしを守るために必要な医療を、このまま続く未来予測(←現状!)をもとに思い描くのは誤りです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8584437.html

 

 ましてや、財政を理由に縮小しようというのは、主権者たる国民の軽視であり、完全な憲法無視!

 F-056~:「不摂生が理由で病気になった人の医療費を健康のために努力している人が負担するのは『あほらしい』」ことなのだろうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_277070.html

 

そんな現実を、私はモラルハザードのあらわれだと思っています。

S-02~:自由に生きるために ~マナー。ルール、モラルについて考える~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/17563396.html

 

 

―追記2

 ハネムーンはいつまでもは続きません。結婚と一緒ですねw

 

 むしろ続かない方がベターです。「理想的な現状」は現状維持の高い壁となってしまうから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 私の結婚観はいたってシンプル。「“大乗”の修行」ですw

 S-04-17:反求と在身-2;「自分中心」克服のためのワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23512794.html

 

 

―追記3

 「心のエネルギー」について、シリーズ編第3弾で考察しました↓

 S-03~:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879680.html

 

 

-告知-

 今年度(2021-22年)は計8回のオンラインセミナーを予定しています。1年間を通してのテーマは「Well-being」です。

 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

2021年度セミナー予定はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25412318.html

 

 第2回目は2021523日(日)開催。テーマは「情報宇宙の構造」「トータルペイン」「自由」「時間の流れ」です。詳細はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25720321.html

 

 超情報場でお会いしましょう!

 

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