L-018:2020年2月リスクマネジメント研修会(医療法人、鹿児島県)レポート -05;「印象に残ったもの」Q&A<後編>
2020年2月、鹿児島県の医療法人でリスクマネジメント研修を行いました。タイトルは「医療・介護現場でのレジリエンス
~問題(課題)を解決し、さらにタフになるための科学的方法~」です。
内容について御紹介し、いただいた御質問や御意見に対して回答いたします。
(関係者の皆さま方、お待たせいたしました)
01;イントロダクション
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25664104.html
02;レジリエンス -前編-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25697811.html
03;レジリエンス -後編-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25743784.html
04;「印象に残ったもの」Q&A<前編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25761596.html
05;「印象に残ったもの」Q&A<後編>
認知科学者 苫米地英人博士は、レジリエンスを「有事の際に迅速にリカバーし、元より強固になることができる性向」と定義されています。「ゼロトラスト」という大前提の下、4つのフェーズごとにやるべきことを想定し、それぞれ具体的な行動に落とし込んでいきます。
①
Normal
Operations:平常状態の継続的なモニタリング
②
Shock&Cascading:最低ラインの確保(平常状態を有事に確保するのは現実的ではないという認識)
③
Recovery
Phase:できるだけ迅速にリカバーできる準平常ラインの設定
④
Restoration
Phase:準平常ラインから元々の平常ラインよりさらに高いラインに回復する構造
「バラいろダンディ」(東京MX、2019年11月4日放送回)より引用
…研修後のアンケートにはたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございます。今回の研修は、理解度:5.70(2.6~9.6)、満足度:6.62(1.5~10)という結果でした。
御意見・御質問に回答いたします。「印象に残ったもの」の続きです。
・「100%相手の責任にする人は自分を苦しめる」…つい最近リスクがあり、「すべてそちらが悪いでしょ」と言われたので
・心的外傷後ストレス障害。体験により関心があった
・レジリエンス…身近な話があり入りやすかった
A:私たちは同じ世界に生きているように思いがちですが、じつは「一人一宇宙」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823351.html
同じ話を聞いても、印象に残ることは人それぞれ。その印象は過去の記憶が作り上げた重要度に左右されます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
そこで私が意識しているのが、具体的な例の提示と抽象度のコントロール。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
具体的な事例を取り上げることで臨場感は上がりますが、具体的過ぎると興味の対象から外れスコトーマが生じます。「私には関係ないわ」といった感じで。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
・最後の〇も「なるほど~!」とびっくり!!でした
A:…その抽象度や臨場感のコントロールのために心がけていることが「驚き×喜び」の相乗効果。ネタバレになるので明かしませんが、今回も強烈な仕込みをしました。驚いていただいてうれしいですw
抽象度と臨場感の関係については、下記ブログ記事をどうぞ↓
Q-159:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html
・驚けなかった
・「想定外を想定内に置いておく」
A:たとえ驚いていただかなくてもうれしいです。それはレジリエンスの重要なポイントである「想定外を想定内に置いておく」ことができているということだから。
レジリエンスの大原則は「ゼロトラスト」です。何事にもゼロトラストで臨んでいると、何が起こってもたいして驚かなくなります。
それは「ファイト・オア・フライト」を回避できている(すぐにリカバーしている)ということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html
仏教でいうと「空観(くうがん)」の実践です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
・○○の結果がよく理解できませんでした
・〇の△がなんか違うとは思いましたが、それ以上はでてきませんでした。正面からはなかなか判りえません。いろいろな方向・角度から考えてみるということが、とっさに浮かばない
A:「理解できない」は「ゲシュタルトができていない」ということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
誰もがたくさん経験していると思いますが、ゲシュタルトができる=理解の瞬間はとても心地よいものです。「いろいろな方向・角度から考えてみるということがとっさに浮かばない」と焦ることなく、「次はいろいろな方向・角度から考えてみよう」とワクワクしてください。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html
コツはしっかりリラックスしながら楽しむこと。“気楽”ですw
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
・何かある、何かできると視野は大切にしたいと思いました
・ふだん感じていることが、他者からすると違う風に見えていることもあるんだと思いました。また、この話を聞いて、様々な方向から物事を考えられるような人になりたいと思いました
A:…ゲシュタルトをつくることやリラックスし楽しむために欠かせないのがゴールです。ゴールが「何か」を生みだします。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
そして、ゴールが生みだす「何か」の確信がエフィカシー。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
ゴールがあり、エフィカシーが高まっていくと、「様々な方向から物事を考えられるような人になりたい」という願い(セルフトークの第2段階)は、「私はいつも様々な方向から物事を考えている」という確信(セルフトークの第4段階)に自然に変わっていきます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html
その時はコンフォートゾーン(CZ)がゴール側に移行しており、「一人一宇宙」の「一」が書き換わっています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23234058.html
・仕事を行っていく中で予想外の出来事に完全に対応することはできないが、できるだけ早くリカバーし、平常に戻すということが大事だということ
・平常を超えるリカバーへ
A:何らかの理由でCZから外れると、途端に居心地が悪くなり(認知的不協和)、猛烈に元のCZに戻ろうとします。その時にエネルギーと創造性が発揮されます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html
その「元のCZに戻ること」がリカバー。ただし、コーチングにおけるリカバーとは、「現状復帰(現状維持)」のことではなく、ゴールが生みだす新たなコンフォートゾーンへ向かうことです。レジリエンスでいうと、「④Restoration Phase」において元の状態よりもさらによくなること。
だから、クライシス(危機)はチャンスといえます。それまでの「現状維持の壁」を打ち破るチャンスです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html
ここで質問を3つ。
第1問。ゴール側の新たなCZに向かうことが「元のCZに戻ること」であるのはなぜでしょうか?
…そう、「時間は未来から過去へと流れている」から。時間の流れを考えると、未来が因で現在が結果。ゴール側が「元」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
第2問。ゴール側のCZにリカバーする時期、すなわち「④Restoration Phase」において「元々の平常ラインよりさらに高いラインに回復する」ために欠かせない心がまえは何でしょうか?
・人のせいにするな(他責)
・自分で決めるから自責になる。他人の指示で動けば他責
・心の傷を解決することが、最大のリスクマネジメント(心の傷は理不尽度で決まる)
A:…答えは「自責」。自身の言動すべてに対して責任を持つことです。
ゴールを自分で決めていれば必ず「自責」となります。自由と責任が一体となったwant
toで、潜在能力を存分に発揮することでしょう。756倍です!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html
第3問。なぜ「自責」で「ゴール側のCZにリカバーする」と潜在能力を発揮できるのでしょうか?
・自分の心象に浮かぶことはすべてマインドがつくりだしている
A:…答えは、「あたりまえ」だからw
その働きはホメオスタシスです。つまり、「ゴール側のCZへのリカバー」=「ホメオスタシスフィードバック」ということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
すべてはマインド(脳と心)がつくりだしていて、しかもホメオスタシスです。だから、努力や根性は不要。自身の自由意思によってゴールを設定し、エフィカシーを上げるだけです。
・レジリエンスの本当の意味
A:私は「レジリエンス」の最大のポイントはコンフォートゾーンを外れることにあると思っています。それは現状(=過去=固定観念)にとってはクライシスですが、ゴール実現(=未来=可能世界)にとっては大きなチャンスとなりえます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_395184.html
スコトーマを外し、新たなゴールを見つけ、コンフォートゾーンをずらしながら、ブリーフシステムを書き換える。ブリーフが書き換わることで、またスコトーマが外れ、さらなるゴールを見つけ、コンフォートゾーンをずらしていく…
…その先で実現する“無敵”が、私にとってのシンのレジリエンスです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html
(L-019につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
―追記1-
答えは「自責」。自身の言動すべてに対して責任を持つことです。ゴールを自分で決めていれば必ず「自責」となります
…反対に、ゴールを自分で決めていなければ「他責」になります。他責は何かと問題を引き起こしがち。身近ないざこざから大きなトラブルまで、その根底には必ずゴール設定のミスがある…というのが私の実感です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22599317.html
多くの人にとって、自分とは本当の“自分”ではありません。ブリーフは他人や社会の価値観によりつくられているからです。よって、ほとんどの人の無意識は「他責」のはず。かつての私もそうでした。
自由と責任は常にセット。自由と責任がそろってはじめて「自責」といえます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13958864.html
だからコーチが必要! だからコーチングが重要なのです。“現状の外”へのゴール設定を繰り返すことで、初めて人は本当の“自分”を見いだすことができ、「自責」を全うすることができます。それは、これまでの「無人運転」「自動運転」からの脱却です。
F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html
―追記2-
「自責」は人間関係構築においてとても重要です↓
S-04:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!(目次)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22305802.html
その意味についてはこちら↓
S-04-05:自責の意味
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html
-関連記事-
F-094~:私はイヤなことは心の中で握りつぶす
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_375251.html
F-140~:不要不急
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400247.html
F-146~:トリアージ(triage)をコーチの視点で考える
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_401494.html
-告知-
今年度(2021-22年)は計8回のオンラインセミナーを予定しています。1年間を通してのテーマは「Well-being」です。
F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「anti→with→well」partⅡ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html
2021年度セミナー予定はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25412318.html
第2回目は2021年5月23日(日)開催。テーマは「情報宇宙の構造」「トータルペイン」「自由」「時間の流れ」です。詳細はこちらから↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25720321.html
超情報場でお会いしましょう!
<お問い合わせ・申し込み>
coachfor.m2@gmail.com
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