L-01420202月リスクマネジメント研修会(医療法人、鹿児島県)レポート -01;イントロダクション

 

 20202月、鹿児島県の医療法人でリスクマネジメント研修を行いました。タイトルは「医療・介護現場でのレジリエンス ~問題(課題)を解決し、さらにタフになるための科学的方法~」です。

 内容について御紹介し、いただいた御質問や御意見に対して回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変お待たせいたしました)

 

 01;イントロダクション

 

 研修の御依頼をいただいたのは「新型コロナ感染症(COVID-19)」が注目される前のこと。実際に研修を行ったのは、ちょうどコロナ関連報道が増えはじめ、世間の関心が高まってきたタイミングでした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22636357.html

 

通常のコーチングセミナーと同様に、まずはマインド(脳と心)の不思議を体感していただきながら、「スコトーマ」「RAS」「ゴール」「コンフォートゾーン」といった重要な用語について説明しました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

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 その次は「時間の流れ」。時間は未来から現在、そして過去へ向かって流れています。

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今回のテーマである「レジリエンス(resilience)」でいえば、先に「危機を克服しもっと良くなった未来(restoration phase)」があり、その実現に向けて「パニックを防ぎながら、ベストを尽くしている(shockcascading)」という感覚です。

 そんな感覚を体得していただくために、「意識的に重要度を操作することで世界が変わることを体感するワーク」を行っていただきました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 

私たちは目の前の世界のすべてを認識しているわけではなく、自分にとって重要な情報だけを認識しています。その重要度を決めるものが「ブリーフシステム」です。

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 強く信じる固定的な考え方や価値観といえるブリーフシステムは、「強い情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」でつくられます。時間でいうと過去です。

一方で、私たちの脳には「失敗した時にモノを覚える」という特性があります。よって、ブリーフを決定する記憶とは失敗であり、私たちが認識する目の前の世界は失敗の合成であるといえます。時間でいうともちろん過去です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 目の前の世界は失敗の合成

 しかも、そこには情動がべったりと張り付いています。辛い、苦しい、悲しい、悔しい、憎いといったネガティブな情動や怒りなどです。

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 よって、大げさに言えば、「本当は誰もがPTSDに苦しんでいる」といえます。

PTSDPost Traumatic Stress Disorderの略で、心的外傷後ストレス障害と訳されます。PTSDの状態では大脳の前頭前野が働きにくくなり、無気力(あるいは感情的)になり、長期的な視野が保てなくなります。米国CDCの「Psychology of a crisis」でいうところの「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 私は誰もが最初は被害者だと思っています。

大人になるまでの間にたくさん心に傷を負い、その心の傷(ネガティブな情動が張り付いた記憶)がブリーフシステムとなって生みだしたイヤな世界の中で、ますます心に傷を負っていきます。大人になってから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10114934.html

 

 それどころか、最近の研究では、トラウマの記憶は当人を苦しめるだけでなく、次世代にも受け継がれる「負の連鎖」となる可能性が示唆されています。未来のためにも何とかしなければなりません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523096.html

 

 

 みんな最初は被害者。

 しかし、「ファイト・オア・フライト」の状態が続くうちに、やがては自分自身や縁ある人たちを傷つける加害者へと変貌していきます。人間らしさの源である前頭前野よりも動物的な脳である大脳辺縁系が優位な状態が続くからです。ますます易怒的、攻撃的、他罰的となり、まわりが見えず、未来を豊かに想像することが困難になります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 問題の本質は「前頭前野の活動から大脳辺縁系の活動に変わってしまうこと」「脳の活動が一時的に退化すること」です(ケースサイド)。よって、真のリスクマネジメントは「前頭前野優位を維持すること(すぐに回復すること)」だといえます(プランサイド)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 その「前頭前野優位を維持すること(すぐに回復すること)」にコーチングがとても役にたちます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_395184.html

 

 ゴール設定を起点に生みだしたポジティブな未来の記憶によって、ブリーフシステムを書き換えることができ、未来から過去へ向かう時間の流れの中で生きれるようになるからです。

目の前のすべては自身のマインド(脳と心)がつくりだしています。

コーチングを学び実践することで、そのマインドの使い方をマスターすることができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 マインドの使い方をマスターすることは、じつは、感染症対策にもなります。免疫力を“あげる”ことができるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21245972.html

 

 

そのようなことをしっかりと説明させていただいた後、今回の研修会のメインテーマに入りました。「レジリエンス」です。

 

L-015につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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