F-178:“幸福(well-being)”とは?
~「anti→with→well」partⅡ-3;物理的な現実よりも脳による意味づけに臨場感を覚えている状態
「生命は老いるようにはできていない」「老いは治療できる病である」「もはや老いを恐れることはない」と主張(claim)する衝撃的な本を読んだ後、医師&コーチとして考えたことをまとめました↓
F-163~:アンチ(anti)からウィズ(with)、そしてウェル(well)へ
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そのシリーズの終わりに下記ワークに取り組んでいただきました。
<ワーク>
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人生の終わりに待つ「死」まで見据えた上で、あらためて“幸福(well-being)”を考えるとどのようなことがいえるでしょうか?
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未来から過去へと向かう時間の流れを考慮すると、「『死』がはじまり」といえます。そのはじまりにある“幸福(well-being)”とはどんなものなのでしょうか?
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人生の終着点(始発点)である「死」をどのように迎えれば(始めれば)よいのでしょうか?
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anti-aging→with-agingの先には何があるのでしょうか?
私は平和に至るマインドの変化が「anti→with→well」であり、そのプロセスそのものが“幸福(well-being)”だと思っています。その“幸福(well-being)”が今回のテーマ。
自分にとっての“幸福(well-being)”を考え抜くことは、「自己の存在と意味」を明らかにし、スピリチュアルペインを克服するきっかけになるはずです。
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1;ゴールが幸福を定義する
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2;幸福はさらに深い自己催眠
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3;物理的な現実よりも脳による意味づけに臨場感を覚えている状態
ところで、認知科学者 苫米地英人博士は「幸福」をどのように考えていらっしゃるのでしょうか?
以下、博士の著書「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社)より引用します。
(7回に分けて引用。今回は3/7です)
〇客観的には不幸な状況なのに、本人は幸福なこともある
幸福を感じている間、ネガティブな感情は抑えられ、楽しい状態、嬉しい状態、幸せな状態がずっと続きます。これは、本人にとっては決して悪くない状態ですが、第三者からは疑問視されることもしばしばあります。
たとえば、暴力をふるう、浮気を繰り返す、働きもせずにお金をせびるなど、問題の多い恋人と別れられない人。周りは「早く別れたらいいのに」と思っているのに、当の本人は「相手を支えられるのは自分だけだ」と、幸福を感じていたりします。また、悪質なカルト宗教やマルチ商法の団体にハマり、多額のお金をむしり取られている人なども、きっとその団体にお金を使うことを、幸せに思っているでしょう。
客観的に見れば、明らかに「不幸」な状況なのに、本人が幸福を感じてしまうのは、自己催眠にかかっており、物理的な現実よりも、脳による意味づけに臨場感を覚えているからです。
…私は、事情により、幼少の頃から真言宗のお寺に通っていました。
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お寺でのエキサイティングな体験(情動記憶)は私のブリーフとなっているはず。学んでいる知識と合わせ、それらの記憶は苫米地式コーチ&ヒーラーとしてのエフィカシーの源泉です。
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昔も今もお寺との御縁には心から感謝していますが、両親とお寺に行くこと自体はずっと嫌いでした。
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私の両親はアルコール&ギャンブル依存でした。ふだんから酒とギャンブルに溺れるばかりか、トラブルに見舞われるとさらに飲む量が増え、ますます賭けにのめりこみました。そんな姿を目の当たりにしながら「逃げるんじゃねぇ!」とよく思ったものです。子どもながらに。
クリエイティブだったかどうかは別として、両親は間違いなく「創造的回避」の状態でした。
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さらにヤバい状況に陥ると、二人は鬼のような形相でお寺に向かいました。行に参加し法主に相談した後は晴れやかな人間の顔に戻ります。「ファイト・オア・フライト」の状態から回復するからです。
しかし、すぐに鬼(ファイト・オア・フライト)に戻ってはまた寺に向かうという生活を繰り返しました。
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私は「そんな無限ループに何の意味があるのか?」と思い悩み、答えを見いだせずに苦しみました。大人になるにつれて。
今思えば、「そんな無限ループ」自体がコンフォートゾーン(CZ)になっていたのだと思います。両親はもちろん、私にとっても。
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引用文中の「幸福を感じている間、ネガティブな感情は抑えられ、楽しい状態、嬉しい状態、幸せな状態がずっと続きます」というのは、CZにどっぷり浸かっている状態です。ネガティブなものはすっかりスコトーマに隠れ、認識することができません。
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現状に幸福を感じてしまったなら、そのCZから自然に抜け出すのはまず無理でしょう。幼少期の私のような辛い場合でさえ、なかなか抜け出すことはできません。CZを維持するようにホメオスタシス(恒常性維持機能)が働いているからです。
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鍵は、やはり、ゴール。
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“現状の外”にゴールがあるならば、幸福なCZの中にいても何の問題もありません。ドリームキラーの言葉などを積極的にスコトーマに隠しながら突き進むことができます。さらに幸福なゴールの世界に向かって。
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問題はCZの中に悪意が紛れ込んでいる場合です。例えばゴールと思ってるものが他人や社会から刷り込まれたものである場合、本人にとってCZでも「客観的には不幸な状況」といえるでしょう。そんな生き方は「無人運転」「自動運転」に等しく、本来の創造性を発揮することができません。
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ただし、完全な悪意というのは存在しません。完全な善意が存在しえないのと同じように。不完全性が働くからです。先程の「ネガティブ」やその反対の「ポジティブ」も同じ。すべて本人の「脳による意味づけ」次第です。
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だからこそ、「意味づけ」を吟味し続ける必要があります。思考停止してはならないということです。
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(F-179につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
私の両親はアルコール&ギャンブル依存でした…
…両親との思い出は辛いことばかり。でも、おかげでコーチ&ヒーラー/医師としての使命(calling)を見いだすことができました。スピリチュアルペイン(&トータルペイン)からの解放もその一つです。
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前回こんな質問をしました。
私たちの社会にすっかり浸透してしまっている「幸福レベルでの仕掛け」とは何でしょうか? 人を奴隷にしてしまう最強の「仕掛け」とは?
…答えは「お金」です。
本文で触れた両親にとっての「さらにヤバい状況」とはすべてお金がらみ。お金に関連する「脳による意味づけ」に臨場感を覚えていること自体が苦しみでした。それは現代社会全体が陥っている「仕掛け」でもあります。
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だからこそコーチングが重要!
その理由は…
(続きは次回の本文内で)
-参考書籍-
「感情の解剖図鑑 仕事もプライベートも充実させる、心の操り方」(誠文堂新光社)
-関連記事-
Q-168:スピリチュアルペインは抽象度でいえばどこに入るのでしょうか?
どうやって原因である無関心が生まれてくるのでしょうか?
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