Q-178:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか? -02;エネルギーと創造性の源
ちょっと前の話になりますが、認知科学者 苫米地英人博士のコーチング系セミナーに参加した際、受講者からこのような御相談をいただきました。
Q:母と祖父が同じがんで治療中です。私はどのように接すればいいでしょうか?
(プライバシー保護の観点で、今回に限らず、変更を加えてあります)
「家族にはコーチングしない」ことを念頭に、母を「壮年」世代、祖父を「老年」世代と抽象化すると…
コーチとして壮年にどのように接するべきか?
コーチとして老年にどのように接するべきか?
家族として壮年にどのように接するべきか?
家族として老年にどのように接するべきか?
…と分類することができます。
(前提も「老病死が顕在化」「老病死に向き合いながら生活中」と抽象化)
…じつは、「老年(老人)」に対するコーチングについては、ヒーリングのポイントとともに過去のブログ記事で考察しています。「青年(若者)」向けのコーチング&ヒーリングのポイントも取り上げています↓
F-129~:The Sweet Hello, The Sweet
Goodbye
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_396235.html
このシリーズは、上記ブログ記事の続編として、「壮年(中年)」に向けたコーチング&ヒーリングのポイントを掘り下げていきます。キーワードは「I×V=R」!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
シリーズの最後は「家族としての接し方」。そこは苫米地博士の著書「がんを克服できる脳」(主婦と生活社)を読み解く形でまとめていきます。ぜひお読みください(Kindle版↓)。
がんを克服できる脳 【特製音源CD無しバージョン】 | 苫米地英人 | 医学・薬学 |
Kindleストア | Amazon
01;家族にコーチングしない理由
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25025653.html
02;エネルギーと創造性の源
「エネルギーと創造性の源は?」と質問されたら、皆さんはどのように答えますか?
…そう、答えはゴールです。ゴールがすべてを生みだします。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
ゴールのポイントは、1)100%want to、2)自分中心を捨て、3)“現状の外”
“現状の外”とは「現在のコンフォートゾーン(CZ)の外側」という意味です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
その「現在のCZ」は、通常は過去ベース。
過去の情動を伴った体験記憶と情報の記憶がブリーフを形成し、そのブリーフ(システム)に基づいた「私は○○な人間です」という確信がセルフイメージを生みだします。そして、そのセルフイメージに沿って「現在のCZ」ができあがっています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
だから過去。「現在のCZ」というものの、その正体は過去です。しかも他人や社会の価値観でつくられた過去。よって、過去ベースでできあがったブリーフに従って生きることは、他人により決められた行き先(ゴール)に向かう「無人運転」といえます。よくて「自動運転」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html
ゴールを“現状の外”に設定するということは、新たなCZを生みだすということです。ゴールは未来にありますので、未来側からCZをつくりなおすことになります。それは未来の結果として“今”を生きるということ。私はその瞬間(“今”)が「一期一会」だと思っています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23177616.html
過去ベースの「現在のCZ」と未来ベースの「“今”のCZ」…
(わかりやすいようにそのように表現し、色分け<過去=赤><未来=緑>します)
ゲシュタルト心理学で明らかにされているように、人間は同時に一つのゲシュタルトしか維持できません。つまり、「現在のCZ」とそれとは異なる「“今”のCZ」を同時に維持することはできないのです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
そのときに生まれる「どちらか一つを選択しようとする心の動き」を「認知的不協和」と呼びます。詳しくは「人が認知している自分の内側の現実と外側の現実に矛盾が生じたときに、その不協和を解決しようとする心の作用」のこと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html
その不協和がエネルギーと創造性の正体です。
そのとき放出されるエネルギーと創造性が、「現在のCZ」と「“今”のCZ」との衝突を解決します。つまり、ゴール設定→2つのCZが衝突→エネルギー&創造性の発揮→「“今”のCZ」を選択→スコトーマに隠れていた問題が顕在化(ケースサイド)→「invent(on the way)」しながら解決(プランサイド)
…ということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
その一連の流れは「新たなCZを安定させるためのホメオスタシスフィードバック(恒常性維持機能)」と考えることができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
…今回のテーマは「『壮年(中年)』に向けたコーチング&ヒーリングのポイント」。
元々の御質問は「母と祖父が同じがんで治療中です。私はどのように接すればいいでしょうか?」です。
過去のブログ記事で、「日本では49.8歳が最も幸福度が低い」ことを紹介しました。40代から50代の幸福度が低いことは世界共通なのだそうです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14400204.html
その理由として様々な要因が挙げられていますが、医師として実感するのは「身体の不調(身体的苦痛)」です。たとえがんや脳血管障害といった大きな病気に罹患していなかったとしても、「免疫力低下」「動脈硬化」といった体の変化(老化)は確実に進行しています。そのわかりやすい例が「老眼」でしょう。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24553696.html
自身の体の変化には意外と気がつきにくいものです。スコトーマに隠れるから。でも、私と同じ壮年(中年)世代であれば、何らかの老いを必ず実感しているはずですw
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045953.html
「老いは治療できる病である」という主張もありますが、進行自体を止めることはできないでしょう。ますます老い、多くは病を患い、そして必ず死を迎えるのです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24337669.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24402109.html
では、その事実を踏まえた上で、「ゴールを設定し、未来側から新たなCZを作る」ことをどのように考えればいいのでしょうか?
未来にある死の結果として、“今”を生きることをどう受け入れればいいのでしょうか?
未来にある死の結果として、すでに病気を患っている「現在のCZ」を覆すにはどうすればいいのでしょうか?
…次回から「I×V=R」をキーワードに考察していきます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
(Q-179につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
今回のサブタイトル「エネルギーと創造性の源」は、苫米地博士の著書「コンフォートソーンの作り方」(フォレスト出版)で紹介されているTPIEⓇプログラムのユニット名です(Unit10)。本では「リアルなゴールの作り方」や「イメージの力」が解説されています。
-追記2-
未来の状況に対してより強いイメージを描くことができれば、それはすべて未来に進むために使われます。そのイメージの強化に用いられるのがアファメーションやビジュアライゼーションです。
博士の「新・夢を勝手にかなう手帳 2020年度版」(サイゾー)の【付録3】より「コンフォートゾーンを正しく設定できる言葉」を御紹介します。
私は、ゴールから逆算した「現在の自分のあるべき姿」をコンフォートゾーン(居心地のいい空間)に設定し、それを自分が心から望む、気持ちのいい、なじみのあるゾーンとして設定している。だから、着実にクリエイティブに、ゴールに移動する方法が発見できて、毎日が楽しい。
…上記アファメーション中の「現在の自分のあるべき姿」が「“今”のCZ」です。
-関連記事-
不協和をうまくゴール側に導く方法について考察しました↓
S-03~:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~(目次)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879680.html
ヒーリングとコーチングの関係についてはこちら↓
Q-064~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292583.html
-告知-
青山龍苫米地式認定マスターコーチと私 CoacH Tとのコラボ企画「Fight Coaching Project(FCP)」がはじまっています(2020年6月~、月額制)。テーマは「マインド(脳と心)の健康」です。
参加される皆さんの疑問・質問にもお答えする1年間の双方向(インタラクティブ)オンラインコミュニティの中で、徹底的に「マインドの健康」を追求したいと思っています。
一緒にさらなる“現状の外”へ飛びだしましょう!
(詳細は下記サイトで↓
FCPのみの受付は終了いたしましたが、青山コーチのコーチングクラブ2020に入会することで視聴できます)
コメント