Q-177:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか? -01;家族にコーチングしない理由
ちょっと前の話になりますが、認知科学者 苫米地英人博士のコーチング系セミナーに参加した際、受講者からこのような御相談をいただきました。
Q:母と祖父が同じがんで治療中です。私はどのように接すればいいでしょうか?
(プライバシー保護の観点で、今回に限らず、変更を加えてあります)
その場がコーチングセミナーだったため、まずは「家族にどのようにコーチングを行えばよいか?」と質問されていると理解しました。
そうであれば、私の答えは「家族にはコーチングしない方がいい」です。
じつは、家族へのコーチングは難しく、とても危険です。私自身は家族や友人に対してのコーチングは行わないと決めています。今のところは(←この記事内で説明します)。
たとえ親しい間柄でなかったとしても、利害関係が生じている場合、原則コーチングはお断りしています。それはかつての痛い経験から学んだコーチとしての心得です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15110477.html
もちろん、相談には乗りますし、マインド(脳と心)について説明しアドバイスすることもあります。しかし、その場合も「共感はするが、同調はしない」ように心掛けています。相手の意識が未来に向くように導きながら、しっかり信じ、ただ見守る感じです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8040944.html
共感はするが、同調はしない
「共感」という言葉はいろいろな解釈ができると思いますが、私は「情報場の共有」だと思っています。ここでいう情報場とは、情報空間のことです。
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
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その情報場を「共に感じる」というのは同調のことばかりではありません。同調だと同じスコトーマができてしまいます。
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共感はするが、同調はしない
…そんなことが可能なのは「抽象度が高い」からです。
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「抽象度を上げる」とは包摂すること(subsume)。「犬」と「猫」を分けて考えるのではなく、同じ「哺乳類(あるいは動物)」と見る視点 …「無分別」の実践です。
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抽象度を上げて考えるときのコーチの世界(縁起空間)には、自分も家族もクライアントもしっかり入っています。過去も未来も、そしてあらゆる可能性(可能世界)もちゃんと含んでいます。それが「包摂」であり、「無分別」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
しっかりと相手を包摂しているが、同情(同調)ばかりではなく、より高い抽象度でさらに大きな世界(ゲシュタルト)を認識している
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
…それが本物のコーチ。コーチとして抽象度の高みを目指し続けたなら、いつか空に到達するはず。
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そのときが家族や友人に対してのコーチングが可能になるときです(空観)。重要度関数(評価関数)0でスコトーマが完全に消えているのですから、煩悩に囚われることもなく誰にでもコーチングできるでしょう。自由自在に。
(でも、きっと家族や友人からは嫌われますw)
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…相談してくださった受講者の方は、私が医師であり、さらには苫米地式マスターヒーラーであることを御存知のようでした。そのときは十分にはお答えできませんでしたが(休憩時間ですしw)、あらためてコーチ・医師・ヒーラーを包摂する視点で考察してみました。
Q:母と祖父が同じがんで治療中です。私はどのように接すればいいでしょうか?
…まずはいただいた御質問を「コーチとして/家族として」と「母に/祖父に」という2つのポイントで分類します。すると…
コーチとして母にどのように接するべきか?
コーチとして祖父にどのように接するべきか?
家族として母にどのように接するべきか?
家族として祖父にどのように接するべきか?
…とすることができます。
(もちろん、「がんと診断された」「がん治療中」という前提です)
さらに、「家族にはコーチングしない」ことを念頭に、母を「壮年」世代、祖父を「老年」世代と抽象化すると…
コーチとして壮年にどのように接するべきか?
コーチとして老年にどのように接するべきか?
家族として壮年にどのように接するべきか?
家族として老年にどのように接するべきか?
…と分類することができます。
(前提も「老病死が顕在化」「老病死に向き合いながら生活中」と抽象化してみましょう)
…じつは、「老年(老人)」に対するコーチングについては、ヒーリングのポイントとともに過去のブログ記事で考察しています。「青年(若者)」向けのコーチング&ヒーリングのポイントも取り上げています↓
F-129~:The Sweet Hello, The Sweet
Goodbye
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_396235.html
このシリーズは、上記ブログ記事の続編として、「壮年(中年)」に向けたコーチング&ヒーリングのポイントを掘り下げていきます。キーワードは「I×V=R」!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
シリーズの最後は「家族としての接し方」。そこは苫米地博士の著書「がんを克服できる脳」(主婦と生活社)を読み解く形でまとめていきます。ぜひお読みください(Kindle版↓)。
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(Q-178につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
その場がコーチングセミナーだったため、まずは「家族にどのようにコーチングを行えばよいか?」と質問されていると理解しました。
そうであれば、私の答えは「家族にはコーチングしない方がいい」です
…その受講者に対して、私はまず博士の「がんを克服できる脳」を読むように勧めました。
もちろん御存知でしたが、次にお会いしたときにはしっかり再読されていました。この「すぐに行動する」というHabit&Attitudeはとても重要です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7030948.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7199599.html
なぜなら、そのHabit&Attitudeはブリーフシステムのあらわれだから。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
そしてそのブリーフは、無意識下につねにゴールがあり、その実現に向かって自然に生きていることを示しています。Yes, you’re good!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html
-追記2-
カール・グスタフ・ユング(1875~1961年)は、人生を「少年期」「青年期」「壮年期」「老年期」に分けました。壮年期は「内的価値に関心が向かう時期」です。
厚生労働省の「健康日本21」では、「幼年期0~4歳」「少年期5~14歳」「青年期15~29歳」「壮年期30~44歳」「中年期45~64歳」「前期高年期65~74歳」「中後期高年期75歳~」です。
このブログ記事ではユングの「壮年期」と厚労省の「中年期」を「壮年(中年)」としています。
-追記3-
共感や同情について、苫米地博士の「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社)から引用しながら、下記記事にまとめました↓
Q-169~:自身の信念を失いそうです
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html
-告知-
青山龍苫米地式認定マスターコーチと私 CoacH Tとのコラボ企画「Fight Coaching Project(FCP)」がはじまっています(2020年6月~、月額制)。テーマは「マインド(脳と心)の健康」です。
参加される皆さんの疑問・質問にもお答えする1年間の双方向(インタラクティブ)オンラインコミュニティの中で、徹底的に「マインドの健康」を追求したいと思っています。
一緒にさらなる“現状の外”へ飛びだしましょう!
(詳細は下記サイトで↓
FCPのみの受付は終了いたしましたが、青山コーチのコーチングクラブ2020に入会することで視聴できます)
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