Q-175脳内の歩くというイメージの臨場感を上げて物理世界で実際に歩いてるということになるのでしょうか?

 

 セミナー参加者(医療関係者)から御連絡をいただきました。ありがとうございます。

(プライバシー保護の観点で、今回に限らず、変更を加えてあります)

 

Q:実装化について歩行と装具を使われリハドクターならではの例え話で、分かり易かったです。脳内の歩行に関する部位(プログラム)が物理世界で実装化されて初めて歩行が実現するつまり私たち健常人は普段何気なく歩いていますが、「脳内の歩くというイメージ(I)の臨場感を上げて(V)、物理世界で実際に歩いている(R)」ということになるのでしょうか?

 

A:まずは誤った認識の訂正から。私は「リハドクター」ではありませんよw

 鹿児島大学(鹿大)を卒業後に確かに鹿大リハビリテーション科に入局しましたが、リハ科の専門医は目指さず退局しました。リハ医にはなりませんでしたが、医師としてのキャリアを鹿大リハ科でスタートさせてもらったことには、今でも心から感謝しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8292888.html

 

 一般の内科医と比べリハビリに関する知識を多少は持っているかもしれませんが、リハ専門医の先生方と比べると圧倒的に不足しています。結果、ゲシュタルトが小さい(不完全、未熟)はずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

知識を得てより大きなゲシュタルトをつくりあげるほど、どんどん理解が深まります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 逆に言えば、知識不足により小さいゲシュタルトのままだと大変危険。「わかっていないことがわからない」ため、まわりを巻き込んで自滅していきます。それを古くから「無明(むみょう)」といい、コーチングでは「スコトーマ」と表現します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そんな不幸を防ぐための重要な取り組みが「学習」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 その「学習」は、単に情報量を増やすということではありません。情報量が増えるということは、より具体的になるということ。それは抽象度が下がるということです。

学習とは「より大きなゲシュタルト」をつくることです。「より大きなゲシュタルト」とは「より高い抽象度」と同じ意味です。情報量が増えて具体的になることとはベクトルが正反対です。

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 では、なぜ日々学ぶことで情報量が増えていくはずなのに、ゲシュタルトを大きくすることができ、抽象度が上がっていくのでしょうか?

 

 答えは「ゴールがあるから」。

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 歩行という行動にも、じつは、ゴールがあります。意識していないだけです。

 同じ「意識」という言葉でも、ゴールに向かう歩行を「意識に上げる」ことと歩行自体を「意識する」ことは違います。

 

 「脳内の歩くというイメージ(I)の臨場感を上げて(V)、物理世界で実際に歩いてる(R)」を無意識下の話だとすると、私の答えはイエス。その場合の「臨場感を上げる」は、知識と実践によりゲシュタルトをつくりあげることであり、「学習して体が覚えている状態」です。医学的には「手続き記憶(procedural memory)」に相当します(のはずw)。
 そのようなゲシュタルト全体をイメージすることが「意識に上げる」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 もしも「臨場感を上げる」を「意識する」という意味でお使いなら、私の答えはノーです。実際、歩くことを意識しだすと途端にぎこちなくなったりします。自転車の運転やタイピングなどを想像していただくとわかりやすいと思いますが、一つひとつの動作を考えて(意識して)行うより、無意識に任せた方が圧倒的にスムーズなはずです。詳しくは下記ブログ記事を参考にされてください↓

 Q-071:認知的不協和の…Vol.8;「リラックスできる呼吸の無意識化」のコツとその先にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14830941.html

 

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 「まずイメージがあり(I)、その臨場感を上げていくと(V)、そのイメージが現実となる(R)」という「夢をかなえる方程式 I×V=R」について説明すると、「では、空を飛んでいるというイメージの臨場感を上げれば物理空間で飛べるというのか?」といった質問をいただくことがあります。

 

 私の答えはイエス。とはいっても、「ドラゴンボール」の“舞空術”のようなことができるといいたいわけではありません。「物理法則に抗わずに飛べる方法を見つける」という意味です。コーチングの創始者 ルー・タイスさんは「invent on the way」と表現しました。

事実、ライト兄弟はドリームキラーに屈することなく飛ぶことを目指し続け、ついにinventしました。人類初の飛行は1903年。わずか118年前の話です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

 情報空間のイメージを物理空間に落とし込むことを「実装(インプリメンテーション)」といいます。実装のためには「より大きなゲシュタルト」を生みだす“ひらめき”が必須。その“ひらめき”には大量の知識を得る学習と実践(行動)が欠かせません。

そのすべてがゴール設定からはじまります。ゴールはもちろん“現状の外”です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_262962.html

 

抽象度と臨場感と実装の関係について、下記ブログ記事にまとめました。ぜひ参考にされてください。後半は「STAR WARS」を題材にしていますw

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 

-追記2

 「意識する」と「意識に上げる」は違います。「夢中で」やっているけれど、夢中でやっていることをしっかりと意識に上げている。要は、リアリティを上げて、常にそれをコントロールするということです。それが生きているということなのです。

 

 上記文章は苫米地博士の著書からの引用です。下記ブログ記事で紹介しています↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 

-追記3

 「意識に上げる」ためのワークの一つが「歩行禅」です。苫米地博士の著書「思うままに夢がかなう 超瞑想法」(PHP研究所)や「がんを克服できる脳」(主婦と生活社)をお読みください。ともにKindle版があります。

 

 

-関連記事-

F-070:「夢をかなえる方程式 I×V=R」のとおり、本当に夢が現実化した一例 ~映画「メジャーリーグ」~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15096276.html

F-106~:超実写版「ライオン・キング」で描かれた“超現実”を生きる極意

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_383531.html

F-110~:情報が書き換わると現実が変わる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_386190.html

 

 

-告知-

 青山龍苫米地式認定マスターコーチと私 CoacH Tとのコラボ企画「Fight Coaching ProjectFCP)」がはじまっています(20206月~、月額制)。テーマは「マインド(脳と心)の健康」です。

 参加される皆さんの疑問・質問にもお答えする1年間の双方向(インタラクティブ)オンラインコミュニティの中で、徹底的に「マインドの健康」を追求したいと思っています。

一緒にさらなる“現状の外”へ飛びだしましょう!

(詳細は下記サイトで↓ FCPのみの受付は終了いたしましたが、青山コーチのコーチングクラブ2020に入会することで視聴できます)

http://aoyamacoach.com/fcp/

 

 

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