Q-173:苫米地博士のゴールはなぜ「世界平和」ではないのでしょうか?
御質問をいただきました。ありがとうございます。
抜粋した下記部分について、回答させていただきます。
(プライバシー保護の観点で、今回に限らず、変更を加えてあります)
Q:苫米地博士のゴールは世界の戦争と差別を無くすですが、なぜ世界平和ではないのでしょうか?
“~の無い”は無意識に“~”が“ある”ことを前提としてしまいます。そうなると結果として戦争と差別を肯定してしまわないのでしょうか?
A:苫米地博士の意図ははかりしれません。あくまで私の考えだと御理解ください。
鍵になるのは「抽象度のコントロール」だと思います。
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
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何らかのイメージ(I)の抽象度が高すぎると、臨場感が下がり(V)、“現実”ではなくなります(R)。
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その一方で、抽象度が低すぎると、情報量が増えてマネジメントが難しくなります。抽象度がさらに下がると、矛盾や対立が生まれ、“現状”さえ維持できなくなることでしょう。
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だから「世界平和」という一語ではなく、「戦争と差別をなくす」という表現を使われているのだと思います。「戦争と差別をなくす」は、御指摘のとおり、「戦争」「差別」の存在が前提となっています。アファメーションとしては決して理想的ではありません。
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私は、博士があえてこの表現を使われていることに、アファメーションとは異なるマインド(脳と心)の使い方を示す意図を感じます。うまく表現できませんが「効率のよいエネルギーの取り出し方」といった感じでしょうか。
その感覚は「シリーズ編第3弾」にまとめています。ぜひ参考にされてください↓
S-03~:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~(目次)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879680.html
簡単にいうと「密教方式」。すべてが空(くう)であるとわかっていながら、あえて霊を認め除霊・浄霊を行う感じです。
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霊の存在を前提に除霊や浄霊を行うのは「臨場感をほどよく維持する」ため。そして、そこには「相手のために」という明確な意図が含まれています。それが大乗です。
霊(苦)を実感している人とわざわざ同じように感じてあげて、それを解消(解決)してあげる
…それは相手の立場にたった対処法であり、「100%クライアントの利益のため」というコーチの心得にも通じるものです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23512794.html
縁起、すなわち「原因によって結果が起こる」は、釈迦哲学の根幹をなす教えです。そして、それは「自分を含めてすべては他の何かとの関係性で成り立っている」ということであり、「関係が存在を生みだす」ということです。だから…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
一人ひとりの心に平和が訪れた結果(証)として世界平和が実現する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/16799778.html
…そんな「心の平和→世界平和」のために、「まずは各自が自身の心に潜む『戦争(争い)』『差別』に気づいてね」(ケースサイド)、「そして、それらを余裕で解決していってね」(プランサイド)という博士の思いがこめられているのではないでしょうか。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
さらに言うと、世界平和そのものというよりは、平和を希求する人生で各人が実現する進化・向上こそが博士の願いであり、期待であるような気がします。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html
以上が私の見解です。
御質問ありがとうございました。
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
一人ひとりの心に平和が訪れた結果(証)として世界平和が実現する
そんな「心の平和→世界平和」のために「まずは各自が自身の心に潜む『戦争(争い)』『差別』に気づいてね」(ケースサイド)、「そして、それらを余裕で解決していってね」(プランサイド)という博士の思いがこめられているのではないでしょうか。
さらに言うと、世界平和そのものというよりは、平和を希求する人生で各人が実現する進化・向上こそが博士の願いであり、期待であるような気がします
…その進化・向上を「ゴール設定&達成を強力にサポートすること」で実現することが、私たち苫米地式コーチの機能・役割です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
-追記2-
苫米地博士の意図ははかりしれません。あくまで私の考えだと御理解ください
...2022年4月に発売された新刊「オーセンティック・コーチング」(CYZO)内で、博士御自身の言葉で説明されています。以下、引用します。
(コーチングの奥義を公開されているコーチ必読の書です。ぜひお読みください)
◎「世界から戦争と差別をなくす」というゴールのその先
ですから、私のゴールである「世界から戦争と差別をなくす」というゴールもまだまだ先があるわけです。
そもそもコーチングでは否定形の言葉は使わない方がいいと教えています。であるのに「戦争のない世界」「差別のない世界」と言っているのは戦争のない世界がどういうものなのか?
差別のない世界がどういうものなのか? 言語で表せないからです。
これが私たちの世代の限界なのです。
私たちの世代は戦争という概念がある世界でずっと生きていますから、それがない世界がなかなか想像できないのです。ですから、「戦争のない」世界という否定形でしか表せないのですが、未来の人々が住む世界はそんな概念すらない世界にしたいのです。戦争や差別があることを前提としたゴールがある世界ではいけないと思っています。
これは私のゴールの話ではありますが、皆さんも同じです。現状を肯定するゴールを設定すると、現状が拡大する一方で新しい世界はやってこないのです。
新しい世界に必要なのは現状の肯定ではなく、新しいゴールであり、新しいゴールに近づくための新しいコンフォートゾーンなのです。
そして、その新しいコンフォートゾーンは、現状のコンフォートゾーンを出た先にしかありません。
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