L-010:2020年1月シークレットレクチャー -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う
2020年1月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う3回の講義の初回。メインテーマは「スピリチュアルペイン」で、初回のサブテーマは「○○」。
その講義内容をブログ用に再構成してお届けします。
ぜひサブテーマを想像しながらお読みください(漢字二文字ですw)。スピリチュアルペインやトータルペインは過去のブログ記事でも取り上げていますが、きっと新たな発見に驚くはずです。
01;「全人的苦痛(トータルペイン)」と「4つの苦痛」の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html
02;身体的苦痛
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24553696.html
03;身体と心は○○○○ -前編-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html
04;身体と心は○○○○ -後編-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html
05;「4つの苦痛」と健康(well-being)の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24642277.html
06;「4つの苦痛」(部分)どうしの関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24682654.html
07;スピリチュアルペインとは?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24706915.html
08;スピリチュアルペインへの対処は、いつから、どこで、行われるべきか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24746334.html
09;抽象度の高い視点により混沌(カオス)からシンプルな法則を見いだす感覚
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24767587.html
10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う
下記の言葉はノーベル平和賞受賞作家 エリ・ヴィーゼルによるものです。
「抽象度の高い視点により混沌(カオス)からシンプルな法則を見いだす感覚」をぜひ感じてください。それは「絶望の中で見いだした希望が育て、自身を導くゴールが磨き上げる“光”」に触れるような体感です。
愛の反対は憎しみではない。無関心だ
美の反対は醜さではない。無関心だ
信仰の反対は異端ではない。無関心だ
生の反対は死ではない。生と死の間(にあるもの)への無関心だ
The
opposite of love is not hate, it’s indifference.
The
opposite of beauty is not ugliness, it’s indifference.
The
opposite of faith is not heresy, it’s indifference.
And
the opposite of life is not death, but indifference between life and death.
ヴィーゼルは「生の反対は死ではない。生と死の間(にあるもの)への無関心である」と語っています。では、なぜ無関心となってしまうのでしょうか?
…私の答えは「自分に対する評価が低いから」。そして、「(その結果として)未来の重要度が下がっているから」です。それを一言にすると「エフィカシーが低いから」。エフィカシーとは、「自分のゴール達成能力の自己評価」のことです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
ところで、サーカスなどでゾウを飼いならす方法を御存知ですか?
…子ども(小ゾウ)の時期に、足につないだ鎖を杭に結び付け地面に打ち込むのだそうです。小ゾウの力では杭を引き抜くことはできません。その状態が続くと、ゾウは鎖が届く範囲でしか行動しなくなります。コンフォートゾーンの完成です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
成長に伴い杭を引き抜く力を手に入れても、ひとたび杭につながれたなら、ゾウはその範囲でしか行動しなくなります。「思い込み」がゾウの自由を奪うのです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
この話が本当かどうかはわかりませんが、「思い込みが自由を奪う」というのは、私たち人間にとっては極めて切実な問題です。なぜなら、大脳(とくに前頭前野)が発達しているため、情報空間に強い臨場感を感じることができる(感じてしまう)から。より強い「思い込み」が可能になったことで、ますます自由が奪われやすくなっているといえます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
情報空間上の“あるイメージ(I)”に強い臨場感を感じると(V)、そのイメージはやがて現実化していきます(R)。それをプリンシプル化したものが「夢をかなえる方程式
I×V=R」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
これは希望に満ちあふれる真理ですが、その一方で人を絶望の淵に追いやる事実でもあります。「I×V=R」が示していることは、「イメージ(イマジネーション)の限界が、その人の限界になる(である)」ということだから。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/17985750.html
自分の限界とは、自分のイマジネーションの限界のことである
…これはコーチングの祖 ルー・タイス氏の言葉です。
過去の何らかの体験または情報の記憶が、私たちの心の中に「思い込み」を形成します。そして、その思い込みがスコトーマを生みだし、例えば杭など簡単に引き抜けるといった“本当の力”を隠してしまいます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
しかも、人の場合、「思い込み」を生みだす記憶とは“失敗”です。情動を伴った辛い記憶が自らを縛りつけていきます。そして、縁起のつながりの中で、ますますお互いを縛りあってしまうのです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12794797.html
認知科学者 苫米地英人博士は、ルー・タイス氏の言葉を下記のように言い換えていらっしゃいます。
人間の限界はイマジネーションの限界がつくる
イマジネーションによって人は限界を作り、それを壊すことで新しい世界を獲得していく
…その「限界を壊すこと」はゴール設定からはじまります。1)100%want toで、2)自分中心を捨てながら、3)“現状の外”にゴールを設定(再設定)していくことで、限界を超えていくことができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
そして、その積み重ねこそが「生と死の間(between life and death)」を明らかにしていきます。なぜでしょうか?
(L-011につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
アジアゾウのトプシー(Topsy)を御存知でしょうか?
…1875年頃に東南アジアで生まれ、アメリカに密輸された後にサーカスで育てられた象です。
子どもの頃からの虐待のストレスが原因なのでしょうか、3人の調教師を含む数名を殺したとされています。虚栄心が強いオーナーにより公開処刑が企画され、毒を食べさせられ、電気を流され、最後は首を絞められ殺されました(1903年1月4日)。
その様子をエジソン・スタジオが動画撮影し、「ある象の電気処刑」というタイトルで公開しています(なんと、wikipediaで動画を確認することができます)。
ちなみに、「トプシー(Topsy)」という名は、米国の小説「アンクル・トムの小屋」に登場する奴隷少女の名から名付けられたそうです。
自由を奪う「思い込み」は自身の心の中に生まれるだけでなく、社会の中に広がりお互いを縛り合います。バイオパワー(生権力)です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html
この逸話の根底にある思い込みとは「差別」でしょう。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html
表面的なコーチングスキルにより個人が自由を手にするだけでは足りません。
縁起をしっかり理解した上で、空仮中の実践として自らコーチングを行い、縁起空間にしっかりコーチングをひろげていくことが重要なのだと思います。
その先に戦争と差別のない世界がある
…だから私は、「縁起の理解」と「空仮中の実践」こそが苫米地式の真髄だと思っています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
処刑場への橋を渡るのを拒み、報道写真家や見物人に取り囲まれるトプシー
Wikipediaより
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