L-008:2020年1月シークレットレクチャー -08;スピリチュアルペインへの対処は、いつから、どこで、行われるべきか?
2020年1月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う3回の講義の初回。メインテーマは「スピリチュアルペイン」で、初回のサブテーマは「○○」。
その講義内容をブログ用に再構成してお届けします。
ぜひサブテーマを想像しながらお読みください(漢字二文字ですw)。スピリチュアルペインやトータルペインは過去のブログ記事でも取り上げていますが、きっと新たな発見に驚くはずです。
01;「全人的苦痛(トータルペイン)」と「4つの苦痛」の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html
02;身体的苦痛
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24553696.html
03;身体と心は○○○○ -前編-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html
04;身体と心は○○○○ -後編-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html
05;「4つの苦痛」と健康(well-being)の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24642277.html
06;「4つの苦痛」(部分)どうしの関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24682654.html
07;スピリチュアルペインとは?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24706915.html
08;スピリチュアルペインへの対処は、いつから、どこで、行われるべきか?
…死生観が薄いことは確かに問題ですが、それは本質ではありません。本質は「『生きる意味』を見いだせないこと(見いだしていないこと)」の方です。「自己の存在と意味」を確信していない人、あるいは「生きる意味」がわからないまま過ごしている人は、すでにスピリチュアペインを抱えています。気がついていないだけです。
スピリチュアルペインは「自己の存在と意味がわからないことから生じる苦痛」と考えるべきです(ケースサイド)。そして、その解決にはコーチングが役にたちます(プランサイド)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
では、スピリチュアルペインへの対処は、いつから、どこで、行われるべきでしょうか?
…「スピリチュアルペイン」とは「全人的苦痛(トータルペイン)」のひとつ。他に「身体的苦痛」「心理・精神的苦痛」「社会的苦痛」があります。それらは緩和ケア(医療)での重要な概念です。
厚生労働省のHPで緩和ケアを確認すると、緩和ケアとは「病気に伴う心と体の痛みを和らげること」とあり、「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」が謳われています(下図)。
厚労省HP>…>がん対策情報>緩和ケア より引用
厚労省の定義によると、苦痛の原因は「病気(がん)」であり、その対策(緩和ケア)のスタートは「診断された時」。
前回(L-007)考察したように、スピリチュアルペインは「自己の存在と意味がわからないことから生じる苦痛」であり、人生のかなり早い段階に生じています。老いや病気、死の予期といったものは、スピリチュアルペインの原因そのものではなく、顕在化するきっかけ(縁起)にすぎません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
多くの人は医療や介護の現場で老病死を突き付けられ、突然、実感するのです。スコトーマに隠れ気がつくことがなかった“根源的な痛み”を。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
そのような“根源的な痛み”が生じるのは思春期であると私は考えています。
思春期は感受性がとても豊かな時期ですが、一方で情緒が不安定になりやすい時期でもあります。脳の構造変化やホルモンバランスの変化(身体的理由)、自己探求に伴う現状への不満や将来への不安(心理・精神的理由)、役割の変化や責任の増大に伴うストレス(社会的理由)などがその原因として考えられます。
コーチング用語を用いると、それらは物理的および情報的なコンフォートゾーンの変化といえます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
私自身の体験を振り返ると、認識できる世界(自我)の拡大に対して、その認識を可能とする知識の習得が全然追いつかなかったことが原因だったような気がします。そのギャップが激しい不協和を生みだしました。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html
皆さんはいかがだったでしょうか?
…私の世代でいうと「宇宙戦艦ヤマト」の古代進や「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ、我が子の世代では「ワールドトリガー」の三雲修・空閑遊真・雨取千佳・迅悠一など、アニメの世界で描かれているのは若者たちのスピリチュアルペインの克服です。
ちょうど昨年の今頃は映画「男はつらいよ」の最新作(50作目)が公開されていました。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21034159.html
その作品において、甥の満男が主人公
寅さん(車寅次郎)に「伯父さん、人間は何のために生きているのかな?」と質問するシーンがあります(回想シーン)。寅さんの答えは「あぁ生まれてきてよかったな、って思うことが何べんかあるじゃない。そのために、人間、生きてんじゃねえのか」でした。この時の満男は18歳という設定です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21142618.html
アニメや映画で描かれているとおり、「自己の存在と意味」をめぐる葛藤は思春期にはすでに始まっています。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11301259.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11386276.html
よって、スピリチュアルペインへの対処は、人生の最終段階(end of life stage)での緩和ケアとしてだけではなく、思春期にこそ行うべきです。家庭や学校において。
もちろん、そのためにコーチングがとても役に立ちます。“現状の外”にゴールをどんどん設定していくことで、ブリーフシステムを未来側から作り直すことができるからです。“自分”自身の想像力によって、「自己の存在と意味」を創造することができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
スピリチュアルペインは思春期からはじまっている
…ところが、大人になっていく間に、いつの間にかスコトーマに隠れてしまいます。
(L-009につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076878.html
Q-064~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292583.html
F-122:免疫力をあげる!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21245972.html
-告知-
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参加される皆さんの疑問・質問にもお答えする1年間の双方向(インタラクティブ)オンラインコミュニティの中で、徹底的に「マインドの健康」を追求したいと思っています。
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