L-004:20201月シークレットレクチャー -04;身体と心は○○○○ -後編-

 

20201月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う3回の講義の初回。メインテーマは「スピリチュアルペイン」で、初回のサブテーマは「○○」。

その講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

ぜひサブテーマを想像しながらお読みください(漢字二文字ですw)。スピリチュアルペインやトータルペインは過去のブログ記事でも取り上げていますが、きっと新たな発見に驚くはずです。

 

 01;「全人的苦痛(トータルペイン)」と「4つの苦痛」の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html

 02;身体的苦痛

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24553696.html

 03;身体と心は○○○○ -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html

 04;身体と心は○○○○ -後編-

 

 身体と心は同じものです。身体的苦痛と心理・精神的苦痛も同じ。同じものの抽象度の違いです。

「抽象度(ちゅうしょうど)」とは、情報空間における視点の高さを表すもの。情報量がより少ない次元への視点の移動を「抽象度が上がる」と表現し、反対に情報量が多い次元への移動を「抽象度が下がる」と表現します(詳しくは↓)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 では、「情報空間」とはどのようなものでしょうか?

 

 多くの動物は世界と五感でつながっています。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚です。

脳(特に前頭葉)が発達した人類の場合、さらに言語も含めた6つの情報入力で目の前の世界とつながっています。つまり、私たちにとっての世界とは情報であるということ。

その情報の世界は、情報量の大小で階層化されています。その階層を示す軸が抽象度です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

情報量の大小を軸とすると、宇宙は四角錐のような階層構造をしていると考えられます(下図)。

繰り返しますが、宇宙を情報量の大小で並べ替える軸が「抽象度」です。その抽象度は分析哲学上の概念(Levels of Abstraction)で、認知科学者 苫米地英人博士により日本語訳(造語)されました。


 

宇宙の構造


 

最も情報量が多い(情報空間の)底面が「物理空間」「物理宇宙」です。
 (「物理空間=四角」という意味ではありませんw

身体はこの最下層(物理空間)に存在します。そして、心とは、すべての階層にまたがる情報処理(現象)のことです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14106619.html

 

つまり、「すべてが情報であり、その情報処理(心)の底面(物理空間)への写像が身体である」ということ。身体と心はじつは同じもので、抽象度の違いにすぎません。「情報空間では身体のことを心と呼び、物理空間では心のことを身体と呼ぶ」ということです。

 身体的苦痛と心理・精神的苦痛の関係も同様で、「情報空間では身体的苦痛のことを心理・精神的苦痛と呼び、物理空間では心理・精神的苦痛のことを身体的苦痛と呼ぶ」です。

 

これは「身体と心は強い相関関係を持つ」「心身は密接に結びついている」というデカルト的な見方とは異なります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 

 身体と心は同じものです。

 同じとはいっても抽象度が違います。身体は最も情報量の多い物理空間(という情報空間の底面)に存在し、その物理空間には物理法則という強力な秩序(ルール)が働いています。

情報量が多くかつ厳しい制約があるので、物理次元でのリカバーは決して簡単ではありません。もしも事故等で大けがをしてしまったら、なるべく早く、しかも適切な治療を受けなければなりません。

 

しかし、そんな場合でも「身体と心は同じもの」という認識は重要です。

もしも物理空間の身体だけにフォーカスしてしまったなら(=情報空間の心をスコトーマに隠してしまったら)、「体は回復したけれど心はボロボロ」という状況になりかねません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

身体と心は同じもの

よって、身体だけ、あるいは心だけの健康(well-being)はあり得ないということができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html

 

(L-005につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

Preventable Trauma DeathPTD)」という言葉を御存知でしょうか?

 

 これは外傷診療に関連する医学用語で、文字どおり「防ぎうる外傷死」を減らすことを目的(ゴール)に、救急医療の現場で使われている言葉です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 その一つ上の抽象度には、公衆衛生上の概念である「防ぎうる死(preventable deathsavoidable deaths)」が存在します。「うまく対処していれば死なずにすんだであろう症例で発生した死」の外傷版が「Preventable Trauma DeathPTD)」です。

 

 じつは、2000年頃、日本におけるPTDの割合が高いことが明らかになりました。当時はPTDが外傷死亡総数の30%を超えていたとされています。

その後、外傷診療システム(病院前救護、救急病院の診療体制、病院内での医療チーム、適切な紹介転送と安全な搬送)の構築や関わる医療スタッフの診療技術向上の取り組みが進められ、18%台にまで減少したことが報告されています。

 

過去のブログ記事で、「Preventable Trauma DeathPTD)」をコーチの視点で考察しています。今回の内容とも大いに関連しますので、ぜひ確認してください↓

F-075Preventable Trauma Death

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15833962.html

 

 

-関連記事-

PM-04~:苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076878.html

Q-064~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292583.html

F-122:免疫力をあげる!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21245972.html

 

 

-告知-

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