F-167:アンチ(anti)からウィズ(with)、そしてウェル(well)へ vol.3-2「病」;with-aging

 

 最近、「生命は老いるようにはできていない」「老いは治療できる病である」「もはや老いを恐れることはない」と主張(claim)する衝撃的な本を読みました。読後に医師&コーチとして考えたことをまとめます。

 

vol.1「生」;好きなことだけやる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

vol.2-1「老」;anti-aging <ワーク付き>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24337669.html

vol.2-2「老」;anti-aging

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24402109.html

 vol.3-1「病」;with-aging <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24466811.html

 vol.3-2「病」;with-aging

 

 前回(F-166)の最後に「脳科学は人格を変えられるか?」から引用し、「その意味するところを考えるワーク」を行っていただきました。いかがでしたか?

 

 引用した部分は「幸福になるためにはどうしたらいいのか」。

フォックス教授は「人がほんとうの意味で幸福になれるのは次に述べる三つの要素があわさったときだけ」とした上で、1)ポジティブな感情や笑いを数多く経験すること、2)生きるのに積極的にとりくむこと、3)今日明日ではなくもっと長期的な視野で人生に意義を見出すこと の3つを挙げていました。

 

 

 2)生きるのに積極的にとりくむ」は、シンプルに「高いモチベーション」と表現できます。コーチングを学んでいる人にとってはあたりまえのことですが、じつは、モチベーションとは原因ではなく結果です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 そう、ゴール設定の結果。ゴールを正しく設定できたから、高いモチベーションが生じます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

もっと正確に表現すると、「100%want toのゴールに向かう自然な状態が、はたからみるとモチベーションが高いように感じられる」ということ。本人にとっての“あたりまえ”が「高いモチベーション」であり、その正体はホメオスタシス(恒常性維持機能)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

パーキンソン病の診断後も事実を伏せたまま映画・TVの出演を続けていたマイケル・J・フォックスでしたが、症状が進行するにつれて俳優としての職業上のゴールを失っていきました。「絶望し、浴びるように酒を飲んだ」と後に告白しています。

 しかしながら、マイケルは違う人生の領域に新たなゴールを見つけました。そして、パーキンソン病の研究助成活動に「積極的にとりくむ」うちに元気を取り戻し、俳優としての復帰を果たしました。

 

 これは「ゴール設定後本当にやりたいことだけをやり続けることでまず心が元気になり、その心の変化が写像である物理空間にあらわれて体も元気になった」ということ。

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 もちろん、心の変化で必ず難病が治るわけではありません。しかし、傍から見ると“奇跡”と思えるような劇的な変化が実際におこることも事実。皆さんにもきっと思い当たる経験があるはずです。

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 大切なのは「心の変化」。コーチング用語でいえばブリーフが変わること。そのブリーフの変化を引き起こすための最初の重要な作業がゴール設定です。

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3)今日明日ではなくもっと長期的な視野で人生に意義を見出す」とは、「ゴールの抽象度を上げる」と同義です。それは「心の変化」をもっと大きくかつダイナミックなものにするということ。

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 前々回(F165)、情報空間と物理空間の関係を説明しました。心は情報空間にあり、体は物理空間に(心の写像として)存在します。

そして、ここが超重要なポイントなのですが、「心と体は同じもの」であり情報です。同じものの抽象度の違いであり、そのすべてが情報です。その情報を、情報空間では心といい、底面(物理空間)で体と表現しているだけです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 では、ゴールとして新たにうみだす情報の抽象度が上がるとどうなるでしょうか?

 

 「もっと長期的な視野で人生に意義を見出す」ことがますます可能になります。

そのたびに、人は「本当は思春期以降ずっと抱えているのにスコトーマに隠れ感じられなくなっている根源的な痛み」を克服していきます。

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 その根源的な痛みとは「スピリチュアルペイン」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8293317.html

 

 「スピリチュアルペイン」を克服すると、「身体的苦痛」「心理・精神的苦痛」「社会的苦痛」も解決していくはずです。「全人的苦痛(トータルペイン)」をしっかり克服し、文字どおり“トータルな幸福”を手に入れるのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24321116.html

 

 絶望の中に見つけた希望をゴールにし、ゴールに向かう過程でスピリチュアペインを克服しながら“トータルな幸福”を得る

 

 そんな心の変化を、マイケル自身が米国議会で語っています。1999年の上院予算員会でのスピーチを御紹介します。

 

 ここにいる皆さんの多くは、僕のことを、テレビや映画で御存知かと思います。でも、今日ここで語ることはセレブリティーとは何の関係もありません。僕が初めてパーキンソン病のことを明かしたとき、多くの人は驚きました。1つは、僕がまだ若いことです。

 僕が病気のことを隠していたのは、恐怖、認めたくないという気持ちがあるからでした。それに、黙ってこれを乗り越えようとも思っていました。でも、公にしたときの反響に、僕は感動し、喜びを感じ、インスピレーションを受けました。同じ病気に悩む人々が、僕を勇気づけてくれたり、自身の体験を語ってくれたりしたのです。それは、苦しみ、フラストレーション、そして希望の話でした。

 パーキンソンとの戦いは勝てる戦いです。僕はその勝利のために貢献すると決めました。セレブリティーとして僕ができることは、人々にこの問題に注目してもらい、研究のために必要とされているお金を獲得することです。

 引用終わり

 

 シンプルにまとめると、パーキンソン病発症:恐怖・否定=絶望 →公表後大反響:感動・喜び・インスピレーション=希望 →同病者との交流:病に勝利するための貢献を決意=ゴール(エンドステート;研究資金獲得)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 

 ゴールに向かう過程でスピリチュアペインを克服していったマイケルは、「1)ポジティブな感情や笑いを数多く経験」したはずです。そして、「ゴール設定後本当にやりたいことだけをやり続けることでまず心が元気になり、その心の変化が写像である物理空間にあらわれて体も元気になる」という変化が起こりました。それは「マイケルにとっては“あたりまえ”」だけど「専門家にとっては“奇跡”」といえる変化。

 

じつは、パーキンソン病と診断されたとき、「2000年頃までには俳優はできなくなる」と医師に宣告されていたそうです。ところが、マイケルはそんな悲観的な予想を見事に覆しました。2010年から弁護士ドラマ「グッド・ワイフ」で「神経疾患で運動機能障害を持つ弁護士」を演じ、2013~14年にはついにTVドラマの主演にも返り咲きました(「Michael J. Fox Show」)。

 

私は、フォックス教授が幸福の要素とする「1)ポジティブな感情や笑いを数多く経験すること」は、幸福のための必要条件ではなく、結果だと思っています。ゴール設定後に未来(ゴールの世界)から流れる時間を存分に生きている結果。そして、抽象度を上げたさらなるゴールを目指しつつスピリチュアルペインを克服していく結果です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 様々な研究により、「ポジティブな感情」「笑い」と健康や幸福との相関が明らかになっています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

 当然です。心の元気が自然に「ポジティブな感情」「笑い」としてあらわれるのであり、そんな状態こそが健康や幸福そのものなのだから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859896.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_303640.html

 

 そのように考えると、きっとスコトーマが外れるはず。「老い」や「病」が今までとは違って感じらませんか?

 

 もしも「老い」「病」に明るくあたたかい何かを感じられるのなら、それはより大きなゲシュタルトで再解釈(統合)できていることを意味します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

F-168につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

マイケル・J・フォックス(Wikipediaより)

マイケル・J・フォックス&トレーシー・ポラン(妻)

エミー賞授賞式(1988年)

Wikipediaより引用