Q-166:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?
<コーチング実践者向け回答 vol.6>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
Q:抽象度の高いゴールを達成した自分を想像すればする程、内包するエネルギーは増えますが、臨場感は薄れていき実装化が困難だと思います。
この場合は、それでも高い抽象度のゴールをイメージし続けるのか?
それとも臨場感を感じられる抽象度に落とし込んだ方が良いのか?
或いは、上記両方とも維持した方が良いのか?ご指南頂けると有難いです。
A:私個人の見解ですので、気楽に読んでくださいw
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
初回(Q-159)はコーチング入門者向けに回答し、認知科学者 苫米地英人博士の著書「すごいリーダーは『脳』がちがう 人を動かす3つの条件」(三才ブックス)から引用しました。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23855148.html
その後(Q-160~)はコーチング実践者向けです。博士の著書から引用しながら「臨場感という軸」について再考しています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23925302.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23994082.html
前回までの3回はワーク(Q-162/163/165)。苫米地博士の著書「思うままに夢がかなう
超瞑想法」(PHP研究所)を紹介し、その中の「臨場感を維持するワーク3(スターウォーズ華厳瞑想)」を行いました。オタク度をさらに上げてw
Ⅳ:https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24057233.html
Ⅴ:https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24124167.html
Ⅵ:https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24187449.html
…これまで抽象度と臨場感は全く異なる軸であるとした上で、抽象度を上げつつ臨場感も高めるワークを御紹介してきました。
このシリーズの最後は「実装力(インプリメンテーション)」。
本当にゴールを実現する(P2をRにする)ためには、やはり情報量が必要(鍵)になります。この場合の「情報(量)」とは「知識(量)」のことです。以下、「超瞑想法」より引用します。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19678141.html
最後に必要なのは、物理空間での知識
ここまでの章で、
「情報空間の場の因果関係を
正しく見る
自由自在に見る
強い臨場感を持つ」
超瞑想法を学んできました。
瞑想によって情報場の因果関係を書き換えれば、その情報因果は情報空間から物理空間へと影響を与え、物理空間で現象化します。
情報因果を自らコントロールすることで、世界や自分を思いのままに書き換えることができるのです。
本章では、そうした超瞑想法の最後の仕上げにあたる「インプリメンテーション(実装)」についてお話しします。
私はここまで、「瞑想すれば(情報場をコントロールすれば)、物理空間で現象化する」とお話ししてきました。このプロセスに間違いはありません。ただし、物理空間で現象化するにはひとつの条件があります。
それは「物理法則の制約」をふまえることです。
物理法則の制約がほとんどない場合については、情報因果の影響がスムーズに物理空間へと流れて現象化します。心のトラウマが脳神経の傷となり、病気へと発展していくのは、こちらのケースに当たります。
逆に物理法則の制約が大きい場合は、情報因果を物理空間に落とし込むときに、物理空間での仕上げの作業が必要になります。それが「インプリメンテーション(実装)」です。
インプリメンテーションを行うことで、あなたが超瞑想によって作り上げた壮大な情報因果宇宙が完成され、この世界や自分が思い通りに動き出します。
情報因果を物理空間に実装するとき、不可欠なのは知識です。
その知識とは、物理法則に関する知識だったり、何かものを作るための知識だったり、人間社会の仕組みに関する知識だったり、物理空間の事象に関わる広範で専門的な知識です。
超瞑想力は、物理空間のインプリメンテーションとセットになってはじめて、この世界や自分を書き換えるための圧倒的なパワーを持つのです。
引用終わり
…過去のブログ記事で「潜在的情報量と物理空間の関係」について触れました。絵にするとこんなイメージです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23177616.html
…緑色の逆円錐で示されているものは潜在的情報量です。潜在的情報量が最も少ない(=具体的情報量が最も多い)抽象度0の次元が物理空間(赤枠の平面)ですので、逆円錐の頂点は物理空間上に存在すると考えることができます。
引用した苫米地博士の説明と合わせて考えると、逆円錐の頂点を物理空間にしっかり結実させる(存在させ続ける)ことが実装化(インプリメンテーション)であり、その鍵が知識だといえます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html
人間は目の前の世界をゲシュタルトとして認識しています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
よって、抽象度を上げてより大きなゲシュタルトをつくりだすことが重要になります。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html
より大きなゲシュタルトができあがると理解が深まり、「対象の本質をとらえること」が可能になります。その具体例についてQ-063(「ゲシュタルトができあがると理解が深まる」とはどういうことでしょうか?)で取り上げました↓
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628437.html
私たちが最初に手にするのは、断片的な一つひとつの知識です。
その断片的な知識が蓄積されていくと、そのうちに知識同士がひとまとまりになって繋がり、一つの認識になります。それが「知識のゲシュタルト」です。
そして、その知識のゲシュタルトの量に比例して、人は様々な問題を多角的に深く考察し解決することができるようになります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19678141.html
問題(ケース)を発見する洞察力やその問題を解決する適応力(プラン)が磨かれるからです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12658417.html
苫米地博士はさらに、著書「グレインサイズの高め方」(フォレスト出版)の中で、新たなキーワード「グレインサイズ」について言及されています。
グレインとは小麦や米のような粒で表現される穀物を指す言葉です。例えば「1+1=2」という知識は、「数」「足し算」「算術記号」等の概念を含んでいます。そうした概念がひとかたまりになって知識のグレインとなっています。
私たち人間の脳には知識のグレインが大量に詰め込まれており、そのグレイン(=知識の粒)を動かすことによって、思考したり、判断したり、行動したりしています。
そのグレインサイズは「脳の並列処理」と「タスク・認識の抽象度」を同時にあらわす概念です。
じつは、グレインサイズは大きければよいというわけではありません。「それぞれの知識に応じて最適なサイズがある」と苫米地博士は指摘されています。最適化されたグレインサイズを上手く動かしてはじめて、効率的な思考や行動が可能となります。
しかしながら、人の脳の中のグレインサイズは、必ずしも最適化されてはいません。無駄が多かったり、本来必要な処理が欠けていたりします。例えば「余計なことを考える」「うっかり忘れる」というように。
まとめると、
1)
まずは大量の情報(知識)を手に入れ、より大きなゲシュタルトをつくり続ける
2)
その一方で、知識のゲシュタルト(グレインサイズ)をタスクに合わせて最適化する
…私は、1)&2)を同時に実行することが実装化(インプリメンテーション)の秘訣だと思っています。
(タスクとは「ゴール実現のためにやるべき具体的なこと」。エンドステート、コース・オブ・アクションなど、下記ブログ記事で確認してください↓)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html
では、このシリーズの仕上げとして、SWから実装力(インプリメンテーション)に関連する話を紹介します(スターウォーズ華厳瞑想w)。
ジェダイになるための修行をお願いするルークに対して、ヨーダは「今ではなく未来ばかりを見ている」と諭し断ります(EpiⅤ)。ヨーダは何を思ったのでしょうか?
ヒントはこの会話の中にあります。
Luke:I’m not afraid.
Yoda:You will be.
You will be.
…ルークが「何も恐れない」と言えたのは何も知らないから。ダークサイドについても、シスについても、そしてベイダーの実力やじつは父親であるという事実についても。
つまり、ヨーダは、知識がなく(足りず)スコトーマが生じていることを問題視しました。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
知識は、ゴールのイメージ(I)を現実化(R)するために、つまり実装化(インプリメンテーション)のために、絶対に必要なものです。
いくらうまくゴール設定ができたとしても、知識がなければ(足りなければ)いつまでも「今ではなく未来ばかりを見ている」まま。それではゴール達成(実装化)はできません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
…しかしながら、SWの世界において、父をジェダイに引き戻し、宇宙をシスから救ったのはルークでした(EpiⅥ)。
その後、ジェダイ再興を目指したルークは、銀河中から「神聖な書(The sacred Jedi texts)」を探しだします。苦労して集めた「知識」を、なんと、霊体となってあらわれたヨーダが焼き払ってしまいます(EpiⅧ)。
Yoda:Skywalker,
still looking to the horizon. Never here, now, hmm? The need in front of your nose.
ゴールをイメージすること(未来)は楽しくできるのに、物理空間での実装(現在)は辛く感じてしまうという人は少なくありません。だからといって、ゴールのコンフォートゾーン(CZ)に留まるだけで行動しないことはただの“現実逃避”です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html
ポイントは、一方で大量の情報を求め続けながら(looking to the
horizon)、その一方で知識をその都度最適化していくこと(The need in front of
your nose)
…それがルークとの縁でヨーダが得た智慧のはずです。そして、それこそが実装化(インプリメンテーション)の秘訣といえます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
以上で、「…それでも高い抽象度のゴールをイメージし続けるのか?
それとも臨場感を感じられる抽象度に落とし込んだ方が良いのか? 或いは、上記両方とも維持した方が良いのか?」という御質問に対するコーチング実践者向けの回答を終わります。
御質問ありがとうございました。
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
いつまでも現状のCZに囚われゴール設定をしない人たちに対して(コーチング入門者向け)、あるいはゴールのCZに留まるだけでなかなか実装しない人たちに対して(コーチング実践者向け)、ジェダイマスター
メイス・ウィンドゥならクールにこう言うのでしょう(EpiⅡ)w
The party’s over.
-追記2-
実装(インプリメンテーション)の最高のお手本を御紹介します↓
F-123~:「I」を「R」に実装する
~苫米地博士によるFederation of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_393431.html
-関連記事-
F-008:SWな一日
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615496.html
F-014:「THE LAST
JEDI」評 ~ネタバレなしversion~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542066.html
I-017:ブログ更新予定変更のお知らせ ~「恐れはダークサイドに通じる」を克服するために~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11594310.html
F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html
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