Q-163:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?
<コーチング実践者向け回答 vol.4ワーク付き>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
Q:抽象度の高いゴールを達成した自分を想像すればする程、内包するエネルギーは増えますが、臨場感は薄れていき実装化が困難だと思います。
この場合は、それでも高い抽象度のゴールをイメージし続けるのか?
それとも臨場感を感じられる抽象度に落とし込んだ方が良いのか?
或いは、上記両方とも維持した方が良いのか?ご指南頂けると有難いです。
A:私個人の見解ですので、気楽に読んでくださいw
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
初回(Q-159)はコーチング入門者向けに回答し、認知科学者 苫米地英人博士の著書「すごいリーダーは『脳』がちがう 人を動かす3つの条件」(三才ブックス)から引用しました。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23855148.html
その後(Q-160~)はコーチング実践者向けです。博士の著書から引用しながら「臨場感という軸」について再考しています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23925302.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23994082.html
…さらに私がお勧めするのが「思うままに夢がかなう 超瞑想法」(PHP研究所)。じつは以前の記事(Q-160)は、この「超瞑想法」を参考にして書きました。書籍の中では、「超瞑想法で重要な3つのポイント」として、「正しく見る」「自由自在に見る」「臨場感を維持する」があげられ、それぞれワークが記されています。
ここでは「臨場感を維持するワーク3」を御紹介します。
-【注意】以下、ネタバレを含みます。映画未視聴の方は御遠慮ください-
引用開始(前回の続き)
架空の世界を使って臨場感を高めよう「スターウォーズ華厳瞑想」
<ワーク>
「スターウォーズ華厳瞑想」は、お経と同じく、ひとつひとつのシーンに描かれている情報に意識を向けて、臨場感を強めることが大切です。特に、物語の背後にある華厳の世界観に留意する必要があります。
強い臨場感を維持したまま瞑想することができれば、「あなたの情報場」を書き換えることができます。
それでは、「スターウォーズ」の物語の中に描かれている華厳の世界観について、いくつかポイントを挙げてみます。
●フォースとは「心の力」
主人公をはじめとしたジェダイの騎士たちが使う「フォース」という超能力。あれは「心が生み出す力」のことです。
●ダース・ベイダーは「十法界」
帝国軍のダース・ベイダーの描き方。エピソード4~6では彼はフォースの暗黒面に落ちた悪役として描かれていますが、もともとは(エピソード1~3では)心優しき優秀なジェダイの騎士 アナキン・スカイウォーカーでした。彼は、愛するものを守りたいという情動にとらわれた結果、怒りや憎しみに心を支配されてフォースの暗黒面に落ちてしまいます。しかしエピソード6で、息子であるルーク・スカイウォーカーが銀河帝国皇帝に苦しめられる姿を見て、再び善の心を取り戻し、息子を苦しめる皇帝を自らの手で倒します。ダース・ベイダーの中には善の心も悪の心もあり、彼自身がどちらかを選ぶかによって彼の生き方が変わるということであり、それは十法界と同じ考え方です。
●ヨーダやオビ=ワン・ケノービは「観音様」
エピソード4~6でルークを導く存在としてオビ=ワン・ケノービやヨーダが登場します。彼らは物理世界でルークを導くだけでなく、自らが死んだ後も時空を超えてルークに語りかけ、彼を導こうとします。オビ=ワンやヨーダは、いつでも仏陀になれるのに、人々を導くために現世に留まっている観音様のような存在です。
エピソード6の最後のシーンでは、善の心を取り戻したダース・ベイダー(アナキン・スカイウォーカー)がヨーダ、オビ=ワンとともに観音様として登場します。どれだけ悪いことをしても、心を入れ替えれば、すべての人が救われますよという結末は、いかにも大乗仏教的です。
ほかにも、宇宙空間をワープして一瞬でほかの場所へ移動するシーンがありますが、ワープはまさに瞑想のパワーだし、ルークが恐怖に向き合うシーンも仏教的な描き方をしています。スターウォーズが華厳の世界をあらわしている証拠は、挙げればきりがないくらいです。
とは言え、西洋人が作った映画ですから、すべてが仏教的ではありません。
典型的なのが、帝国軍の宇宙要塞 デス・スターが星を丸ごと破壊してしまうシーンや、共和国がデス・スターを破壊してしまうシーンです。まるで天罰のように一気に人を殺してしまうのは、西洋的といえるでしょう。
それを除けば、大筋は仏教的で、華厳瞑想の道具としてはいい映画だと思います。
引用終わり
…このブログでは、さらに抽象度を下げて(オタク度を上げてw)ワークを行います。華厳とともにコーチングの世界観も感じながら取り組んでください。
Ⅳ:https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24057233.html
<ワーク:スターウォーズ華厳瞑想 ~コーチング実践者向けw EpisodeⅤ~>
〇論理を超える
情動と論理と社会的情動(感性)の関係を理解し、自分が今どの状態(レベル)にあるのかを知ること(モニタリング)はとても重要です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18911304.html
情動レベルの代表が「ファイト・オア・フライト」です。その状態に陥るとIQが下がるため、課題をクリエイティブに解決することはできません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html
では、論理のレベルではどうでしょうか?
…EpiⅤでは、帝国の追撃から逃れるためレイアを乗せたミレニアム・ファルコンが小惑星帯に突っ込むシーンがあります。C-3POの「衝突しない確率は3720分の1」に対してハンが言い放ったのが下記の言葉です。
Who cares about probabilities! Never tell me the odds.
…“現状の外”にあるゴールとは、設定の時点では必ず「達成確率0」です。「できるか?できないか?」で考えている限り、本当のゴールは絶対に見つかりません。創造はもちろんのこと、想像すらできないものが本物のゴール。達成確率が低いと思われるものほど、じつは理想的な現状です(例:1/3720をクリアする)。
厳しく感じられると思いますが、ゴールは「達成確率0」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
では、なぜゴール設定ができるのでしょうか?
なぜ0%であるはずのゴール達成を確信できるのでしょうか?
…答えは「コーチがいるから」!
コーチとの縁によりゴールを見つけることができ、その達成を確信できるようになります(エフィカシー)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
〇情報空間・情報場
「確率0」のゴールの設定と確信ができるのは、「すべて情報」だからです。その理をマスターヨーダはこう語りました。
The force is everywhere(どこにでもフォースは存在する).
Here, between you... me... the tree... the rock... everywhere!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23177616.html
〇信じきること=覚悟
「すべて情報」だから、「0」の何かをスコトーマの中から見いだし、実現することができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
その一方で、「すべて情報」であるがゆえに、「確率100%」と思われたものがうまくいかなかったりします。不完全性です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html
大切なのは「信じきること」「覚悟を決めること」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html
…煮え切らない態度のルークに対してヨーダが放った次の言葉は、コーチがクライアントに(主に非言語で)伝える大切なメッセージでもあります。
No!Try not. Do. Or do not. There is no try.
〇セルフトークの重要性
私たちの心の内は言動としてあらわれます。「心の内」とはブリーフシステムのことです。以下、「Dr.苫米地の『脳力』の使い方」(徳間書店)からの引用です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
ブリーフシステムは、本人が信念を持っているかどうかという意識的行動の部分よりも、無意識の活動のほうが重要です。信念という言葉から勘違いしやすいので、押さえておきたいポイントです。
私たちが普段考えずに無意識にとっている行動と判断(Habit&Attitude=行動性向)がブリーフであり、その行動を決めるシステムのことをブリーフシステムと言います。このブリーフシステムは、WORD(言葉)、PICTURE(五感としての画像)、EMOTION(情動記憶)の3つによってつくられます。このすべてがセルフトークに入り、自己イメージがつくり上げられます。
まず、ブリーフシステムが生まれる、もしくは変更されることによって、周囲が変わります。ブリーフシステムを変えることによって金持ちにもなれるのです。
引用終わり
ダゴバの沼底から浮上したXウイングを前にして、フォースを使いこなせないルークのブリーフシステムが言葉になってあらわれます。ヨーダはそんな弟子のセルフトークを聞き逃しませんでした。
Luke:I don’t... I
don’t believe it.
Yoda:That is why, you
fail.
大切なのはブリーフシステムを変えること。
そのはじまりが“現状の外(確率0)”へのゴール設定。そして、その具体的な方法がセルフトークのコントロールです。
〇以心伝心
前回(Q-162)、コレクティブエフィカシーを取り上げました。それは「お互いがお互いのゴール達成能力を認め合い、全員がチーム(組織)のゴール達成を確信している状態」です。ゴールとして生みだした未来を誰もが共有することができるのも「すべて情報」だから。
そのゴールの世界(臨場感空間)の共有&確信が「以心伝心」を可能にします。
ダゴバで修業を続けるルークはハンやレイアの苦境を予見します(以心伝心)。
救出に向かったルークですがダース・ベイダーに敗北し、右手ごとライトセーバーを失います。クラウドシティ(べスピン)の底部で絶体絶命の時、ルークの危機を感じ取ったレイア&チューイがファルコンで駆け付けます(以心伝心
…まだゴールを共有していなかったランド・カルリジアンとの対比が印象的w)。
ルークを救助したもののハイパードライブが起動せず帝国に追い詰められてしまう中、ルークだけがダース・ベイダーの“声”を聞きます(以心伝心
…スカイウォーカーという臨場感空間を共有)。
…映画で描かれるような明確な「以心伝心」ではなくても、「なんとなくわかっていた」「そんな気がしていた」という経験は皆さんにもきっとあるはず。私たちは臨場感空間を共有することで、五感を超えて通じ合うことができます。その一つが「ホメオスタシス同調」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
コーチングとの関連でいうと、臨場感空間を共有するからこそドリームキラーが生まれます。以心伝心→認知的不協和→ドリームキラーです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html
そして、ゴール側の新しいコンフォートゾーンの臨場感が高まるほど、ドリームキラーはやがてドリームサポーターへと変わっていきます。以心伝心→(コレクティブ)エフィカシー→ドリームサポーターというように。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6854056.html
「すべて情報」だから(I)。そして、臨場感(V)が現実(R)を生みだすからです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
(Q-164につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
〇アサンプションアップデート
番外編でもう一つ。
ゴールが決まるとやるべきこと(エンドステート)が明確になります。その実行のために様々な状況や可能性を想定し(アサンプション)、状況の変化に合わせて更新していきます。その更新が「アサンプションアップデート」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html
EpiⅤの冒頭でルークがワンパ(ホスに住む大型獣)に襲われるシーンがあります。これは、じつは、アサンプションアップデート。交通事故で顔に傷が残ったマーク・ハミル(ルーク役俳優)のために、新たに追加された設定だったそうです。
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-告知-
青山龍苫米地式認定マスターコーチと私 CoacH Tとのコラボ企画「Fight Coaching Project(FCP)」がはじまっています(2020年6月~、月額制)。テーマは「マインド(脳と心)の健康」です。
参加される皆さんの疑問・質問にもお答えする1年間の双方向(インタラクティブ)オンラインコミュニティの中で、徹底的に「マインドの健康」を追求したいと思っています。
一緒にさらなる“現状の外”へ飛びだしましょう!
(詳細は下記サイトで↓
FCPのみの受付は終了いたしましたが、青山コーチのコーチングクラブ2020に入会することで視聴できます)
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