Q-162:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか? <コーチング実践者向け回答 vol.3ワーク付き>

 

 御質問をいただきました。ありがとうございます。

 

Q:抽象度の高いゴールを達成した自分を想像すればする程、内包するエネルギーは増えますが、臨場感は薄れていき実装化が困難だと思います。

この場合は、それでも高い抽象度のゴールをイメージし続けるのか?

それとも臨場感を感じられる抽象度に落とし込んだ方が良いのか?

或いは、上記両方とも維持した方が良いのか?ご指南頂けると有難いです。

 

A:私個人の見解ですので、気楽に読んでくださいw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 初回(Q-159)はコーチング入門者向けに回答し、認知科学者 苫米地英人博士の著書「すごいリーダーは『脳』がちがう 人を動かす3つの条件」(三才ブックス)から引用しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23855148.html

 

その後(Q-160~)はコーチング実践者向けです。博士の著書から引用しながら「臨場感という軸」について再考しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23925302.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23994082.html

 

 

 さらに私がお勧めするのが「思うままに夢がかなう 超瞑想法」(PHP研究所)。じつは以前の記事(Q-160)は、この「超瞑想法」を参考にして書きました。書籍の中では、「超瞑想法で重要な3つのポイント」として、「正しく見る」「自由自在に見る」「臨場感を維持する」があげられ、それぞれワークが記されています。

 ここでは「臨場感を維持するワーク3」を御紹介します。以下、同書からの引用です。

 

 引用開始

 架空の世界を使って臨場感を高めよう「スターウォーズ華厳瞑想」

 <解説>

 お経や聖書にいまいち関心を持てないという人は、マンガや映画を使って瞑想しましょう。

 昔の日本人にはお経は身近なものでした。また、キリスト教の国では今でも聖書はとても身近な書物です。しかし、日本に住む現代人にとっては、お経も聖書も少々縁遠いものかもしれません。

 ならば、自分たちにとってもっとも身近なメディア、たとえばマンガや小説、映画を使って臨場感を強めるのもアリなのです。

 自分や世界を変える力を持っているのは、お経や聖書ではなく、あなた自身の心です。その大原則さえ外さなければ、どんな道具を使って瞑想してもかまいません。

 もちろん瞑想の道具にする小説や映画は吟味しなければいけません。どんな物語を選ぶべきかは、すでにお話ししました。

 たとえば、手塚治虫の漫画「ブッダ」を読めば、釈迦の教えを強い臨場感で瞑想できるかもしれません。

 映画でいえば、個人的におすすめなのは70年代にスタートした大人気SF映画「スターウォーズ」です。「スターウォーズ」が描いているのは、実は華厳の世界です。架空の銀河を舞台にした壮大な物語の中に、釈迦の教えがちりばめられています。

 ここでは「スターウォーズ華厳瞑想」と名づけて、「スターウォーズ」を使って瞑想する際のポイントをお教えします。

 <ワーク>

 「スターウォーズ華厳瞑想」は、お経と同じく、ひとつひとつのシーンに描かれている情報に意識を向けて、臨場感を強めることが大切です。特に、物語の背後にある華厳の世界観に留意する必要があります。

 強い臨場感を維持したまま瞑想することができれば、「あなたの情報場」を書き換えることができます。

 引用終わり(続きは次回に)

 

このブログでは、さらに抽象度を下げて(オタク度を上げてw)ワークを行います。華厳とともにコーチングの世界観も感じてください。

 

-【注意】以下、ネタバレを含みます。映画未視聴の方は御遠慮ください-

 

<ワーク:スターウォーズ華厳瞑想 ~コーチング実践者向けw Episode~

 

〇すべてはゴールからはじまる

 旧三部作(オリジナルトリロジー、EpisodeⅣ・Ⅴ・Ⅵ)の主人公 ルーク・スカイウォーカーは辺境の星 タトゥイーンで農民として生きていました。そんな現状から抜けだしたいと願うものの、いざそのチャンスが訪れても行動できません。創造的回避です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

 ところが、R2-D2C-3POとの出会いとベン・ケノービ(オビ=ワン)の導きにより“現状の外”へのゴール設定を行い、ついに宇宙へと飛び立ちます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

〇ゴールの共有

“現状の外”へ飛びだしたルークは、知り合ったハン・ソロ&チューバッカ(チューイ)とともに帝国の宇宙ステーション デススターからプリンセス レイアを救い出します。R2が隠し持っていたデススターの設計データを解析した反乱軍は、限られた戦力でデススターに挑みます。絶望的と思える状況に立ち向かう力の源は、全員が共有する「自由・平和・フェアネス」というゴール。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 最初は戦いに背を向けたハンでしたが、土壇場で決戦の場にあらわれます。

 立ち去る(=ゴール共有を拒む)ハンに対してhave toを仕掛けなかったレイアは、不完全性を理解していたはず。レイアの配慮でPush-push backを回避できたハンは、絶体絶命のピンチに陥ったルークを自らの意思で救います。ダース・ベイダーの魔の手から。

レイア、ルーク、ハン&チューイのゴールが重なった瞬間です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882703.html

 

 

〇“声”を聞く ~エフィカシー~

 銀河の命運が懸かった最後の攻撃時に、ルークは優しい声を聞きます。

Luke, trust me.

ミッション達成を確信したルークは、照準補助装置を切り、意識を自分がやるべきこと(エンドステート)に集中させます。エフィカシーが結実した自然な集中です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 ところで、皆さんは“声”を聞いたことがありますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_390942.html

 

 “声”の主は、オビ=ワン(他人)ではなく、ゴールを達成した未来のルーク(自分)自身だったのかもしれません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 

〇コレクティブエフィカシー

 後にヤヴィンの戦いと呼ばれる戦闘に勝利した直後の会話です。

 HanGreat shot, kid That was one in a million

LukeI just knew you’d come back.

HanI wasn’t gonna let you get all the credit and take all the reward.

LeiaI knew there was more to you than money.

 

 いずれも相手を全面肯定し、さらにコンフォートゾーンを引き上げるような言葉です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 レイアがハンに語った「more」とは、プロフェッショナルに通じる「more」のはず。高い次元を志向する「more」であり、unrealをrealに変える「more」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268331.html

 

 お互いがお互いのゴール達成能力を認め合い、全員がチーム(組織)のゴール達成を確信している状態 まさにコレクティブエフィカシー!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10542541.html

 

 私はコレクティブエフィカシーこそが高い抽象度のゴールに臨場感を感じる秘訣だと思っています。そして、すべての医療・介護現場でコレクティブエフィカシーが実現することを願っています。医師兼苫米地式認定コーチとして。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20377591.html

 

 (Q-163につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

〇利他心(unselfishness

 もう一つ、EpiⅣからお気に入りのフレーズを御紹介します。

 傷ついたR2-D2を見たC-3POがルークに対して発した言葉です。そこには「指一本でも役に立ちたい」と同じ利他心があらわれています。それは「克己」の鍵となるものであり、コーチの資質ともいえるものです。

 Sir, if any of my circuits or gears will help, I’ll gladly donate them.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23874668.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12645423.html

 

 

〇差別と区別の違い

 番外編としてもう一つ。

レイア救出とデススター攻略の功績を称えられ、ルークとハン&チューイは表彰されます。ところが、チューイだけはメダルがもらえませんでした。子どもながらに「差別ではないのか?」という素朴な疑問を感じたことを覚えています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 

-追記2

 そんな「チューバッカだけメダルをもらえなかった問題」は、42年の時を経て、スカイウォーカー・サーガ最終章「Episode The Rise of Skywalker」で解決しましたw

 

 

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-告知-

 青山龍苫米地式認定マスターコーチと私 CoacH Tとのコラボ企画「Fight Coaching ProjectFCP)」がはじまっています(20206月~、月額制)。テーマは「マインド(脳と心)の健康」です。

 参加される皆さんの疑問・質問にもお答えする1年間の双方向(インタラクティブ)オンラインコミュニティの中で、徹底的に「マインドの健康」を追求したいと思っています。

一緒にさらなる“現状の外”へ飛びだしましょう!

(詳細は下記サイトで↓ FCPのみの受付は終了いたしましたが、青山コーチのコーチングクラブ2020に入会することで視聴できます)

http://aoyamacoach.com/fcp/

 

 

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