Q-159:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?
<コーチング入門者向け回答>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
Q:抽象度の高いゴールを達成した自分を想像すればする程、内包するエネルギーは増えますが、臨場感は薄れていき実装化が困難だと思います。
この場合は、それでも高い抽象度のゴールをイメージし続けるのか?
それとも臨場感を感じられる抽象度に落とし込んだ方が良いのか?
或いは、上記両方とも維持した方が良いのか?ご指南頂けると有難いです。
A:私個人の見解ですので、気楽に読んでくださいw
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
まずはゴールというコーチングにおいて最も重要な概念からいきましょう。
ゴールのポイントは「心から望むものであること」「自分中心を捨て去ること」「現状の外側に設定すること」の3つ。
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さらに私はバランスホイールも重要視しています。
先ほどの3つのポイントを踏まえ、人生のあらゆる領域にバランスよくゴールを設定していきます。例えば、職業、家庭、趣味、健康、ファイナンス、身近なコミュニティへの貢献、社会への貢献、生涯教育、老後、人間関係、精神性など。その一つひとつのカテゴリーに対して、さらにサブゴールを設定していくと、すぐに20個以上になるはずです。
ゴールのバランスホイールを意識することは、セルフヒーリングおよびセルフコーチングの秘訣です(…と私は思っています)。
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「抽象度の高いゴールを達成した自分を想像すればする程…臨場感は薄れていく」と感じるときには、あえてフォーカスしているゴールから離れ、バランスホイール全体を眺めることを試してみてください。下がってるのは臨場感ではなく、じつは抽象度の方かもしれないからです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
不安や怒りなどの情動が原因となり自由なイマジネーションができなくなることは、じつは、よくおこります。その典型的な例がファイト・オア・フライトです。
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html
「抽象度の高いゴールを達成した自分を想像すればする程、内包するエネルギーは増えます」はそのとおり。認知科学者 苫米地英人博士は、よく位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)に例えられます。
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「抽象度の高いゴールを達成した自分を想像すればする程…臨場感は薄れていく」も正解です。抽象度が上がるほど具体的な情報量は減るのですから、臨場感は下がっていきます。一般的には(←「コーチング実践者向け」は次回w)。
その場合には「高い抽象度のゴールをイメージ」はしっかり保持したまま、抽象度を少し下げてサブゴールを設定してください。そのサブゴールに向かう通過点となるサブ2ゴール、さらに具体的なサブ3ゴール…を考えていくと、やがてはやるべきことがはっきりと感じられるはずです。
「はっきりと感じられる」とは「臨場感が高い」ということ。その「はっきりと感じられるやるべきこと」が「エンドステート」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html
ただし、「やるべきこと」には容易にhave to(~ねばならない)が紛れ込みます。
(認識者の心次第ですが)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html
無意識がhave toを感じ取ると、途端に回避が起こります。それも創造的に。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882703.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html
というわけで、エネルギーと創造性を保つためにも、ゴールはあくまでも抽象度の高い次元にしっかりと思い描いたまま、その通過点をサブゴール化し、さらに具体化したエンドステートとして認識していくことをお勧めします。
それはゴールが生みだす未来から過去へと向かう時間の流れを体現することでもあります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
そのためのワークになるのが「夢が勝手にかなう手帳」(サイゾー)です。抽象度の高いゴールのイメージを、徐々に具体化しながらエンドステートやミッション(具体的な行動)に落とし込んでいく感覚が身につきます。
それは「夢をかなえる方程式:I×V=R」の実践練習です。ぜひ活用されてください。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
…以上がコーチング入門者向けの回答です。次回(F-160~)、実践者向けに回答しなおします。
関連する重要な知識を、今回から3回に分けて御紹介します。苫米地博士の著書「すごいリーダーは『脳』がちがう 人を動かす3つの条件」(三才ブックス)からの引用です。
引用開始
重要なのはリアライズドバーチャリティ
リーダーになるということは、他人を引き寄せるということ-。
そのためには、同調能力がカギを握っています。同調能力とは、リーダーの考えや決断を、従わせる者に対してさも自分の考えと同じだと思わせる力です。
例えば、オバマに熱狂した人々は、彼が主張する政策をさも自分の意見と同じだと思って支持しています。イラク戦争の反対、ウォール街の批判、グリーンニューディール……。彼をリーダーへと祭り上げた環境の力が、国民を同調させたのです。
自ら進んで政治家の政策を支持したり、社長の訓示に頷いたり、キャプテンの指示を仰いだりするのも、リーダーに同調すればこそ。
では、どのようにして、自分の考えを他人に同調させられるのでしょうか。
他人を同調させるためには、その人の心(=脳)の中にある「臨場感空間」をコントロールしなければなりません。
臨場感空間?
何だか物々しい……と思われた方もいるかもしれません。しかし、物理的現実世界とは一線を画したこの世界・空間は、皆さんの脳の中に必ずあります。この世界(臨場感空間)があるから、皆さんは生きているのです。
臨場感とは、さもその場に身を置いているような感じのことです。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚……。ある空間に対して、あたかも五感で感じているような感覚を、臨場感を持つといいます。
臨場感は、もともと人間が持っている感覚能力です。この能力のおかげで、人間はさまざまな情報をリアルに感じることができます。映画を観ているとき、自分が映画の世界の中で振る舞っているような感覚に陥ったことがあるでしょう。アクションシーンでは、自分も格闘しているように感じ、ラブシーンでは、相手役と恋愛しているように感じ、雄大な景色のシーンでは、自分もその中にいるように感じる……。これは映画という仮想空間(ヴァーチャルリアリティ)に臨場感を持っていることを意味します。
人間はある世界に強い臨場感を持つと、その世界が仮想空間であってもリアルだと認識し、実際にリアルになってしまいます。
例えば、キリスト教徒が何もしていないのに、キリストが磔にされたときと同じように手から血を流す、いわゆる聖痕現象がそうです。普通に考えればありえないでしょう。刃物などで刺さないかぎり、自分の手から血など流れません。これは信者がキリスト世界に強い臨場感を持つことで、キリスト世界がリアルだと感じたために起こった現象です。仮想空間をリアルだと認識したために、身体がそちらの世界に反応して血を流してしまったのです。他にも、イメージ療法で重い病気が治ったりすることがありますが、同じ現象といえます。
これらは物理的現実世界において、すべての重要な変化は心の中のイメージから始まっていることを意味しています。
人にはそれぞれ自分の心の中でわき上がったイメージの世界があり、それが物理的現実世界に投影されます。「会社を起こす」「お金を稼ぐ」「好きな女性ができる」「戦争が起こる」「地球が滅亡する」……。自分のイメージの世界に臨場感を持つと、それがリアルになっていきます。これを臨場感世界の現実化(リアライズドバーチャリティ)といいます。
臨場感を持った世界(臨場感空間)が、リアルとなる。ということは、その人が持つ臨場感空間をコントロールできれば、その人のリアルをコントロールできることになります。もっといえば、その人に「自分がコントロールされている」とは気づかせずに、その人の行動や考えが、コントロールする人の意のままに動くことになるのです。
(Q-160につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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青山龍苫米地式認定マスターコーチと私 CoacH Tとのコラボ企画「Fight Coaching Project(FCP)」がはじまっています(2020年6月~、月額制)。テーマは「マインド(脳と心)の健康」です。
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