F-156:人間関係リセット症候群

 

 「人間関係リセット症候群」という言葉を御存知ですか?

 

 それは正式な?病名ではないはずですが、ネット上では“病気”のひとつのように扱われています。

 (この場合の“病気”とはゲシュタルトのことです)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 ネット上の情報をまとめると、人間関係リセット症候群は「あることをきっかけにこれまでの人間関係をなかったことにしたくなったり、実際になかったことにしてしまう現象(リセット)」とされています。

 その特徴は「突然リセットする(したくなる)」「すべてリセットする(したくなる)」「リセット後に後悔する」とされ、具体的な行動として「連絡先が変わっても通知しない」「SNSで友達・フォロワーを大量に解消する」「転職や引越しを頻回にする」「転職後は前の同僚とは一切連絡を取らない」「突然音信不通になる」などが挙がっていました。

 (蛇足ですが、「特徴」と「具体的行動」では抽象度が異なります)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 思い当たることはありませんか?

 

 「病気ではない」と書かれているサイトもありますが、そんなサイトであっても「よくないもの」「気をつけるべきもの」といったニュアンスで書かれているようです。「症候群」と書かれていれば、とくに医療・福祉関係者(の無意識)は“病気”として認識してしまうでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html

 

 私自身は病気だともおかしいものだとも思っていません。

認知科学者 苫米地博士に学ぶ私にとって、健康とは「そのときの自分の状況にとって正常な状態」であり、病気とは「情報空間のバグ」「何らかの機能・役割」だからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859896.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045827.html

 

 (そもそも私はWHOの健康の定義自体に複数の誤りがあると考えています)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859828.html

 

 その「自分の状況」をつくりだすものがゴールです。そして、ゴール達成の障害(バグ)が何らかの自己主張としてあらわれているものが病気。

病気がきっかけとなり結果的にゴールに近づくのならば、病気は「(ゴール達成のための)重要な機能・役割」となります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 そもそも人間関係とは“ゴールが生みだす縁起”のことです。ゴールは人生のあらゆる領域に設定するものですので(バランスホイール)、ゴールごとに様々な人間関係があり、ゴール更新ごとにリセットされるものであるといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 だから、「人間関係リセット症候群」はコーチングを実践する者にとっては当たり前のこと。ゴール実現(&再設定→実現)に向かうホメオスタシス活動の一環です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 ただし、「後悔」を感じる場合には注意が必要です。1)本物のゴールではない、2)エフィカシーが下がっている、3)ゴール側のコンフォートゾーンがつくれていない、4)have toが入り込んでいる、5)情動のコントロールができていない といった解決するべき課題があるはずです。以下、簡潔に説明します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

1)     本物のゴールではない

ゴールのポイントは「100%want to」「自分中心を捨てる」「“現状の外”」。加えて私は「バランスホイール」を重視しています。重複しますが「社会性」も重要なポイントです。詳細は下記リンクでどうぞ↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23374441.html

 

2)     エフィカシーが下がっている

エフィカシーとは「ゴール達成能力の自己評価」のこと。つまり、ゴール抜きには語れない概念です。じつはコーチの存在自体がクライアントのエフィカシーを高める縁起となります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

3)     ゴール側のコンフォートゾーンがつくれていない

コンフォートゾーンとはホメオスタシスで維持されるイメージのこと。セルフイメージともいえ、通常は“現状”のことを指します。それは過去の記憶でつくられているブリーフシステムでもあります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

ゴールを達成しているイメージがあり(I:imageimagination)、そのイメージの臨場感が上がると(V:vividness)、不思議なことにそのイメージは“現実化”(R:reality)します。それをプリンシプル化したものが「夢をかなえる方程式 I×V=R」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15096276.html

 

4)     have toが入り込んでいる

have toは強制的動機。want toが建設的動機。そのモチベーションの差は大きく、なんと10年間で756倍の生産性の違いとなります(もちろんwant to756倍です)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

モチベーションはゴール設定の結果生じるもの。ゴールが本物であればモチベーションはいつもwant toのはずですが、じつはそうともいえません。私自身は「FOG」に気をつけています↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

5)     情動のコントロールができていない

「コントロールができていない」とは、人間らしい前頭前野優位ではなく、動物的な大脳辺縁系優位に陥っているということ。その様を「ファイト・オア・フライト」と表現します。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

怒りでいうと、「人間的怒り」「公憤」ではなく、「動物的怒り」「私憤」の状態。ちなみに、その間に論理があります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

前回(F-155)は「怒りと絶望しかありません」というコメントを取り上げました。

私はそのコメントの中に“希望/HOPE”を見いだしましたが、もしも後悔(あるいは不安・怒り・憎しみ)があるのであれば、すぐに(外ではなく)自分自身を見直すべきです。“現状の外”にあるゴールではなく、“現状(それも理想的な現状)”に心が囚われていることに気づくはずです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 

「人間関係リセット症候群(ただし「後悔」はなし)」はコーチングを実践する者にとっては当たり前のことですが、ゴールやエフィカシーといった基本を忘れてしまったら、やがては「絶望」に陥ってしまうのかもしれません。

「絶望」をSWの世界観で表現すると「dark side」。偉大なマスタージェダイの言葉を紹介しますw

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11594310.html

 

 

  Fear is the path to the dark side.

  Fear leads to anger. Anger leads to hate.

  Hate leads to suffering.

 

   恐れはダークサイドに通じる。

   恐れは怒りを招き、怒りは憎しみを、

   そして、憎しみは苦しみを招く。

 

 

 「絶望」や「dark side」を防ぐ(克服する)力となるものはゴールとエフィカシーです。

ゴールの抽象度を高めながらハイエフィカシーを貫くことで、不安や怒りや憎しみを社会にうまく還元していくことができます。それが「社会性」です。

(私は「社会性」のことを“無敵”と表現します)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

 そして、その「社会性」は、ドリームキラーへの“復讐/REVENGE”になるだけでなく、かつてのドリームキラーにとっても“希望/HOPE”へと変わっていきます。

すべては縁起であり自業自得なのだから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6854056.html

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 キーワードは「社会性」。それを違う言葉で言い換えると「利他(unselfishness)」。

 次回(F-157)、医療現場で利他心を感じた一例を御紹介します。お楽しみに。