F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

 

 私は“希望/Hope”という言葉が大好きです。

 

 それは子どもの頃の体験に起因します。私は(のちに)「A NEW HOPE」というサブタイトルがつけられた映画に救われました。

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 情動を伴った体験の記憶は私のブリーフをつくり、「つい“希望/HOPE”を見つけてしまう&見つけようとしてしまう」というハビット&アティテュード(habitattitude)としてあらわれます。

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 “希望/HOPE”と結びつくものが RASのフィルタリングを通過し、それ以外をスコトーマに隠すのです。

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 「なんでそんなに楽観的なのですか?」と聞かれることがありますが、その理由は「無意識が“希望/HOPE”にロックオンしているから」だと思っています。そして、それは医師(&ヒーラー)としてはもちろんのこと、コーチとしての機能に大いに役立っているはずです。

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最近いただいたメールの中に「怒りと絶望しかありません」という言葉を見つけたときも、私は“希望/HOPE”を感じました。それは漠然としたイメージなのですが、なんとか言語化してみたいと思います(なるべくわかりやすくw)。

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 怒りとはエネルギーに満ちた状態でenergetic。対して、絶望とはエネルギーがない状態でno energyです。それらは、エネルギーという視点で見ると、正反対の概念といえます。「怒り」という感情を自覚している時点で(モニタリング)、すでに絶望を克服しています。“今のところ”は(←後述します)。

よって、本当は「怒りと絶望しかない」ではなく、「不協和を怒りとして感じてばかりいる」なのでは?

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 表現を変えると、「どうやってエネルギーを取り戻すか?」ではなく、「取り戻しつつあるエネルギーをどう導くか?」という段階にあるということ。エネルギー枯渇(不足)という問題(過去のケース)から、それをいかにうまく使うかという課題(未来に向けてのプラン)に焦点が移行しているといえます。

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 エネルギーを上手く使う(導く)のに欠かせないのがゴールです。“現状の外”にゴールを設定するからこそ、新たな未来が時間の流れにのってやってきます。

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 その“現状の外”がより高い抽象度次元であるほど、「動物的怒り」は「人間的怒り」に、「私憤」は「公憤」へと変化していきます。

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 「そもそもゴールがない」「ゴール設定を誤っている」「ゴール達成をあきらめかけている」のいずれかの場合、怒りを感じている現状がコンフォートゾーン(CZ)化していきます。そうなると、怒りが解消されることはありません。怒っている状態がCZだからです。

しかしながら、怒りが続くこともありません。ゴールがないままであれば新たなエネルギーや創造性を得ることができず、やがてエネルギーが尽きてしまうからです。解消されることのない「怒り」は次第に「あきらめ」に変わり、再び「絶望」へと堕ちていきます。「怒りと絶望しかない」から「絶望しかない」へと。

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「絶望」とはゴールがないかあきらめている状態(no goals)。だからエネルギーがないのです(no energy)。

ゴール設定がなされていれば、本来「あきらめ」「絶望」にはならないはずです。それでもまだ「絶望」と感じるのならばゴールが間違っています。「間違っている」とは、正しくないとか悪いということではなく、「本心ではない」「自身の自由意思ではない」という意味です。

(そもそも絶対に正しいものなどありません)

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そんな時はまずリラックスしてみましょう。

呼吸を意識しRをゆらがせながら、「本当は自分は何をしたいのか?」「どういう人間になりたいのか?」「自分の存在理由とは何なのか?」などと問い直してみてください。

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 それは思春期から抱えているスピリチュアルペインを克服するばかりか、ヴィーゼルが言う「生きている状態」に戻る大切なプロセスになります。もちろん、見つけた答えが“シン”のゴールです。

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ゴールはあるがなぜか「絶望」と感じてしまうという場合、「じつはゴールをすでに達成している(達成しかかっている)」か、あるいは「エフィカシーが下がっている」可能性が考えられます。前者ならゴールの再設定(&バランスホイール)に、後者ならエフィカシーを上げることに取り組んでください。

(「エフィカシーを上げる方法」は追記で)

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ゴールは未達成でありハイエフィカシーだとしても、「絶望」と錯覚することはありえます。その時はゴール側のコンフォートゾーンをチェックし、アファメーションやビジュアライゼーションで臨場感を高めてください。

24時間(←夢の中でもw)ラベリングをし続けることもお勧めします。

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「ゴール設定→行動→現状が変わる」というプロセスは、自分にとってだけでなく、縁ある人々にとっての“新たなる希望”にもなります。ミラーニューロンの働きで。

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だから、「絶望」を感じた時は、「誰かの希望になれる(なる)という希望」からはじめてください。その希望はやがて夢に育ち、夢はゴール設定することでいつしか“現実”にかわっていきます。そのための知識とスキルが凝縮されているのがコーチングです。

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私はコーチングを、子ども(世代)には生き様とともに、孫(世代)には死に様で、伝えていこうと思っています。希望が満ち溢れる自由でフェアな未来を思い描きながら。

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19678041.html

 

 

 ところで、冒頭で御紹介した「A NEW HOPE」とは、「STAR WARS」の第1作目(EpisodeⅣ)のことですw

映画だけでなく、ドラマ、小説、アニメ、ゲーム、テーマパークなど様々な形で今も拡張し続けるSWの世界は、ジョージ・ルーカスというたった一人の人間のイマジネーションからはじまりました。

 最後に、ルーカスが次世代のクリエイター デイブ・フィローニ(「CLONE WARS」総監督)に贈った言葉を紹介します。この言葉を聞いたとき、私はルーカスの思いをしっかりと受け取っていたことに気づきました。42年前のあの日に。非言語で。

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Remember to make these stories hopeful.

Remember to give that to kids.

Because they really need it.

George Walton Lucas Jr.1944年~) 

 

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 苫米地博士の著書「201冊目で私が一番伝えたかったこと」(ヴィレッジブックス)から「情動を娯楽として楽しみつつ、エフィカシーを上げる方法」を御紹介します。

 

 引用開始

 過去の情動記憶を娯楽として楽しみなさいと言いましたが、ただし注意するべき点があります。それは、情動を思いだすとき、エフィカシーを下げるやり方ではなく、逆に上げる方法を身につけることです。

 最悪なのは、思いだすときに、「あのときの自分はバカだった」とか「自分が許せない」などと過去の自分を否定するようなことを心の中でつぶやくことです。いったん、こういう癖が身についてしまうと、思い出に浸っているときだけでなく、日常のあらゆる局面でエフィカシーを下げるセルフトーク(コーチング用語で自分に対して語る言葉)が出てくることになります。

 情動を娯楽として楽しみつつ、エフィカシーを上げる方法は、自己否定を行うのではなく、「私はあのときベストを尽くした」「私はすごい人間だ」というように、「今-ここ」にいる自分を堂々と肯定する癖をつけることです。そのためには以下の四つのことを心がけましょう。

 

結果論で過去の出来事を評価したり、後悔したりしない。

前頭前野を働かせて、前向きに過去の出来事を評価する。

わざと自分に不利になるように記憶の断片を統合しない。

後悔が無意味であることを前頭前野で理解する。

 

 これらのことを身につければ、どんな不快な出来事でも、過去の情動記憶の反復による堂々巡りの思考の迷路に迷い込むことはないでしょう。

 

  

-関連記事-

F-129~The Sweet Hello, The Sweet Goodbye

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_396235.html

 

 

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