F-152:人事考課

 

 前回(F-153)、「同一労働同一賃金」について感じた違和感を掘り下げました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23454911.html

 

 「同一労働同一賃金」について考えている時期に、ある組織の経営会議に参加する御縁がありました。新たに人事考課を導入するというその組織の目的は、「本当に頑張っている人がちゃんと評価されるため」「職員にやる気をもってもらうため」、そして「職員のやりがいをサポートするため」でした。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

「本当に頑張っている人がちゃんと評価されるため」は前回(F-153)の内容と重複しますので割愛します。

 

「職員にやる気をもってもらうため」はモチベーションに関係しますが、忘れてならないのが「やる気は、原因ではなく、結果である」という事実。もちろん、ゴール設定の結果です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

「やる気」があるからうまくいくのではなく、ゴールに合致しているからwant toの状態でいられ、自然にハイパフォーマンスを発揮できるのです。よく引用されるハーバードビジネススクール(ジョン・P・コッター名誉教授)の研究によると、建設的動機(want to)と強制的動機(have to)の違いにより、10年間で756倍の生産性の違いが生じることが判明しています。

この研究は1980年代にはじまり、1990年代に書籍化されたものです。当時と比べ物にならないくらいテクノロジーが発達した現代においては、さらに大きな差が生じるはずです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 先程はスルーしましたが「本当に頑張っている人」という表現には注意が必要です。本人が「頑張っている」と自覚している場合、have toが入り込んでいる可能性があります。

その場合、止観(瞑想)してwant toを確認できれば問題ありません。その時の「頑張っている」は物理空間の因果に対してであり、マネジメントの話だから。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18576926.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18684707.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14526054.html

 

繰り返しますが、やる気は人の心の内に自然に生まれるものです。内に自然に生まれるのはゴールがあるから。それはゴールの世界(コンフォートゾーン)に向かうホメオスタシス活動(恒常性維持機能)といえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

よって、人事考課の評価基準(モノサシ)となるのは「自身の自由意思で決めたゴール」であり、評価する人は「すでにゴールを達成している未来の自分」であるといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 「自身の自由意思で決めたゴール」を基準にした「すでにゴールを達成している未来の自分(の今あるべき姿)」と「現在の自分(の姿)」とのギャップがエネルギーと創造性の源です。そして、ゴール側の臨場感が高まるほど(ゴール側の自分>現在の自分)、未来のイメージはどんどん“現実化”していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 その臨場感は「すでにゴールを達成している未来の自分」の確信度が生みだします。エフィカシーです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

昇進や昇給など、いわゆる“アメ”でやる気をコントロールすることは、確かに効果を発揮するかもしれません。しかし、その効果は一時的、いつかは必ず破綻します。どこかでhave toになってしまうからです。心からのwant toでなければ、エフィカシーが高くなる(上がる)ことはありません。

ましてや“ムチ”は論外。エフィカシーが低くなる(下がる)一方だから。たとえムチのつもりがなかったとしても、「ダメ。ゼッタイ。」のような強制(矯正)はアウト。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_352303.html

 

 “アメ”や“ムチ”は、かつて“動物”に行われていた調教の手段です。人は“動物”ではなく、マシンでもありません。前頭葉が発達した人類は、「無人運転」「自動運転」のまま一生を終えるわけにはいきません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_369873.html

 

まわりから「頑張っている」と評価されているのはかまいませんが、自分自身の心の中に「頑張っている」があったなら要注意。「努力」や「根性」も同様です。

ゴールが生みだすコンフォートゾーンにホメオスタシスが働く状態は、もはや「うれしい」「楽しい」でさえなく、「あたりまえ」という感覚です。それは心拍や呼吸と同じような「あたりまえ」。意識しなくても勝手にやってしまっている感じです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19980130.html

 

 最後に、「職員のやりがいをサポートするため」について。

 「やりがい」は職員一人ひとりのゴールが生みだします。そして、本当の「やりがい」は高い抽象度次元にあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

そのゴール設定をサポートすることはとても重要で、職員にとっては一生ものの財産になります。決してお金では手に入れられない財産です。なぜなら、スピリチュアルペインを克服するから。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html


職員に「やりがいを持って欲しい」「成長してほしい」「幸せになってほしい」と願う経営者は、ぜひコーチングの導入を決断してください。

やりがいを持ち、成長しながら、ますます幸せになっていく仲間とともに、今はまだ想像すらできない未来を創造する挑戦の日々が始まります。それはみんなの夢をかなえる挑戦です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15096276.html

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 「他人に評価されている」「見張られている」という感覚は、人を不自由にします。その時生まれる権力が「バイオパワー(生権力)」。下記ブログ記事で解説しています↓

 F-061~:バイオパワー(生権力)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292569.html

 

 

-追記2

 スピリチュアルペイン(トータルペイン)と健康の関係について、霧島市(鹿児島県)の「市民健康教育公開講座」でお話しさせていただきました。医療・介護関係者はもちろん、教育関係者にもぜひ知っていただきたい大切な情報です↓

 Q-073~180804医療講演会レポート

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_318161.html

 

 

-関連記事-

F-117~Field of Dreams

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_390942.html