ブログ・シリーズ編

S-04:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!

S-04-17:反求と在身-2;「自分中心」克服のためのワーク

 

問題です。

鏡の中の自分に微笑んでもらうためにはどうすればいいでしょうか?

私の答えは、このシリーズの最後でw

 

 告知(I-038):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22227952.html

 S-04-00(目次):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22305802.html

 

 

 前回(S-04-16)は、吉田松陰の著書「講孟箚記(こうもうさっき)」中の「反求」「在身」という言葉を考察しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23437901.html

 

 

「反求(反りて求む)」の二字、つまり「問題が起きれば自分にその原因がないかと反って考える」というこの語こそ、聖賢たちの書物に無数に書かれている言葉の結論である。「在身(身に在り)」、つまり「すべての問題の根本は自分にある」という語も、同じような考え方である。

天下の事は大小の別になく、この「反求」と「在身」の二語を離れて成し遂げることはできないのである。

 

 

私たちは、日常の生活の中で何か問題が生じると、つい人のせいにしてしまいがちです(他責)。その時に「自分の方に原因があるのではないか?」と省みて(反求)、「自分中心」をやめることが大切である(在身)と松陰は教えてくれています。

では、具体的にはどのように取り組めばいいのでしょうか?

 

松陰が教科書とした「孟子」の中に、そのヒントを見つけました。現代語訳で御紹介します。

 

 

孟子は言った。

人を愛してもその相手がこちらに親しまなかったならば、自分の愛と思いやりがまだどこか足りないのではないかと反省しよう。

人の上に立って指導してもうまくいかないときは、こちらの知恵と考えがどこか足りないのではないかと反省しよう。

人に礼を尽くしても相手からは礼が返されてこないときは、こちらの相手を敬う心がどこか足りないのではないかと反省しよう。

このようにすべて自分の行うことがうまくいかないときは、自分にその原因があるのではないかと考えてみるようにするのだ。

それができれば、自分自身がますます正しくなっていくし、天下のすべてのことも必ず自分の方につき従ってくるようになるだろう。

 

 

孟子は、まず「愛」について語りました。「愛」の中に「自分中心」を抜けだすための大きなエネルギー(可能性)を見たのだと思います。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

じつは私も「愛は、『自分中心』を捨て、抽象度を高めるための大切な縁起である」と考えています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

そこで今回は、「愛」に関連した“「自分中心」克服のためのワーク”を御紹介します。

 

 

ところで、皆さんは結婚や離婚について相談されたらどのように答えますか?

皆さんの家族や親友が悩んでいたら、どのように声をかけますか?

 

私の答えはいたってシンプルです。

結婚しようか迷っている人には「結婚しないほうがいいよ」と、離婚しようか悩んでいる人には「離婚したほうがいいよ」とアドバイスします。

なぜなら、その迷いや悩みの中に「自分中心」が入り込んでいるから。

 

そもそも私は、「結婚」という制度そのものに疑問を感じています。結婚は封建的な価値観や政策的な意図の押しつけであり、そこには生権力(バイオパワー)が生じやすいからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292569.html

 

では結婚したことを悔いているのかというと、決してそんなことはありません。私の結婚は「相手の幸せを願った結果、自由意志で行った自然な選択」だから。もちろん、妻もそう思って結婚してくれたはずです(たぶんw)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 

結婚は100%相手のためにするものです。ヴィーゼル風にいえば、常に相手の幸せに関心を持ち続けること。それが「愛」の当然の帰結のはずです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_318161.html

 

よく「結婚生活は修行のようだ」などと揶揄されますが、そのとおり。ただし、それは“大乗”の修行です。仏教では、自分の悟りのためにする修行を“小乗”といい、衆生の救済を目的とすることを“大乗”といいます。その2つの違いは抽象度にあります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

結婚は「相手の役に立つことを考え続け、(相手の)ニーズを満たす」こと。それは“大乗”のはじまりです。「自分中心」を捨て、100%「相手中心」で生きることが結婚生活といえます。

その“大乗”に取り組む日々の中で、私たちは少しずつ「自分中心」を克服していきます。まるで「I」と「YOU」が一体化し「WE」へと育っていく感じ。それは「自分」が拡張していくことであり、「人間形成」といえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

その「自分」が拡大する感覚が身につくと、他の社会的な生活もうまくいきはじめます。

結婚生活だけでなくすべての人間関係において、相手のニーズを満たすことを自然に考えるようになるから。ほとんどの人間関係において、良い関係を築くことができるはずです。

 

人生のすべてのゴールにおいて、必ず人間が介在します。相手が存在します。縁起だから。

その相手のニーズを満たしハッピーにすることができるからこそ、ゴールを次々と達成することができるようになります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

自分自身がますます正しくなっていくし、天下のすべてのことも必ず自分の方につき従ってくるようになる」という孟子の言葉は、その様子を言い表しています。

 

すべての人間関係の基本は「相手のニーズをどのようにして満たすか?」です。そして、それが人生のゴールを達成する鍵といえます。

 

本気で人を愛し、「自分」を拡大していく

それが孟子が説く“「自分中心」克服のためのワーク”です

 

あらためて取り組んでください。まずは最も身近な人に対してから。

 

 

 以前、このような話を行ったときに、とてもシリアスな質問をいただきました。次回御紹介します。

 

 (S-04-18につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 20109月に福岡で開催されたセミナーで、私はルー・タイス氏に初めてお会いしました(そして、それが最後になりました)。

 先程「本気で人を愛し、『自分』を拡大していく」と書いたとき、ルーさんの姿が思い浮かびました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

「本気で“人”を愛する」ことは、元祖コーチが自ら実践し示していた“「自分中心」克服のためのワーク”でもあります

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/16799778.html

 

 

-関連記事-

F-049~:同じ人間なのだから診れるだろう

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_268336.html

 

 

-参考書籍-

苫米地英人コレクション3

「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(開拓社、復刊版)

 

 

孟子(Wiki.)

孟子

Wikipediaより引用