ブログ・シリーズ編

S-04:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!

S-04-12:本当の幸せを感じられない理由 -2

 

問題です。

鏡の中の自分に微笑んでもらうためにはどうすればいいでしょうか?

私の答えは、このシリーズの最後でw

 

 告知(I-038):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22227952.html

 S-04-00(目次):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22305802.html

 

 

私は「うつ病のはじまりはゴール設定のミス」だと思っています。ゴール設定に失敗した結果、「幸せでない状態」に陥っているのがうつ病の正体のはずです。

医師でもある私がそんな発言をすると、多くの反論・異論をいただきます。しかし、「うつ病の人はハッピーではない」ということには同意していただけます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

では、どうすればうつ病の人はハッピーになれるのでしょうか?

 

 

私はかつて精神科が主体の病院の院長を務めていました。そのため、私自身は内科医ですが、地元保健所が主催する精神科病院・クリニック院長が集まる会議に毎回参加させていただきました。

ある年の会議中、とても印象深い出来事がありました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15110477.html

 

会議のテーマは「自殺者を減らすためにはどうすればいいか?」というもの。

うつ病は自殺の重要な危険因子と考えられています。よって、精神科医の集まりでは、当然のように、「自殺を減らす」=「うつ病を減らす」というロジックで話しあわれます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11613757.html

 

重たい雰囲気の中、ある精神科病院の院長が「外来に来るうつ病患者さん達と話していると、『この人達には薬を渡すより、お金を渡した方が効果があるのではないか?』と思うことがよくある」と発言されました。

県職員の方々は爆笑していましたが、他の院長達は全く同感だと言わんばかりにうなずいていました。苦笑しながら。

 

では、お金を渡せば本当にうつ病の人達はハッピーになれるのでしょうか?

 

私はそうは思いません。

 

誰もが幸せに関する自分なりのイメージを持っているはずです。例えば、「お金があることが幸せ」「子供がいることが幸せ」「仕事が楽しいことが幸せ」「恋人がいることが幸せ」等々。

そうしたイメージがあるために、現実世界でお金がない自分、子供がいない自分、仕事が楽しくない自分、モテない自分に対してイライラが生じてしまいます。認知的不協和です。

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そんな状況(認知的不協和)が続けば、やがては疲弊しながら自身を不幸だと感じるようになるでしょう。不幸が(無意識下で)コンフォートゾーンになってしまう感じです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

コンフォートゾーンの外はスコトーマに隠れて認識できません。本当はいいことも明るい兆しもたくさんあるはずですが、「私は不幸だ」というセルフイメージを肯定する情報しかRASを通り抜けなくなります。それは文字どおり“悲観”の状態。そして、うつと呼ばれる状態に陥っていきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

この場合、解決方法は2つあります。

 

ひとつは「物理的現実世界を直接変える方法」です。

先の例えでいえば、たくさんのお金を手に入れたり、養子縁組をして子供を迎え入れたり、やりがいのある仕事を見つけたり、理想的な人物と恋に落ちればよいのです。

 

ちょっと待った。それができないからうつになるのだろ!」と思った方はいませんか?

 

もちろん、そのとおりです。

物理的現実世界を直接変えるのには大変な知恵と労力が必要になります。物理空間に働く厳しい因果律をしっかりマネジメントする必要があるからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14526054.html

 

ある精神科病院長の「うつ病患者さんにはお金を渡した方が効果があるのではないか?」は、この物理次元での対処法です。お金(予算)をどうやって準備(確保)するか? 必要性(妥当性)をどうやって判断するか? 他とどのように整合性を採るか? フェアネスをどのようにして担保するか?等々、問題山積みです。

 

仮に渡すことができたとしても、どれくらい渡せば満たされるのかがはっきりしません。その患者さんが「一億円ないとハッピーじゃない」と思い込んでいれば、100万円や1000万円をあげたところで決して幸せにはなれないでしょう。

 

 さらに言うと、お金だけでは必ずしもハッピーにはなれないことはすでに明らかにされています。過去のブログ記事(F-026)で御紹介したとおり、お金(年収)と「人生の満足度(life evaluation)」「感情面での幸福度(emotional well-being)」との関係を調査した米パデュー大学心理学部の研究によって、「収入が一定額以上に達した場合、それ以上増えたとしてもその人の幸福度が高まるわけではなく、むしろ低下する」ことが判明しています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

 

 (S-04-13につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 お金だけでは必ずしもハッピーにはなれない

 

 かつての辛い体験は、その事実を私に厳しく教えてくれました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7555985.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7556082.html

 

 

-参考書籍-

苫米地英人コレクション3

「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(開拓社、復刊版)