Q-147:191019/20 鹿児島セミナーレポート
-04;心と身の関係
2019年10月に、鹿児島県鹿児島市(191019)と霧島市(191020)で、一般向けのコーチングセミナーを開催しました。両会場ともテーマは「万全の心身で“今”を生きる」。
ぜひ「人生の最終段階(End of Life Stage)でのゴール(機能・役割)」についてイメージしながら読み進めてください。
01;セミナー概要
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22818842.html
02;「未来からの時間の流れ」~未来をうみだすものは?
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22896681.html
03;「時間の流れにのる」~時間の流れにのった結果、到達するのはどこ?
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22979265.html
04;「万全の心身」~心と身の関係は?
05;「万全の心身」~心身が万全(=健康)とは?
06;「“今”を生きる」~“今”とは?
07;「“今”を生きる」~生きるとは?
08;「“今を生きる」~“今”を生きるために必要/重要なことは?
04;「万全の心身」~心と身の関係は?
セミナーのテーマは「未来からの時間の流れにのって、万全の心身で“今”を生きる」。
時間の流れの源である未来をうみだすものはゴール。その流れにのった結果到達するのは「空(くう)」のはずです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html
次に「万全の心身」について考えましょう。まずは心と身の関係から。
私の母校である鹿児島大学医学部には心身医療科があります。じつは日本の心身医学の草分け的存在で、その誕生は九州大学に続いて第一内科(当時)に心身症グループが立ち上がった40年以上前までさかのぼります。
現在でも心療内科の講座と診療科の両方がある大学は、九州大学、東京大学、東邦大学、関西医科大学、そして鹿児島大学の5大学のみということですから、私はかなりラッキーな学生だったといえます(さらに当時国立では2校にしかなかったリハビリテーション科もありました)。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5306438.html
医療の現場にいると日々痛感しますが、日本の医療は西洋哲学がベースになっています。
「存在があり、関係が生まれる」というその根底にある考え方を医療に当てはめると、「病があり、それを診断し治療する」という感じです。
「病が“ある”」「体が“ある”」といえるのは、(あたりまえと感じるでしょうが)「物理空間が“ある”」ことが大前提になっています。
ルネ・デカルト(1596~1650年)に代表される物心二元論(実体二元論)は、「この世界にはモノとココロという本質的に異なる独立した二つの実体が“ある”」というものです。実体とは「他の何にも依らずそれだけで独立していて存在しうるもの」のことで、アプリオリ(ア・プリオリ)と表現されます。
物理空間に実在する体と、体とは別にどこかに存在する心が、「強い相関関係をもつ」というのが心身医学(心療内科)の根底にある考え方です。それを心身相関と表現します。体と心が別々のものであるという大前提のもと、体を対象にしているのが心療内科で、心を対象としているのが精神科です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13958654.html
不完全性定理や不確定性原理が証明された現代においては、「神が創造した完全なる宇宙では始まりにすべてが決まっている。そして、その初期値と連続する因果の当然の帰結として現在の個々の思考や行動がある」という西洋哲学の因果律は完全に崩壊しました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html
「病が“ある”」「体が“ある”」ことを真とする「物理空間が“ある”」という大前提が崩れたのです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html
では、心と身(体)の関係について、どのように考えればよいのでしょうか?
…そのヒントとなるのが、前回(Q-146)御紹介した「宇宙の構造」です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22979265.html
情報量の大小を軸とすると、宇宙は四角錐のような階層構造をしていると考えることができます(「物理空間=四角」という意味ではありませんw)。その軸のことを「抽象度(Levels of Abstraction)」と呼びます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html
最も情報量が多い宇宙の底面が物理空間(物理宇宙)です。もちろん、身体はこの最下層(物理空間)に存在します。そして、心とは、すべての階層にまたがる情報処理(現象)のことです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14106619.html
つまり、「すべてが情報であり、その情報処理(心)の底面(物理空間)への写像が身体である」ということ。心と身、心と体は同じもので、抽象度の違いにすぎません。「情報空間では体のことを心と呼び、物理空間では心のことを体と呼ぶ」ということです。
それは、「心と体は強い相関関係を持つ」「心身は密接に結びついている」というデカルト的な見方とは全く異なります。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5306445.html
心と身(体)は同じもの
…よって、心だけ、あるいは身体だけの健康というものはあり得ないといえます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859675.html
(Q-148につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
「心と体は同じもので抽象度の違いにすぎない」のと同様に、「わたし」と「あなた」も同じもので抽象度の違いにすぎません。その理解が「本当の幸せ」を得る鍵となります。
シリーズ編第4弾で取り上げます(目次はこちら↓)。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22305802.html
-追記2-
「わたし」と「あなた」が違うことを前提に、「わたし」の利益を最大化しようとする考え方が「ゲーム理論」です。それは釈迦が説く「縁起」とはまったく異なります。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14401412.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html
今回取り上げた心身の捉え方の違いは、ゲーム理論と縁起の違いと同様に“まったく異なるもの”です。ヒーラーとしてはもちろん、コーチとしての技量も左右する、とてもとても大切な知識といえます。
-関連記事-
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F-038~:「若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ♪」
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F-129~:The Sweet
Hello, The Sweet Goodbye
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_396235.html
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