Q-146:191019/20 鹿児島セミナーレポート
-03;時間の流れの行き着くところ
2019年10月に、鹿児島県鹿児島市(191019)と霧島市(191020)で、一般向けのコーチングセミナーを開催しました。両会場ともテーマは「万全の心身で“今”を生きる」。
ぜひ「人生の最終段階(End of Life Stage)でのゴール(機能・役割)」についてイメージしながら読み進めてください。
01;セミナー概要
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22818842.html
02;「未来からの時間の流れ」~未来をうみだすものは?
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22896681.html
03;「時間の流れにのる」~時間の流れにのった結果、到達するのはどこ?
04;「万全の心身」~心と身の関係は?
05;「万全の心身」~心身が万全(=健康)とは?
06;「“今”を生きる」~“今”とは?
07;「“今”を生きる」~生きるとは?
08;「“今を生きる」~“今”を生きるために必要/重要なことは?
03;「時間の流れにのる」~時間の流れにのった結果、到達するのはどこ?
セミナーのテーマは「未来からの時間の流れにのって、万全の心身で“今”を生きる」。
時間の流れの源である未来をうみだすものはゴールです。その流れにのった結果到達するのは…
その前に、まずは「宇宙の構造」について考えてみましょう。
過去のブログ記事でも取り上げているとおり、現代分析哲学(存在論)は「宇宙の構造」を解き明かしました。情報量の大小を軸とすると四角錐のようなイメージです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14106619.html
私は、コーチングの際はもちろんのこと、ヒーリングや医療・介護においても、「宇宙の構造」を体感しながら行う(受ける)ことがポイントになると思っています。
生命(現象)とは、情報空間と(情報空間の底面である)物理空間に、同時かつ連続的に存在しているものだからです。「宇宙の構造」を意識しながら生命現象を定義すると、情報が物理空間に写像としてあらわれた瞬間が「生」であり、物理空間に存在し得なくなった瞬間が「死」であるといえます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html
理解の鍵になるのが「抽象度(ちゅうしょうど、Levels of
Abstraction)」という概念。
実在するものはもちろんのこと、(実在はしていない)概念だけのものもすべて、抽象度により階層化された「宇宙(の構造)」に分散的かつダイナミックに存在しています。
例えば、我が家の「さくら」は、物理空間では11歳の具体的な存在ですが、ひとつ上の抽象度の階層では「ラブラドールレトリーバー」という抽象的な概念に変わります。更に上位の抽象度に上がるごとに
→「犬」→「哺乳類」→「動物」→「生物」→…となります。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html
このように「宇宙」は階層化された概念の集合です。
下位の階層に降りる(「抽象度が下がる」「抽象度を下げる」)ほど情報量が増え具体的になります。「犬」→「ラブラドールレトリーバー」→「さくら」というように。
反対に、上位の階層に上がる(「抽象度が上がる」「抽象度を上げる」)ほど情報量が減り抽象的になっていきます。「犬」→「哺乳類」→「動物」というように。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html
…イメージできたでしょうか?
イメージができたら、今度はその構造に心理学者 アブラハム・マズロー(1908~1970年)の「欲求階層説(自己実現理論)」のイメージを重ねてみましょう。
マズローは「人間は自己実現に向けて絶えず成長する生き物である」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化しました。
1)自己実現の欲求(Self-actualization)
2)承認(尊重)の欲求(Esteem)
3)所属と愛の欲求(Social needs/Love and belonging)
4)安全の欲求(Safety needs)
5)生理的欲求(Physiological needs)
…です(下図)。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html
欲求階層説(自己実現理論)
Wikipediaより引用
認知科学者 苫米地英人博士は、この「欲求階層説」について、「人間の欲求が、最も抽象度の低い物理空間(脳幹レベルの欲求)から、しだいに抽象度の高い情報空間(前頭葉レベルの欲求)へと段階的に上がっていくことを説明したものだ」とコメントされています。
つまり、これが「人間形成」の階梯であり、その本質は「抽象度を上げること」であるということ。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html
最後に「エントロピー」を考えましょう。
エントロピーとは、簡単にいうと、「物事の乱雑さの度合い」です。一般的には「時間の経過とともにエントロピーは増大する」と考えられています。「コーヒーにクリームを入れたら徐々に混ざっていく」「ガラスの花瓶が落下したら粉々に砕け散る」ようなイメージです。シンプルに表現をすると、「エントロピーの増大」とは「秩序→混沌(混乱)」。
英国の天文学者
アーサー・エディトン(1882~1944年)は、この性質を「時間の矢(Arrow
of Time)」と表現しました。それは「時間は過去から未来に向けての一方向にしか進行することがない(非対称性)」という意味で、先程の例えでいえば「クリームが混ざったコーヒーからクリームを取り出すことはできない」「粉々に砕け散ったガラスから元の花瓶は復元できない」という感じです。
抽象度でいえば、上位から下位の階層への一方向にしか進むことができず、元(下から上)へは戻れないということ…
…ところが、先程の「欲求階層説」で示されているとおり、人は時間の経過とともに抽象度の階層を上がっていく存在です。その「混沌(混乱)から秩序に向かう」体感を言葉にすれば、「時間の流れにのって進化・向上し、竟(つい)に宇宙のトップに到達する」という感じでしょう。もちろん、そのトップとは「空(くう)」のはずです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html
(Q-147につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-関連記事-
Q-064~:認知的不協和と頭痛(ヒーリングとコーチングの関係)
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292583.html
F-038~:「若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ♪」
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_268333.html
F-044~:笑顔のままお亡くなりになった患者さんから学んだこと
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_268334.html
F-129~:The Sweet
Hello, The Sweet Goodbye
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_396235.html
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