F-143:不要不急 vol.4;レジリエンスをコーチング理論で考える <ワーク付き>

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため、今春(2020年)、日本中が自粛ムードに包まれました。にぎわいが消えた町の様子はまさに「沈黙の春」のよう。自粛期間中、よく耳にしたのが「不要不急」という言葉でした。

その「不要不急」について考えてみたいと思います。シリーズでお届けします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22636357.html

 

vol.1;重要度と緊急度 <ワーク付き>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22705015.html

 vol.2;「不要不急」や「重要緊急」を決めるもの

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22775911.html

 vol.3;レジリエンス <ワーク付き>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22878502.html

 

前回(F-142/vol.3)のワークはどうだったでしょうか?(事例は上記リンク記事で確認してください↑)。

Q1:大前提となる「ゼロトラスト」は?

Q2:各フェース(①~④)での取り組みを考えてください

    Normal Operations ←継続的なモニタリング  第二領域「重要不急」

    ShockCascading ←最低ラインの確保          第一領域「重要緊急」

    Recovery Phase ←準平常ラインの設定           第一から第二領域への移行期

    Restoration Phase ←さらに高いラインに回復 第二領域「重要不急」

 

 

 最初に重要な事実をお伝えします。それは「この世に“絶対”はない」ということ。唯一正しい答えなど存在しません。それは西洋哲学では不完全性、東洋哲学では縁起を突き詰めることで理解することができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 「“絶対”はない」ということは、「どんなに完璧に思える答えであっても必ず改善の余地がある」ということ。それは「明日はもっとよくなる」という希望となりますが、一方で「思考をやめてはならない」という戒めでもあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

 前回ワークの事例でいえば、知識や経験が豊富であるほど“正しい”答えを見つけることはできますが、その一方で“新しい”答えを見つけることが困難になります。知識や経験はスコトーマを外すために必要ですが、その知識や経験自体が新たなスコトーマを生みだすからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879896.html

 

 それでは医師でもある私の回答を提示します。

A-1:大前提となる「ゼロトラスト」とは、「必ず転倒・骨折事故はおこるという認識」です。

A-2:各フェースごとの取り組みはこんな感じでしょう

    転倒ハイリスク者の選別・観察(見守り、声掛け)、補助具の活用・工夫やリハビリ、不穏・不眠に対する薬物治療の減量調整、衝撃吸収マットやパット付き下着の使用

    出血性ショック対策(止血、補液、抗血小板剤中止等)、固定、開放骨折なら感染対策、鎮痛処置

    鎮痛処置、家族への報告、専門医治療(手術等)、回復期リハ、再転倒予防

    RCARoot Cause Analysis)等による分析と再発予防の取り組み、職員間の情報共有、他病院・施設との情報共有、新たな取り組みの検討、身体拘束に係る業界の常識への挑戦

 

 う~ん、カタイですねw

 この生真面目感からスコトーマが生まれてしまいます。一般の方々はもちろんでしょうが、専門職であっても(むしろ専門職であるがゆえに)気楽には話せない(議論できない)ものです。とくに「ネガティブな話題」に関しては。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19980130.html

 

 だからこそ、ゴールを共有し、そのゴールに向かってお互いにスコトーマを外しあうことが重要になります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18223018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18340276.html

 

その実現のために、コーチングやマインドに関する知識とスキルがとても役に立ちます。

医療・介護現場にどんどんコーチングがひろがっている未来を思い描きながら、私はコーチとしての活動を続けています(Fight Coaching Project!)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 それではレジリエンスに戻りましょう。前回はレジリエンスの大前提「ゼロトラスト」と各フェースの流れを御紹介しました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22878502.html

 

 

レジリエンスカーブ(191104バラだん)

「バラいろダンディ」(東京MX2019114日放送回)より引用

https://www.youtube.com/watch?v=CZyGvCXnCGI

 


 上の図のとおり①→②→③→④と進めていくわけですが、もしもコーチングを実践していれば(クライシスに関係なく)①→④を実現することができます。反対にいえば、コーチングの知識とスキルなしでは②→③を経ずに④に到達することは難しいはずです。

 現状のコンフォートゾーン(CZ)が強力・強大な壁を生みだすから。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

過去の記憶でつくられたCZの外は認識することができません。仮に認識できたとしても、すぐに強力なホメオスタシスフィードバックが働き「いつの間にかもとどおり」になります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

現状のCZがうまくいっている(悪くはない)場合、あえて現状を壊す必要を感じないばかりか、そのCZを頑なに守ろうとしてしまいます。既得権益ほど。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628746.html

 

ところがクライシスの場合、無意識はそれまでのCZから外れてしまったように感じます。それも下向きに(②)。すると、ホメオスタシスフィードバックにより①へと向かう力が自然に働き、何とかCZに戻ろうとします。それは認知的不協和を解消しようとする心の働きともいえます。
 これまでの
CZの下限である③に到達すると、その不協和は徐々に消え失せていきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 不協和を感じている間に、スコトーマが外れて得た新たな気づきを上手くゴールに結びつけることができると(ゴールの再設定)、③から④へ一気にブーストすることができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 そんな実例として、NHKのニュース番組(おはよう九州沖縄、2020612日)で取り上げられたケースを御紹介します。

 COVID-19の影響で売り上げが激減したある老舗明太子会社は(②)、打開策を模索するうちにあるキーワードにたどり着いたそうです。ちょい足しで味が変化するという意味の「味変(あじへん)」です(③)。変わり種商品として開発していた辛味明太子をソーメンツユに足すなどの“ちょい足し”アレンジは様々な料理に応用できそうで、地元福岡での需要拡大が見込まれているそうです(④)。
 その会社の社長さんは「観光客に売れている間はわざわざ新商品を開発する必要はなかった。コロナによるピンチがむしろチャンスに変わろうとしている」といった話をされていました。

 

 皆さんにもきっと経験があると思いますが、不安や恐怖を抱えながら②から③にリカバーするのは決して簡単ではありません。なぜなら、②の状況では容易に「ファイト・オア・フライト」に陥るから。それは前頭前野の活動が抑えられ、扁桃体を含む大脳辺縁系の活動が活発になってしまった状態です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 では、ここでワークを行いましょう。リラックスしながら考えてください。

 (次回までの宿題ですw

 

<ファイト・オア・フライトを防ぐ(すぐに回復する)ためのレジリエンス各フェースのポイントを考えるワーク>

 クライシス(危機)時に「ファイト・オア・フライト」を防ぐ(すぐに回復する)ために

Q1:大前提となる「ゼロトラスト」は?

Q2:各フェース(①~④)での取り組みを考えてください

    Normal Operations ←継続的なモニタリング  第二領域「重要不急」

    ShockCascading ←最低ラインの確保          第一領域「重要緊急」

    Recovery Phase ←準平常ラインの設定           第一から第二領域への移行期

    Restoration Phase ←さらに高いラインに回復 第二領域「重要不急」

 

F-144につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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