F-129The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -1;不安に襲われる若者、希望を失う老人

 

 前回(F-128)、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

今回は、その「The Sweet Goodbyeを実現するために」がテーマです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 

 最近、立て続けに、子ども達から心身の調子を崩している友達の話を聞きました。いずれも10代後半から20代前半。本来なら「やりたいこと なんでもできるのさ♪」と人生を謳歌しているはずの若者たちです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_268333.html

 

 上記リンクのブログ記事(F-038~)で御紹介したとおり、内閣府が公表している「子ども・若者白書」によると、日本の若者は諸外国と比べて自分を肯定的に捉えている者の割合が低いことが明らかになっています。

 最新の令和元年版においても同様の結果が得られています。「自分には長所がある」と感じている者の割合は、残念なことに、さらに低下していました。

 内閣府「子供・若者白書(R1概要版)」特集1 日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~

 https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01gaiyou/s0_1.html

 

 米国精神医学会が昨年(2019年)発表した調査によれば、アメリカ人の3人に2人が「健康」「経済状況」「家族の安全」に不安を抱いています。この傾向は若いほど顕著で、1834歳の70%が「経済状況」「家族の安全」に、66%が「パートナーとの関係」に不安を感じているとのこと。全体の約20%はすでにカウンセリングを受けているそうです。

 さらに米国心理学会の報告(2018年)によると、1997年以降生まれの“Z世代”はどの世代よりも心の健康状態が悪く、91%がうつや不安などストレスに関連した身体的または心理的症状を経験していることが判明しました。別の調査でも、過去1年間に「圧倒的な不安」に苦しんだ大学生は63%と多く、大学のカウンセリングセンターを訪れた学生数は2009年から2015年の間に30%以上増えているということでした。

 

 これらの調査結果を、先の日本の若者の自己肯定感の低さと合わせて考えると、日本では若者の心身の不調が他国以上に大きな問題になると予想されます。私のまわりに調子を崩している若者がいるのは決して偶然ではないようです。

 

 では、若者ほど不安を感じ体調を崩してしまうのはなぜでしょうか?

 

 多くの研究者が指摘しているのは、インターネットとソーシャルメディアの普及です。

 

現在、新型コロナウイルスによる感染症が世界的な脅威となっています。ウイルス自体の感染力について、WHO(世界保健機関)は「インフルエンザよりは高くない」という見方を変えていません(’20.3/16時点)。しかし、感染は瞬く間に世界中に拡大し、慎重な印象のテドロス・アダムノWHO事務局長もついに「パンデミックである」との認識を示しました(’20.3/11)。

インフルエンザほど感染力が高くないはずのコロナウイルスが、驚くべきスピードで拡散している理由は、「グローバル化」にあるといえるでしょう。それと同様に、ネットやSNSで世界中と(しかも常時)つながっている若者たちは、事件・事故や災害による悪影響を瞬く間に(しかも持続的に)受けてしまうといえます。世界のどこかで生じた「ファイト・オア・フライト」が容易に“感染”してしまうのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

ネットやSNSの問題は“感染力”だけではありません。過去のブログやセミナーでも取り上げたとおり「依存という“重症化”」の問題もはらんでいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19572599.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19979953.html

 

昨年(2019年)、カナダの法律事務所がシューティングネットゲーム「フォートナイトFORTNITE)」を開発したEpic Gamesに対して集団訴訟を起こす準備を進めていることが報道されました。訴状ではWHOがけがや病気を分類する国際的なガイドラインである「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」の改訂版で、ふだんの生活に支障が出るほどゲームをやり過ぎてしまう「ゲーム障害」を新しい病気と認定したことにも触れ、ゲーム中毒は病気であることが強調されているそうです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859675.html

 

 実際、最新のゲーム開発には心理学や認知科学の知見がふんだんに取り入れられています。つまり、脳と心(マインド)についての科学的探究により、今後ますます“感染力”が高まり、“重症化”していくのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13825013.html

 

では、そんな未来に対して、私たちはどのように向き合うべきでしょうか? 今回のテーマである「The Sweet Goodbye」を実現するために、何を心がければいいのでしょうか?

 

 私の答えは、「マインドについて理解し、しっかりとコントロールする!」です。

 

 マインドに関する知識とスキルは、ネット依存やギャンブル依存、酒やたばこを含む薬物依存といった他の依存症対策にも応用できるはずです。さらには四苦(生老病死)といった生きる上での苦しみの克服にも役立ちます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045953.html

 

 なぜなら、ゴールを見つけるから。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 そして、希望をもって“今、この時”を生きれるようになるからです。希望あふれる人は自然に元気になり、健康であり続けます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

 依存に陥り苦しむのも、依存を克服し元気に生きるのも、すべてマインド次第

 

 

 しかしながら、私の子どもを含む若者たちにとって、“現状の外”へのゴール設定はとても困難に感じられるはずです。

その理由のひとつが今回取り上げた「自己肯定感が低いから」「不安や恐怖に蝕まれているから」です。他にも「スピリチュアルペインを抱えているから(完全にはスコトーマに隠れていないから)」「ドリームキラーの影響を受けやすいから」「知識や経験が不足しているから」などが考えられます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

 思いつく様々な理由の中で私が最も危惧するのは、「未来に希望が感じられないから」というもの。それは若者よりも、むしろ高齢者ほど深刻なはずです。老いや病、そして死という四苦(とくに老病死)を実感するほど、希望を失い、さらなるゴール設定が難しくなっていくから。そして、未来という残された時間(生)が短くなっていくからです。

 

 次回(F-130)は私が考える「The Sweet Goodbye」について説明します。その後、「The Sweet Goodbye」実現に必要なヒーリングについて、そして「The Sweet Goodbye」を実現するコーチングについて、若者向けと老人向けにそれぞれ考察したいと思います。

 

F-130につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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