F-128:Fading Like a Flower

 

 マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)という女性シンガーを御存知でしょうか?

 

 …スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)の女性ボーカルと言えば、ピンとくる方がいらっしゃるはず。

(「ピンとくる」のはゲシュタルトができているからです)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

 そのマリーは、2019年12月9日にお亡くなりになりました。61歳でした。

ロックナンバーでの弾けるような歌声とは対照的に、バラードやスウェーデン語で歌うソロアルバムでのマリーは、まるで女神のような美しい声で、優しく、そしてあたかかく聴く者を包み込んでくれます。

そんなマリー・フレデリクソンですが、人気絶頂期の2002年に脳腫瘍を患いました。手術後順調に回復しロクセットとソロでアルバムを3枚ずつ発表していただけに、その早すぎる死が惜しまれます。

 

 マリーの死を知ったとき、私の頭に浮かんだのは「Fading Like a Flower」という言葉。それはロクセット3作目のアルバム「Joyride」(’91年)内の曲名です。

 本当に花のように美しく散ったマリーを追悼しながら、代表的な楽曲をコーチの視点で御紹介します。

(YouTubeのリンクを貼ります。ぜひマリーの情報場にアクセスしてください)

 Fading Like a Flower

https://www.youtube.com/watch?v=8fGLiIvKKys

 

最初にマリーの歌声を聞いたのは「The Look」という曲でした。その曲はペール・ゲッスル(Per Gessle)がボーカルで、マリーはコーラスを担当しています。そのコーラスが私の心をつかみました。うまく表現できませんが、その時感じた衝撃は今でもはっきりと覚えています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516364.html

 

マリーとペールが初めて出会ったのは1976年。その後別々のバンド活動を経て、二人とも2枚のソロアルバムを発表していました。それまでは母国語(スウェーデン語)で歌っていましたが、「英語で歌い、世界に飛びだす」というビジョンを共有し、1985年に二人でロクセットを結成します。そのすべては“現状の外”へのゴール設定から始まったはずです(&「VW」)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21491696.html

 

 1作目のアルバム「Pearls of Passions」(’86年)はスウェーデン国内のみの発売。2曲のヒットが生まれ、ライブで10万人を動員するなど人気は高まりますが、2作目の「Look Sharp !」(’88年)発表当時は世界に飛びだすことはできませんでした。その中に収録されている曲が「The Look」です。

北米では「ことごとくレコード契約を断られた」そうですが、人気に火がついたのはその北米からでした。とある交換留学生がスウェーデンから「Look Sharp !」をミネアポリスに持ち帰り、地元のラジオ局 KDWBのDJが気に入り「The Look」のヘビーローテーションを行ったことがきっかけだとされています。

 The Look

 https://www.youtube.com/watch?v=LlVI7ZNiFlI

 

そんなサクセスストーリーを聞いたときは「仕込みだろう」と疑いましたが、いずれにせよ瞬く間に全米ビルボードチャート1位を獲得し、なんと33カ国で次々と1位を獲得していきます。その熱が日本(しかも鹿児島)に住む私にまで届いたのです。まさに縁起ですね。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 二人の人気は大ヒット映画「プリティ・ウーマン(Pretty Woman)」(’90)に「It Must Have Been Love」が使われたことで爆発します。この曲は映画の数年前に母国で大ヒットするも、他では全然ヒットしていなかったそうです。映画がスコトーマを外したといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 It Must Have Been Love

 https://www.youtube.com/watch?v=k2C5TjS2sh4

 

 大きな期待に応えるように発表された3作目のアルバムが「Joyride」。1stシングルのタイトルでもある「Joyride」は、ポール・マッカートニーの「ジョン・レノンとの共作は長くて楽しい運転(Joyride)のようだった」というインタビューから引用されたそうです。私はいつも「ゴールに向かうwant to」を体感しながらこの曲を聞いています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 Joyride:

 https://www.youtube.com/watch?v=xCorJG9mubk

 

 そのアルバムの中でとくにマリーが気に入っているというのが「Spending My Time」。「ほろ苦くてメランコリック。年月を経てもまったく色あせないわ」とマリーが絶賛するこの曲は、なんと「Joyride」と同じ日にペールが書きあげたそうです。きっと756倍の生産性を発揮する意識状態だったのでしょう。この3作目のアルバムは大ヒットし、6曲もシングルカットされました。

 Spending My Time

 https://www.youtube.com/watch?v=eG0IYV6G0I0

 

 初の世界ツアー中に旅先でレコーディングされ、ライブ音源と組み合わせて発売された4作目が「Tourism」(’92年)。1stシングル「How Do You Do !」でのマリーのボーカルは私の大のお気に入りですが、当人は「この曲は最も不本意な部類だと思う」と発言しています。作詞・作曲したペールと一緒に受けた取材でw

「詞の中にタイニー・ティムなんかがでてきて僕好みの曲だから、僕はいいんだけどね…」と応じるペールとのやり取りに、私は高い(コレクティブ)エフィカシーを感じました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 How Do You Do !

 https://www.youtube.com/watch?v=nx2iLOvP0rM

 

 5作目の発売は1994年。タイトル曲「Crash! Boom! Bang!」は意外にもバラード。「みんなに『バラードにこんなタイトルをつけるもんじゃない』と反対された」そうです。また「Sleeping In My Car」はその歌詞とマリーのパフォーマンスが良俗に反するとして、中国当局から「中国国内でライブを行う際は他の方法を考えるように」と指導?されたとのこと。もちろん二人は拒否しています。

そのエピソードからは「ドリームキラーに屈しないブリーフシステム」がうかがい知れます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 Crash! Boom! Bang!:

 https://www.youtube.com/watch?v=aoXrd3_3fYI

 Sleeping In My Car

 https://www.youtube.com/watch?v=S5fn1DfqPfA

 

 6作目「Have a Nice Day」(’99年)、7作目「Room Service」(’01)と発表した後、マリーの病気療養のため活動休止状態となっていました。

バンドデビュー20周年にあたる2006年、新曲「One Wish」がサプライズ発売されました。「If you had one wish What would it be?」「If you had one wish Would it be about me?」と歌う姿に、昔の元気なマリーの映像が重なります。「Maybe one day A wish of you and me」と歌うパートでは、まるで二人の思い(Wish)に直接触れているような感じがします。

 One Wish

 https://www.youtube.com/watch?v=vMV0_y1r_m0

 

 その後、二人は「Charm School」(’11)、「Travelling」(’12)と続けてアルバムを発表し世界を周ります。「英語で歌い、世界に飛び出す」というかつての夢を再体現するかのように。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 最後のアルバムは「Good Karma」(’16)。この頃のライブ映像を見ると、マリーはもう立ったまま歌えなくなっています。それでもあえてステージに上がったのはなぜなのでしょうか?

 

…「歌うことが好きだから」を超えた大きな思い、例えばcallingと表現するような気高い使命に突き動かされていたに違いありません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20874187.html

 

 

 …最近はマリーの歌ばかり聴いています。とくに私の心を揺さぶるのは「Listen to Your Heart」。コーチとして、ヒーラーとして、親として、友として …私がいつも心がけていることです。

 Listen to Your Heart:

 https://www.youtube.com/watch?v=yCC_b5WHLX0

 

 最後に御紹介するのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」。

 内科医として医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ私は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じながら活動を続けています。その詳細は次回(フリーテーマ)にw

 The Sweet Hello, The Sad Goodbye:

 https://www.youtube.com/watch?v=p3RhFhX3DGk

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1-

 縁起といえばこの曲↓  ロクセット最後のアルバム「Good Karma」から。

 It Just Happens

 https://www.youtube.com/watch?v=Yf0ehfmyz6A

 

 

-追記2-

 今回はいつも以上にリラックスしながら書いてみました。休日の朝、家族との会話とおいしい食事を楽しみながら。朝食はもちろん…w

 Milk and Toast and Honey

 https://www.youtube.com/watch?v=nxWyAtA7-OY

 

 

Roxette(2012、wiki.)

Wikipedia(「Roxette」)より引用

マリー(左)とペール(右)

2012年、ニューヨーク ビーコン・シアターにて