F-122:免疫力をあげる!

 

 12月から2月にかけて、医療・介護の現場はとてもあわただしくなります。その原因はなんといっても感染症。インフルエンザの流行に加え、今年(2020年)はコロナウイルスが原因とされる「新型肺炎」が瞬く間に世界中に広がり、ますます猛威を振るいそうな状況です。

 

感染症とは、「ウイルスなどの病原体が体内に侵入・増殖することで、発熱や咳などの症状がでること」です。

 

したがって、感染症対策としては、まずは「侵入させない」ことを目指します。

そのために、個人レベルでは「手洗い・うがい」「マスク着用」「人込みを避ける」等を徹底して行うことが重要になります。

病院や福祉施設などの組織レベルではさらに、「清潔(消毒)の徹底」「面会制限や外出制限(人の出入りのコントロール)」「空調・飲料水・給食などの管理」等に留意していきます。

 

もしも病原体の侵入を許してしまったら、すぐさま想定を更新して(アサンプションアップデート)、「増殖(拡散)させない」ことに取り組みます。

そのために、先の「侵入させない」ための取り組みに加え、「(流行気に入る前からの)ワクチン接種」「感染者の隔離」「汚染物の管理」「抗ウイルス薬や抗菌薬の投薬」「濃厚接触者への予防投薬」等を行っていきます。

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 感染症に罹患すると、たいていは体温が上昇します。その発熱に対して解熱剤を用いたり、体を冷やしたりすること(クーリング)がありますが、必ずしもよい行いとはいえません。生体に備わった自然治癒力を邪魔することになるからです。

感染症の際に「発熱や咳などの症状がでる」のはホメオスタシス(Homeostasis、恒常性維持機能)の働きです。高熱になることで免疫力が高まりますし、咳がでることで体外への排出(体内の浄化)ができます。倦怠感も大切な縁起。無理ができず、結果的に回復に必要な休息をとることになるからです。

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それなのにすぐに解熱しようとしてしまうのは、過去の記憶でつくられ強力に維持されている医療・福祉業界のブリーフシステムに由るといえます。

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そして、そのブリーフの根底にあるものは、病に対する嫌悪や死に対する恐怖(不安)であるはずです。さらに「何とかしなければならない」といった義務感や「辛そうにしているのが忍びない」といった罪悪感が加わり、ますます医療・福祉従事者を苦しめます。

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 その先に待つのは「ファイト・オア・フライト」。

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医療・福祉従事者が「ファイト・オア・フライト」の状態に陥ると、患者さんやその家族の苦しみはさらに増大してしまいます。ホメオスタシス同調により「ファイト・オア・フライト」が拡散していくからです。

 脳(とくに前頭葉)が発達した人間においては、情報空間にもホメオスタシスが働きます。その進化が医療・介護現場での苦しみを増強してしまうのです。

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 “苦しみの増強”は感染症対策の観点でも問題です。免疫力を下げてしまうからです。

 人はストレスにさらされると緊張状態になります。心理的には「怒り」「不安」「恐怖」「悲しみ」といった情動が有意になり、判断力や創造性、生産性が低下します(=ファイト・オア・フライト)。

 

 体の恒常性を保つ自律神経のバランスが崩れ交感神経優位になると、ノルアドレナリンやアドレナリン、コルチゾールといったホルモン分泌が亢進し、血圧上昇、頻脈、息切れ、頭痛、めまい、血糖異常、痛み増強、不眠などがおこります。

その時、感染症に対する防御の要である免疫力が低下します。ロンドン大学のレインらの研究によって、「怒ると6時間以上免疫力が下がり、他者へのいたわりや慈しみの感情を抱くと24時間以上免疫力が高まる」ことが明らかになっています。

つまり、「免疫力をあげる(高める)」ためにマインド(脳と心)のコントロールが重要であるということ。そのコントロールにコーチングがとても役に立ちます。

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 このような変化は個人レベルにとどまりません。

心理的感染効果(ホメオスタシス同調)により「怒り」「不安」等がまわりに広がると、場を共有する人たちまで免疫力が低下してしまうことになるからです。医療・介護現場でいえば、職員だけでなく、患者・利用者さんやその家族にまでマイナスの影響が拡散していきます。まるで“感染”したかのように。物理空間の秩序に制約される身体においては、加齢とともに確実に免疫力が低下していきますので、高齢者の割合が多い場での悪影響ははかりしれません。

 

 それとは反対に、笑ったり楽しい気分でいると、自己免疫疾患の炎症反応が改善したり、血圧や血糖のコントロールが安定することが知られています。もちろん、免疫力が向上していくことも明らかになっています。怒りや不安を防ぐことが免疫力低下を防ぎ、楽しく働く(生きる)ことが免疫力を高めるのです。

 

心理的感染効果(ホメオスタシス同調)により「笑顔」「楽しい気分」等がまわりに広がれば、場を共有する人たちまで免疫力が向上していくはずです。医療・介護現場でいえば、職員だけでなく、患者・利用者さんやその家族にまでプラスの影響が拡散していきます。まるで“感染”したかのように。加齢とともに低下する免疫力を引き上げることができるのですから、高齢者が多い場ほどそのメリットは大きいといえます。

つまり、「免疫力をあげる(分け与える)」ためにマインド(脳と心)のコントロールが重要であるということ。そのコントロールに、もちろん、コーチングがとても役に立ちます。

 

新たな感染症が世界的な脅威になりつつある今こそ、コーチングを実践する時だといえます。社会のために。そして、未来のために。

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苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)