F-117Field of Dreams <前編>

 

 ある日聞こえてきた“声”にしたがいトウモロコシ畑に野球場をつくった人の話を御存知でしょうか?

それは映画「Field of Dreams」で描かれたストーリー。

 

 1989年に公開(日本では翌年3月)された「Field of Dreams」は、ウイリアム・パトリック・キンセラの小説「シューレス・ジョー」を原作に、ケビン・コスナー主演で製作されました(監督・脚色:フィル・アルデン・ロビンソン、音楽:ジェームズ・ホーナー)。第62回米国アカデミー賞で作品賞、脚色賞、作曲賞にノミネートされています。

 以下、Wikipediaからの引用です。

 

 あらすじ

 アイオワ州の田舎町に住むレイ・キンセラは農業でなんとか家計をやりくりする、一見普通の貧乏農家。ただ、若い頃に父親と口論の末に家を飛び出し、以来生涯に一度も父の顔を見る事も、口をきく事すらなかった事を心の隅で悔やんでいる。

 ある日の夕方、彼はトウモロコシ畑を歩いているとふと謎の声(“If you build it, he will come=「それを造れば、彼が来る」)を耳にする。その言葉から強い力を感じ取った彼は家族の支持のもと、周囲の人があざ笑うのをよそに、何かに取り憑かれたように生活の糧であるトウモロコシ畑を切り開き、小さな野球場を造り上げる。

 その後しばらく何も起きなかったが、ある日の晩、娘が夕闇に動く人影を球場に見つける。そこにいたのは“ブラックソックス事件”で球界を永久追放にされ、失意のうちに生涯を終えた“シューレス”ジョー・ジャクソンだった

 

 公開当時、私は映画館で3回観ました。毎回号泣です。予告を観た段階から心惹かれていましたが、繰り返し観るたびになぜか感動が大きくなっていきました。DVD化されるとまた観て泣き、BDで観てさらに感動する もう何回この映画を観たことでしょう。間違いなくStar Warsに次いで観ている映画です。

 

 先日、久しぶりに「Field of Dreams」を観直してみました。認知科学者 苫米地英人博士に学んでいるからでしょうか、スコトーマが外れ、クリアなイメージがどんどん湧き上がってくるような感じがしました。そのイメージを前・後編の2回に分けてまとめます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 

 主人公のレイ・キンセラ(ケビン・コスナー)は、自分の家と畑を持ち、妻や娘と幸せに暮らしているように描かれています。現状が、文字どおり、コンフォートゾーンになっている感じです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 そんな生活の最中、突然、“声”が聞こえてきました。その日からレイの心は揺らぎはじめます。このまま続く未来(=現状、SQ: Status Quo)とそれとは違う“声”に導かれた未来との間に不協和が生じたのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 “声”に導かれた未来とは「トウモロコシ畑の場所に野球場がある」という突飛なもの。そんなビジョンをはっきりと見てしまったレイは、妻に「野球場をつくりたい」と打ち明けます。妻の答えはYes。その瞬間、レイの思いは夫婦共有のゴールに変わりました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 「何の得があるのか?」「どんな利益が得られるのか?」など一切問うことなく、レイは大切に育てていた生活の糧であるトウモロコシ畑をひたすら野球場につくりかえていきます。そんな様子を遠巻きに観察しながら、まわりの人たちは蔑みます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

 でも、レイはまったく気にしません。それは妻の強力なサポートによりエフィカシーを高く保てたからに違いありません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

 そして、野球場をつくった費用とその分の畑の収穫減少で経済的な苦境に立たされた頃、伝説の野球選手“シューレス”ジョー・ジャクソンが現れます。かつて見たビジョン(イメージ)のままに。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 最後までコーチの視点で解説したいのですが、ネタバレになるのでここまでにします。続きは後編で、少し抽象度を上げて考察します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 20代の頃、私は、「父親との絶望的な関係」「野球への思いと医師という職業選択」「取り返せない過去に対する後悔」など、自分の境遇といくつか重なっていることが感動の理由だと思っていました。臨場感が高く、感情移入しやすかったのです。

実際、その後の人生で辛く苦しい時に、救いを求めるように観ていました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_124523.html

 

 今思えば、“変えられない”過去の記憶でつくられた“自分”を肯定したかったのだと思います。それは現状のコンフォートゾーンの肯定。その肯定が壁を生みだし、思考停止につながっていました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628746.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

 「Field of Dreams」を思う時、私の意識は「Dreams」の方にありました。「叶うはずはないけれど、そうなったら最高なイメージ」という意味での「Dreams」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

F-118につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1-

 臨場感が高く、感情移入しやすかった

 「臨場感」に関連して、映画「Field of Dreams」にまつわる興味深いエピソードを御紹介します。

 

Field of Dreams」が公開された頃のケビン・コスナーは、「アンタッチャブル(The Untouchables)」(1987年)、「追いつめられて(No Way Out)」(1987年)、「ロビン・フッド(Robin HoodPrince of Thieves)」(1991年)、「JFK」(1991年)、「ボディガード(The Bodyguard)」(1992年)と立て続けに主演映画がヒット。さらには初監督兼主演を務めた「ダンス・ウィズ・ウルブズ(Dances with Wolves)」(1990年)にて米国アカデミー賞の最優秀作品賞と最優秀監督賞を獲得するなど、俳優として、クリエイターとして、まさにキャリアの絶頂期にいました。

 

そんな時流に乗って「Field of Dreams」もヒットしましたが、それはアメリカ本国や日本など野球が盛んな地域に限定されたそうです。野球や野球場といったものに縁のない地域でヒットしなかったのは、関連する記憶(情報)が乏しく臨場感が低かったからと思われます。RAS/スコトーマの原理により、認識しづらくなったのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

-追記2-
 「Field of Dreams」の前年に出演した唯一の映画も野球関連の「さよならゲーム(Bull Durham)」でした。アメリカや日本での人気爆発の一方で、ヨーロッパなど野球が盛んではない地域ではすっかり忘れ去られていたそうです。
 この事実
は「縁により起こる」という縁起の理を示しているといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 

Field of Dreams(wiki)

映画「Field of Dreams」オープニングタイトル

Wikipediaより引用