Q-117:「コーチングは変わるためにあるものではない」の真意とは?

 

 御質問をいただきました。ありがとうございます。

抜粋した下記部分について、回答させていただきます。

(プライバシー保護の観点で、今回に限らず、変更を加えてあります)

 

Q苫米地博士が、コーチングで変わらなかったという人からの質問に「コーチングは変わるためにあるものではない」とおっしゃっていたのを思い出しました。

まずコーチングは変わる為にあるのではないよ。ありのままで未来のゴールを達成する為。もちろんブリーフシステムを変える手伝いをコーチはするけど変化は一年後かもしれない

こちらのお言葉です。「ありのままで未来を達成する為」この言葉はどう捉えればよいのでしょうか?

 

A博士が「コーチングは変わるためにあるのではない」と返答されたことは、私も記憶しています。文脈によりいろいろと解釈できると思いますが、私は以下の5点を考えました。

 

1)    「変わること」は目的ではなく、結果である

結果が目的化するとおかしなことになります(例えば「have to化する」など)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

2)    ゴールによっては変わらないことが望ましい(健全な)場合がある

例えば、健康やファイナンスのゴールでは「バランスがとれた状態を維持すること」を目指します

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

3)    縁起の視点で考えると「すべては(ほっといても)変わるもの」

その変化(無常)をゴールに結実させることがコーチングです。よって、コーチングは「変わるためにあるもの」というよりは「変化を望む方向に導くもの」だといえます

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

4)    「変わる」ことにこだわるとスコトーマを外しにくくなる

「変わる」の主語は「自分」ですが、「変わる」ことへのこだわりが強まるほど「自分」にとらわれてしまうといえるからです

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

5)    「変わる」ことにこだわり「自分」に囚われると抽象度が上がらなくなる

同じ抽象度での変化は、厳しくいうと、“現状の外”とはいえません

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

…以上のような理由により、「コーチングは変わるためにあるものではない」といえます。

抽象度を特に意識すると、つづく言葉は「コーチングは抽象度の階梯を上がるためにある」「コーチングは人間形成のためにある」であり、さらには「社会のため」「未来のため」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

 

…次に博士のおっしゃる「ありのまま」を考えてみましょう。

「ありのままの私」とか「自分らしく」というときの「私」「自分」は、過去の記憶により、他人に(&社会に)つくられています。それをブリーフシステムと呼びます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

 よって、「ありのまま」という言葉は、徹底的に探究し、問い続けないといけません。

 

 「ありのまま」を、過去(かつ他人)によるブリーフシステム(またはコンフォートゾーン)ではなく、ゴールを達成した未来のブリーフシステム(またはコンフォートゾーン)に変えることができたとき、自身の中に眠ってたエネルギーやクリエイティビティを開放して、自然に「ゴールを達成する」ことができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 ホメオスタシス(恒常性維持機能)を味方にできるからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 …ここまでが「ありのままでゴールを達成する」の一般向け回答ですw

 では、次のステップに進みましょう!

 

 繰り返しますが、「ありのまま」という言葉は、徹底的に探究し、問い続けるべきものです。

 

「私」や「自分」を未来側から新たにつくるためにコーチングが有効ですが、その肝は「ありのまま」を考え抜き(思考)、もっとすごい未来の「ありのまま」を求め続けること(志向)。ゴールを探求し続け、再設定(更新)を行い続けるということです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 そのベクトルこそが重要で、前述したとおり、それは「抽象度の階梯を上がるもの」「人間形成を実現するもの」になります。そのベクトルの向かう先には、きっと、空(くう)があるはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

 「情報が書き換わると現実が変わる」ことをテーマとしたブログ記事(F-114)にて、「幸せなら手を叩こう」は「AならばB(A→B)」という誘導であり、危険が潜んでいることを書きました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477749.html

 

私たちの行動、とくに無意識の行動は、必ずフレームになっています。例えば、「A:むしゃくしゃしたら→B:飲みに行く」「A:出かける前に→B:鏡を見る」「A:家に帰ったら→B:ゲームをする」というように。このような一連の行動の枠組みが「フレーム」です。フレームは、もともとはコンピュータ(人工知能)の情報処理の概念で、「ある一定のタスクを処理するための枠組み」のことを表します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477304.html

 

 「AならばB(A→B)」という構図において、「変わる」ことに囚われすぎると、「B」を(ホメオスタシスフィードバックの働きにより)固定化してしまったり、「B」よりもすばらしいかもしれない「X」「Y」「Z」… という違う未来(可能世界)を認識できなくなったりします。 

 それを避けるために「→」そのものを追求し、自分の可能性に挑み続ける姿勢が重要です。“自分”を拡大し続けるのです。その時、「→」そのものがコンフォートゾーンになっているはずです。

 

…それが「ありのままでゴールを達成する」という言葉に込められている(言語を超えた)非言語のメッセージだと思います。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

それは苫米地博士からの無意識への働きかけであり、「リミッターをはずす!」ための“気”です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_268324.html

 

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_369873.html