苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

2025/10

F-421:微笑み返し <前編;ゴールに関係ない感情は

 

 医療・介護の現場はとても過酷です。

 

 その理由はたくさんあると思いますが、とくにコーチとして気になるのが「『老病死(+生で四苦)』に対する恐怖が引き起こす『Fight or Flight』」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 「Fight or Flight」とは、人間らしい前頭前野での情報処理よりも、動物的な大脳辺縁系での情報処理の方が優位になっている状態のことです。具体的には「頭に血が上る」「頭が真っ白になる」「血の気が引く」といった状態。そうなるといつもの冷静な判断や行動ができなくなります。

 Q-351:「情報的身体」というのがよくわかりません? <後編;プランサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32956635.html

 

 「動物的な大脳辺縁系優位」と書きましたが、死の恐怖は本当に人を“動物的”にしてしまいます。生じる不協和(イライラ)を抑えることができないと、情動が爆発してしまうことも。その情動の爆発が医療現場をますます過酷にしていきます。

 L-184202206月医療・介護研修会 -07;「イライラ克服」の基盤

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35592887.html

 

 ところで、先日、苫米地博士に学ぶ仲間の皆さまと話をしていたときに、医療従事者でもあるコーチがこんな秘密を教えてくれました

 

  怒っている人には優しさで返しています

 

 いつもニコニコされているコーチの話を伺いながら(trigger)、私は過去に経験した看取りを思い出していました(anchor)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 それは70代後半の女性の“人生最期の瞬間”の記憶。ずいぶん昔のことではありますが、プライバシー保護のため一部変更を加えながら紹介します。

F-001:やり場のない

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516364.html

 

ある年の11月中旬から腹部や背部の痛みが出現した患者さんは、11月末に当時私が勤務していた病院を受診(初診)されました。検査にてかなり深刻な病状であることが分かり、すぐに地域の中核的な総合病院に紹介。そこからさらに別の大きな病院に紹介され、「膵臓癌の末期」と診断されました。

専門的治療を拒む患者さんは自宅退院を強く希望され、私たちがフォローを行うことになりました。自宅では高齢の夫が看病をしていたのですが、私は強い不安を感じました。二人の息子たちが状況をまるで理解しておらず、母親の死を受け入れる準備ができていないように思えたからです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

「不安」とは、「未来の恐怖の予期」のこと。

F-218:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ <2nd. Step;絶対大丈夫!>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27624719.html

 

専門医から依頼された看取りという役割・機能は、息子たちにとっては「意に沿わない」「期待と違う」ことであり、認知的不協和がどんどん強くなっていくことは明白でした。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

自宅での看取りを希望されていた夫は、患者さん(妻)の体調が悪化し日常生活動作(ADL)に支障がでてくると次第に疲労が目立つようになりました。そして、徐々に抑うつ的になっていきました。

外来スタッフの働きかけもあり夫婦とも入院することに同意され、「残された時間を、互いに無理なく苦痛少なく過ごし、その時を悔いのないように迎えよう」と決断されました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

その決断をコーチとして解釈すると

 

ゴール設定により“死”がwant toになり、“死”を迎えるまでの“生”もwant toになった

 

そして、我々医療者もそのゴールを共有しました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

母親が入院することになり、息子たちは父親を激しく非難しました。母親自身も入院することを望んでいるというのに。

おそらく忍び寄る死の予期が不安を生みだし、息子たちを“動物的”にしていったのだと思います。それは人類の進化とは真逆の方向性 抽象度が下がる方向性です。

L-185202206月医療・介護研修会 -08;つまらない夢を失った瞬間に訪れるもの

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35626365.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 息子さんたちが「少しでも長く生きていてほしい」「死んでほしくない」と考えることは自然なことです。しかし、死は確実に近づいてきます。

このままでは穏やかな看取りはできないと感じた私は、息子たちに丁寧に話をしました。「残念ながら死は避けられず、その死は目前に迫っている」「悲しみは当然であるが、そのエネルギーが父親を攻撃することに使われている」「家族同士がいがみ合うことは、死にゆく母親にとって最大の苦痛となりえる」 など。

 いい悪いといった評価はせず(←関数pには関わらない)、なるべく事実だけを伝えるように心がけました(←現状の可能世界w1の言語化)。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

息子たちも少しずつ心を開いてくれるようになり、最期の数日間、患者さんは和やかな雰囲気の家族に囲まれながら静かに過ごされました。

しかし、いよいよ呼吸状態が悪化すると、息子の一人が取り乱しました。「どういうことだ、これは~」と叫びながら私に掴みかかる息子を他の家族が引き離す間に、その患者さんは息を引き取りました。息子を私から引き離そうと家族全員が患者さんから離れ背を向けている間に。

 

死亡確認後お悔やみの言葉をかけたとき、夫は悲しみと怒りと申し訳なさが入り混じった複雑な表情をしながら、ひたすら私に謝り続けていました。

愛する妻を失い一番悲しむべき人が、ただただ息子の非礼を詫びていたのです。その姿を見守りながら、私は胸が張り裂けそうでした。

 F-327:お大事に <前編;人と人のコミュニケーションの原点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33262415.html

 

 

釈迦が説いたとされる「四苦八苦」に「愛別離苦」という苦しみがあります。このケースでは、まさに「愛別離苦」の重たく暗い“気”が、患者さんの最期を飲み込んでしまいました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

息子にとって、母の死はhave toのままでした。その理由は「ゴール設定ができず、情動に支配されていた」から。

 

私は、医師としてだけでなく、コーチとしても本来の役割を果たすことができませんでした。

 Q-070:認知的不協和の状態にあり… Vol.7;認知的不協和が身体化したときの対処法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14675567.html

 

最後に、苫米地博士の著書「年収1億円稼ぐ! 脳の磨き方」(宝島社、p32)より引用します。「ビジネス」をテーマとした本なので「ビジネスで稼ぐ」といった表現をされていますが、それを「人生を豊かにする」等に置き換えながら読み進めてください。

 

 

「嬉しい」や「悲しい」といった感情を娯楽として味わう

「怒り」や「悲しみ」は稼げない人の感情だ

 人間は喜んだり怒ったり悲しんだりと、感情が豊かな生き物です。そして、実際にそうした感情に強く支配されて生きているのです。

 仕事が失敗したと落ち込み、失恋したといって悲しむといったことは、まったくの無駄なことです。なぜなら感情とは、環境の変化で生じる生理反応でしかないからです。例えば「汗をかいた」といって悩む人はいませんよね。ですが、イライラや怒り、悲しみには振り回されてしまう。感情に振り回される人は抽象度が低いのです。

 抽象度とは情報量の多さのことで、多ければ抽象度は低く、少なければ高くなります。例えば、「Aさん」を定義する場合、最初は「〇〇家の主人」となり、そこから抽象度を上げると「東京都民」、これを徐々に上げていくと、「日本人」→「人類」→「生物」と、視点がどんどん上がっていきます。

 抽象度が低い人が感情に振り回されるのは、視点が低く、今の自分のことしか見えていないからなのです。もちろん、そうした人がビジネスで稼げるわけがありませんよね。

 

ゴールに関係ない感情は幸せなことでもゴミになる

 では、怒りや悲しみではなく、「嬉しい」「幸せ」といったポジティブな感情が多くあれば良いのでしょうか。実はこうした一見すると良さそうな感情も、自分のゴールに関係がなければまったく必要ありません。

 例えば高級ブランドのバッグを買って喜んでいても、ちょっとでも汚れたらイヤな気分になりますよね。このように、ポジティブな感情も一瞬でネガティブなものに変化します。いくらポジティブな感情を求めても、同じ数だけネガティブな感情に変わることがあるのです。

 抽象度の高い人にとって、目指すはゴールであり、ポジティブな感情は、ゴールに近づくためのモチベーションであり、ゴールに関係のないことは、たとえポジティブなものでも、あなたには必要のない“ゴミ”でしかありません。

 ただし、怒りや悲しみの感情を止めることは難しいでしょう。その場合、すべての感情を娯楽にしてしまえばいいのです。悲しいといった感情に支配されているのは、今の自分しか見えていないから。そうしたことに振り回されず、「これも経験のうち」と思えばいいのです。そう思うことができた時点で、あなたの抽象度はかなり上がっているはずです。

 これを繰り返していけば、自然と自分のゴールに関係のない感情の“ゴミ”はなくなります。本当に大事なのは、ゴールに必要な感情だけでいいのです。そのために抽象度を上げる必要があるのです。

 引用終わり

 

F-422につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

L-147202111月医療系研修会 -02;人の特性はBSで決まる=人はさまざまな幻想に支配されている

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33708684.html

Q-353:傷つくような他人の言動に出くわした場合、どのような態度で接することが正解なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33148921.html

Q-366~:医師からのパワハラがひどすぎて心が折れました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428654.html

Q-372:リハビリを嫌がる患者さんに強制することは、虐待なのではないでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34136622.html

Q-417~:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430853.html

 

 

年収1億円稼ぐ! 脳の磨き方




L-232202209月シークレットレクチャー -07;コーチングの実践は実戦

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html

 02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37564658.html

 03;生と死の間を輝かせる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37577854.html

 04;自我関数から導きだされる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37603992.html

 05;コーチングは「客観」 その理由は?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37613554.html

 06;コーチが黙っているからこそ起こること

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37640576.html

 07;コーチングの実践は実戦

 

 

新たな「エフィカシー関数」をつくりながら、「自分で自我関数pを変え始める

 

 それがコーチング中に起こること。「コーチが黙っているからこそ起こる」ことです。

 Q-448:未来において「被害者」<補足;「自我関数→エフィカシー関数」×超楽観>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37503636.html

 

 そのためにはコーチに対する信頼が必要なのは言うまでもありません。ところが、その「信頼」が曲者。私たちは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態をうまく保つ必要があります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

「自由意思で想像するゴール側の可能世界w2をしっかり創造する」ために。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 ところで、「民、信なくんば立たず (民無信不立)」という言葉をご存じでしょうか?

 

 これは「論語(顔淵第十二)」に記載されている孔子の言葉です。

あるとき子貢という弟子が政治の目的について尋ねました。そのときの孔子の回答が「食を足らし、兵を足らし、民これを信にす」 ...1)食糧の充足、2)軍備の充実、3)信用の確立 です。

Q-415:やり場のない怒りはどのようにゴール設定vol.5;条件・娯楽・目的>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36129192.html

 

子貢が「この3つのうち、仮に1つを諦めねばならないとしたらどれを除きますか?」と質問したところ、孔子は「軍備だよ」と即答したそう。

さらに「残りの2つのうち、1つを諦めるとするとどちらですか?」と尋ねると

 

もちろん食糧だ。人間はいつか死ぬ。死は逃れられないが、信用が失われては社会そのものが成り立たなくなる

 

 と答えたのだそうです。その「信用が失われては社会そのものが成り立たなくなる」が「民、信なくんば立たず (民無信不立)」です。

 L-203202207月シークレット… -01;決して過信はせずに、しっかり確信する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36719650.html

 

孔子は食糧よりも信用を選びました。それは「命よりも信用の方が大切だ」という弟子たちへのメッセージです。

(*そもそもこの問い自体がダブルバインド。詳しくはこちらでどうぞ↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33414117.html

 

ここを苫米地式で考察すると、物理空間上の個の存在よりも、より抽象度の高い情報次元での縁(社会的つながり)の方に重きを置いていることがわかります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

孔子は見抜いていたのです。宇宙はすべて関係性で成り立っていると。

見抜けた理由は「巨大なゲシュタルトを構築していたから」のはず。ゲシュタルトができるから、しっかり理解することができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

さらに、ゲシュタルトどうしがつながりより大きなゲシュタルトができあがると(connect the dots)、ますます理解が深まっていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 さすが孔子! さすがは論語!

 

 

と安易に納得せずに、まずは疑ってみることが、「決して過信はせずに、しっかり確信する」というブリーフ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳論語」(三才ブックス、p6)より引用します。

 

 

差別の思想は、人間が元来持っている性質の1つです。人間だけではありません。群れをなす全ての生物に当てはまります。ボスとその他に差別され、時には争いすら起こります。これは、生物が持つ生き残るための本能です。

本能を超えて、差別思想を根絶するのは、並大抵のことではありません。キリストや釈迦ほどの知慧と勇気が必要なのかもしれません。しかも、それほどの知慧や勇気を以てしても、数百年も経てば、いつの間にか奴隷と差別のシステムへとすり替わってしまいます。

 

 では、孔子はどうなのでしょうか。「論語」を生み出し、儒教をアジア全体にまで広げた希代の教祖は、キリストや釈迦と同じように権威に抗い、差別を否定していたのでしょうか。

 実は、孔子はキリストや釈迦と違って、始めから差別思想を支持していました。そして、権威中心の「支配の論理」を採用していたのです。

 

 子曰 學而時習之 不亦説乎 有朋自遠方來 不亦楽乎 人不知而不慍 不亦君子乎

 

 子曰く、学びて時に之を習う。亦説ばしからずや。朋有り遠方自り来たる。亦た楽しからずや。人知らずして慍みず。亦君子ならずや、と。

(学而第一の一)

 

 これは、論語でも有名な冒頭の言葉です。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 言葉の意味は次の通り。

 

 「知識を学び、常にそれを実践に移す。何と楽しいことか。また、友人が遠くから訪ねてくれる。これも何と楽しいことか。人に認められなかったとしても少しも気に掛けない。これが本当の君子ではないだろうか」

 

 なかなか「ためになる」言葉……と思った方は、もう一度よく読んでみてください。本当にためになる言葉でしょうか。

 確かに、「学びて時に之を習う」や「朋有り遠方自り来たる」は、その通りかもしれません。しかし、よくよく考えてみれば、当たり前の話です。改めて言われるまでもないでしょう。

 私が素直に頷けないのは、最後の節。

 「人知らずして慍みず。亦君子ならずや、と」

 そのまま現代語訳にすると「人に認められなかったとしても少しも気に掛けない。これが本当の君子ではないだろうか」ですが、この裏を返せば「目立つな」という意味に受け取れます。精一杯勉学に励み、目立たないようにすることは美徳だと説いているわけです。

 どうですか。ちょっとおかしいとは思いませんか。

 どうして目立つことが悪いのでしょうか。目立っていても学ぶ人は学びます。学ぶことと目立つことは関係ありません。むしろ、学んで目立ったほうが、人生としては豊かに過ごせるのではないでしょうか。

 論語は、日本人にとってはとても身近な書物です。中には、論語を生きる指針として大切にしている人もいます。実際、論語を学べば、「心豊かな人生を送ることができる」と思っている方も多いのではないでしょうか。

 しかし、この解説からもおわかりの通り、官僚にはいいかもしれませんが、私の本音では未来ある若者には勧めたくない生き方です。

 論語が私達を輝かしい未来へと導くことはないでしょう。むしろ、逆です。読み方次第で論語は私達の人生を見誤らせる危険な書とさえ言えます。論語を通じて感じることは、孔子は人々に奴隷になることを奨励するため、自分の教えを広めたのではないかということです。

 「そこまで言うほど……」と戸惑われた方は、もう一度先ほどの文をよく読んでみてください。

 一見すると、誰もが受け入れやすいことが書かれていますが、吟味してみると、その裏側にはとんでもない真意が隠されています。

 ここで子(=孔子)が本当に言いたいことは、「目立つな」ということです。

 「目立つな」というのは、「成り上がってはいけない」ということ。もっと言えば、「一生小役人でいなさい」「奴隷でいなさい」ということです。せっかく何かを学んでも、それを最大限に活かそうとせず(例えば、起業しない)、一役人として知識を埋もれさせるように促しているのです。現在でも「出る杭は打たれる」の喩え通り、何らかの分野で成功して目立った人が叩かれる風潮があります。

 本来、人は身につけた知識を活かして、成長します。そして、新しい世界へ飛び出していくことが、また人を成長させます。

 しかし、孔子はそれをよしとはしていません。なぜなら、奴隷が成長したり、奴隷が自分自身の考えを持ち、夢を持って羽ばたいていったりすると困るからです。日本を含むいわゆる儒教国では、それが今でも一般的な風潮として蔓延っています。

 論語の本質的な役割は「権力者が民衆を支配できるように洗脳する」ことです。皇帝などの権力者が、民衆をひと所に縛り付けて奴隷にするために利用した、洗脳書とさえ言えるのです。

 前半に誰もが受け入れやすい文言を入れておき、後半に本当に言いたいことを入れるのは、論語の1つの定型ですが、これは厳しく言えばカルトの教義にありがちな手法です。「世界平和」や「潤いのある人生を送るために」といった文の後に、多少怪しい文言を挟んでも、読む人はすんなりと受け入れてしまいます。

 論語にはそうした「支配の論理」が随所に散見されます。ですから、論語を鵜吞みにするのは、大変危険と言えるのです。

 残念ながら、現在の日本は、論語による「支配の論理」に洗脳されています。数千年の時をかけて埋め込まれた思想は、今や日本人の遺伝子レベルにまで浸透しています。その結果、日本人は無意識のうちに「支配の論理」に縛られた判断を余儀なくされています。

 そこで、私は日本を「脱洗脳」するために、あえて論語を取り上げることにしました。というのも、論語は「権力者のために用いる洗脳書」ではありますが、だからこそ「洗脳されないため」に活用することができます。

 そのためには、まずは「先生」という言葉を使うのをやめなければいけません。権威を疑い、覆さなければいけません。

 仮に、あなたが学校あるいはお稽古事で「先生」の立場であり、生徒に「先生」ではなく「~さん」と呼ばれたことに少しでも違和感があれば、論語によって洗脳済みだと自覚してください。国会議員でも、弁護士でも、会計士でも、医師でも同じです。

 

 人間は必ず何かに洗脳されています。親、教師、友人、マスメディアなど、何者かに洗脳され、束縛されて生きています。そして、日本にとって最も大きな束縛の1つが「論語」なのです。

 本当に心豊かな人生を送りたいのであれば、論語による束縛から解放されなければいけません。そして、論語だけではなく、あらゆるものからも脱洗脳し、一度、本当の自由を獲得しなければなりません。

 論語は、そのためのテキストとしては、とても多くの示唆に富んでいます。

 本書では、孔子が残した言葉を私が再解釈することで、論語からの脱洗脳を試みています。

 本書を読めば、論語による「支配の論理」から解放されるだけでなく、あらゆる束縛が見えるようになります。何が「表」で何が「裏」かが、わかるようになります。私達を取り囲む、全ての「仕掛け」が見えるようになります。

 皆さんが、より豊かで楽しい人生を謳歌できるために、苫米地式「論語」を是非とも学んでいただければ、と思っています。

 引用終わり

 

 

人間は必ず何かに洗脳されています。親、教師、友人、マスメディアなど、何者かに洗脳され、束縛されて生きています。そして、日本にとって最も大きな束縛の1つが「論語」なのです

 

 その束縛から自身を解放し、自由なマインドを手に入れるのがコーチング。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 コーチングは脱洗脳であり、脱構築です。その根底には釈迦哲学があります。

 L-217202208月シークレットレクチャー -04;情報を操作する鍵

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37162258.html

 

 「民、信なくんば立たず」を釈迦哲学で再解釈するなら、「関係により存在が生まれる」という縁起。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

縁起の思想は、2600年前に釈迦が見いだした真理であり、哲学や科学の発展により明らかになった真実。その本質は「アプリオリ性の完全否定」。哲学でいえば「不完全性定理」であり、物理学でいえば「不確定性原理」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 不完全性や不確定性が示すのは、無常であり、無限の可能性。ところが、孔子や論語に象徴される権力構造(既得権益)は、一見抽象度が高い「もっともらしいイメージ」を仕掛け、人々が潜在能力を開放しようとするのを潰そうとします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 コーチングマインドを持つ者が戦うのは「目には見えない権力構造」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そして、その戦いの第一歩が「現状の外へのゴール設定」

 Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27346333.html

 

 コーチングの実践は実戦です。

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

L-233につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-228~:ゼロトラスト

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418030.html

F-367~:義を見て為さざるは、勇無きなり

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429934.html

L-143202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-06;現状の外のゴールに向かい続けることができる理由

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33398926.html

Q-423~:現状の外側に100%want toのゴール設定を行うためにはどうすればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431018.html

 

 

洗脳論語

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 洗脳論語 eBook : 苫米地英人: Kindleストア

 



L-231202209月シークレットレクチャー -06;コーチが黙っているからこそ起こること

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html

 02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37564658.html

 03;生と死の間を輝かせる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37577854.html

 04;自我関数から導きだされる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37603992.html

 05;コーチングは「客観」 その理由は?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37613554.html

 06;コーチが黙っているからこそ起こること

 

 

 前回(L-230)、私は「診察」という表現を使いました。

 

  診るのは物理空間上の「果」

察するのは高次の情報空間にひろがる「因」

 

 「高次の情報空間にひろがる『因』」を察する間、同時に私自身の思考のモニタリングも行っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 もう少し具体的に説明すると、モニタリングしているのは「言葉(Words)」と「映像(Pictures)」と「感情(Emotions)」です。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

 前回引用した苫米地博士の言葉の中に、「私たちは無意識的なものも含めると、1分間に数回は自分自身に話しかけているといわれています」という部分がありました(新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版)。

その自分自身に話しかける言葉は映像を想起させ、映像は感情を生みだします。人はみな、この「言葉」「映像」「感情」という3つの軸で思考しています。

 L-067202011月シークレット… -02思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 その思考のことを「セルフトーク」と呼びます。苫米地博士が「オーセンティック・コーチング」等の書籍で用いられている表現でいうと「内省言語」。コーチの仕事とは、「クライアントの内省言語を喚起させること」です(オーセンティック・コーチング、p112

 F-394:ナイセイカンショウ <vol.3;心の本質を捉える基本中の基本>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36643053.html

 

 

オーセンティック・コーチング

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: オーセンティック・コーチング eBook : 苫米地英人:

 

 

 そんな内省言語は、無意識のうちに「(一人)一宇宙」を生みだし強化していきます。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 その「一宇宙」の創造を、偶然に任せるのではなく、しっかりゴール(未来)側からデザインするように働きかけるのがコーチの役割。その鍵となるのが「内省言語」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

以下、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版」(CYZO、付録②)より引用します。

 

 

内省言語を作る

 コーチングでは、コーチはクライアントと会話すらしません。世間には、コーチングの質問集のような本や、コーチングではこういう言葉でクライアントを誘導しなさいと教える本がありますが、それらは間違ったコーチングです。

 コーチングでは、クライアントが「現状の外側にゴール設定」をすることが重要ですが、だからといってコーチがクライアントの設定したゴールが現状の内側だったときに、「そのゴールは現状の内側ですね」と言うこともしません。それは自我関数pに関わっていることだからです。

もしも「そのゴールは現状の内側ですね」などと言ってしまったら、クライアントはコーチの言葉によって物事を判断するようになってしまいます。それでは、子ども時代に、親や学校の先生が「これがいいですよ。あれはダメですね」と教えていたのと同じことを今度はコーチがしていることになります。

コーチングでは、コーチは黙っているのです。私だったら、黙ってパイプに火をつけたり、葉巻に火をつけたりしています。すると1分も沈黙に耐えられるクライアントはほとんどおらず、クライアントはすぐに話し始めるのです。

でもそのクライアントが話し始める内容は、単に場を維持するための会話がほとんどです。そのクライアントの話す会話が重要なのでなく、あくまでもクライアントの客観的なセルフトークである内省言語を作ることが重要なのです。

ところがコーチが質問したり、コーチが話したり、コーチがアドバイスすることが主になると、クライアントは「主観」のままになってしまいます。抽象度の高い視点からクライアントを観察するコーチが黙っているからこそ、クライアントは「客観」になり、内省言語が想起されていくのです。

クライアントには無言で無意識に自我を観察させる、実はこの過程がすでに「客観」になっています。そうすると、クライアントは「これは変えないとダメだ」「本当にやりたいことはなんだろう」と内省言語が発生し、自分で自我関数pを変え始めるのです。

コーチがクライアントに「あなたは変わらないとダメですよ」と、言葉で言ったところで変わるものではないということです。

次に、クライアント本人が無意識の中で、過去の記憶を使わずに、セルフトークでゴールに対してストーリーテリングしていれば、その中間過程でゴールに対して臨場感が出てきます。

クライアントには、無言で自我を観察させて、過去の記憶を使わないストーリーテリングができるようにすることが重要です。それはコーチが黙っているからこそ起こることです。

 引用終わり

 

 

あくまでもクライアントの客観的なセルフトークである内省言語を作ることが重要

 

 そのためには抽象度を上げながら「無意識に自我を観察」という過程を経ること(=客観)が重要。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 すると、「これは変えないとダメだ」「本当にやりたいことはなんだろう」という内省言語が発生します。その内なる言葉(&映像&感情)をしっかりモニタリングして、さらにコントロールしていくことがポイント。さらに具体的にいうと

 Q-103:あがり症は克服できますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19152931.html

 

1段階:「無理だ」「できるわけがない」という“あきらめ”

  第2段階:目的論的なものが生まれてくる、いわば“希望”が芽生える段階

  第3段階:「私はいつも~している」という“誓い”

  第4段階:“ゴールを実現”した新しい自分のイメージでの自然な内省言語

 

 …この第1段階から第4段階へと向かう変化、すなわち「あきらめ →希望 →誓い →ゴールを実現」という言葉(&映像&感情)=臨場感をコントロールすること。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 そのコントロールにより「ゴール側の可能世界w2を出力するエフィカシー関数」が生みだされます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

新たな「エフィカシー関数」をつくりながら、「自分で自我関数pを変え始める

 

 それがコーチング中に起こること。「コーチが黙っているからこそ起こる」ことです。

 Q-448:未来において「被害者」<補足;「自我関数→エフィカシー関数」×超楽観>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37503636.html

 

L-232につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

クライアント本人が無意識の中で、過去の記憶を使わずに、セルフトークでゴールに対してストーリーテリングしていれば、その中間過程でゴールに対して臨場感が出てきます

 

と、苫米地博士は書かれています。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 その「ストーリーテリング」とは?

 

 私のイメージはこちら↓

 Q-421~:コーチングを受けるとどうなりますか? -version 2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430928.html

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-373:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.7;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -実践編-

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35653525.html

L-128202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -09;セルフトーク×エフィカシー

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32812936.html

L-129202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -10;自己充足的予言×エフィカシー

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32846862.html

L-206202207月シークレットレクチャー -04;「想像力×創造力」の源

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36789215.html

Q-391:現状の外かな~ということをイメージするととても気分が悪くなってしまいます。このような場合どのようにすればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35232931.html

 

 

新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版



F-420:私、うっちゃいました <後編;デフォルト化した社会を変えるために>

 

 世界を襲った「新型コロナ感染症(COVID-19)」と「mRNAワクチン」という“茶番”から、ずいぶんと時間が経ちました。医療・介護現場では多くの職員が「mRNAワクチン」を接種しています。「思いやりワクチン」などの美辞麗句に覆われた“同調圧力”が強烈に働いたから。

 F-206:マトリックス/Matrix -01<ストックホルム症候群>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26952285.html

 

 「本当は嫌だったのに、仕方なく接種した」という人ほど、「mRNAワクチン」の正体を知ると青ざめます。そして、必ずと言っていいほどこう言います

 

  私、うっちゃいました

 

 そんな言葉を聞いたとき、コーチとして思うことをまとめます。

 

 前編;後悔は進化の結果

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37549544.html

 中編;抽象度を上げるための縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37587853.html

 後編;デフォルト化した社会を変えるために

 

 

 私がお会いした巨大な医療法人を率いる医師は、リーダーにふさわしいブリーフを体得しているように感じました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 後悔など無縁で、すぐに新たなゴールを設定し立ち向かっているように思えました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ところが、肝心な「次のmRNAワクチン接種を阻止する」という部分で、強烈なブレーキがかかりました。

 

先生の言いたいことはわかりますけど

長いものに巻かれろじゃないですけど

いろいろと角が立つので

 

そんな言い訳(創造的回避)を生みだすものは何なのでしょう?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

4)自分中心を捨て去る」を邪魔する力は何?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076797.html

 

 「4)自分中心を捨て去る」を体得しているはずの医師は、なぜ急に抽象度が下がったのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681205.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681282.html

 

 私たちは一体何と戦っているのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34314141.html

 

 

 言い訳を生みだすものは現状(Status Quo)を維持しようとするという力。それは強力なホメオスタシスの働きです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 「4)自分中心を捨て去る」というのは、抽象度が上がる方向性。苫米地博士がよく用いられている表現でいうと「利他性」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

それを邪魔する力は、当然、抽象度を下げる方向に働きます。その低抽象度へ向かう力のことを、仏教では「煩悩」と表現します。「利他性」に対しては「利己性」です。

その「煩悩」「利己性」は自我によって表面化します。

Q-363各エリアのゴールについて想いを馳せている… -A2<止;煩悩を意識する>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33604324.html

 

 下記ブログ記事で取り上げましたが、最近、苫米地博士は「煩悩か 芸術か」というタイトルの文章をブログとXに投稿されました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37518824.html

 

 その後、さらにXにこのような投稿をされています(2025103日)。

 

 

DrT X(251003:動物のデフォルトは利己的)

https://x.com/DrTomabechi/status/1973811683836768467

 

 

動物のデフォルトは利己的。人間も放っておくとデフォルトに。教育の重要側面は利他性の取得。でもお金や権力ですぐ動物に戻りたがる

 

 この「お金や権力」への渇望が現代的な煩悩の代表。こんなにも人が傷つき死んでいるというのに、いまだに「mRNAワクチン」が続いている最大の要因でしょう。

 F-367:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

 

 私が面会した医師は、間違いなく「4)自分中心を捨て去る」を体得していました。なのに急に抽象度が下がったのは、アプリオリ権力を受け継いだ“世襲”であることが大きく影響しているはず。

 F-378:学びと破門で脅しをかける <vol.2;洗脳を一瞬でキャンセルしてしまう方法>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35894360.html

 

アプリオリリーダー(の無意識)は、特定のアプリオリ権力の利益(既得権益)を優先することになります。端的にいうと、お金と権力の維持。それは「これまでのコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)を守り抜く」ということです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 個人レベルでいかに「4)自分中心を捨て去る」を心がけていても、強力なCZの呪縛がジワジワと抽象度を引きずりおろします。それは

 Q-195:コーチングはマインドを… Vol.4;脳の呪縛を解き放つ(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25645972.html

 

  今だけ 金だけ 自分だけ という「デフォルト」。

 

 

そんなデフォルト化した社会を変えるために

 

私たちは何をするべきなのでしょう?

何と戦えばいいのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「日本転生 絶体絶命の国の変え方」(TAC出版、p62)より引用します。

 

 

すべてが金を基準に動く国にしない

 今後、世襲を認める国はつぶれていきます。その代表は日本……と思ったかもしれませんが、いちばんはアメリカです。

 お金と権力の世襲を徹底的に肯定しているのがいまのアメリカです。

 たとえば、アメリカの建国と父として知られるピルグリム・ファーザーズ(巡礼始祖)の子孫がいまだにアメリカでは名士です。これは実際に私が中学生時代、アメリカ在学中に実体験しています。同級生の一人がピルグリム・ファーザーズの子孫というだけで学校では大きな顔ができていたのです。家も高級住宅街の一等地で裕福な暮らしをしていました。

 ピルグリム・ファーザーズたちがメイフラワー号に乗ってイギリスからアメリカに渡ってきたのは1620年のことです。いまのアメリカの礎を築いた彼らは先行者利益を独占し、いまでも栄えているのです。

 有名なロックフェラー家もそうです。ロックフェラー家はずっとアメリカを支配してきたファミリーで、次の大統領を誰にするのかを裏から操ってきたような一族です。ロックフェラー家が認め、ロックフェラー家が資金を提供しなければアメリカで大統領になるのはむずかしいのです。

 しかし、そんな彼らも遺産相続となるとそれなりに頭を悩ませていました。私が三菱地所時代にロックフェラーセンター買収に関わっていたことはいろんなところでお話ししてきました。その当時、私はデイビッド・ロックフェラー氏とはちょっとしたお茶飲み友達でした。そのお茶飲み話でデイビッドが話してくれた印象深い話はロックフェラーセンターを売却する理由です。それは孫たちのためでした。「私には孫やひ孫が何十人もいて、彼らに遺産相続するために、いまキャッシュが必要なんだ」というものです。

 当時、“世界皇帝”とも呼ばれたアメリカの陰の王様ロックフェラー家の当主でさえ、子孫に財産を残すことをあれこれ考えていたのです。

 

 ロックフェラー家がここまで台頭していなかった時代はピルグリム・ファーザーズがアメリカの伝統として富と権力を世襲として握っていました。

 いい悪いは別にして、彼らは国をつくったパイオニアたちです。そこには彼らなりの自負と責任があったのです。そういったものを財産と同時に世襲していったのがピルグリム・ファーザーズたちだったと言っていいでしょう。彼らによって民主主義は世界で最も進化し、そこに自負と自信を持っていた時代がアメリカにはあったのです。

 

 ところが、いまのアメリカはどうでしょうか?

 各地で拡大させていた戦争から手を引くのはいいとしても、引き方があまりにもひどいでしょう。アフガニスタンからの撤退では現地にアメリカの協力者を置き去りにするだけでなく、アメリカ人すら残してきてしまいました。これは国家的な見殺しと言っても過言ではないでしょう。

 ウクライナ戦争でもリベラルの大統領が「米軍は動かない」と発言してロシアの侵攻を結果的に誘発してしまいました。

かつて民主主義の守護者として世界に君臨していた国とは思えない、自分勝手な行動が目立つようになっているのです。

 

 私は世襲をまったく認めません。しかし、それは世襲が持つ利点も理解したうえでの「認めない」という意味です。世襲が持つ利点は、代々その家が持っていた社会に対する責任です。その責任を伝えていくために財産と権力をセットにしたのが本来の世襲というシステムです。

 しかし、いまはアメリカもヨーロッパも、そして日本も、世襲の本来の意味が伝わっておらず、ただただ財産と権力だけが伝えられているのです。形骸化した世襲システムは社会にとって災厄以外の何ものでもありません。

 実際、いまのアメリカを見てください。どう見ても一部の利権に支配された国になってしまっています。

 お金のために選挙を操作し、お金のためにメディアを抱き込み、お金のために戦争を始めています。お金のためにワクチンをつくっているようにさえ見えてしまっています。

 そんな人たちが支配する国が栄えるわけがないのです。いまのアメリカは内部でさまざまな分断が始まっています。南北の分断、移民とアメリカ人の分断、LGBTを巡る分断など、あらゆる分断が火を吹いています。

 今後はこれが世襲となって続いていくのです。

 どう考えてもそんな国はつぶれていくでしょう。国家としては残るでしょうが、その支配者は一部の利権を支配する人々になってしまうのです。それはGAFAに代表されるような超巨大企業、超国家的勢力です。

 

 恐ろしいことにいまの日本はそんなアメリカをお手本にしようとしています。

 日本はすべてが金を基準に動く世の中をつくろうとしています。政党は所属する国会議員を政党助成金で縛っています。党の方針に従わなければ政党助成金はもらえず、選挙で戦えないので反抗はできません。

 国民の投票行動も、いまや広告代理店にお金を払って操作しています。広告代理店はメディアを牛耳っていますから、メディアもそれに唯々諾々と従ってしまうのです。

 なにより恐ろしいのは、日本のトップは自身の金と権力のために振り回されてさえいないということです。自己保身のために欧米の権力者たちの言葉に喜んで従っているのです。

 そして、その欧米の権力者たちは、戦争や疾病の流行も金儲けになると考えるような人々なのです。

 彼らは国がつぶれてもいいのです。超国家的勢力はむしろ国がつぶれたほうが稼げます。国がつぶれて人々が貧困になれば、安い賃金で働かせることができるのですから。

 いま世界では世襲よりも恐ろしい、超国家的勢力が台頭してきています。みなさんもそれをヒシヒシと感じているのではないでしょうか?

 はたして、それを止める手段を私たちは持っているのでしょうか?

 引用終わり

 

 

 形骸化した世襲システムは社会にとって災厄以外の何ものでもありません

 

 私たちが戦うべきなのは「権力構造」です。権力を基盤としたシステムを倒す必要があります。苫米地博士は、「新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版」(CYZO、付録②)の中で、「その権力構造こそ、現状の世界w1」と書かれています↓

 F-406:自由訳「守破離」 vol.4;「離」× Leadership

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37109372.html

 

 だから

 

  現状の世界w1と戦え!

 

 となると、戦う方法はコーチングの実践です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

 誰よりも高い抽象度で現状の外側を見て、圧倒的に高い利他性でゴールを設定し、徹底的な自己犠牲と揺るぎない責任感でゴール側の世界w2を創造する

 

 

 「私、うっちゃいました」という言葉を聞くたびに、私はコーチングとリーダーシップが両輪となっている社会(未来)に思いを馳せます。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

最初(F-418)に「後悔」について確認しました。

過去への執着である「後悔」が残っていると、「未来から過去へ」という時間の流れが止まってしまいます。仮に「後悔」をやめたとしても、それだけなら時間は未来からは流れません。ゴールがないから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 「私、うっちゃいました」というのは過去。その事実を縁に学んだことや気づいたことを未来に還元することが重要です。その第一歩がゴール設定です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 だから私は「後悔」を見つけたとき、まずは「後悔は高度に発達した前頭前野の働き」であることを伝え、ゴール設定を縁にその前頭前野をフル活用してまったく新しい未来を創造することを促します。

 F-380:学びと破門で脅しをかける <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35997725.html

 

 そのとき、言葉にはしませんが、このように念じています

 

  現状の世界w1と戦え!

  心から望むゴール側の世界w2を自由自在に生みだせ!

  君ならできる !!

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-356:自由訳「OODA」 <vol.2Orient

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34805412.html

L-144202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-07;「最高のCOT=コーチング」の真の意味

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33432688.html

Q-397:みんなお金にしか興味がなく、孤独感を感じています

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35381579.html

Q-417~:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430853.html

 

 

日本転生 絶体絶命の国の変え方

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 日本転生 絶体絶命の国の変え方 電子書籍: 苫米地英人: Kindleストア

 

 


L-230202209月シークレットレクチャー -05;コーチングは「客観」 その理由は?

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html

 02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37564658.html

 03;生と死の間を輝かせる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37577854.html

 04;自我関数から導きだされる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37603992.html

 05;コーチングは「客観」 その理由は?

 

 

「空」である“点”が、「仮」としてのゴールを生みだし、結果として関数pを書き換えるそのプロセスがコーチング

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

コーチングとは「可能世界間の移行」であり、「結果として関数p(自我)を書き換える縁起」

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

 ところで、無意識と意識の違いとは?

 

 苫米地博士はとてもシンプルに定義されています。それは「無意識のうち気づいている部分が意識」↓

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 無意識を意識に上げるモニタリングはとても重要です。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

ただし、その「意識」は、通常は過去の記憶によって他人や社会に作られたブリーフシステム(Belief SystemBS)が生みだしています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

だから、現状(可能世界w1)の外に心から望むゴールを設定し、ゴール(可能世界w2)側からモニタリング&ラベリングを行い続けることが重要!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 *モニタリング&ラベリングはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 

 と言葉でいうのは簡単ですが、実際には「現状(可能世界w1)の外に心から望むゴールを設定する」ことは簡単ではありません。「現状の外」はスコトーマに隠れており、そもそも認識する(意識に上げる)ことができません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その解決のために、私は常に目の前の宇宙を立体的に観るように心がけています。“立体的”とは、抽象度という軸を加えたA次元として観るということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 立体的に観つづけていると、「自分のマインドが映しだす目の前の宇宙は、最も情報量の多い物理次元を底面とする広大な情報空間である」ことが感じられるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

そんな情報空間中を自由に飛びまわることができる意識状態が「観自在」です。

F-318~:観自在

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

抽象度を用いて説明すると、「観自在」は、「抽象度nの事象に対して、抽象度(n1)となることができる状態」のこと。苫米地博士は「いくらでも次元を超えられる」という意味で「A次元」と表現されています。A次元を獲得した意識状態が「観自在」です↓

 F-301:芸術は高抽象度の未知なるvol.3最強の自己プロデュース力=火の鳥

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31971444.html

 

 そのような「観自在」を目指しながら、私は心の写像である世界を観察し続けています。医師として表現すると「診察」です。例えば↓

 F-049~:同じ人間なのだから診れるだろう

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268336.html

 

  診るのは物理空間上の「果」

察するのは高次の情報空間にひろがる「因」

 

「よく観察して意識に上げる」という行為を続けていると、客観的な視点を作ることができます。客観的な視点とは、次世代コーチングでいう「外側視点(外的視点)」のこと。

F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 外側視点(外的視点)を作ると、さらに抽象度を上げることができるようになります。コーチングにおいて重要なのは、主観ではなく、客観です。

 L-202202207月医療・介護研修会 -12QA、最終回);コーチングの奥義

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36432314.html

 

 ここで問題。なぜコーチングは「客観」なのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版」(CYZO、付録②)より引用します。苫米地式次世代コーチングのプリンシプルを感じてください。Feel

 

 

苫米地式・次世代コーチング・プリンシプル③

「セルフトーク」

 

エフィカシー関数を作るセルフトークのコントロール

 私たちは常に自分自身に語りかけています。それがセルフトークです。

 私たちは無意識的なものも含めると、1分間に数回は自分自身に話しかけているといわれています。これを1日に換算するとかなりの数になります。

 何か失敗したときに「あ、しまった」「またやってしまった。なんてバカなんだ」と言ってしまうのもセルフトークです。これを「自分らしくない」と捉え、エフィカシーを下げないようなセルフトークに変えていく必要があります。

 「またやってしまった。なんてバカなんだ」というのは、エフィカシーが低い自分を肯定する言葉です。そんな言葉を使っていると自分をw1に縛り付けてしまい、そこから抜け出せなくなります。

 「自分らしくない」ということは、本当はそれができる自分なのだが、今回は自分らしくない結果だったと考えれば、エフィカシーを下げずにすみます。一方で、うまくいったときは「たまたまラッキーだった」と思わず、その結果は「自分らしい」と高いエフィカシーの自分を肯定すればいいのです。

 可能世界w2へ移行するためには、可能世界w1から可能世界w2に移行できるというエフィカシー関数を作っていく必要があるのですから、最低限エフィカシーを下げてはいけません。さらにエフィカシーを上げていく必要があります。

 エフィカシー関数を作っていくために、セルフトークを変えていくことを、セルフトークのコントロールといっています。単にネガティブな言葉を、ポジティブな言葉に変えましょうということではないので注意が必要です。

 なお、今回は付録③として、ドクター苫米地のコーチング理論のエッセンスをシンプルな言葉で表した特製のセルフトーク・カードを添付しました。苫米地プリンシプルが自然とインストールされる「効果抜群」のカードです。そちらも活用してセルフトークをコントロールしてください。

 

外的視点を作る

 セルフトークのコントロールをする際に重要なのは、外側の視点を作るということです。つまり、「主観」ではなく「客観」ということです。

 ここで注意しなければならないのは、悲観を楽観に変えるということではないということです。例えば、コップの半分に水が入っているときに「半分しか入っていない」と悲観的に捉えている人に対して、「半分も入っている」と楽観的に捉えなさいと指導する人がいますが、それはコーチングではありません。

 「あなたの会社の株を、私は51パーセント、あなたは49パーセントでよいでしょう」と言われたら、それに納得する人はいないでしょう。

 コップに水が半分も入っていると楽観的に捉えなさいというのは、49パーセントでもうれしいでしょう、と言っているのと同じことです。これはあくまでも本人の心の中の捉え方であって「主観」の話です。

 そうではなくて「客観」が大事だということです。「客観」するとしたら、コップの中に水が入っていなかったとしても、「雨が降ったらこのコップに水を入れられるかも」と捉えることができるはずです。

 悲観視している人に対して、楽観視しましょうといっても、「主観」から抜け出せず、現状の世界w1にとどまることになってしまいます。「客観」できないと、w2の世界は見えてこないのです。

 あくまでもコーチングでは「客観」つまり外的な視点を作っていきます。そうすることで、初めて「主観」ではなく「客観」によるセルフトークのコントロールができるようになるのです。

 引用終わり

 

 

セルフトークのコントロールをする際に重要なのは、外側の視点を作るということです。つまり、「主観」ではなく「客観」ということです

 

 コーチングにおいて「客観」が重要なのは、抽象度を上げてセルフトークのコントロールをするため。

 Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 そして、セルフトークのコントロールをするのは、エフィカシー関数を作っていくためです。

 Q-448:未来において「被害者」<補足;「自我関数→エフィカシー関数」×超楽観>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37503636.html

 

L-231につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-094~:私はイヤなことは心の中で握りつぶす

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_375251.html

L-128202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -09;セルフトーク×エフィカシー

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32812936.html

L-220202208月シークレットレクチャー -07;ヒーリング実践の基盤、コーチング実践の基礎

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37209477.html

L-221202208月シークレットレクチャー -08;“しっかり生きる”ためのシンプルなワーク

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37223679.html

Q-395~:セルフトークのコントロールをやっていますが、時折強い孤独感を感じることもあります

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429935.html

 

 

新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版



L-229202209月シークレットレクチャー -04;自我関数から導きだされる縁起

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

  

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html

 02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37564658.html

 03;生と死の間を輝かせる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37577854.html

 04;自我関数から導きだされる縁起


  

死を考えることは生を考えることです。生なくして死はありません

 

 これは前回(L-228)引用した苫米地博士の言葉(「『生』と『死』の取り扱い説明書」)。

 

 私たちは、これまで生きてきた間に、たっぷりと「死の恐怖」を刷り込まれています。その事実を知り、常に自身の心をモニタリングし続けることが大事。

まずは気づくことです。心の奥底に潜む「死の恐怖」に。

L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 モニタリングは思考と同時並行的に行いますが、その思考には注意が必要です。例えば「死を考えることは生を考えること」という場合の「考える」は、通常の場合、「過去」に基づく情報処理です。その理由は「認識のパターンは過去の記憶でつくられている」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

認識のパターンのことをブリーフ(信念)と呼びます。そのブリーフが集まってできあがった脳内の統合的なシステムがブリーフシステム(Belief SystemBS)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 BSは私たちの認識・理解・評価・判断を制御しています。無意識下で、まるで決まったアルゴリズムに従うかのように。だから、私たちの情報処理は「自動運転」といえます。

 BSは「情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」で構築されています。そこには他人や社会の価値観がたっぷりと刷り込まれています。だから、私たちの情報処理は「無人運転」だともいえます。

 F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 コーチングにおいては、このBSによる自動思考(「自動運転」「無人運転」)を、一旦しっかりと止めることが重要。その取り組みのことを「止観(しかん)」と呼びます。

 L-224202208月シークレットレクチャー -11;「止」と「観」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37272802.html

 

 止観を経てコーチング中に行うのは「観自在瞑想」。「自分が在ること/ところ(=自分という存在)を自由自在に観る」というのが「観自在」です↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 以下、苫米地博士の著書「一生幸福になる 超訳 般若心経」(学研、p15)より引用し(青字)、掘り下げます。

 

 

瞑想とは自分自身を自由自在に観ること

 瞑想とは自分自身を見つめ、自分のいる世界を見つめ、宇宙全体を見つめることと書きました。実は、自分自身を見つめると、同時に自分のいる世界も、宇宙全体も見たことになります。なぜかというと、自分自身というのはそれだけで存在しているのではなく、必ず自分以外の周りのもの(=自分のいる世界、宇宙全体)との関係によって成り立っているからです。このことをお釈迦様は「縁起」と呼びました。

 人はとかく、自分というものを絶対視しがちです。ですが、瞑想とは自分自身から離れて、自分自身を外側から見つめ直す作業です。自分を外側から見るには、自分と周囲との関係をよく見る必要があります。このとき、それまでの思い込みや先入観などを捨てて見ないと、本当の自分は見えてきません。思い込みや先入観に縛られていると、自由に自分自身を見つめられないのです。瞑想とは自分自身を自由自在に見る(観る)ことなのです。

 引用終わり

 

 

 自分自身を見つめ、自分のいる世界を見つめ、宇宙全体を見つめる

 

 次世代コーチングの枠組みでいうと、「自分自身」とは「関数p」、「自分のいる世界」とは「現状の可能世界w1」、そして「宇宙全体」とは「『ゴール側の可能世界w2』を含むすべての可能世界w」のこと。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 「関数p」とは自我、そして「可能世界」はコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)と考えることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 

 自分自身を見つめると、同時に自分のいる世界も、宇宙全体も見たことになります

 

 このことを、苫米地博士は「部分関数」を用いて説明されます。部分関数とは、「対象を2つに分ける関数」のこと。「『宇宙』を入力すると、『自分』を出力する部分関数f」が自我です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

  f自我(宇宙)→ 自分

 

自我関数fに宇宙のすべての情報を入力すると、自分に関する情報だけが出力されます。なぜかというと、「(宇宙の中の)自分に関する情報」と「(宇宙の中の)自分以外の情報」に分けたから。

 もしも自我の逆関数に「自分に関する情報」を入力すると、「宇宙のすべての情報」が出力されることになります。なぜなら自我関数が分けた「(宇宙の中の)自分に関する情報」と「(宇宙の中の)自分以外の情報」を分ける前に戻すと、宇宙すべての情報が復元されることになるからです。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 「自我の逆関数に自分を入力すると、宇宙が出力される」を突き詰めると、「宇宙は自分自身を見るための鏡である」ことがわかります。

 F-200:“あの人”の言葉はなぜ心に響くのだろうか? Vol.4;「こんなにほったらかしにして」を解決する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26610212.html

 

 

 自分自身というのはそれだけで存在しているのではなく、必ず自分以外の周りのもの(=自分のいる世界、宇宙全体)との関係によって成り立っているからです。このことをお釈迦様は「縁起」と呼びました

 

  「自我の逆関数に自分を入力すると、宇宙が出力される」を、苫米地博士は「f1自我(自分)→ 宇宙」と形式的に定義されています。この式の意味するところは、「もしも自分のことを知ることができるならば、宇宙全体も知ることができる」ということ。もっとシンプルに表現すると

 

自分と宇宙は一体である

 

それが自我関数から導きだされる「縁起」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

人はとかく、自分というものを絶対視しがちです。ですが、瞑想とは自分自身から離れて、自分自身を外側から見つめ直す作業です

 

 f自我(宇宙)→ 自分」や「f1自我(自分)→ 宇宙」が示唆しているのは、「自分を知るということは、宇宙全部を知るのと同じくらい難しい」ということ。当然、「自分が心から望むゴール」を見つけることも難しいことだといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 思い込みや先入観に縛られていると、自由に自分自身を見つめられないのです。瞑想とは自分自身を自由自在に見る(観る)ことなのです

 

 だから、「自分を知り、ゴールを見つける」ためには、他との関係により生みだされる“点”の本質をしっかり理解する必要があります↓

 Q-449:アートマンって何ですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37528586.html

 

 その本質とは、「空」。

 「空」である“点”が、「仮」としてのゴールを生みだし、結果として関数pを書き換えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 そのプロセスがコーチング。コーチングとは「可能世界間の移行」であり、「結果として関数p(自我)を書き換える縁起」です。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

L-230につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

S-04-27:鏡の中の“自分”に微笑みかけるために <最終回>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24178986.html

F-404:自由訳「守破離」 vol.2;「守」× Healing

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37031929.html

L-11920219月シークレットレクチャー -07;人間だから持つことができる強大な生命力

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32215001.html

L-172202203月シークレットレクチャー -05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html

L-215202208月シークレットレクチャー -02;コーチの役割は。そのためにコーチは

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37125267.html

Q-354~:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。単に疲れているだけでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427647.html

 

 

一生幸福になる 超訳 般若心経



F-419:私、うっちゃいました <中編;抽象度を上げるための縁起>

 

 世界を襲った「新型コロナ感染症(COVID-19)」と「mRNAワクチン」という“茶番”から、ずいぶんと時間が経ちました。医療・介護現場では多くの職員が「mRNAワクチン」を接種しています。「思いやりワクチン」などの美辞麗句に覆われた“同調圧力”が強烈に働いたから。

 F-206:マトリックス/Matrix -01<ストックホルム症候群>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26952285.html

 

 「本当は嫌だったのに、仕方なく接種した」という人ほど、「mRNAワクチン」の正体を知ると青ざめます。そして、必ずと言っていいほどこう言います

 

  私、うっちゃいました

 

 そんな言葉を聞いたとき、コーチとして思うことをまとめます。

 

 前編;後悔は進化の結果

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37549544.html

 中編;抽象度を上げるための縁起

 

 

 前回(F-418)は「後悔」について確認しました。

過去への執着である「後悔」があると、「未来から過去へ」という時間の流れが止まってしまいます。仮に「後悔」をやめたとしても、それだけなら時間は未来からは流れません。ゴールがないから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 「私、うっちゃいました」というのは過去。その事実を縁に学んだことや気づいたことを未来に還元することが重要です。その第一歩がゴール設定です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 だから私は「後悔」を見つけたとき、まずは「後悔は高度に発達した前頭前野の働き」であることを伝え、ゴール設定を縁にその前頭前野をフル活用してまったく新しい未来を創造することを促します。

 F-380:学びと破門で脅しをかける <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35997725.html

 

 そのときに強く意識に上げるのが「バランスホイール」。なぜだと思いますか?

 

 

 答えは「抽象度を上げるための縁起」だからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ゴールの基本条件は 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る。

 L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 「1)現状の外」といのは、「ブリーフシステムの外側」であり、「コンフォートゾーンの外側」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 そんな「1)現状の外」は、ふつうは認識することができません。だから、ご承知のとおり、ゴール設定はとても難しいのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「4)自分中心を捨て去る」とは、“自分”の定義を拡大・拡張していくということです。例えば →家族 →地域社会 →日本 →世界 →未来 →というように“自分”という感覚が拡大・拡張していくほど、現状の外を認識することができるようになります。抽象度が上がるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 だから、バランスホイールは「抽象度を上げるための縁起」。

「家族」「地域社会」「日本」「世界」「未来(時間)」というカテゴリにそれぞれゴールを設定し、さらに「趣味」「職業」「生涯学習」「健康」「ファイナンス」といったカテゴリのゴールも同時に考えることができるようになると、どんどん抽象度が上がっていきます。

 F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html

 

 苫米地博士は、昨年(2024年)、「バランスホイールに『抽象度』を入れる」というアップデートを行われました。

 ゴールのカテゴリには、大きければ大きいほどよいものもあれば、バランスが重要なものもあります。ほとんどのカテゴリはゴールが大きいほどいいのですが(=現状の外)、「健康」と「ファイナンス」に関しては大きさではなくバランスが重要です。

 「抽象度」のカテゴリに設定するゴールは高ければ高いほどいいのですが、一方でバランスにも大きく関わります。他のすべてのカテゴリの上に位置することで、すべてのカテゴリが抽象度の面でも高く維持できる(そして、さらに引き上げる)ように機能します。

 Q-425:現状の外側に100%want tovol.3update ofBalance Wheel」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36631145.html

 

 

  バランスホイールは抽象度を上げるための縁起

 

 

 コーチングを実践していると、自然に抽象度が上がっていきます。すると、これまでとさほど変わらないはずなのに、目の前の世界がまったく違って感じられるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 それと同時に、情報次元で認識・理解・評価・判断が変わり、物理次元で言動が変わります。まるで人が変わったかのように(← 結果としての関数pの書き換え)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 医療現場で実際に経験した事例を紹介すると、「mRNAワクチン」の正体を知った医師が発したのは

 

  私、うっちゃいました

 

 という言葉でした。

慎重に確認しましたが、「うっちゃいました」は「患者さんに対して」「職員に対して」という意味で使われていました。

御自身も率先してワクチン接種を受けたということでしたが、関心は「自分の体(の心配)」ではなく、あくまでも「患者さんや職員の今後の体調(の心配)」にありました。

 Q-265:臨場感世界をまったく同じように感じることが<前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29084873.html

 

 これは「4)自分中心を捨て去る」ができている意識状態から生じた情報処理であるはず。その医師は巨大な組織のリーダーを務めていますが、リーダーにふさわしいブリーフを体得していると感じました。

 F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

 リーダーとは、「誰よりも高い抽象度で問題を見つけ、誰よりもエネルギッシュに解決していく」という存在です。まわりをうまくフォローし導きながら。

 F-380:学びと破門で脅しをかける <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35997725.html

 

 だから、リーダーという機能には「後悔」が入りこむ余地はありません。「問題の分析を行いながら(case-side)、同時に対策の検討と実行および修正を重ねていく(plan-side)」というリーダーには、そして「ゴールのさらに先に新たなゴールを設定する」というシンのリーダーには、そもそも「立ち止まる」という感覚が生じないはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 先ほどの事例に戻ると、その医師は「今後気をつけるべき症状(体調変化)」や「生活習慣改善のポイント」、そして「解毒方法」といったことに強い関心を寄せました。

 F-317Let’s connect the dots! <ナットウキナーゼ、ブロメライン、クルクミン>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32776714.html

 

 ところが、肝心な「次のmRNAワクチン接種を阻止する」という部分で、強烈なブレーキがかかりました。

 

先生の言いたいことはわかりますけど

長いものに巻かれろじゃないですけど

いろいろと角が立つので

 

そんな言い訳(創造的回避)を生みだすものは何なのでしょう?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

4)自分中心を捨て去る」を邪魔する力は何?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076797.html

 

 4)自分中心を捨て去る」を体得しているはずの医師は、なぜ急に抽象度が下がったのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681205.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681282.html

 

 私たちは一体何と戦っているのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34314141.html

 

 

 最後に、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版」(CYZO、付録②)より引用します。「リーダーが対峙するもの」を、そして「コーチングにおいて最も重要なこと」をイメージしながら読み進めてください。Feel

 

 

「スピリチュアリティ」を復活させるために2項目を追加した

 今回アップデートした苫米地式次世代コーチングでは、バランスホイールに2つの新しい項目を追加しました。それが、「抽象度」と「リーダーシップ」です。

 この2つの項目は、もともとはルー・タイスのコーチングシステムのバランスホイールに「スピリチュアリティ(Spirituality)」として入っていたものです。ところがコーチングを日本に紹介する際に、ルー・タイスと相談して「スピリチュアリティ」をバランスホイールから抜いたという経緯があります。

 その理由の一つは、その当時はオウム真理教の事件の記憶がまだ新しく、「スピリチュアリティ」という表現が、本来の意味とは異なり、カルト宗教などを想起させる可能性があったからです。そうすると、コーチングの普及の障害となる懸念がありました。

 本来の「スピリチュアリティ」は、カトリシズム(カトリック)のような博愛主義をベースにしたものです。しかしここでいうスピリチュアリティは、社会貢献のような博愛主義の意味合いではなく、宗教の中での人格形成や、霊性や精神性をいかに上げていくかということです。そうした点がゴール設定のための重要な項目になります。

 実際、敬虔なクリスチャンであったルー・タイスはキリスト教的な人格をいかに高度化していくかというゴールを持っていました。ルー・タイスは「北アイルランドの宗教紛争の解決」や「南アフリカ共和国におけるアパルトヘイト終結」などに協力してきましたが、彼のスピリチュアリティのゴールに向かう力が、そのように世界の数々の紛争をおさめるための原動力にもなっていたのです。

 現在の世界の情勢の中で、リーダーを育てていくことを考えると、今後コーチングは間違いなく必要なものになってきます。コーチングでは、コーチがクライアントのリーダーになるわけではありません。そして、クライアント自身が世の中のリーダーになるかどうかはコーチが決めることでもありません。

 しかし、コーチングを受けていく人たちには利他性が重要になります。そして、利他性はリーダーとしての最低限の素養となります。それは抽象度の高さ(情報空間における視点の高さ)、スピリチュアリティの高さということです。

 しかしながら、現在の日本の今のリーダーたちを見ていると、あまりにも抽象度が低いのです。ほとんどのリーダーが自分のためか、自分の所属する組織の利益のためだけに働いています。自分の子どもがかわいいとか、自分の家族が大切だというのは、犬猫など動物でも当たり前にもっている感覚です。

 そのような状況下で、事実上、宗教がない日本においてこそ、逆に「スピリチュアリティ」を復活させるにあたって、その本質である「抽象度」「リーダーシップ」という項目を、バランスホイールに入れることにしたわけです。

 引用終わり

 

F-420につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

S-02~:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_368012.html

F-061~:バイオパワー(生権力)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html

F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

F-367~:義を見て為さざるは、勇無きなり

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429934.html

F-375:俺にかかってこい

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35750566.html

F-37620-20-20ルール

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35798727.html

Q-266:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか? <後編;視点を上げる>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29135063.html

 

 

新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版



L-228202209月シークレットレクチャー -03;生と死の間を輝かせる縁起

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html

 02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37564658.html

 03;生と死の間を輝かせる縁起

 

 

 そもそも人間が完全情報を希求する根底には、恐怖があります

 

 (結果としての)ブリーフシステムの書き換えができない大きな理由は「恐怖」。だから私たちは、まずは恐怖を克服するべきです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

その恐怖の最たるものが「死の恐怖」。突き詰めると、それは「細胞レベルで働く煩悩」だといえるはずです↓

Q-379自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります<前編;case-side

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34636842.html

 

 

 と前回(L-227)の最後に書きました。

 

人は誰もが「死の恐怖」を抱えており、それは「細胞レベルの煩悩」である ということに対して違和感を感じる方は少ないと思います。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 その一方で、「死の恐怖」「細胞レベルの煩悩」という言葉に強い臨場感を感じる方も少ないはず。皆さんはどうですか?

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 医療・介護現場で働いていると、「人は必ず老い、たいていは病み、必ず死ぬ」ということを思い知らされます。最近、私は、40代の男性が食事を喉に詰まらせ窒息死するという場に居合わせました。まわりはもちろんのこと、本人も数秒後に自分が死ぬとは思っていなかったはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 物理空間において命は有限であり、生命現象の終わりである死は確実にやってきます。ときに突然、まるで襲われるかのように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

今日生まれる子も含めて、1日経てば、必ず1日、各々の人生の終わりが近づいてきます。その死がどんどん近づいてくるという事実は、ふだんは意識に上がっていないはず。多くの人にとっては。

その一方で、大人になるにつれ、無意識は死が近づいていることをしっかり感じ取ります。まわりで起こる「老」「病」「死」を縁にして。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

その「無意識は感じているけれども、意識には上がっていない」という状態が、潜在的に「死の恐怖」を増幅しているはずです。

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 「大人になるにつれ、無意識は死が近づいていることをしっかり感じ取る」の実際のところは、能動的な学習ではなく、たいていの場合は受動的な脅しに由ります(ハズ)。その代表が「地獄や悪魔を語る“教育”」です。

 PM-06-18~20:仮説13)宗教の限界

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526199.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14687391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14687476.html

 

 私たちは、これまで生きてきた間に、たっぷりと「死の恐怖」を刷り込まれています。その事実を知り、常に自身の心をモニタリングし続けることが大事。

まずは気づくことです。心の奥底に潜む「死の恐怖」に。

L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『生』と『死』の取り扱い説明書」(ベストセラーズ、開拓社より再販)の冒頭部分を引用します。

 

 

 あなたは、いつか、必ず、死にます

 ある時、あなたの心臓は停止し、身体中の細胞は活動を終えます。避けられるものなら避けたいと願っても無駄です。万人に等しく死は訪れるのですから。しかし、あなたは自分の死を体感することはできません。他人の死を傍観するだけです。

 では、あなたは死とどのように向き合っていけばいいのでしょう。死をどのように考えていけばいいのでしょうか。それらについて考えていこうというのが、本書の目的です。

 宗教的な考え方はもちろん、東洋思想(釈迦の教え)、機能脳科学、さらには宇宙物理学、量子論などさまざまな考え方を駆使して死について考察を加えていきます。

 

 これまで、人は「死の恐怖」とさまざまな形で向き合ってきました。闘ってきたと言ってもいいかもしれません。

 本書は、「死の恐怖」との向き合い方、克服法について考えていきます。一体「死の恐怖」とは何なのでしょうか。私たちは、恐怖を感じようにも死ねば意識そのものがなくなるとわかっているのに、なぜ、死に対して怯えるのでしょうか。

 自分がこの世から消えなくなる-。

 どうやら、この「自己喪失感」が「死の恐怖」の正体のようです。この「自己喪失感」を分析してみると、一つは「自分という存在そのものが消えてなくなること」、もう一つは「自分という存在の価値がこの世から消えてしまうこと」、この二つがあることがわかります。

 つまり、この二つとどう向き合うかを考えていくのが、本書の大きなテーマとなります。

 

 第一章では、死の専門家とも言える「宗教」について、その性質や死とのかかわり方を見ていきます。第二章では、死とはそもそも何なのか、その本質を探ります。第三章では、死を見つめるうえで前提となる「自分」と「宇宙」について考えます。第四章では、死を恐れる「恐怖心」について考え、恐怖心そのもののコントロール法まで見ていきます。そして、第五章では、死を通して「生きる」ことについて考えます。

 人類がこれまで歩んできた道を第一章で概観し、第二章で「死の正体」を明かし、第三章で「自分という存在が消えること」について考え、第四章で「恐怖」という、冷静な思考を妨げる要因を取り除き、第五章で「自分という存在の価値」を考えつつ、「生きるとは何か」を探っていくという流れです。

 

 ところで、私をご存じの読者の皆さんは、私を脳の専門家と思われていると思います。もちろん、それは正しいのですが、その脳の専門家がなぜ死を考える本を書くのかと疑問に思われるかもしれません。

 実は私は日本仏教で長く僧籍を持っています。また、チベットやスリランカなどの仏教とも交流を続けており、カギュ-派傳法大阿闍梨でもあります。二〇一〇年三月には、チベット仏教ゲルグ派傳法大阿闍梨の号も授かりました(ちなみに、ダライ・ラマの宗派がゲルグ派です)。私は、葬式仏教などと揶揄される日本仏教の誤解を解き、釈迦の教えを研究し、世界の人々が幸福に暮らすために何ができるかを常に追究しています。

 そのためこれまで多くの仏典、経典を読んできました。そうして死を捉え直すうちに、私の専門である機能脳科学や物理学、量子論などがたどりついた最先端の知見と、釈迦の思想が見事に符合していることに気がつきました。科学と宗教の両方を俯瞰する視点で死を考えること、これは私にしかできない試みと思い、本書を執筆することにしたのです。

 

 死を考えることは生を考えることです。生なくして死はありません。読者のみなさんは、本書を通して死を考えることで、明日からの生き方が劇的に変わることを実感されるはずです。それは、死の恐怖や不安を克服するというだけではありません。人生に輝きが生まれ、生きる価値を見いだし、ポジティブな思考を手に入れることができるのです。

 死を考えるだけでどうしてそんなことが起こるのか。その答えはもうすぐわかります。

 引用終わり(つづきはこちらでどうぞ↓)

 Amazon.co.jp: 「生」と「死」の取り扱い説明書 eBook : 苫米地英人:

 

 

自分がこの世から消えなくなる-

 どうやら、この「自己喪失感」が「死の恐怖」の正体のようです

 

 さらに抽象度を下げた分析が、「自分という存在そのものが消えてなくなること」と「自分という存在の価値がこの世から消えてしまうこと」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 「自分という存在」と「自分という存在の価値

 

 

 自分という存在」を考えることは、「自我」を定義することです。その「自我」は部分関数と評価関数という2つの観点で考えることができます。そして、その本質は「空(くう)」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「自分という存在の価値」とは、「空」なる自分が果たす役割・機能のこと。「仮(け)」です。「空」であることを忘れずに、しっかり「仮」を実践できることが「中(ちゅう)」。

その中観が「死の恐怖」の克服を可能にします。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

死を考えることは生を考えることです。生なくして死はありません

 

 

 そんな生と死の間にゴールを見いだし実現していくことが、最強の「死の恐怖」克服法である と私は確信しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 それはスピリチュアルペインを解決することであり、生と死の間を自ら輝かせる大切な縁起でもあります。

 L-00720201月シークレットレクチャー -07;スピリチュアルペインとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24706915.html

 

L-229につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-187~8:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと -04~5;“心の災害”にはレジリエンスで! レジリエンスにはコーチングを !!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25802632.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25868437.html

F-335:分断緩和のための処方箋 vol.6;「内部表現から頭を突き出し、真の自由意思を獲得する」というゴール

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33671632.html

L-023~420203月シークレットレクチャー -01~2;スピリチュアルペインを解決するのは自由意思でのゴール設定

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25974037.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26014834.html

Q-259~:コーチングは弱った人を対象とする臨床心理や精神医療の世界にはなじまないのだろうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419730.html

 

 

「生」と「死」の取り扱い説明書

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 「生」と「死」の取り扱い説明書 eBook : 苫米地英人:

 



L-227202209月シークレットレクチャー -02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html

 02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 

 

 私たちは「絶対他力」をどのように理解すればいいのでしょうか?

 どのように「『決して過信はせずに、しっかり確信する』という意識状態の体得」を目指せばいいのでしょう?

 

 「確信」という言葉を見たときに(trigger)、いつも思い出すコーチング・プリンシプルがあります(anchor)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 それは「夢をかなえる方程式 I×V=R」。「I」はImageまたはImagination、「V」はVividness、「R」はRealityです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

この方程式が意味するのは、「(そのとき)一番臨場感が高いイメージが(そのときの)現実である」ということ。テーマに沿ってシンプルに言い直すと

 

 

  確信が現実を生みだす

 

 

 「夢をかなえる」とあるとおり、「I×V=R」はとても希望に満ちたプリンシプルです。

 例えば、ゴールの世界の臨場感が高ければ、ゴールを達成する自己イメージが生まれ、その自己イメージがゴールの世界の臨場感をさらに高めていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 そうなるとスコトーマが外れていき、どんどんゴール実現に近づいていきます。「invent on the way」しながら。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

一方で、このプリンシプルは、とても危険な人間の情報処理の特性をもあらわしています。

もしもゴールの世界の臨場感が大きく崩れたなら、ゴールなんて実現できっこないというセルフイメージに陥り、臨場感はますます低下していきます。

本当はゴールを実現するエネルギーも能力もあるというのに、自分の可能性をまったく信じられなくなりながら。

F-312:デジタル自傷行為 <case-side -2;エフィカシーが下がりきった状態=〇〇>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32525868.html

 

 “とても危険な人間の情報処理の特性”と書きましたが、ここでいう“情報処理の特性”とはブリーフシステム(Belief SystemBS)のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

その情報処理の特性=BSが“とても危険”な理由は、「他人や社会の強い影響によりつくられ、過去に閉じ込められている」から。

 L-01020201月シークレット… -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

 一言でいうと 不自由。

 

 そんな不自由から脱却し、自由を獲得するがコーチングです。その自由とは、本当の“自分”を見いだすこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

自由意思で現状の外にゴールを設定し(「I」)、その臨場感を高めていくと(「V」)、ゴール側の可能世界w2に移行することができます。ホメオスタシスの働きで。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 その結果として、これまでの記憶(過去)でつくられた自分が、ゴール(未来)にふさわしい“自分”に書き換わっていきます。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

それがシンの自由!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 

 苫米地博士は「自分が本当にほしいもの、自分が心からやりたいことを選び出して、それに向かっていく自我に変えていくのはまさに脱洗脳であって、他者から作られた自我を脱構築していくのがコーチングである」と語られています↓

 L-217202208月シークレットレクチャー -04;情報を操作する鍵

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37162258.html

 

もちろん、長年の生活環境で埋め込まれたBSを(結果として)書き換えることは簡単ではありません。なぜ難しいのでしょう? 私たちはまず何に取り組むべきなのでしょう?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 以下、苫米地博士の著書「宗教の秘密:世界を意のままに操るカラクリの正体」(PHP研究所、p197)より引用します。BSが書き換えられない原因と対策を考えながら読み進めてください。Feel

 

 

「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳

 前章で私は、「人が信仰心を抱く理由のひとつは『完全情報への渇望』があるから」と述べました。人間にその欲望があるからこそ、どんな宗教も「完全なもの」「絶対的なもの」、要は「ア・プリオリ」があると語ります。そしてその瞬間から噓が始まり、教祖がもともと発していた強烈な救済のメッセージは、信者を束縛し教団や聖職者に奉仕させるためのストーリーへと堕落していきます。それは現代に生きる私たちを束縛・支配するお金教でも同じことです。

 

 そもそも人間が完全情報を希求する根底には、恐怖があります。

 地球の人口70億のうち、おそらく699000万人ぐらいの人がいまだに宗教を必要としています。その人たちに共通しているのが、恐怖の感情です。

 病、別離、孤独、貧困、そして、死。人々は多くの恐怖に苛まれています。宗教が信仰と引き換えに信者たちに与えるものは昔も今も恐怖からの「救済」です。恐怖から逃れることのできる魂の安寧の場所を約束するのです。

 

 しかし、その「救済」はまやかしです。

 宗教が「救済」を唱えるときは、いわゆる「マッチポンプ」が多いものだと理解してください。ありもしない恐怖をでっちあげて、その恐怖から逃れるためには自分たちの宗教を信じるしかないと言って、信者たちを脅迫するのです。

 霊は存在しないのに悪霊を取り除くと言ったり、あの世は心の中に作られたイメージにすぎないのに、あの世の行き先がお布施の額で変わるかのように信者を脅したり、あたかもお金がなければ餓死すると言わんばかりに貧乏の恐怖を煽ってみたり。

 マッチで火をつけて自分で火事を起こしておいて、やおらポンプを持ち出して水をかけて、「消した、消した」と騒ぐようなもの。まやかしのストーリーをでっちあげて恐怖心を煽り、私たちへの束縛を強めようとしているのです。

 そのような人たちが唱える「救済」を信じていても、魂の安寧の場所などどこにもありません。

 

 私は本書の冒頭で、マザー・テレサが深刻な信仰の危機と神への疑問を抱えていたことを書きました。おそらくマザー・テレサは、宗教が内包する本質的な矛盾に気づいてしまったのでしょう。

 人間は、それが、神との契約であれ富や権力を掌中に収めることであれ、それを深く追求すればするほど救いを手に入れることはできません。

 では、私たちは一体どうやって生きていけばいいのでしょうか。孤独と絶望のうちに死んでいくしかないのでしょうか。

 いいえ、決してそんなことはないはずです。私は2000年前にイエス・キリスト自身が、その解答のひとつを現代の私たちに向けて送ってくれていると思っているのです。

 引用終わり(つづきはこちらでどうぞ↓)

 宗教の秘密: 世界を意のままに操るカラクリの正体 | 苫米地英人 | 宗教学 | Kindleストア | Amazon

 

 

 そもそも人間が完全情報を希求する根底には、恐怖があります

 

 (結果としての)BSの書き換えができない大きな理由は「恐怖」。だから私たちは、まずは恐怖を克服する必要があります。

 F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html

 

その恐怖の最たるものが「死の恐怖」。突き詰めると、それは「細胞レベルで働く煩悩」だといえるはずです↓

Q-379自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります<前編;case-side

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34636842.html

 

L-228につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-070:「夢をかなえる方程式 I×V=R」のとおり、本当に夢が現実化した一例 ~映画「メジャーリーグ」~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15096276.html

L-159202201月シークレットレクチャー -03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

Q-236:アウトプット自体が苦手。恐怖心に近いです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28179398.html

Q-302:「死が迫る老人を慮りながら、目の前の世界をよりよくしていく感じ」とは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30818379.html

Q-329:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.4;自己イメージと臨場感世界は双方向性を持った縁起>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31941786.html

Q-353:傷つくような他人の言動に出くわした場合、どのような態度で接することが正解なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33148921.html

Q-445:パーキンソン病の母が雨の日も畑に行ってしまうので(しかもよく転ぶ)、とても困っています

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37455827.html

 

 

宗教の秘密

Kindle版はこちら↓

宗教の秘密: 世界を意のままに操るカラクリの正体 | 苫米地英人 | 宗教学 | Kindleストア | Amazon

 

 


I-146:【告知】コーチング・デ・コンパッションクラブ<251026> 受付開始

 

 すべてのはじまりは“現状の外”へのゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

双方向(多次元)の縁起を意識した気楽なクラブ活動をはじめました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ(CoacHing de Compassion ClubCHCC)」。

(詳しくはこちら↓)

1

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27936349.html

2

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28045280.html

 

CoacHing de Compassion Club

 

 

 このクラブ自体のゴールは「コンパッション実現」。コンパッションとは「慈悲」のことです。

20分(~最長30分)のクラブ活動を通じて、「Compassion = 慈悲」を体感&共有しながら、コンフォートゾーン化していくことを目指します。気楽にw

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その実現のためにエンドステートを2つ設定しました。

 (エンドステート、COA、アサンプションはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

1つ目(クラブ活動前半)は認知科学者 苫米地英人博士が教示されるコンパッションを確認していきながら、「お互いにスコトーマを外しあい、知識を習得・共有している」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 2つ目(クラブ活動後半)はお互いにエフィカシーを高めあいながら、「コンパッションを高次の抽象度で臨場感豊かに体感しつつ、物理空間でしっかり実践(実装)している」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *物理空間(=情報空間の底面)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 毎回、苫米地博士の著書「近未来のブッダ」(サンガ)より引用します。

 初回(220205開催)の反省を踏まえ、今後は告知の際に次回開催時の引用部分を提示することにしました。

 PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 開催は不定期です(最近は第4日曜 午前に行っています)。1週間前までにはブログで告知します。

クラブ活動時間は20分間を予定しています(最長30分)。自由に参加してください(途中入退室可能)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

 次回は 20251026日(日) 午前11時(日本時間)~ 開催。受付は5分前からです。

 

 

 申し込みは下記メールアドレスに。件名を「コンパッションクラブ<開催年月日>申し込み」としてください。

例:「コンパッションクラブ<251026>申し込み」

 

 申し込み・お問い合わせ(メール)

coachfor.m2@gmail.com

 

 

 お申込みいただいたら、zoom招待URLを返信します。あとは当日参加するだけです。

*自動返信ではありません。タイムラグを(compassionしながら)お楽しみください

*招待URLの転送等は御遠慮ください。参加できるのは申し込み者のみです

*申し込み時から匿名可とします(クラブ活動時の表示も)。ご自由にどうぞ

*友人や御家族等と一緒に一端末で参加する場合、申し込みは代表者だけでOKです

*クラブ参加時はカメラ・マイクともにオンにしてください。どうしても顔を出したくない方はzoomに搭載されているフィルター機能をご利用ください

(マスク・覆面・仮面のリアル使用も可w

*注意;録音・録画・撮影は御遠慮ください(私も行いません)

 

 

251026>前半のテーマ(引用部分、p78)はこちら↓


 

 

 251026>後半のテーマ(引用部分、p217)はこちら↓

 


 

 

 最後にもう一度、「近未来のブッダ」(サンガ、p151)より引用します。

 

 

現代版慈悲は「一緒に楽しみましょう」

 宗教は、たくさんの人に開かれていて、役に立ってこそ存在意義があります。ブッダの時代は「四つの苦をなくしてあげる」といえば、そのニーズは絶大でした。でも、今はそれではだれもついてこないのです。

 ブッダの時代、大衆のニーズに、教えを説いて応えた実績は意義深いです。しかし、今やニーズが違ってきています。そういう意味では、ブッダの教えが有効に人々の役に立っていないような懸念を感じます。

 宗教は、多くの場合は本人の救済に役立ってこそのものです。そういう機能を提供していくことの大前提として、たくさんの人の耳に届く、たくさんの人が聞きたいと思うメッセージを発信していないといけません。ブッダの教えも基本は不変ですが、時代が変わるにつれて説き方もバージョンアップしていくべきですし、コンパッションという考え方もどんどん現代化していくべきです。

 二十一世紀のコンパッションは、「一緒に苦しみましょう」とか、「一緒に憐れみましょう」とか、「私もあなたと同じように苦しんでいるんですよ」でなくていいと思います。もちろん、そういうニーズにも応えますが、もっと一般的な、基本的には現代社会の楽しさや快適さを享受できている人たちに応える「一緒に楽しみましょう」でいいのです。

 引用終わり

 

 

 さぁ、一緒に楽しみましょう!

 縁がつながることを楽しみにしています。

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

2つ目(クラブ活動後半)はお互いにエフィカシーを高めあいながら、「コンパッションを高次の抽象度で臨場感豊かに体感しつつ、物理空間でしっかり実践(実装)する」

 

 抽象度が上がるほど具体的な情報量が減っていくので、臨場感は下がっていきます。

ところが、それは「臨場感についての認識の誤解」(by苫米地博士)。詳しくはこちらで↓

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 

-関連記事-

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 

近未来のブッダ

 


F-418:私、うっちゃいました <前編;後悔は進化の結果>

 

 世界を襲った「新型コロナ感染症(COVID-19)」と「mRNAワクチン」という“茶番”から、ずいぶんと時間が経ちました。

 I-098:大切な人の命を守るために ~新型コロナワクチンに関する情報の御紹介~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30221437.html

 

 しかしながら、ここ日本では、「mRNAワクチン」という実験薬について何の検証も総括も行われないまま、新たなフェーズに突入しようとしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30879191.html

 

昨年(2024年)10月より「新型コロナウイルス感染症」に対する「mRNAワクチン」の定期接種が始まりましたが、なんと今年(2025年)も接種が行われることが決まりました。「予防接種健康被害救済制度」で死亡認定された方だけでも1000人を超えているというのに!

さらに信じられないことに、従来のワクチンまでmRNA化されようとしています。

 F-365:経営判断ってなんだ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35263585.html

 

 私たちはRASの働きにより限られた情報のみを認識し、そうとは知らぬまま限定的な世界の中を生きています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 つまり、スコトーマまみれだということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 スコトーマが生じる/外れるポイントは3つあります。1)知識、2)重要性、3)役割(責任)です。そもそも知識がないと、理解・評価・判断どころか、認識すらできません。だから知識を得る“学習”が重要。“学習”が認識する世界(可能世界w)を左右するといえます。

 PM-05-06~8そもそも教育とは?-3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 最近、私は「mRNAワクチンの罪と罰」(方丈社)という本を読みました。その本から得られる知識は、まさに“衝撃的”。「これはひろめないといけない」と思い、縁ある医療・介護現場で啓蒙活動を続けています。よりよい方向に社会(未来)が変わるために。

 F-281~:「社会が変わってしまう」~あるワクチンの話~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424261.html

 

 

 御存知かもしれませんが、医療・介護現場では多くの職員が「mRNAワクチン」を接種しています。「思いやりワクチン」などの美辞麗句に覆われた“同調圧力”が強烈に働いたからです。

 F-206:マトリックス/Matrix -01<ストックホルム症候群>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26952285.html

 

 「本当は嫌だったのに、仕方なく接種した」という人(have to)も多かったはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 そんな人ほど、「mRNAワクチン」の正体を知ると青ざめます。そして、必ずと言っていいほどこう言います

 

  私、うっちゃいました

 

 そのとき発言者の心を占めているのは「後悔」であるはず。

そんな情動を感じ取るたびに、私は苫米地博士の教えを思い出します。

 

 

  人が後悔するのは、進化の結果

 

 

 以下、博士の著書「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社、p32)より引用します。

 

 

「感情」の解剖図鑑

 

 

「後悔」とは

 後になって、自分が過去にしたことやしなかったことを悔やむこと。後悔の感情を持ち続けていると、判断やパフォーマンスに悪い影響を与えてしまうこともある。

 

▶人が後悔するのは、進化の結果

 後悔も不安と同様、ほかの動物には無く、人間だけに与えられた感情です。

 後悔は、「あのとき、別の行動をとっていたら、今とは違う結果になっていたかもしれない」といった具合に、「過去の選択によっては、現実になっていた可能性のある世界」(可能世界)を想定し、それと現実とを比較し、「可能世界の方が良かった」と感じることによって生まれます。

 現実世界と同じくらいにリアルに可能世界を想定するためには、時空を超えた推論ができなければなりません。つまり、後悔するには、高度に発達した前頭前野の働きが不可欠なのです。

 ですから、もし後悔の念がわきおこったときには、まず、「いま、自分が後悔しているのは、人類が進化した結果なのだ」と思うようにしましょう。

 引用終わり

 

 

 後悔するには、高度に発達した前頭前野の働きが不可欠

 

 ですが、進化の結果である「後悔」は、とても非生産的な感情でもあります。後悔し続けていると、その記憶がトラウマとなり、現実世界における判断や選択、パフォーマンスに悪い影響を与えるからです↓

 L-222202208… -09;「過去の出来事にラベルを貼って、ドリームキラーを撃退するワーク」の意義

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37235632.html

 

苫米地博士は「後悔は、百害あって一利なし」と断言されています。「百害」のうちいくつかを挙げると

 

□過去に囚われて、未来がスコトーマに隠れる

L-220202208… -07;ヒーリング実践の基盤、コーチング実践の基礎

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37209477.html

 

□大脳辺縁系優位に陥り、IQが下がる

 F-404:自由訳「守破離」 vol.2;「守」× Healing

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37031929.html

 

□ドーパミンが減少し、やる気が失われる

 Q-354:休みの日なのにvol.1;「無気力」と「やる気がない」の違い&GMCZ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33182294.html

 

□セルフイメージが低下し、エフィカシーが下がる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 □目の前の世界に対する現実感が低下し、注意散漫になる(「どうでもいい」という感覚)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 といった感じでしょうか。

 

 

 私自身の話をすると、今でも後悔することはしょっちゅうあります。でも、引きずることはなくなりました。「私らしくなかった。次は〇〇している」でおしまいです。

 Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 人生のある時点での選択が正しかったかどうかを、正確に評価することはできません。別の選択をした場合の人生(可能世界)を実際に歩むことは不可能ですし、そもそも考え方次第で評価はいくらでも変わってしまいます。

 目の前の世界は情報であり、すべて自分のマインドが生みだしています。

 F-391:童謡か? 軍歌か?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36506396.html

 

昔から「人生万事塞翁が馬」という故事が好きでしたが、苫米地博士に学ぶようになって、その意味や時間観は大きく変わりました。「未来の結果が現在、現在の結果が過去」というように。

 Q-247:続・気楽に生きたいのですが… -05;「時間は未来から過去に流れる」とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28437135.html

 

それは「時間は未来から過去に流れる」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

「後悔」は過去への執着であり、「未来から過去へ」という時間の流れを止めてしまいます。仮に「後悔」をやめたとしても、それだけなら時間は未来からは流れません。ゴールがないから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 「私、うっちゃいました」というのは過去。その事実を縁に学んだことや気づいたことを未来に還元することが重要です。その第一歩がゴール設定です。

 Q-437:コーチングは行動科学とvol.4;コーチングは新たな「縁起」づくり>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37087452.html

 

 だから私は「後悔」を見つけたとき、まずは「後悔は高度に発達した前頭前野の働き」であることを伝え、ゴール設定を縁にその前頭前野をフル活用してまったく新しい未来を創造することを促します。

 F-380:学びと破門で脅しをかける <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35997725.html

 

 そのときに強く意識に上げるのが「バランスホイール」。なぜだと思いますか?

 (ヒントはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html

 

F-419につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 「『感情』の解剖図鑑」(p34)から、「後悔せずに生きる方法」を引用します。

 

 

1 現実世界に良い評価を下す

 考え方次第で、現実世界と可能世界の評価はいくらでも変わります。それなら、ありもしない可能世界より、現実世界に良い評価を下す方がはるかに前向きで健全ではないでしょうか。

 そもそも何らかの選択をするとき、人はたいてい、良さそうな方を選ぶものです。あえて悪そうな方を選ぶ人はいません。つまり現実は常に、ベターだと思われる選択を繰り返した末にたどりついた、最高の結果だといえるのです。

 

2 やりたいことをやり続ける

 わざわざ現実に対して悪い評価を下す人は、自己評価が低い人、自分への信頼度が低い人だといえます。

 こうした人は、人生においてなんらかの選択を迫られたとき、自信がないために、世間体や世間の常識、他人の意見などを基準にしがちです。自分が明確な意思をもって選んだ結果ではないため、どうしても「他の選択をすればよかった」という思いが消せないのです。

 ですから、後悔しないための、もっとも単純な方法は、「自分がやりたいことをやり続けること」だといえます。常に、「こうしたい」という自分の気持ちにしたがって選択をしていれば、たとえ期待通りの結果が得られなかったとしても「やりたいことができたからいい」「あのときは、こちらを選びたかったのだから、これでいい」と思えるはずです。

 

3 未来の選択に時間をかける

 後悔せずに生きる方法は、もう一つあります。

 それは「未来の選択に時間をかける」ことです。

 後悔するときに想定するのは、過去の可能世界ですが、当然のことながら、人は未来の可能世界を想像することもできます。

 過去の可能世界を想定して後悔するくらいなら、未来の可能世界をあれこれ想像し、その中からどれを選んだら良いかをじっくり吟味する方が、よほど建設的だといえるでしょう。

 そのうえで、本気でベストだと思えるものを選んでいけば、どんな結果になろうと、後悔はしないはずです。

 引用終わり

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-125VW

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21491696.html

F-327~:お大事に

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427730.html

Q-319~:速いスピードで移動した人は長生きできるって言いますよね?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425265.html

Q-374~:バランスホイールは全て現状の外? クライアントが現状に満足している項目があった場合、その項目をどう扱えばいい?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429253.html

Q-416:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.6(最終回);人生に“転び”はない>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36162989.html

Q-423~:現状の外側に100%want toのゴール設定を行うためにはどうすればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431018.html

 

 

mRNAワクチンの罪と罰



L-226202209月シークレットレクチャー -01;鍵となるのは「絶対他力」

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 

 

 いきなりですが、重要な質問をします。

 

自己実現とゴール達成は違うものです。その理由は?

 

 

 苫米地博士は、著書「オーセンティック・コーチング」(CYZO)の冒頭で、コーチングのコアは「ゴール」と「ゴールの設定」であると書かれています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

オーセンティック・コーチング

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: オーセンティック・コーチング eBook : 苫米地英人:

 

 

 コーチングのテクニックのすべてはゴールを設定し、それを達成するためにあります。ゴールこそがコーチングのすべてです。

 L-069202011月シークレットレクチャー -04;ゴールこそがコーチングのすべて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29018262.html

 

  コーチングのコアは「ゴール」と「ゴールの設定」であり、ゴールこそがコーチングのすべて

 

 ですが、一般向けにコーチングについて語られるとき、苫米地博士はまず「自我」の定義の確認をされます。「バラいろダンディ」(TOKYO MX)での最終講義においても、最初に自我の復習をされていました↓

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 自我とは、部分関数であり、重要性評価関数です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 その自我について、苫米地博士は、著書「Dr.苫米地の『脳力』の使い方」(徳間書店、p199)の中でこのようにも表現されています。

 

 

Dr.苫米地の「脳力」の使い方

Kindle版はこちら↓

Dr.苫米地の「脳力」の使い方 | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 

 

 つまり、抽象度が上がるということは、自分の行為が何なのかということ以上の抽象的な思考を持つということであって、それを自我というのです。自分の行為の内省的な認識に意味を持たせるためには、このように、1つ上の認識が生まれなければならないのです

 

 

 抽象度が上がる」=「自分の行為が何なのかということ以上の抽象的な思考を持つ」=「自我

 

 このあたりがゲシュタルト化すると、「自己実現とゴール達成は違うもの」というのが体感を伴って理解できるはず。そんな理解を目指して、全3回の講義を作成しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

ところで、全体を通してのメインテーマは「」です。

先ほどの“体感を伴った理解”を「」と関連付けながらもう少し抽象度を下げて表現すると、「『決して過信はせずに、しっかり確信する』という意識状態の体得」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 「『決して過信はせずに、しっかり確信する』という意識状態の体得」を目指す中、私自身が体感したのは「絶対他力」というイメージでした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 

  絶対他力

 

 

 この言葉を縁に、皆さんはどのようなことをイメージしますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 以下、苫米地博士の著書「まずは、『信じる』ことをやめなさい」(泰文堂、p117)より引用します。

 

 

聖職者の論理を解くカギは、絶対他力

 信徒が洗脳にはまり、煩悩の解放にすっかり消極的にさせられているいっぽうで、聖職者は、じつは自らの煩悩の解放にかなり積極的です。

 聖職者は信徒を支配する側ですから、それ自体は想像に難くないかもしれませんが、彼らがどう考えて自らを正当化するのかという点は一考に値します。

 聖職者の論理を解くカギは、絶対他力です。

 宗教心、つまり完全な存在に対する憧れは、人間なら誰しもが持っています。

 当たり前のことですが、聖職者を目指す人は、最初から権力を求めて宗教の道に入るわけではありません。あくまで神に対する憧れが、入信の動機になっているはずです。

 しかし、長年その道に携わると、聖職者も徐々に宗教の虚構性に気づき始めます。なぜなら、教団を維持していくためには、組織の論理に従わざるをえなくなるからです。

 これは、読者の皆さんが勤め先の組織の論理に従わざるをえないのとまったく同じことです。会社には政治力学が働いているし、そのなかで生き残るためには、権力を持ちたいという煩悩に身を任せるしかありません。

 もちろん、権力を握れば握ったで、それを最大限駆使しなければ自分の思い通りに事を進めることはできないため、権力の獲得はさらに大きな権力を求める行為につながっていきます。

 煩悩の最たるものは権力の獲得ですから、権力を求めることに際限がなくなるメカニズムは、あらゆる煩悩についてもそのとおりです。よくいわれるように、欲望は満足を知らないわけです。

 聖職者たちが置かれている状況も、こうした一般のビジネスパーソンと何も変わらないといえます。

 

 さらに聖職者には、もうひとつの重要な問題に直面します。「神はいるのかいないのか」という問題です。

 思うに、神はいないという結論に達している聖職者は、おそらくいないはずです。科学によって神の不在が証明された事実を知る聖職者も、「神はいない」という認識を持つはずがありません。なぜなら、彼らは宗教による洗脳に爪先から頭のてっぺんまで浸かっているからです。しかし、歳をとるにつけ、宗教の虚構性には気づいています。

 とすると、彼らが達するのは、神がいようといまいと生きているうちに煩悩を満たさなければいいことは何もない、という結論に違いありません。

 そこで、さまざまに教義の拡大解釈を行い、たとえば妻帯を許すなどのルールの変更を行ってきました。もちろん、ルールの変更だけでなく、一般の与り知らない隠れたところで、さまざまに煩悩を解放してきたわけです。

 

聖職者が持つ煩悩

 また、なかには完全な存在を確信するがゆえに、煩悩の解放を肯定する論理も生まれたはずです。これは、イエス・キリストや親鸞が教える絶対他力にたどりついた聖職者たちが持つ考えです。

 神は、人間から最も遠い存在です。

 人間がどれほど努力したとしても、その努力によって人間が神に近づくことはできませんし、神が行う救済に何も影響を及ぼしません。絶対他力とは、完全な存在としての神に対する定義なのです。だから、親鸞が説いた悪人正機が示すように、善人と悪人の区別はなく、神は神の存在を信じる者を救うわけです。

 悪人が改心し、いまわの際で神を信じれば天国に行くことができるというのであれば、極端な話、何もいま品行方正にして戒律を守り続けなければならない道理はありません。どんなに煩悩にまみれた人生を送ろうと、最後に改心して神にすがればいいということになります。

 絶対他力にたどりついた聖職者はみな、このことをわかっています。

 加えて、いずれの宗教にも懺悔や告解など許しの仕組みがあり、煩悩に従う行為を半ば受け入れています。聖職者が過ちを犯しても、本人はそれを恥ずかしいこととして悔いるかもしれませんが、許されることがあらかじめわかっているのです。

 しかも、聖職者は信徒に許しを与える側ですから、過ちを犯した信徒の数々に接していれば、許されない一線がどんどん甘く遠のいていくのはごく当然ではないでしょうか。

 絶対他力にたどりつけば、いかに厳格な戒律を守っているように見える聖職者も、生きているうちに自分を満足させることを考えるに決まっています。

 私は、高位とされるさまざまな宗教の聖職者に会う機会がありますが、じっさい親しくなり、彼らの煩悩がいかに強いかを知りました。

 ふだんはあまねく威厳を示している彼らも、じつに人間くさく、自らの煩悩にも達観しています。これはこれで、いいわけです。

 もちろん、聖職者が持つ煩悩は、世界を支配するような権力者が持つ煩悩、つまりとんでもない悪事の企てとは異なります。戦争を仕掛けたり、人知れず大虐殺を行ったりする煩悩は許されるべきものではありません。

 その点で、懸念があるとすれば、聖職者が自分たちの権威を冒されたと考えるときでしょう。

 聖職者が持つ権力欲は、政治家が持つそれにようには強くないと思いますが、それを冒されたときの反応は政治家よりも激しいものがあります。なぜかといえば、彼らは自分たちが権威であるという確信を持っているからです。

 たとえば、ローマ法王は、自分が神の代理人だと本気で確信しています。ツイッターをする神の代理人などというのは、私にはイメージがわきませんが、彼は自分のことを本心からそう信じています。もちろん周囲もそう確信しています。

 宗教が生むこうした確信ほど危ないものはありません。完全な存在側にいるという確信は常軌を逸し、それはこの世を破壊しかねない力の暴発を招く恐れがあります。たとえば、十字軍の遠征がそうですし、いまもそれとはわからない形で戦争が起こっています。

 宗教による洗脳が世界の破局をもたらすかといえば、その可能性はいまのところ低いと思いますが、これはまた別のお話です。

 引用終わり

 

 

 絶対他力とは、完全な存在としての神に対する定義なのです。だから、親鸞が説いた悪人正機が示すように、善人と悪人の区別はなく、神は神の存在を信じるものを救うわけです

 

 不完全性定理以降の時代に生きる我々は、「完全な存在としての神」が存在しえないことを知っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 では、私たちは「絶対他力」をどのように理解すればいいのでしょうか?

 どのように「『決して過信はせずに、しっかり確信する』という意識状態の体得」を目指せばいいのでしょう?

 

L-227につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-326:観自在 <応用編;か・ち・も・な・い(価値もない)>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33212902.html

F-343:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.8(最終回);プロファイリング後に行うこと 「殻(w0)“を壊せそうなケース」編>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34097325.html

F-396~:ヘンザイ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431106.html

Q-213~:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414537.html

Q-362~:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428110.html

 

 

まずは、「信じる」ことをやめなさい

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: まずは、「信じる」ことをやめなさい ~脳、宗教、歴史からわかった人を操る「サイン」の秘密! 騙されずにこの時代を勝ち抜くただ一つの方法 eBook : 苫米地英人:

 

 


このページのトップヘ