苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

2024/04

Q-369:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.1;理論編>

 

「共感覚」に関する御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部について、3回に分けて回答いたします。まずは“理論編”から。

 

 vol.1;理論編

 

 

Q:苫米地英人先生の本やYou Tubeで学んでいます。「共感覚」に取り組んでいるのですが、なかなかうまく実践できません。どうやったらうまくできるでしょうか?

 

A1:共感覚とは、「本来の感覚とは別の感覚が伴う現象」のことです。

具体的には文字や音が色として感じられたり、匂いに感触が付随したりする現象のこと。例えば「ざらざら」という感触を音で感じたり、味や色や形で感じる「感覚の相乗り状態」をいいます。

 

 共感覚を利用すると「臨場感を高めて(I×V)、リアリティを合成(R化)」しやすくなります

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

通常は、脳の視覚野と聴覚野が重なっているとか、映像や音が抽象度の高い情報として処理される際に混同されるというような先天的な感覚の性向のことを指します。例えば「絵を鑑賞していると、その絵の中にある音楽が聞こえてくる」という感じ。

ところが、苫米地博士は「共感覚は意図的に獲得できる」と話されています。それが「後天的共感覚生成」。そのポイントが「抽象度」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 共感覚を利用すると認識精度が上がり、臨場感が増し、リアリティが上がります。わかりやすく表現すると、「より微細な構造がしっかりと感じられる」という感じ。

その結果、「臨場感を高めて(I×V)、リアリティを合成(R化)」することができるようになるのです。より自然かつ強力に。

F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 ふつうは抽象度が上がると、臨場感は下がります。抽象度が上がるほど具体的情報量が減っていき、文字どおり“抽象的”になるからです。

 ところが、共感覚を用いると、抽象度と臨場感を同時に上げることができるようになります。無意識のうちに。

 (「意識」「無意識」とRAS&スコトーマの関係について、こちらでどうぞ↓)

 Q279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

先ほどの「絵を鑑賞していると、その絵の中にある音楽が聞こえてくる」でいうと、色情報からなんらかの特徴を抽出することが「抽象度を上げる作業(抽象化)」です。

情報量を減らしながら特徴を抽出したら、その特徴を音情報にマッピングしていきます。それがもとの情報の本質を維持しながらの「色→音」「絵→音楽」という変換。

 

 このように「“ものごと”の何らかの特徴を抽出して、別の感覚で表現する」ことは、物理情報のひとつの抽象化作業だといえます。

 L-11420219月シークレット… -02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 

 この共感覚化の作業を繰り返していると、無意識が“現実”だと認識している物理空間から切り離され、自由に世界を認識できるようになります。それは「深い変性意識状態になることで、情報空間を自在に移動できる」ということ。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

変性意識(Altered State of ConsciousnessASC)とは、「目の前の現状よりも現状とは異なるイメージに強い臨場感を感じている状態」のことです。苫米地博士は全ての変性意識生成方法を統一的に説明されています。それが“Rゆらぎ”。

つまり、共感覚化は“Rゆらぎ”のひとつの実践方法だということ。

 Q-361 “自分以外を幸せにする”がわからずモヤモヤしています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33551039.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳護身術」(三才ブックス p93、開拓社より再販)より引用します。「共感覚」という概念を意識に上げながら読み進め、クリアなゲシュタルトを作りあげてください(connect the dots)。そのプロセス自体が“Rゆらぎ”となるはずです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

後天的共感覚の生成法

 呼吸による変性意識の生成ができるようになったら、次はマインドエンジニアリングする際に重要な技術「後天的共感覚生成」に挑戦していただこう。

 共感覚というのは、以前、山下篤子氏の訳書「共感覚者の驚くべき日常」などでも話題になった、先天的な感覚の性向である。本来の感覚とは別の感覚が伴う現象で、文字や音が色となって感じられたり、匂いに感触が付随したりする。例えば「ざらざら」という感触を音で感じたり、味や色や形で感じるのが「相乗り」しているような状態、これが共感覚だ。

 この感覚の持ち主は、十万人に一人の割合といわれている。実は、私もたまたま先天的な共感覚者で、いまだに小学校の音楽の先生の声が紫色でツルツルしていたとか、別の先生は銀色でとがった三角に見えたという記憶がある。

 共感覚になる原因は、視覚野や聴覚野などの情報処理器官が重なり合っている可能性が指摘されているが、詳しくはまだ解明されていない。

 さて、この共感覚。先程、先天的なものだと述べたが、実は誰でも練習すればある程度の共感覚を持てるようになる。これは私が、過去に洗脳護身術を指導してきた経験から分かったことだ。この共感覚は、相手の内部表現を操作するときに非常に役に立つ。相手が「見ている」「触れている」感覚を変性意識下で作り出せば、それを操作しやすくなる。また、共感覚をマスターすれば、数学やディベートといった複雑で抽象的な作業に役立ち、絶対音感覚も視覚的に体得できるようになるだろう。

 では、さっそく共感覚の生成法を解説していこう。ここでの共感覚の生成とは、「あらゆるものを視覚化する」ということだ。音、感情、命題、論理などすべてを視覚化するのである。そして、最終的には視覚化したものを触覚化できるようになっていただきたい。

 とりあえず、皆さんに練習してほしいのは、音の視覚化である。まずは、逆腹式呼吸を使って変性意識を生成する。それから座っている状態で聞こえる音を一つ一つ、心の中で列挙していく。すると色々な音が聞こえてくるはずだ。エアコンの音、外の喧騒、隣の部屋から聞こえる音楽。そして、聞こえる音の一つ一つに色や形、触感を付けていく。例えば、私は連休の旅先で、小さなノートパソコンで原稿を書いているのだが、ハードディスクが細かく無数に並べられた先のとがった鉛色の小さな三角形の上に、黄色いザラザラな布を被せた音を出していて、先程から気になっている

 最初はよく分からないだろうから、感じたままで結構だ。「このエアコンの音は、薄茶色の粒粒の形をしたザラザラした音だ」といった感じである。そしてそれを「薄茶色の粒粒の形をしたザラザラした音」として実際に見てほしい。変性意識が生成されていれば可能なはずだ。このように、周囲で聞こえる音を色や触覚、形などで見ていってほしい。匂いを加えると、さらに効果的だろう。

 次に感情を視覚化してみる。変性意識状態を維持したままで、目の前にいる人の顔から得られる感情を色や形、触覚で表現し、その人の顔に重ねて見るようにする。悪意のある感情は、どす黒く渦巻いた異臭感があるかもしれない。逆に優しく穏やかな顔の前には、滑らかな球形をした薄いピンクのボールが見えるかもしれない。我々はちょっとした表情の変化、目の動きから相手の感情を読み取ることができる進化した動物だ。ただ、相手の感情を操作するためには、視覚化、触覚化して操作しやすい状態に持っていかなくてはならない。このため、感情を共感覚的にとらえていく必要があるのだ。

 音の視覚化、感情の視覚化に成功したら、最後は気の視覚化に挑戦しよう。ここでは気という概念をあえて定義しない(詳細は第4章)。気功師が言及している「気」。そんなものが実際にあると考えるくらいでいいだろう。つまり、相手の感情状態のみならず、心身の健康状態を外部から感じられる気配のようなもの。これを気とする。

 とりあえずは、自分の手の指先をよく見て、そこから出ている気の色や形、触感を指の周りに表現してみてほしい。気功師のように気を出したり、信じたりする必要はない。もし、自分が中国の超人気功師のように気を出せたら、こんな感じだとイメージすればいいのだ。白く、煙のようにもやもやした感じだろうか。それとも、赤く燃え上がっているような感じだろうか。実際にあってもなくても、指の周りにそれが見えてくるまで練習していただきたい。

 以上の技術をマスターすれば、相手の内部表現を操作するとき、自分のイメージを見せるだけでなく、実際に触覚や味覚などのあらゆる感覚に臨場感を持たせることができるだろう。

 引用終わり

 

 

この共感覚は、相手の内部表現を操作するときに非常に役に立つ。相手が「見ている」「触れている」感覚を変性意識下で作り出せば、それを操作しやすくなる

 

 私たちが「実際に存在している」と思っている現実的な物理世界は、本当の意味での物理的現実世界ではありません。「見る(視覚)」「触れる(触覚)」といった五感により、リアルタイムに情報を取り入れ、脳がそれらを再構成して認識している世界です。

 つまり、物理世界とは、イメージの中にある仮想の情報世界。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

だから、すべてが内部表現(IRInternal Representation)だといえ、すべてが情報だといえます。それを理論化したものが苫米地理論の第2世代「超情報場理論」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 すべてが情報だからこそ、私たちは認識している世界(一人一宇宙)を書き換えることができます。

 Q-246:続・気楽に生きたいのですが… -04;「一人一宇宙」はゴールに向かう夢の一部

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28416456.html

 

 イメージの中の仮想世界こそが人が認識している世界である以上、この仮想世界をゆるがすことで現実世界をゆるがすことができる

 

 そのためにあるのがコーチングで、その実践のための技術のひとつが共感覚です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

Q-370につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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F-206~:マトリックス/Matrix

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F-284~:気楽 ver.2

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Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

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Q-326~:最近、「記憶が抜ける」ようなことが続いています

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洗脳護身術

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F-342:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.7;プロファイリング後に行うこと 「殻(w0)“を壊せそうにないケース」編>

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんと関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024226) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33775039.html

 vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33827695.html

 vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 vol.5;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編1-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33933655.html

 vol.6;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編2-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33989164.html

 vol.7;プロファイリング後に行うこと 「殻(w0)“を壊せそうにないケース」編

 

 

 最初(F-336/vol.1)にお伝えしたとおり、ゴール設定によって新しい宇宙(w1)を創造するためには、過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”を壊さなければなりません。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

“殻(w0)”を壊してゴールを現状の外に設定するために、まずはその“殻(w0)”をしっかり把握する必要があります。それがコーチングにおけるプロファイリング。

 Q-137:問題が生じたゴールへの向き合い方 -02

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22312817.html

 

 プロファイリングのポイントはいろいろありますが、私がとくに重視しているのはかたさ“です。我欲の強さと言ってもいいかもしれません。

 L-07520211… -04;抽象度を上げてIQを向上させる苫米地式トレーニング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29486824.html

 

具体的には、「“殻(w0)”を壊せそうにないケース」と「“殻(w0)”を壊せそうなケース」に分類しています。

 今回は「“殻(w0)”を壊せそうにない」と分析した後に行うことをまとめます。

 

 

 「“殻(w0)”を壊せそうにない」というクライアントさんに対して、私がまず心がけるのは「気楽にゴール設定をサポートする」こと。

 Q-358:止められてもやりたいゴールが見つかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33485940.html

 

 「“殻(w0)”を壊せそうにない」場合のゴール設定のコツは、難しく考えずにとにかくたくさん設定してみること。コーチもクライアントも“気楽”に取り組むことです。

 F-109:気楽

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 「止められてもやりたいゴールが見つからない」という人は、他人が勧めるものでも、世間で流行っていることでもいいので、とにかく選択肢を作ってみてください。間違いなく現状の中にゴールを設定することになりますが、まずは動くことが重要!

トライアル&エラーを繰り返しながらスコトーマを外していくイメージです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 ゴールっぽいものが見つかったなら、そのゴールが実現した未来(世界)をイメージしてみましょう。「やりたいことが多すぎて決められない」という場合は、その「やりたい」を実現した未来を一つひとつイメージしてください。気楽にw

 

 ゴールを達成した未来を疑似体験し、どのゴール体験が自分にとって一番心地よかったか? うれしかったか? 楽しかったか? と比較していきます。

そうすることで、なりたい自分の姿=ゴールの世界を見つけられるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 苫米地博士がよく話される「新入社員の頃に社長秘書と仲良くなり、社長外出中に社長室に入れてもらい、社長の気分で椅子に座った」というエピソードのように、ゴールを達成した自分に関するあらゆるイメージや感覚を体験して、その自分になりきりましょう。

それは「ゴール側のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)をつくる」という大切なプロセスになります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 ゴール側のCZの臨場感が上がるほど、何の変哲もないこれまでどおりの日常生活の中に、次々とゴール達成のヒントを見つけるはず。きっと新たなゴールも見つけるでしょう。

 RASが変化し、スコトーマがどんどん外れていくからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 

 このシリーズのテーマは「次世代プロファイリング×ゴール設定」ですが、せっかくなので「ゴール達成」のポイントも記しておきます。「“殻(w0)”を壊せそうにない」クライアントさん用です。

 

 そのポイントは2つ。「モチベーションの維持」と「ゴールに向かい続ける意識状態の維持」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 まずは、先ほどと同じように、ゴールが実現した未来(世界)をイメージします。

 次に、五感をフルに使うことで、その未来(世界)の臨場感を強化していきます。臨場感を強化するために用いるのが

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 「共感覚」です。

 共感覚とは、「ある感覚を別の感覚に置き換えてみる」こと。視覚(映像)を聴覚(音)に、聴覚を嗅覚(におい)に、嗅覚を触覚(手触り等)に、触覚を味覚(味)に といった感じで、ランダムにどんどん置き換えていきます。

 L-111~220218… -13~14;臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31473967.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31509419.html

 

 先ほどの苫米地博士のエピソードでいうと、社長の椅子の座り心地を、味とか色とか音とかにおいで感じていく感じ。すると、社長という概念の臨場感が上がり、理解が深まっていきます。ゲシュタルトができるからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 共感覚を使ってなりたい自分の姿=ゴールの世界をゲシュタルト化できたら、次はそのゲシュタルトに強烈な情動の記憶(うれしい・楽しい・気持ちいい・すがすがしい・誇らしい)を貼りつけていきます。

 Q-290:ドーパミンの分泌をコントロールまたはvol.10;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」秘訣>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29942186.html

 

 すると、プライミングが働きます。

プライミングとは、「先に受けた刺激(先行刺激)によって、後続する刺激に対する認知や判断が影響を受け、特定の行動が促進または抑制される」こと。いわゆる報酬系(reward system)のことであり、洗脳技術の一種でもあります。

 Q-336:何かいい仕事はありませんか? <vol.3;認知ホメオスタシス -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32300998.html

 

 このプライミングをしっかり働かせることが、「モチベーションを維持」の秘訣です。

 Q-356:休みの日なのに気持ちがvol.3;リラックスと緊張のサイクル -実践編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33233344.html

 

 最後は「ゴールに向かい続ける意識状態の維持」について。このときに利用するのは「アンカー&トリガー」です。

 「アンカー(anchor)」とは船の錨のことで、無意識の中に保管されている特定の記憶や意識状態のこと。「トリガー(trigger)」とは銃の引き金のことで、アンカーを無意識下から意識上に引っ張り出すきっかけのこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 先ほどの共感覚と強烈な情動記憶でつくったゲシュタルトが瞬時によみがえるような自己暗示と考えるとわかりやすいでしょうか。

例えば、朝起きて鏡に映る自分の姿を見たら、ゴールを達成した未来(世界)や自分の姿を思い浮かべるように訓練します。すると、鏡を見るだけで強烈な情動を伴ったゴール側のCZを体感できるようになります。それが「アンカー&トリガー」による自己催眠です。

F-177:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart-2;幸福はさらに深い自己催眠

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25175860.html

 

 

以上、プロファイリングにより「“殻(w0)”を壊せそうにない」と分析した後に、コーチとしてクライアントさんに働きかけることについてまとめました。

 

私の場合ですが、知識の伝授はチュータリングの時間に行っています。コーチング・セッションは実践のみ。働きかけは主に非言語です。

Q-222:チュータリング・コースでも自身のゴール設定についてアドバイスは頂けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27505564.html

 

 非言語で行う働きかけとは、簡単にいうと「抽象度を上げる」こと。

 それは「我欲から離れる」ことと同義ですが、苫米地博士は必ずしも煩悩を捨てろとは仰いません。「ほどほどにコントロールしてね」という感じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 その理解と実践はとても大事。いつも楽しく、かつ自然であり続けるために、ぜひとも抑えたいポイントです。

以下、苫米地博士の著書「洗脳力」(アスコム、p37)より引用します。しっかり理解し、意識に上げながら、日々実践し続けてください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 

この視点があれば、欲望を捨てる必要はない

 「自分以外の人の幸せを願おう」などと言いますと、「我欲とか煩悩を捨て去って、お釈迦様みたいな悟りの境地に到達せよとでも言うんですか」と思われる方もいるかもしれません。ですが、そうではありません。「我欲とか煩悩とか捨てよ」とはお釈迦様も言ってはいません。そもそも我欲、煩悩を完全に捨て去ってしまったら食欲や性欲も捨てることになりますから、人は飢え死にしてしまって生きてはいけませんし、子どもをつくれませんから人類という種の保存もできません。あっという間に人類滅亡です。お釈迦様が言っているのは「我欲、煩悩はほどほどにね」ということです。もってもいいけれどほどほどにして、自分でしっかりとコントロールしなさいというわけです。

 我欲や煩悩をコントロールするのも、「私」という殻から抜け出ないと難しくなります。自分自身から抜け出して自分自身を一つ高いステージから俯瞰で見る。自分を客観視するというのも自分自身を高い抽象度から俯瞰で見るためのいい方法の一つでしょう。

 これもあとでくわしく説明しますし、トレーニング法も詳述しますが、我欲や煩悩をコントロールする方法には二つあります。一つは先ほどから述べている「抽象度を上げる」ということ。もう一つは「止観」という方法です。これらは別々のものではなく、一つのセットと考えてください。抽象度を上げる説明はすでにしましたので、ここでは「止観」について簡単に説明しましょう。

 「止観」とは、法然、栄西、道元、日蓮、親鸞、一遍などの、日本仏教各宗派の開祖を輩出した、最澄、比叡山延暦寺の日本天台宗の源である中国天台宗の高祖、天台智顗(538~597)の書物、『摩訶止観』による用語ですが、ここでは読んで字のごとく「止めて」「観る」ことと理解してもらえればOKです。

 そういわれても「何を止める」のか、「何をどう観るのか」わからないかもしれません。まず「止める」ものですが、「我欲・煩悩」と本書では理解してください。心を落ち着けて、とりあえず我欲、煩悩を脇に置いてみる。なくす必要はありませんが、とにかく一度離れてみるのです。そして「観る」のほうは考えている対象、自分なら自分、悩みなら悩み、課題なら課題です。問題は「どう観るか」ですが「観る」で大事なのは、「抽象度を上げて観る」ということです。

 「私」を観ようとするなら、「私」よりも抽象度の高い視点で観てみる。「恋愛の悩み」ならそこから一つ抽象度の高い視点で観るのです。これができると問題自体を高い次元で観ることができますから解決策も見えやすくなり、しかも対症療法ではなく根本的な解決策が見つかりやすくなります。

 引用終わり

 

F-343につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 ゴールを達成した自分に関するあらゆるイメージや感覚を体験して、その自分になりきるようにしましょう。それは「ゴール側のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)をつくる」という大切なプロセスになります

 

 さらに時間の感覚も追加すると、ゴール側のCZの臨場感がさらに高まります。

 具体的には、時間軸上を自由自在に動き回っている様子をイメージしたり、カレンダーが高速でめくれていく様子を想像したり、時計がものすごいスピードでぐるぐる回っている様子をビジュアライズしたり

 F-253Corona Panicに打ち克つ ~ビジュアライゼーションによるゴール達成法~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29357204.html

 

 本格的に取り組みたい方には、IQと抽象度を上げる「タイムライン・トレーニング」をお勧めします。苫米地博士のDVD教材「『ダヴィンチ脳』能力開発プログラム」や「苫米地英人ライブ『自由』」(ともにフォレスト出版)を御確認ください。

 

 *「ダヴィンチ脳」能力開発プログラム↓

 「ダヴィンチ脳」能力開発プログラム (forestpub.co.jp)

 

 *苫米地英人ライブ 「自由」↓

 苫米地ライブ「自由」~IQを高め、新発想を生み出す超思考法~ (forestpub.co.jp)

 

 

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Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです。

セルフトークの一部がアファメーションでしょうか?

発する言葉を管理するのがセルフトークの管理だと思っていたのですが、下記、動画(←残念ながら、現在は視聴できなくなっています)によりますと、苫米地博士は「言葉にならないものも管理するように心がけなさい」と仰っています。

そうしますと膨大な量になりますし、まずはラベリングから始めて、ネガティブな情動に気づき、徐々に減らしていくという方向性でいいのでしょうか?

 

 

A:御教示いただいた動画を確認いたしました。私自身大切なことを学び直すいい機会となりました。ありがとうございます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

動画の中で、苫米地博士は「セルフトークは広い意味でのアファメーション」と表現されています。ここでいう「広い意味」とは、「抽象度を上げると」という意味。抽象度を上げるほど、具体的な情報量は減りますが、潜在的な情報量は増えていきます。「潜在的な情報量」を「可能性」「可能世界」と置き換えると理解しやすいかと思います。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

私のイメージとしては、無意識も含めた思考そのものが「セルフトーク」で、意識にあげてゴール側のコンフォートゾーンを言語化する技術が「アファメーション」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

抽象度でいうと、セルフトーク>アファメーション。セルフトークがアファメーションを包摂している感じです。

 Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 以下、苫米地式コーチング認定グランドマスターコーチ 田島大輔さんの著書「マインドの教科書」(開拓社、p292)より引用します。「無意識も含めた思考そのものが『セルフトーク』」の“意味”を感じてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

マインドの教科書

 

 

思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 人が思考する時の言葉・映像・感情からなる3つの要素。

 

 人間は「言葉(Words)」と「映像(Pictures)」と「感情(Emotions)」という3つの軸によって思考しています。私たちは「言葉」を使って考えます。その言葉が「映像」を想起させます。そして、その映像は「感情」を生み出します。人間は、この3つの軸で常に自分自身に話しかけています。この3つの軸による思考を「セルフトーク」といいます。

 この思考体系は、別の言葉では「アファメーション」ともいいます。アファメーションとは「事実として認識したことを宣言する」ことです。「信念について述べる」こととも言えます。ここでの「事実」とは実際の事実とは限りません。人間の『無意識』は、自分自身に事実として認識したことを真実としてそのまま受け入れます。

 アファメーションのプロセスは、人間がこの3つの軸で思考することを応用した技術です。

 引用終わり

 

 

 アファメーションのプロセスは、人間がこの3つの軸で思考することを応用した技術

 

 3つの軸で思考すること」がセルフトーク。「映像(Pictures)」と「感情(Emotions)」が含まれていることからわかるとおり、脳の言語野(運動:前頭葉、感覚:側頭葉)での情報処理に限らず、視覚野(後頭葉)や大脳辺縁系なども含む脳全体の情報処理がセルフトークです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 対して、アファメーションは「3つの軸で思考することを応用した技術」。抽象度が上がる方向性の理論に対して、技術はより具体的なものです。抽象度の低い情報空間(その底面が物理空間)で「役に立つ」ことを目的としているのが技術であるはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 アファメーションは「信念について述べる」こと。ここでいう「信念」とは、「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

アファメーションという技術を用いた「役に立つ」とは、ブリーフシステムを「現状(←過去の記憶でつくられている)」から「ゴール側(←未来の記憶でつくる)」に書き換えることだといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 ここからはとくに重要な部分です。ゆっくりと読み進めてください。

 

 

 苫米地博士は「オーセンティック・・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp104)の中でこのように書かれています。

 

 ブリーフシステムを変えるときには通常、言語を利用します。言語によってスコトーマをコントロールするわけです。

 といっても、コーチがクライアントに対してさまざまな指示を出すということではありません。

 

 この部分はクリアですか?

 

 「コーチングは非言語」であり、言語でコントロールすることは厳禁です。そもそもコーチがクライアントをコントロ-ルすること自体がNG。コーチはクライアントのコンテンツには一切関わりません。

それなのに「言語を利用する」「言語でコントロールする」というのは?

 

 以下、「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp111)より引用します。「ブリーフシステムを変えてスコトーマをコントロールするのに言語を利用するが、言語でコントロールしてはいけない」をしっかり理解してください。Feel

 

 

◎ブリーフシステムを変える“言葉”

 本当のコーチは基本的にブリーフシステムを変えるためにおしゃべりなんかしません。しない理由は明白で、効果がないことを知っているからです。

 仮に、コーチがセッションの途中で「その生き方は間違っています。そのゴールは間違っています」と言ったとしましょう。実際にはそんなことをコーチは決して言いませんが、仮に言ったとしても、それを聞いたクライアントがコーチの言う通り、生き方を変えるでしょうか?

 十中八九変えないでしょう。

 他人から「生き方を変えなさい」と言われて「はい。変えます」と即答する人はいないのです。上手な言い方をすればいいとか、話し合うことで答えが見つかるなどということはありません。他人の言葉では人は変わらないのです。もし変わったのであれば、それは誘導です。

 では、誰の言葉なら変わるのでしょうか?

 変わるのは、自分の言葉です。自分が心から「絶対に変わるんだ」「変わりたい!」と思うからこそブリーフシステムは変わるのです。

 私がさきほどから言っている“言葉”とはコーチの口から出る言葉ではありません。クライアントの内なる言葉=内省言語のことを言っているのです。

 コーチの仕事とはクライアントの内省言語を喚起させることなのです。

 さきほどから言っているように「さあ、これからゴールを設定しましょう。ただし、ゴールは現状の外ですよ。どんなゴールを設定しますか?」と質問したところで明確な答えは返ってきません。

 仮に返ってきたところでほぼ現状の内側です。そこで現状とは何かを説明しても、やはり同じです。現状の外側は現状の内側にいる限り、見えないのですから、やはり変えられません。

 ですから、コーチが語りかける言葉は無力なのです。いえ、これはコーチに限ったことではありません。セラピストやカウンセラー、精神科医にしても変わりません。言葉で他人は変わりません。

 催眠術師の言葉で味覚が変わったりするのは、被催眠者のほうに催眠にかかりたいという意識があり、催眠術師も彼らの気持ちを理解しながら術を進めているから味覚が変わるのです。

 しかし、コーチングではクライアントを現状の外側に引っ張り出そうとします。現状とは言葉を換えれば慣れ親しんだ場所です。そこから出ていかせようとすれば、強烈な反動が意識でも無意識でもやってきます。

 その反動をコーチが言葉でひっくり返してクライアントを現状の外側に誘導するなんてことはできないのです。

 私が常々、「コーチングは非言語ですよ」と繰り返すのは、これが理由です。

 引用終わり

 

 

 変わるのは、自分の言葉です。自分が心から「絶対に変わるんだ」「変わりたい!」と思うからこそブリーフシステムは変わるのです

 

 厳密にいうと、「絶対に変わるんだ」「変わりたい!」はセルフトークの第3段階。その段階(決意)のままであれば、ブリーフシステムを変えることはまだまだ難しいでしょう。

 Q-103:あがり症は克服できますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19152931.html

 

 それほどまでにブリーフシステムを変えることは困難なこと。だから、本物のコーチ(Authentic Coach)との縁が重要です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

 ところで、動画の中で博士が仰っていた「言葉にならないもの」とは何かクリアですか?

 

そうです。「言語抽象度を超えたもの」ということ。別の表現でいうと「超言語」「超論理」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 「夢をかなえる方程式 I×V=R」でいうと、その「超言語」「超論理」が「I×V」のポイントです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 ブルース・リー(←ご存じですか?)の有名な言葉「Don’t think, feel!」でいえば、「feel」の部分。それが「3つの軸で思考すること」であるセルフトーク。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 反対に「I×V=R」のR化(実装)のためには言語や論理が必要です。つまり、不言実行(あるいは非言実行)だけではなく、「有言実行」も重要だということ。

 Q-072:不言実行はなぜ大切なのか? 有言実行は本当に間違っているのか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

まとめると

 

抽象度を上げる方向性 =超言語、超論理 … I×V ←思考(超言語・映像・感情)

抽象度を下げる方向性 =言語、論理 … R化(実装) ←アファメーション

それらを同時並行的に行うことが「セルフトークのコントロール」

 

という感じ。そのように私は理解しています。

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

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オーセンティック・コーチング



Q-367:医師からのパワハラがひどすぎて心が折れました <後編;plan-side

 

医師である私のもとに、ズキズキするような御相談が届きました。

 その一部にコーチとして回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 前編;case-side

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Q:看護師として療養病棟で働いています。医師からのパワハラがひどすぎて、正直限界です。患者さんが悪くなったりするといつも責められるのですが、この間なんかカルテに「誤嚥させて肺炎になった」「寝かせっぱなしー肺炎」「悪くなってから連絡あり。手遅れ」などと書き込まれて心が折れました。

ギリギリの人員で現場が回っているため今まで我慢してきましたが、もう本当に限界です。

 

A2:前回(Q-366)は、「悪くなってから連絡あり。手遅れ」という表現に内包されている課題(case-side)のうち、3つを具体的に取り上げました。それは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 □「あなたたちが悪い」「私は悪くない」という他責

 □「手遅れ」にあらわれている時間観

 □「」と決めつける価値観

 

 最初にお伝えしたとおり、私の解決(plan-side)は「コーチングを学び、実践する」。そのコアは「抽象度を上げる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

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 コーチングでは、クライアントのコンテンツに一切関わりません。

 Q-297:弟子にしてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30430928.html

 

例えば御相談に登場する医師が私のクライアントだった場合、ブリーフシステム(Belief SystemBS)の分析はしますが、その内容についてはお伝えしません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

言及することで価値や判断に影響を与えてしまうと、新たなスコトーマ(Scotoma)ができるからです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 スコトーマを外して現状の外にゴールを設定することがコーチングのコアなのに、それでは本末転倒です。さらにいうと、ますます過去に囚われることになりかねません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

では、クライアントの認識・理解・評価・判断に直接関わらずに、どうやってスコトーマを外していくのでしょう?

 

 

 私が常に意識しているのは、「クライアントのマインドをより抽象度の高い次元に誘う」こと。そのために、1)しっかりとリラックスしていただき、2)コーチングに関する知識を共有しながら、3)ゴールを設定してもらいます。もちろん、現状の外(=高次の抽象度次元)に。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 前回(Q-366)の最後に、苫米地博士の著書「人間は『心が折れる』からこそ価値がある」(PHP研究所、p174)より引用しました。「心が折れました」という自分に対するイメージを書き換え、スコトーマを外すことができたでしょうか?

 

 もしも自分に対するイメージが変わっていないようなら、部分関数であり評価関数でもあるという「自我」について再確認しながら、ゴールをイメージしなおしてみてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 このままでは絶対にムリだけれども、絶対に実現したいワクワクするようなゴールを!

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 

 イメージできましたか?

 

 イメージできたなら、逆腹式呼吸を続けながら、前回の引用文を再読してください。こちらからどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33974189.html

 

 

 どうでしょう? 自分に対するイメージは変わりましたか?

 

 「自分に対するイメージ」の前提には、「自と他を明確に区別している」という意識状態があります。前回お伝えしたとおり、その“区別”自体は問題ありません。「自と他の区別」とは、自分の定義=自我のことです。

 ただし、部分関数としての自我、すなわち”縁起の中心点としての自“の認識が欠けると、「自と他の区別」は「差別」に変質していきます。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 自分=私とは“縁起の中心点”であると同時に、関係性の塊のようなものでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 その関係性には不思議な“性質”があります。その“性質”と「ゲシュタルト(Gestalt)」を結びつけながら、下記の文章を読み進めてください。

 以下、苫米地博士の著書「洗脳力」(アスコム、p147)より引用します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 

「私」という存在を理解するキーはゲシュタルトにある

 本書の初めのほうで、存在とは関係の結節点であるという話をしました。関係性というのは不思議な性質があります。関係性によって全体が個の総和の以上のもの、あるいは別のものになってしまうという性質です。これをゲシュタルトと言います。

 存在とは関係で決まるので、ある存在はAでもあり、またBでもあるということがあり得ます。関係性によってはあらゆる可能性が考えられます。ということは、存在もまた「空」であると言えそうです。結局、自己とか私とかいうものも「空」であると考えられるわけです。私であり、私以外のすべてでもあるものが私と言えばいいでしょうか。

 こんなふうに考えられると、「私」という殻も案外容易に破れるかもしれません。

 さて、ここでゲシュタルトの話を出してきたのは、「私」という存在について考えるヒントになるからです。

 繰り返しますが、ゲシュタルトとは全体は個の総和ではないという考え方のことです。たとえば音楽を考えてみましょう。曲というのは、11個の音符(休符も含む)の順列でできあがっています。「全体=個の総和」だとすると、一つの曲は曲のなかの一つひとつの音符によって決定されることになります。

 ところが、音楽には移調というものがあります。カラオケなんかでキーを上げたり、下げたりするのが移調です。キーを変えると休符を除く楽譜上のすべての音符は別のものになります。

 11個の音符は別のものにもかかわらず、私たちはそれらを同じ曲だと認識します。

 これは「全体≠個の総和」であることを端的に示しています。音符同士の関係性が一つひとつの音符でもありながら、関係性によって全体を決めるものとしての存在でもあるのです。

 あるいは、同じ直線が3本書いてあっても、三角形と認識する場合と単に3本の線が並んでいるだけと認識するときはあります。形によっては矢印と認識するかもしれません。

 同じ直線でもその並び方によって全体の意味は異なることになります。これもゲシュタルトです。

 あらゆる存在はゲシュタルトですから、「私」なるものも関係性によってその意味は変わってくることになります。つまり、自分だけが自分勝手に「なりたい私になる」などと言ってみても、他との関係性によって意図したものとはまったく異なる「私」になってしまうことがあるのです。「私はハ長調の主音である『ハの音』になる」と思っても、曲全体がハ長調じゃなければ、自分だけが主音だと勘違いしながら不協和音を発し続けることになってしまうわけです。

 「自己実現(自己だけ実現)」とか「なりたい私になる(私だけが勝手になりたいものになる)」という考え方がいかに無意味であるか、いかに間違った考え方であるかを「空」「ゲシュタルト」という概念とともにもう一度見つめ直してほしいと思います。

 引用終わり

 

 

 あらゆる存在はゲシュタルトですから、「私」なるものも関係性によってその意味は変わってくることになります

 

 相談者である看護師さんは、医師との関係性に疲れ果てています。この場合の関係性とは「パワハラ」と表現されるもので、「私(看護師):被害者」「相手(医師):加害者」です。

 

 そんな「私」は、関係性が変わるとダイナミックに変わっていきます。その「関係性を変えるもの」がゴール。ゴールを設定すると、すべての関係性が「ゴール実現のための縁起」となります。「私:ゴールに向けてスコトーマを外す人」「相手:スコトーマを外す大切なきっかけ」というように。

(私の経験はこんな感じ↓)

 PM-06-03:抗不安薬を常用する医師の叫びで気づいた「FOG

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 よく「波瀾万丈ですね」と同情される私が、今まで生きてきて確信しているのは、「ゴールに向かう者に無駄な縁起はひとつもない」ということ。ラベリングでいうと、「すべて『T』」。

 F-095:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.2(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

 その理由はわかりますか?

 

そう、RAS&スコトーマの働きです。ゴール側の臨場感が高いと、ゴールに関係するもの/こと(T)が認識に上がり、関係ないもの/こと(Nil)はスコトーマに隠れます。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 ラベリングには「D」というラベルもあります。「Delusion(妄想、迷い)」のことで、「T」でも「Nil」でもない情動のことです。

一般的には怒りや悲しみ、後悔、不安のことですが、御相談中の「心が折れる」「もう本当に限界」も「D」といえます。

結局、自己とか私とかいうものも『空』である」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 D」そのものは、ゴールを達成し、さらなるゴールを設定するための大切な縁起。わかりやすくいうと“燃料”みたいなもの。

それは「ダメな人間の証拠ではなく、人間の素晴らしさの証拠」です。

 

 これからはモニタリングを続け、もしも「D」に気づいたなら、逆腹式呼吸を行いリラックスを深めてください。そして、心が整ったなら、ゴール側からラベリングを!

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

きっと看護師として「職業」のゴールや、「社会への貢献」「生涯学習」といったカテゴリのゴールを見つけるでしょう。そのとき「医師からのパワハラ」は、ゴール実現のためのエネルギーとクリエイティビティに変わっていきます。

Q-178:家族ががんで治療中です。どうすれば… -02;エネルギーと創造性の源

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

 そう、すべて“自分”次第です。だから大丈夫!

 L-126202111月医療・介護研修レポート -07;すべては自分次第。その自分とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32763806.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御相談ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

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F-341:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.6;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編2-

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんと関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33775039.html

 vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33827695.html

 vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 vol.5;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編1-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33933655.html

 vol.6;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編2-

 

 

今回も苫米地博士と本橋信宏さんの共著「『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!」(宝島社、p108)より引用し、重要な部分(青字で再引用)を解説します。キーワードは「ホメオスタシス同調」。引用文中の「犯人」を「クライアント」に、「刑事」を「コーチ」に置き換えて読み進めてください。

 

 

現場におけるホメオスタシス同調効果プロファイリングのやり方(前回引用のつづき)

 「現場に立って一瞬、悟りの世界に行くわけです。そうすると全部見えてくる。捜査側の視点が何かもわかるし、犯人の視点もわかる。犯人の行動がわかるということは見えるものが決まったということ。世田谷一家4人殺人事件では、私が現場に立ったとき、風呂場の鍵が外れているのが見えました。そこから現場の情報が入ってきたときに、犯人が見たものが全部見えてきます。窓をよじのぼった可能性。そこに立っていたであろう若者の心理。そこに立った男、若い男、むしゃくしゃするときがあってそこに立つときがあった。そういったものを再現していくのです。どういうルートで室内に入ったか。全部再現していく。北側の窓を見たときに、彼の情動が再現できました。それまでは絞り込みだから、犯人像は不特定多数しかわからない。男かもしれないし、女かもしれない。そしてだんだん人格が特定されてくると、そのときに見えるものが特定されてくるのです。プロファイリングで犯人が絞り込まれてくると、犯人だけしか見えてこないものが見えてくるわけです。犯人だけが気にしているものが見えてくるわけです。そこから次はどういう行動をするか。そうするとその行動が実際の犯人の行動と合致するとプロファイリングになる。つまり、ホメオスタシス同調効果によるプロファイリングは、その人の認識を作り上げること。その人の自我を作ることなのです。犯人が見たものが決まってくると、その瞬間に犯人の自我が形成されてくる。犯人がその自我で見ているであろうことが私に見えてくる。それまではファクトです。犯人が行った場所、おこなったこと、触ったものが、ファクトでわかる。犯人の自我が形成されてくると、犯人の目だったら見えるけど、通常の人なら見えないものが見えてくる。そこからがプロファイリングになります。この現場を見ることができた人間はどういう人物か。犯罪の結果は、見えているものの集合体です。それは従来のプロファイリングのような統計にもとづいたものではない。ただし抽象度が低い状態でプロファイリングすると、自分の自我で見てしまうのでうまくいきません。多くの刑事は抽象度が高くない。足で稼ぐなんて言ってる刑事は抽象度が低い、ダメな刑事です。過去と同じプロファイリングをやっているので、いまのように色々な心理的要因の異常犯罪が起きると機能しなくなります。刑事は自我をますます強めてしまって経験則に頼りすぎて現場に立ってしまう。刑事の想像もつかないような人格、価値判断をもっている犯罪者が続々と登場しているから、未解決事件が増えるのです」

 現場におけるホメオスタシス同調効果によるプロファイリングにおいて、被害者のプロファイリングは一切関係が無くなる。

 苫米地博士によれば、被害者は犯罪プロファイリングにおいて、データとして認識されるが、事件においては点景に置かれるという。

 「たとえば、いま、ある女子校に通う女子高生が授業を抜け出して、この店にいた中年男性客を殺害したとしましょう。中年男性が被害者になっても、中年男性の心理状態はプロファイリングにおいて何の関係も無い。おじさんの心理は女子高生の行動に全然関係がない。そのおじさんを突然殺しそうになったときに、おじさんがどういう反応をするかがプロファイリングするときに重要になってくるので、おじさんの反応を見なければならない。そのとき初めて被害者のプロファイリングが重要になってくるわけです。プロファイリングにおいて、最初は被害者は背景の点景に過ぎないのです。被害者の心理が犯人と被害者の行動に影響を与えるときに、初めて被害者のプロファイリングが重要になってくるのです。それまでは被害者が外側から見てどのように見えるかのほうが重要なのです」

 では、読者が苫米地博士のように殺人現場でホメオスタシス同調効果によるプロファイリングを敢行できるのだろうか。

 すると苫米地博士は冷厳な言葉を下した。

 「読者がホメオスタシス同調をやろうとしても無理です。釈迦のようにならないといけないのですから。ホメオスタシス同調効果のプロファイリングをやりたいと思っているうちは抽象度が低いので、いい結果はもたらしません。抽象度を上げる訓練をしている段階で、ホメオスタシス同調のプロファイリングなんかしたら、非常に危ない。完全に自分の自我を無くすことができる人間でなければ、実行はやめるべきです」

 クンダリーニヨーガをまねて心身のバランスを崩し死亡してしまったり、心の奥底を覗こうと催眠術を会得して他人にかけたのはいいが催眠状態から戻ってこられなくなったり、催眠セミナーで精神世界の真底であるダークネス・バウンダリ(闇の領域)まで分け入って、正常な精神状態に戻ってこられなくなったり、みずから心を操ることは危険と隣り合わせであることを銘記すべきだろう。

 引用終わり

 

 

犯人の行動がわかるということは見えるものが決まったということ

 

 認知科学ができる前から、心理学には「スキーマ」という考え方があったそうです。様々な記憶や知識が統合された“まとまり”のようなもののことで、苫米地博士が好んで使われる表現でいうと「ゲシュタルト」に相当します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 「スキーマ」があることによって、私たちは物事をうまく認知できるようになります。逆に、「スキーマ」があることで心理的盲点(スコトーマ)も生じます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 つまり、「行動がわかる=見えるものが決まる」というのは、相手(クライアント)の「スキーマ」や「ゲシュタルト」を把握するということ。もっとコーチング的にいうと、「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」を知るということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

苫米地博士とも御縁があったマーヴィン・ミンスキー(1927~2016年)の「フレーム」や、博士がコンピュータ・サイエンスに進むきっかけとなったロジャー・シャンク(1946~2023年)の「スクリプト」と合わせて理解すると、認知科学の全体像がつかめるはず。こちらでどうぞ↓

F-260:不満と傲慢のはざまでvol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 

 

つまり、ホメオスタシス同調効果によるプロファイリングは、その人の認識を作り上げること。その人の自我を作ることなのです

 

 そのために、まずは自分の自我を消します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「自我を消す」の本質は、「抽象度を上げる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

犯人の自我が形成されてくると、犯人の目だったら見えるけど、通常の人なら見えないものが見えてくる。そこからがプロファイリングになります

 

 これは「RAS&スコトーマ」を共有したということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 一方で、「通常の人」の視点は失います。コーチの立場でいうと「クライアントと同じスコトーマができる」。

コーチがその状態のままであれば、相手(クライアント)をよく理解することはできますが、現状の外に導くことができなくなります。

Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27346333.html

 

 だから、ホメオスタシス同調によるプロファイリングをしっかり行いつつ、一方でその同調から抜け出さなければなりません。その感覚が“共感”です。

 Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 そのときのポイントが

 

 

この現場を見ることができた人間はどういう人物か。犯罪の結果は、見えているものの集合体です。それは従来のプロファイリングのような統計にもとづいたものではない

 

 そのときのポイントが「抽象度のコントロール」。

その肝がゴール設定です。Goal comes 1st.

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 具体的な話をすると、私は「内部表現から頭を突き出し、真の自由意思を獲得する」というゴールを設定しています↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33671632.html

 

 

刑事は自我をますます強めてしまって経験則に頼りすぎて現場に立ってしまう。刑事の想像もつかないような人格、価値判断をもっている犯罪者が続々と登場しているから、未解決事件が増えるのです

 

 「最近スムーズに事が運ばない」「以前ほど上手くできない」と感じたなら、「経験則に頼りすぎていないか?「思い込みや決めつけはないか?」と自問してください。

 きっとゴールの感覚を失っているはずです。あるいは、かつてのゴールが、いつの間にか現状になっているのかもしれません(=コンフォートゾーン化)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その対策として、私が強くお勧めしているのが「ラベリング」。

 先ほど触れた「RASReticular Activating System、網様体賦活系)」とは、簡単にいうと重要度のことです。その重要度を「ゴールから考えたときに、どれくらい重要か」という尺度に統一することがラベリングの目的です。

 F-095:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.2(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

 そのラベリングの際に、私はいつも“集中”を意識に上げています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 

プロファイリングにおいて、最初は被害者は背景の点景に過ぎないのです。被害者の心理が犯人と被害者の行動に影響を与えるときに、初めて被害者のプロファイリングが重要になってくる

 

 その“集中”には2つの意味があります。「concentration」と「focus of attention」です。

 Q-202:視点のきりかえとは、「1)現状の外からの視点」「2)現状の認識」「3)最悪の状態の想定」を切り替えて考えるということでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26408247.html

 

ゴールは人生のあらゆる領域にたくさん設定するもの(バランスホイール)。

F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html

 

ラベリングの際には、たくさんのゴールを同時に感じながら(無意識下でconcentration)、その時の“状況”で選択する(意識に上げfocus of attention)ことが重要です。

その“状況”の感覚を、「被害者の心理が犯人と被害者の行動に影響を与えるときに、初めて」という表現が言い表していると感じました。

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 

読者がホメオスタシス同調をやろうとしても無理です。釈迦のようにならないといけないのですから。ホメオスタシス同調効果のプロファイリングをやりたいと思っているうちは抽象度が低いので、いい結果はもたらしません

 

 ホメオスタシス同調効果のプロファイリングをやりたいと思っているうちは抽象度が低い」というのはOKですか?

 

多くの「やりたいwant to)」は煩悩にまみれています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

マズローの「自己実現理論(欲求段階説)」を用いるとわかりやすいと思いますが、「自分の『やりたい』はどの階層か?」とつねにモニタリングしていることが大事。それが“観自在”の1st. stepです。

F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

 

自己実現理論(Wikiより引用)

自己実現理論(欲求段階説)

Wikipediaより引用

自己実現理論 - Wikipedia

 

 

抽象度を上げる訓練をしている段階で、ホメオスタシス同調のプロファイリングなんかしたら、非常に危ない。完全に自分の自我を無くすことができる人間でなければ、実行はやめるべきです

 

 抽象度を上げる」とは、先ほどのマズローの階層を上がっていくこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 ですが、下から数えて5層目の「自己実現(Self-actualization)」の段階でも、まだまだ足りません。「自己実現」だから。

 L-10120218月シークレットレクチャー -03;自分中心を捨て去る=解放

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31210545.html

 

 では、私たちは「完全に自分の自我を無くす」まで、プロファイリングやプロファイリングから始まるコーチングを行うこと控えるべきなのでしょうか?

 

F-342につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

私たちは「完全に自分の自我を無くす」まで、プロファイリングやプロファイリングから始まるコーチングを控えるべきなのでしょうか?

 

 皆さんはどう思いますか?

 

 私の思いはこちら↓

 Q-344~:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426561.html

 

 

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-関連記事-

L-06320209月シークレットレクチャー -03;全面肯定しつつ、“現状の外”を志向する

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28501205.html

Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは何が違っているのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

Q-240~:毎日、無気力感に悩まされています ~気楽に生きる際の注意点~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418402.html

Q-271~:現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421412.html

 

 

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Q-366:医師からのパワハラがひどすぎて心が折れました <前編;case-side

 

医師である私のもとに、ズキズキするような御相談が届きました。

 その一部にコーチとして回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:看護師として療養病棟で働いています。医師からのパワハラがひどすぎて、正直限界です。患者さんが悪くなったりするといつも責められるのですが、この間なんかカルテに「誤嚥させて肺炎になった」「寝かせっぱなしー肺炎」「悪くなってから連絡あり。手遅れ」などと書き込まれて心が折れました。

ギリギリの人員で現場が回っているため今まで我慢してきましたが、もう本当に限界です。

 

A1:「悪くなってから連絡あり。手遅れ」という表現には、いくつか課題(case-side)があります。そのうち3つほど取り上げると

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 □「あなたたちが悪い」「私は悪くない」という他責

 □「手遅れ」に滲み出ている時間観

 □「」と決めつける価値観

 

 先に解決(plan-side)をお伝えしとくと、私の提案は「コーチングを学び、実践する」。そのコアは「抽象度を上げる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 以下、シンプルにまとめます。参考にしてください。

 

 

 □「あなたたちが悪い」「私は悪くない」という他責

なにか問題が生じたり、嫌なことが起こった場合に、「〇〇が悪い」などと自分以外のところに責任を転嫁してしまうことを「他責」といいます。それとは反対に、「自分の注意が足りなかったのでは?」などと自身の言動を振り返ることが「自責」です。

S-04-05:自責の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

 「他責」の前提には、「自と他を明確に区別している」という意識状態があります。その“区別”自体は問題ありません。「自と他の区別」とは、自分の定義=自我のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 ただし、部分関数としての自我、すなわち”縁起の中心点としての自“の認識が欠けると、「自と他の区別」は「差別」に変質していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 御相談に登場する医師のブリーフシステム(Belief System)は、おそらく「他責」でしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

しかも、flatな関係上の「あなたたちが悪い」「私は悪くない」ではなく、「自分は上(偉い)」「あなたたちは下(偉くない)」といった上下関係による見下しを根にもつ「他責」であるはず。それが差別です。

PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 

 □「手遅れ」に滲み出ている時間観

 繰り返しますが、「私は悪くない」や「自分は上(偉い)」は、縁起の理解不足に由ります。西洋的に表現すると不完全性の無理解です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 少し掘り下げると、情報空間の不完全性を示したのがクルト・ゲーデル(19061978年)の「不完全性定理」で、物理空間での不完全性を示したのがヴェルナー・ハイゼンベルク(19011976年)の「不確定性原理」です。

 PM-06-18~20:仮説13)宗教の限界

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526199.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14687391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14687476.html

 

 *情報空間と物理空間の関係はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 いずれにせよ、生きている以上、「手遅れ」はありません。「必ず解決の糸口がある」「いつも可能性が開かれている」というのが、不完全性が示唆することです。

どんな暗闇にも光は差し、どんな逆境でも希望はあり続けます。

 F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 再度繰り返しますが、「私は悪くない」や「自分は上(偉い)」は、縁起の理解不足に由ります。その理解不足が「過去→未来」という固定的かつ閉塞的な時間観を生みだします。「悪いのはいつもあなたたち」「これからも自分は上(偉い)」というブリーフです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 詳細は下記ブログ記事で確認していただきたいのですが、時間は未来から現在、過去へと流れています。その「未来→現在→過去」という時間観の習得が1st. Stepです。

2nd. Stepは「時間は物理空間の軸の1つ(4次元時空)」を理解すること。ひとつ抽象度が上がると、時間は流れていないことがわかります。

 Q-319~:速いスピードで移動した人は長生きできるって言いますよね?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425265.html

  

 未来は確定的なものではなく、いくつもの未来が可能世界(possible world)として同時に存在しています。

じつは未来だけではなく、現在も過去も同時に存在している

それが苫米地博士が座右の銘にされている「一念三千」の世界観です。

 F-319:観自在 <理論編-2;自在を観る>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32875213.html


 

 □「」と決めつける価値観

 世の中に絶対はなく、未来は無限の可能性として開かれている

 そのように頭では理解できても、実感はなかなかできないはず。簡単にいうと、「可能性」がスコトーマに隠れてしまうからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 *詳しくいうとこちら↓

 L-140202111月小学校親子講演会-03;子どもたちに一番伝えたかったこと

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33332991.html

 

 先ほど「生きている以上、『手遅れ』はありません」と書きましたが、それもなかなか実感できないはずです。現実問題として、生きるほど、残された時間は短くなっていくのだから。

例えば、今日生まれる子どもであっても、1日経つと、1日死に近づきます。死に近づきながら(時間の流れを考慮すると「死が近づきながら」)、確実に老い、たぶん病になり、そしていつの日か必ず旅立ちの時を迎えます。

L-155202111月医療系研修会 -10;「明日への希望」を失わないために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33919200.html

 

 ところが、抽象度を上げた思考ができるようになると、人は「老病死(+生で四苦)」を克服していきます。先の表現でいうと「手遅れ」という概念そのものがなくなる感じです。

それは、いわば時空を超越する体感。情報次元に自が拡張し、宇宙と一体化する感覚です。

F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html

 

 その境地にいたると、「生」「老」「病」「死」の違いはなくなり、「正誤」「善悪」といった価値判断からも自由になります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 御相談に登場する医師のブリーフシステム(Belief System)には、「病」←嫌、「病」←悪、「病」←負け といった価値観がすり込まれているはずです。さらには、無意識の奥深くに、死に対する強い恐怖があるのでしょう。

 F-122:免疫力をあげる!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21245972.html

 

 恐怖や不安(←未来の恐怖の予期)により抽象度が下がり、大切なもの(例えば「感謝」「感動」「希望」)が見えなくなっている

 PM-07-02:釈迦が教えてくれること ~3Kを新たな3K

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15395021.html

 

 それが、私が御相談から感じた問題の本質(inherency)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 以下、苫米地博士の著書「人間は『心が折れる』からこそ価値がある」(PHP研究所、p174)より引用します。逆腹式呼吸を重ね、リラックスを深めながら、「心が折れました」という自分に対するイメージを書き換え、スコトーマを外してください。Feel

 (逆腹式呼吸はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27570183.html

 

 

「心が折れる」のはダメな人間の証拠ではなく、人間の素晴らしさの証拠だ

 多くの人は、「どうも不快だ」「今日はかったるい」「最近気が重い」というような、ネガティブな気分をなくしたいと思っています。ネガティブな気分にならない人が完璧な人間だと思っています。

 しかし、それはまったくの誤解なのです。不快な気分、ネガティブな気分があるから、人間は素晴らしい完成された存在なのです。

 心が折れるのはダメな人間の証拠ではなく、人間の素晴らしさの証拠です。

 私や私の仲間たちのように、人工知能を三十年間研究してきた人間は、人工知能が完璧でないのは、「情動」のしくみがなく、「不快な気分」を感じることができず、「心が折れない」からだと考えています。

 情動や気分のしくみがないがゆえに、現在の人工知能は賢くないのです。

 世の中の問題には決まった答えはありません。考えても考えても答えが出ないことばかりです。通常のコンピュータは論理思考しかできないので、答えがなくても理詰めで考え続けます。答えがないのに延々と答えを探し続けて演算を繰り返します。そういう単純な思考しかできないコンピュータは、賢いとはいえません。

 それに対して人間は、途中で計算を打ち切って即座に結論を出すことができます。それを支えているのが「情動」のしくみです。「こっちのほうが好きだから、これにする」とか「これは嫌だから、やらない」とか「何となく、こっちがいいと思う」と判断して、結論をスパッと出すことができます。論理を超えた結論を出せるのです。

 論理的に見れば間違った結論かもしれませんし、矛盾した結論かもしれません。けれども、人間はそこから学んで、次はより適切な結論を出そうとする学習能力があります。

 そういうしくみこそ「賢い知能」なのであって、人工知能にはまだまだ追いつけない部分です。

 その人間の一番優れた機能である情動の働きを「ないほうがいい」と思うのは、とても残念なことです。情動の働きが人間の脳の素晴らしさを支えているのであり、この働きをもっと大切にするべきです。

 不快な気分になる、怖い思いをする、気分が憂うつになる、心が折れる。いずれも、とてもよいことです。人間は感情的になっていいのです。人間の脳は、そうなるようにできています。

 悲しいときには泣く。心が折れるときには折れる。嬉しいときには喜ぶ。それを禁じる社会のほうがどうかしています。

 引用終わり

 

Q-367につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記1

少し掘り下げると、情報空間の不完全性を示したのがクルト・ゲーデル(19061978年)の「不完全性定理」で、物理空間での不完全性を示したのがヴェルナー・ハイゼンベルク(19011976年)の「不確定性原理」です

 

 ずっと待ち続けていたクリストファー・ノーランの最新作「オッペンハイマー(原題:Oppenheimer)」が、ついに公開されました。アルベルト・アインシュタイン(1879~1955年)やニースル・ボーア(1885~1962年)とともに、ゲーデルやハイゼンベルクもチラッと登場します。

俳優が演じているのは百も承知ですが、それでも「不完全性」に対する臨場感が上がりました。映画の持つ強力なパワーをあらためて実感しています(いろんな意味で)。

F-304~:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価が割れた理由を考える~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426094.html

 

 

-追記2

 時間は未来から現在、過去へと流れています。その「未来→現在→過去」という時間観の習得が1st. Stepです。2nd. Stepは「時間は物理空間の軸の1つ(4次元時空)」を理解すること。ひとつ抽象度が上がると、時間は流れていないことがわかります

 

 大乗仏教的にいうと、「未来から過去へ流れる」という時間観が仮観で、「流れていない」が空観という感じでしょうか。そして、「離散的である時間の本質をわかった上で、あえて流れを楽しむ」という境地が中観であるはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 その中観的な世界が、なんと、ノーランの「インターステラー(原題:Interstellar)」で描かれています。サントラ(ハンス・ジマー!)とあわせ強くお勧めします。

 F-192:「夢をかなえる方程式 I×V=R」実践の秘訣(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26119647.html

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-228:ゼロトラスト 前編;民無信不立

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S-04-16:反求と在身-1;吉田松陰の教え

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S-04-17:反求と在身-2;「自分中心」克服のためのワーク

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23512794.html

 

 

人間は「心が折れる」からこそ価値がある

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L-156202111月医療系研修会 -11;講演後感想「コーチング理論はいつか学んでみたいです」他

 

202111月に認知症をテーマとした医療系の研修会で講演を行いました。当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御意見・御質問に回答いたします。

 

 01;認知症を引き起こし、BPSDを悪化させるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33693497.html

 02;人の特性はBSで決まる=人はさまざまな幻想に支配されている

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33708684.html

 03;「ゴール側の世界(w1)の臨場感を維持し続ける」ための鍵

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33745283.html

 04;生体に備わっているホメオスタシスの同調性を利用する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33760483.html

 05;記憶にリアルな臨場感を持たせると、相手も同じ臨場感を感じる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33796873.html

 06;人生の様々な方向性に対してそれぞれゴールを持つ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33811307.html

 07;ゴールとは「究極的に抽象度が高まった体感」で感じるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33851880.html

 08;誰もが抱えている“根源的な痛み”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33866119.html

 09;「明日への希望」から生まれる“幸福”の好循環

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33904272.html

 10;「明日への希望」を失わないために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33919200.html

 11;講演後感想「コーチング理論はいつか学んでみたいです」他

 

 

 このシリーズは今回で最終回です。講演後にいただいた御意見を紹介し、コーチとしてコメントいたします。

 

□今後の活動のヒントを得ることができました。自分自身を振り返る機会にもなりました。コーチング理論はいつか学んでみたいです

 

A:「ヒントを得る」ことを、コーチングでは「スコトーマが外れる」と表現します。スコトーマは 1)知識があり、2)重要性が高く、3)役割(責任)を感じているときに外れます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 講演を縁に実際に「ヒントを得る」ことができたのは、心の中にゴールがあるからでしょう。はっきり自覚してはいないかもしれませんけれど。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

ゴールが重要性と役割(責任)を決めることは理解しやすいと思います。じつは、ゴール自体が知識を得ることにも大きく関係しています。

コーチングにおいて重要な概念である「ゲシュタルト(化)」において、ゴールがとても重要な役割を果たしているのです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 *「ゴールがとても重要な役割を果たしている」の詳細はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 心の中にあるゴールを、ぜひ大切にされてください。ゴールがたくさん増えるほど、世界はどんどん豊かになっていきますよ。お楽しみに。

 Q-218:わりとすぐに達成できそうなゴールを設定してもよいですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27405307.html

 

 次は「コーチング理論はいつか学んでみたい」について。

 「いつか学んでみたい」はセルフトークの第2段階です。「いつかは」という表現の根底にある無意識の判断は「今はしなくていい」。だから、行動は起こらず、「コーチング理論を学んでみたい」はいつの間にか意識から消えていきます。それを「スコトーマに隠れる」と表現します。

 Q-103:あがり症は克服できますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19152931.html

 

 もしも「~したい」という思いが湧き上がってきたら、すぐにゴール設定し、しっかりスケジュール化してください。タイムリミットを決めるのです。

 Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415812.html

 

 その場合、本来の目的を見失わないように注意してください。真面目な方ほど「want toがいつの間にかhave toに変わってしまう」状況に陥りがちだから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 ちなみに私は、「want to have to」を防ぐ対策として、「不安・恐怖(F)」「義務感(O)」「罪悪感(F)」に気をつけています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 大切なのはゴールです。ゴールを持ち続けること、そして更新し続けることです。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 

□スタッフ間での情報共有やゴール設定の必要性、地域に出ていくことの大切さを再認識しました

 

A:「スタッフ間での情報共有やゴール設定」は、とても重要です。先ほどのスコトーマを外しやすくなるだけでなく、抽象度を上げやすくなるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

自分にとっても相手にとってもwantなことを考えると1つ抽象度が上がり、構成する人が多くなるほどさらに抽象度を上げやすくなります。

そして、抽象度が上がるほど、さらなるゴールを見つけやすくなります。現状の外が認識できるようになるからです。

Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27346333.html

 

 ところで、本編で触れた「コレクティブ・エフィカシー」には2種類あります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 1つは「高いエフィカシーを持った個人が集まることにより、お互いがお互いのゴールの存在を認め合い、お互いのエフィカシーをさらに高め合う状態」。

 もう1つは「同じゴールを共有した組織の構成員による集合的なエフィカシー」のこと。

 Q-310~2:私のまわりではそうでもvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 詳しくは苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp122~)を御確認ください。

 

 

オーセンティック・コーチング

 

 

□様々な職種の方の講演やシンポジウムを聴き、つながりや連携の大切さを改めて知ることができました。支援をする側と支援を受ける側だけでなく、人それぞれの見方や感じ方の違いがあるため、その方の想いに耳を傾けていきたいと思います。私自身、社会人1年目であり、周りの方からも「今、あなたが感じていること」を大切にと言われることもあるため、本日の講座でまた新たな見方や考え方を知れたため、これからに活かしていきたいと思います

 

A:「つながりや連携」をいつも意識に上げてください。それを釈迦哲学で表現すると「縁起」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 縁起の視点を持ち続け、「すべてがつながっている」ことが感じられるようになると、本編で御紹介した「和顔施」や「眼施」がより強力にできるようになります。

 ぜひ「老病死(+生で四苦)」から、患者さんやその御家族を解放してあげてください。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

 

□「スコトーマは医療の現場では『認知バイアス』として知られている」ということでしたが、とくに注意バイアスの話に思えました。

 認知症の患者さんでは、記憶障害のため財布などを見つけられない時に、「ここに置いたはず」→「娘が盗った」という被害妄想がおこりがちです。特に大切なものにバイアスがかかりやすいと思いますが、コーチング(コーチ)の視点では、「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対してどのように対応すればよいでしょうか?

 

A:皆さんはどのように対応しますか?

 

 この御質問にはしっかりと回答いたしました。こちらで御確認ください↓

 Q-230~:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対して、どのように対応すればよいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416986.html

 

 

OT(←「作業療法士」のこと)が地域の中で認知症者が活動できる場を見つける方法は多岐に渡ると感じました。タケハラ先生の講演では非常に興味深く拝聴しました。痛みの中のスピリチュアルペインはなかなか視点が向きにくいところだなと感じました。常に広い視野を持ち、認知症者の心の中にある想いをくみ取り、関わる人々で共有し人生の目的・ゴールを設定していくことの大切さを学びました

 

A:「人生のゴールを設定し、そのゴールに向かってしっかり生きる」ことで、まずは御自身のスピリチュアルペインを克服してください。

 L-00720201月シークレットレクチャー -07;スピリチュアルペインとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24706915.html

 

 スピリチュアルペイン克服の先には、シンの幸福(well-being)が待っています。心から幸せを感じながらゴールに向かって挑戦し続けていると、その幸せは自然にひろがっていきます。ホメオスタシス同調により。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 だから私は、コーチングを医療や介護の現場に届けるための活動を続けています。

 PM-04-09:ますます緊張する医療・介護現場の福音となるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166400.html

 

 現在はオンライン中心ですが、御要望に応じてしっかりと講義・講演や研修プログラムの作成を行っています。例えば↓

 L-120~202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426762.html

 

気楽に御相談ください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 

 以上で、講演内容のブログ記事化といただいた御意見・御質問への回答を終わります。

お声がけいただいた事務局の皆さま、そして御参加いただいた皆さま、貴重な機会をありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 講演内容をブログ用にリライトしながら、苫米地博士が「ネオテニー(幼態成熟)」について言及されているのを思い出しました。

 

 以下、苫米地博士の著書「全速脳 ~脳は鍛えると100倍加速する」(宝島社、p153)より引用します。前回(L-155/10)のつづきです。「死」だけではなく、「老病死(+生で四苦)」を、つまり人生全体をイメージしながら読み進めてください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

 以上に挙げた点が、人間がネオテニーの代表的存在であるといわれる理由です。進化論においては、このネオテニーが進化のプロセスで重要な役割を果たしているという有力説があります。

 その理由としては、ネオテニーは脳や身体が発達するのが遅い反面、環境の変化に適応する能力が高いという特徴を有するためです。

 環境が激変してしまった場合、先に挙げたライオンや熊など生まれてすぐに従来の環境に適応した生体器官を獲得する生き物は、生き残る確率が下がってしまいます。しかし、人間のようなネオテニーは、環境が激変したとしても一定の生存率を維持できるのではないか、と考えられているのです。

 これは、あくまでも仮説にすぎませんが、人間の進化の謎は、この幼い状態をより長く続けられることこそに隠されているのかもしれません。

 

 いつまでも若々しく活発な脳を維持することができるなら、私たちの人生の可能性は飛躍的に広がり、そこから得られる収穫もまた豊かなものになるでしょう。これは、健康な肉体と精神を維持しながら、人間として活躍していく人に共通する生き方になるでしょう。

 逆をいえば、そういった生き方ができない人びとは、残念な人生を送らざるをえないことになっていきます。楽しみや心地よさ、喜びを感じる対象、世の中にコミットしているという実感も機会も持てず、長生きは不安でしかないと感じる人生になるでしょう。

 

 つまり、寿命の「格差」が広がれば広がるほど、一人ひとりの人間の幸不幸の落差が大きくなっていくのです。

 ですから、もし、あなたが素晴らしい未来を手に入れたいのなら、脳を若返らせるしかないのです。

 脳を若々しく保ち、自らのゴールに邁進する人生を多くの人は送りたいと思っています。そのための方法は次章で詳しく述べますが、ここでは日常的にできる簡単な方法を紹介します。

 まずは、新しいことに挑戦したり、生活に変化をつけたりすること。新しいことにチャレンジすると脳の中に新しいネットワークが作られ、活性化します。

 次に心配や後悔などに多くの時間を費やさないように気をつけましょう。こういった心の習慣は脳細胞の減少を早め、老化を促進します。過去はあくまでも過去であり、現在のあなたとは何ら因果関係もないのです。たとえ昨日不幸なことがあったとしても、次の日も不幸が起きるとは限らないのです。現在はむしろ未来からやってきます。未来に対するいいイメージを持っていたら、脳は自然と若い状態でいられます。

 第2章でも述べましたが、読書も脳を活性化させます。読書で得た新しい知識の群が脳の中に新しいネットワークを張り巡らし、動きを活発化させます。また、次章で言及するIQも高まり、より抽象的思考が可能になります。

 一般的に、世の中でIQが高いとされている人びとは、ほぼ例外なくみな読書家です。その事実だけを見ても、読書はIQを高めるための最善にして最高の手段であるといえるでしょう。そして、IQの高さを保つということは、脳の若さを保つことと等価なのです。

 

 まとめ

 いつまでも若々しい脳を維持できれば人生は限りなく豊かなものになるうる

 引用終わり

 

 

-告知1

2023年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は2024428日(日)(←再変更しました)。詳細はこちらで御確認ください↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33835792.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

PM-04~:苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_124524.html

F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

Q-271~:現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421412.html

Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

Q-358:止められてもやりたいゴールが見つかりません

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33485940.html

 

 

全速脳 ~脳は鍛えると100倍加速する

Kindle版はこちら↓

全速脳〜脳は鍛えると100倍加速する | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 



I-125:【告知】コーチング・デ・コンパッションクラブ<240428> 受付開始

 

 すべてのはじまりは“現状の外”へのゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

双方向(多次元)の縁起を意識した気楽なクラブ活動をはじめました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ(CoacHing de Compassion ClubCHCC)」。

(詳しくはこちら↓)

1

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27936349.html

2

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28045280.html

 

CoacHing de Compassion Club

 

 

 このクラブ自体のゴールは「コンパッション実現」。コンパッションとは「慈悲」のことです。

20分(~最長30分)のクラブ活動を通じて、「Compassion = 慈悲」を体感&共有しながら、コンフォートゾーン化していくことを目指します。気楽にw

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その実現のためにエンドステートを2つ設定しました。

 (エンドステート、COA、アサンプションはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

1つ目(クラブ活動前半)は認知科学者 苫米地英人博士が教示されるコンパッションを確認していきながら、「お互いにスコトーマを外しあい、知識を習得・共有している」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 2つ目(クラブ活動後半)はお互いにエフィカシーを高めあいながら、「コンパッションを高次の抽象度で臨場感豊かに体感しつつ、物理空間でしっかり実践(実装)している」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *物理空間(=情報空間の底面)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 毎回、苫米地博士の著書「近未来のブッダ」(サンガ)より引用します。

 初回(220205開催)の反省を踏まえ、今後は告知の際に次回開催時の引用部分を提示することにしました。

 PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 開催は不定期です(最近は第4日曜 午前に行っています)。1週間前までにはブログで告知します。

クラブ活動時間は20分間を予定しています(最長30分)。自由に参加してください(途中入退室可能)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 次回は 2024428日(日) 午前11時(日本時間)~ 開催。受付は5分前からです。

 

 

 申し込みは下記メールアドレスに。件名を「コンパッションクラブ<開催年月日>申し込み」としてください。

例:「コンパッションクラブ<240428>申し込み」

 

 申し込み・お問い合わせ(メール)

coachfor.m2@gmail.com

 

 お申込みいただいたら、zoom招待URLを返信します。あとは当日参加するだけです。

*自動返信ではありません。タイムラグを(compassionしながら)お楽しみください

*招待URLの転送等は御遠慮ください。参加できるのは申し込み者のみです

*申し込み時から匿名可とします(クラブ活動時の表示も)。ご自由にどうぞ

*友人や御家族等と一緒に一端末で参加する場合、申し込みは代表者だけでOKです

*クラブ参加時はカメラ・マイクともにオンにしてください。どうしても顔を出したくない方はzoomに搭載されているフィルター機能をご利用ください

(マスク・覆面・仮面のリアル使用も可w

*注意;録音・録画・撮影は御遠慮ください(私も行いません)

 

 

240428>前半のテーマ(引用部分、p59)はこちら↓



 

 

 240428>後半のテーマ(引用部分、p202)はこちら↓

 


 

 

 最後にもう一度、「近未来のブッダ」(サンガ、p151~)より引用します。

 

 

現代版慈悲は「一緒に楽しみましょう」

 宗教は、たくさんの人に開かれていて、役に立ってこそ存在意義があります。ブッダの時代は「四つの苦をなくしてあげる」といえば、そのニーズは絶大でした。でも、今はそれではだれもついてこないのです。

 ブッダの時代、大衆のニーズに、教えを説いて応えた実績は意義深いです。しかし、今やニーズが違ってきています。そういう意味では、ブッダの教えが有効に人々の役に立っていないような懸念を感じます。

 宗教は、多くの場合は本人の救済に役立ってこそのものです。そういう機能を提供していくことの大前提として、たくさんの人の耳に届く、たくさんの人が聞きたいと思うメッセージを発信していないといけません。ブッダの教えも基本は不変ですが、時代が変わるにつれて説き方もバージョンアップしていくべきですし、コンパッションという考え方もどんどん現代化していくべきです。

 二十一世紀のコンパッションは、「一緒に苦しみましょう」とか、「一緒に憐れみましょう」とか、「私もあなたと同じように苦しんでいるんですよ」でなくていいと思います。もちろん、そういうニーズにも応えますが、もっと一般的な、基本的には現代社会の楽しさや快適さを享受できている人たちに応える「一緒に楽しみましょう」でいいのです。

 引用終わり

 

 

 さぁ、一緒に楽しみましょう!

 縁がつながることを楽しみにしています。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

2つ目(クラブ活動後半)はお互いにエフィカシーを高めあいながら、「コンパッションを高次の抽象度で臨場感豊かに体感しつつ、物理空間でしっかり実践(実装)する」

 

 抽象度が上がるほど具体的な情報量が減っていくので、臨場感は下がっていきます。

ところが、それは「臨場感についての認識の誤解」(by苫米地博士)。詳しくはこちらで↓

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 

-関連記事-

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 

近未来のブッダ

 


F-340:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.5;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編1-

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんと関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33775039.html

 vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33827695.html

 vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 vol.5;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編1-

 

 

 コーチングの前にしっかり“プロファイリング”を行うことは、とても重要です。

なぜなら、「誰もが『過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”』の中で生きている」から。繰り返しますが、その“殻(w0)”はコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)と言い換えることもできます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 つまり、CZが生みだす「現状維持の壁」を突き破り、まったく新しい可能世界(w1)を生みだすことがコーチング!

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 その結果として、これまでのCZ=ブリーフシステム=関数P(←自我の一側面である「評価関数」のこと)が書き換わることになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

では、今回も苫米地博士と本橋信宏さんの共著「『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!」(宝島社、p107)より引用し、重要な部分(青字で再引用)を解説します。キーワードは「ホメオスタシス同調」です。

 

 

現場におけるホメオスタシス同調効果プロファイリングのやり方

 苫米地博士によれば、過去の犯罪を統計的に網羅したデータから分析する手法は旧世代のプロファイリングだという。

 認知科学による次世代プロファイリングは、苫米地博士によってさらなる進化を遂げつつある。

 現場百遍ではなく、たった1回殺人現場に立つだけで、犯人像はプロファイリングできるのだ。

 「いま私たちがいるこの喫茶店に、18歳の女子高生が来て、どんな行動をするのか、想像してみましょう。ここに人が座っている場合、座っていない場合、彼女はどの席に座って、どんなオーダーをするのか、素人でもだいたい想像できるはずです。それをもっと高度にプロファイリングしたのが現代の認知科学によるプロファイリングであって、それは統計ではないのです。統計の場合は過去に何人の女子高生がどの席に座ったかでしょう。そうではなくて、その女子高生が脳内でどういう情報処理がされるかを徹底的に考えれば、この店に平日の何時何分に入った女子高生はお客さんがそこにひとりいた場合、おじさんの場合、若い女の子の場合、どの席に座って何をオーダーするか、だいたいわかるのです。それをもっと高度にしたものがホメオスタシス同調効果によるプロファイリングなのです。同調の仕方は、脳内で女子高生になることです。人間は映画を見ているとき、どんな状態になりますか。まるで主人公のように同調しているでしょう。全感覚、何を見ているか、何を思ったか、何を感じたか、同調するのです。私が女子高生の時に感じられることと、証券会社部長になって感じられることは、この席に座っていても違うでしょう」

 では、女子高生の自我に同調するにはどうしたらいいのか。

 「現場に立ったとき、まずやらなければならないことは、自我を無くすこと。つまり釈迦のようになることです。何が見えるのか、何が見えないのかは自我が決めるものです。宇宙と自我は同じもの。自分が見えているものは自分が決めているわけです。

 たとえば、私が原始人ならテーブルに置かれているこのテープレコーダーは目に入っていない。現代人には見えるけど。あるいは、取材を受けている人間にとって、目の前のこのグラスは目に入っていない。このペーパーナプキンも目に入っていないでしょう。テーブルに水をこぼしたら紙を探すでしょうから、そのとき初めてペーパーナプキンが見える。その存在に気づく。つまり、そのとき何が見えているか何が見えていないかは、全部その人の自我が決めるのです。自我が全部無くなってしまったのが釈迦です。

 見えているのに見えていないのは、スコトーマ(Scotoma・ギリシャ語で盲点の意味)があるからです。実際の盲点のように本当に見えていないのではなく、見えているはずなのに見えていないもの、です。その人にとって、その時に重要であると思ったものだけが見えて、他は省略されてしまっていること。これがスコトーマなのです。

 自我を無くすことは、スコトーマを無くすことです。殺人事件の現場では、一度がんばって釈迦のようになること。つまり自我を無くすことです。すると全情報が見えてくる。ほとんどの刑事が検挙率が悪いのは、刑事の自我を持ったまま現場に行ってしまうからです。刑事の経験で、うまくいったことにもとづいて現場を見てしまう。そうすると、見えるものが見えなくなってくる。初動捜査の誤りはみんなそう。誤った予見が入って、見えるものが見えていない。最初のプロファイリングを間違えたらアウト、事件の解決は遠ざかってしまいます。だからまずは最初は釈迦になる。できるだけ無我になる。いま、私が話していると、テープレコーダーの存在が消えているでしょ。目には映っているんだけど。私の話に引き込まれているから、テープレコーダーはどうでもよくなっている。私の話を聞きながら、テープレコーダーを見て、音楽を聴いて、眼鏡のツルの感触を感じてって、できないでしょう。それを無理矢理やる。自我を無くす。変性意識とは逆です。変性意識は特定の自我を作ることだから。一切の変性意識を無くすことですから」

 釈迦になる、という苫米地博士独特の言い回しは、俗語的に言い換えれば、余分な情報を一切シャットアウトして頭の中を空っぽにするということであろう。

 では、自我を捨てる具体的な方法はというと、苫米地博士の著書にもよく出てくる「抽象度を上げる」ということに行き着く。

 「無我になるためには一気に抽象度を上げることです。抽象度が高くなるほど情報量が減ってきて、無我に近くなる」

 抽象度が高くなるほど情報量が減る、とはどういうことか。

 苫米地博士の事務所がある六本木という地点を例にとってみよう。

 六本木よりも抽象度のたかいもの、つまり広範囲に渡るものは、港区であろう。港区よりさらに抽象度を上げると東京都になる。さらに上げると日本。さらに上げるとアジア。さらに上げると地球……

 苫米地博士はわかりやすく、六本木をウインドウズ式に記述して説明する。

 「六本木」は「日本国¥東京都¥港区¥六本木」

 「港区」は「日本国¥東京都¥港区」

 「東京都」は「日本国¥東京都」

 抽象度が高くなるほど情報量が少なくなっていく。

 つまり、余分な情報が削ぎ落とされる。

 抽象度を上げると、自我が消え、広範囲にレーダーが張られる。

 引用終わり(このつづきは次回引用します)

 

 

もっと高度にプロファイリングしたのが現代の認知科学によるプロファイリングであって、それは統計ではない

 

 統計(statistic)とは「社会の状態を数値によって精確に知りたいという要求に応えるため、実測したデータを元に計算した数値、あるいはそれを多数ひとまとめにしたもの」(Wikipediaより)。それは過去も含む「現状(w0)」の評価のこと。

 

 その「現状(w0)」は、一人ひとり違います。「一人一宇宙」だから。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 さらにいうと、一人の中にもたくさんの宇宙(可能世界)があり、その中から「一宇宙」がダイナミックに選びだされています。博士が座右の銘とされている「一念三千」の世界観です。

 F-319:観自在 <理論編-2;自在を観る>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32875213.html

 

コーチングに寄せていうと、「前頭前野に収められたいくつものブリーフシステム(BS)ごとに宇宙(可能世界)があり、そのひとつが実際に現実化している」という感じ。

 L-09420217月シークレットレクチャー -06BSと人格や未来との関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30598161.html

 

一人ひとり違っていて、かつ一人の中にもたくさんある「一宇宙=現状(w0)」を、まったく新しい宇宙(w1)に書き換えていくのがコーチングです。その新しい宇宙(w1)は、現状の外へのゴール設定により創造するもの。統計処理では絶対に見いだせません。

繰り返しますが、「過去は一切関係ない!」です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

全感覚、何を見ているか、何を思ったか、何を感じたか、同調する

 

 人間の脳にはミラーニューロンというものがあります。それは「相手の動作を見たときに、見た人の脳の中に、あたかもその人自身が同じ動きをしているかのように活性化する神経群」のこと。私たちはミラーニューロンにより「相手の行動を“鏡”にして自分の反応を生みだす」ことができます。

 「全感覚、何を見ているか、何を思ったか、何を感じたか、同調する」とは、このミラーニューロンを使って「一時的に相手になりかわっている状態」です。

 F-046:笑顔のままお亡くなりになった患者さんから後編:ミラーニューロン

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11383670.html

 

 ミラーリングは、動作や行動といった物理次元にとどまらず、より高次の情報次元の認識や思考にまで拡張しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 それを理論化しているのが、苫米地理論の第1世代「サイバーホメオスタシス仮説」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

現場に立ったとき、まずやらなければならないことは、自我を無くすこと。つまり釈迦のようになることです。何が見えるのか、何が見えないのかは自我が決めるものです。宇宙と自我は同じもの。自分が見えているものは自分が決めているわけです

 

 コーチングにおいて、コーチがまずやらなければならないことも「自我を無くす」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 そのために苫米地博士が勧めているのが、「スタニスラフスキー・システム」です。詳しくはこちらでどうぞ↓

 L-150202111月医療系研修会 -05;記憶にリアルな臨場感を持たせると、相手も同じ臨場感を感じる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33796873.html

 

 

テーブルに水をこぼしたら紙を探すでしょうから、そのとき初めてペーパーナプキンが見える。その存在に気づく。つまり、そのとき何が見えているか何が見えていないかは、全部その人の自我が決めるのです

 

 これはスコトーマ(scotoma)の話。スコトーマは心理的盲点のことで、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つがそろったときに外れます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

この例でいうと、「ペーパーナプキン」のことを知らないとそもそも認識できず、知っていても重要性がないと認識できず、重要性があっても役割がないと認識できない という感じ。

テーブルに水をこぼす」という縁により、重要性&役割が変わり、RAS(網様体賦活系)が変化しスコトーマが外れ、「ペーパーナプキン」が突如認識されます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 その時、重要性関数(評価関数)が書き換わっているので自我が変化しているといえ、同時に認識する世界(自我の逆関数としての宇宙)も変化しています。

 このように自我と宇宙は表裏一体です。

 F-034~:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html

 

 

自我を無くすことは、スコトーマを無くすことです。殺人事件の現場では、一度がんばって釈迦のようになること。つまり自我を無くすことです。すると全情報が見えてくる

 

 …RAS&スコトーマについて、一般向けの説明とコーチング実践者向けの説明は異なります。クリアでない場合はこちらをどうぞ↓

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 

自我を無くす。変性意識とは逆です。変性意識は特定の自我を作ることだから。一切の変性意識を無くすことですから

 

変性意識は特定の自我を作ること」。

変性意識(Altered State of ConsciousnessASC)とは、「目の前の現状よりも現状とは異なるイメージに強い臨場感を感じている状態」のこと。苫米地博士は全ての変性意識生成方法を統一的に説明されています。それが「Rゆらぎ」です。

 L-11420219月シークレット… -02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 

 通常、抽象度が上がると、臨場感は下がります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

具体的な情報量が減っていくからです。抽象度が上がるほど、文字どおり“抽象的”になっていきます。

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 ところが、「Rゆらぎ」を利用すれば、「抽象度を上げる際に同時に臨場感を上げていく」ことが可能になります。その秘訣が「呼吸」。詳しくはこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23645730.html

 

 

無我になるためには一気に抽象度を上げることです。抽象度が高くなるほど情報量が減ってきて、無我に近くなる

 

 抽象度を上げることによる「無我」とは、自と他の違いが無くなること。それはゴールの重要なポイント「自分中心を捨て去る」と同義です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

無我のさらに先には「空我」があります。それは「すべての違いがなくなる」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 それは悟りの境地。詳しくはこちらでどうぞ↓

 F-158~:無我夢中

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_405002.html

 

F-341につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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2023年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は2024428日(日)(←再変更しました)。詳細はこちらで御確認ください↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33835792.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

F-284~:気楽 ver.2

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

L-133202111月シークレットレクチャー -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33004210.html

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

Q-298~:どれくらい相手に共感していいものでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423870.html

 

 

『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!



L-155202111月医療系研修会 -10;「明日への希望」を失わないために

 

202111月に認知症をテーマとした医療系の研修会で講演を行いました。当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御意見・御質問に回答いたします。

 

 01;認知症を引き起こし、BPSDを悪化させるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33693497.html

 02;人の特性はBSで決まる=人はさまざまな幻想に支配されている

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33708684.html

 03;「ゴール側の世界(w1)の臨場感を維持し続ける」ための鍵

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33745283.html

 04;生体に備わっているホメオスタシスの同調性を利用する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33760483.html

 05;記憶にリアルな臨場感を持たせると、相手も同じ臨場感を感じる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33796873.html

 06;人生の様々な方向性に対してそれぞれゴールを持つ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33811307.html

 07;ゴールとは「究極的に抽象度が高まった体感」で感じるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33851880.html

 08;誰もが抱えている“根源的な痛み”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33866119.html

 09;「明日への希望」から生まれる“幸福”の好循環

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33904272.html

 10;「明日への希望」を失わないために

 

 

 確実に老い、たぶん病になり、必ず死ぬ。その間に認知症になるかもしれない

 

それでも「明日への希望」を失わないために、私たちは何を心がけるべきでしょうか?

 

 

 この記事は医療従事者向けに行った講演をもとにしています。講演は認知症と深く関わる方々を対象としていました。

認知症の診療で必ず行われる検査に「改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」というものがあります。開発者 長谷川和夫医師は、認知症医療に取り組みながら、認知症ケア職の人材育成にも尽力されたそうです。

 

認知症ケアで長谷川先生が大切にされていたのが「パーソン・センタード・ケア」。それは「認知症の人を一人の『人』として尊重し、その人の立場に立って考え、ケアを行う」という考え方です。コーチングに寄せていうと、「ブリーフシステム(Belief SystemBS)を評価し、共感する」という感じでしょうか。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 「認知症の人を一人の『人』として尊重し」の『人』とは、釈迦哲学的にいうと「関係性の結び目」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 よって、「パーソン・センタード・ケア」の「パーソン」は、たんに認知症の人だけを指すのではなく、縁ある人びとすべてにひろがります。「パーソン」とは、「双方向性の縁起のつながり」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 私は、その縁起の体感こそが、「明日への希望」を失わないための最大の鍵だと思っています。コーチングでいうと、ゴールの共有とコレクティブ・エフィカシーです。

 Q-310~2:私のまわりではそうでもvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 

 ところで、認知症医療の大家である長谷川先生は、先輩医師からこのように言われたそう。

 

 「君自身が認知症になってはじめて君の研究は完成する」

 

 この言葉が、長谷川先生の心の中で反響し続けていたに違いありません。

 L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 

 201710月に行われた講演で、長谷川先生は自らが認知症であることを明かされました。その後、メディアの取材にも積極的にも応じられています。

以下、認知症公表後の長谷川先生の発言(青字)を紹介します。

 

Q:「自分の姿を見せることで、認知症とは何か、伝えたい」と講演活動を続けられている原点は?

A:忘れられない患者さんがいらしたんですよ。その人はね、五線紙があるでしょう、音符を書く。そこに彼は『僕の心の高鳴りはどこに行ってしまったんだろうか』という悲痛な叫びが書いてある。「僕にはメロディーがない。和音がない。共鳴がない。帰ってきてくれ。僕の心よ、全ての思いの源よ。再び帰ってきてくれ。あの美しい心の高鳴りは、もう永遠に与えられないのだろうか」とも。

それを心にずっと秘めて、これはもう絶対にこの道は認知症に対する研究、診療っていうのは何がなんでも続けるぞと思った。

自分は勉強として、脳がどんなふうになっていくというのはいっぱい研究してきたけども、本人の心の中を見たのはこれが初めてだった。

もうだめだとか。もう僕はあかんとか。もう何もできなくなるのかとか。どんどんひとりになる。自分が認知症になってみたら、そんなに生やさしい言葉だけで、人様に申し上げることはやめなくてはならないと。こんなに大変だと思わなかったな、ということだよね。

NHKスペシャルより-

 

「認知症の人と自分とは同じだ」と同じ目線に立ち、従来のケアに加えて「その人らしさ」を尊重する。その性格を形成していく背景を粘り強く推し量り、「その人らしさ」を理解して、お互いに代えがたい存在であることを認め合う。認知症ケアには、そんな姿勢が求められると思います。

私は、こうした日本の認知症ケアを、世界に広めていくべきだと考えています。

「認知症の人の心は、私の心と同じ。あの人も私と同じように楽しみたい、幸せになりたいと思っているんだ」という気持ちをもって、本人に接してみる。こうして、認知症になっても安心して暮らせる社会をつくっていくことが、これからの日本に求められることではないでしょうか。

私はいま、子どもたちに認知症のことを理解してもらうための絵本を作りたいと考えています。

-認知症公表後の週刊誌(文春)の取材より-

 

 長谷川先生のコメントからは、「双方向性の縁起のつながり」に対する熱い思いが感じられます。それは個人を超えた次元(=克己)で「認知症に対する研究、診療」に向かう情熱。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268337.html

 

「縁起のつながり」の中で、先生の思いはさらなる未来に向いています。それが「認知症になっても安心して暮らせる社会をつくる」というゴール。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

ゴール実現のためのCOA(コース・オブ・アクション)の1つが、「子どもたちに認知症のことを理解してもらうための絵本を作る」というもの...

Q-072:不言実行はなぜ大切なのか? 有言実行は本当に間違っているのか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 身体的にも心理・精神的にも徐々に老いていく長谷川先生と先生を支え続けた人たちの思いは、「だいじょうぶだよ:ぼくのおばあちゃん」(ぱーそん書房)という絵本になって現実化しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

だいじょうぶだよ:ぼくのおばあちゃん

 

 

 その過程では、個人のレベルを遥かに超えた次元(超自我)でのゴール共有とコレクティブ・エフィカシーが実現していたに違いありません。

 L-10120218月シークレットレクチャー -03;自分中心を捨て去る=解放

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31210545.html

 

そのゴール共有×コレクティブ・エフィカシーが、「明日への希望」を失わないための最大の希望!

 

 これが長谷川和夫先生との御縁で、コーチ兼医師としての私が体感したイメージです。

(↑「オラクル」なのかもしれません)

L-142202111月小学校親子… -05;人の成長や進化・向上は情報空間で起こる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33383147.html

 

L-156につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 講演内容をブログ用にリライトしながら、苫米地博士が「ネオテニー(幼態成熟)」について言及されているのを思い出しました。

 

 以下、苫米地博士の著書「全速脳 ~脳は鍛えると100倍加速する」(宝島社、p150)より2回に分けて引用します。前回引用分(L-154/09)のつづきです。

皆さん御自身の「ゴール共有×コレクティブ・エフィカシー」を体感しながら読み進めてください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

4-07 人類が進化してきた理由はネオテニー(幼態成熟)にあり?

 これまで説明してきましたように、私たち人間が、頭の中で何を思っているか、何を考えているかは、私たちの寿命に大いに関連があります。

 私は以前、脳が人間の若さを決めると述べましたが、この命題は次のように言い換えることができると思います。

 脳が人間の死を決定する。

 

 ということは、脳を働かせて常に若々しく保っている人は、肉体と精神の若さをも維持し、なおかつ長寿になることができる、といえるでしょう。

 超長寿時代における若返りとは、ひとえに脳の若返りのことを指しているのです。私たちは、心肺が停止すれば死にますが、心臓が止まってしまうのは、脳が停止命令を出すからに他なりません。

 脳を若々しく働かせ、その状態をできるだけ長く維持することができれば、私たちだって、ヒマラヤのヨーガ行者たちのように長生きすることが可能です。

 近い将来、現代を生きる人類の寿命は、飛躍的な向上を見せ、私たちはその変化に度肝を抜かれることになるはずです。

 

 その兆候はすでに現れています。

 新しい世代が世の中に登場するたびに、街を歩く若者たちはどんどん幼く見えるようになっているように思います。若者だけにとどまらず、社会で重要な地位についている50代の人びとも、例えば昭和一桁世代が50代だった頃とは、外見も考え方もまったく違うと言ってもいいでしょう。

 これは、日本人だけに起きている現象ではありません。もちろん、経済的に貧しい発展途上国では、このような現象は目立っていませんが、欧米の先進国では、それぞれの国民に同じような変化を見て取ることができます。

 それらの先進国においては、そうした変化と軌を一にするように、国民の平均寿命の継続的な長期化現象が起こっているのです。

 現代人がどんどん幼くなっていることを、私は必ずしも否定的には捉えていません。なぜなら、それは人間の進化のプロセスだと捉えているからです。

 

 ご存じの方もいるかもしれませんが、ネオテニーという言葉があります。

 日本語に訳した場合、「幼態成熟」といい、幼い形態を維持しながらも成熟することを意味します。人間はそのネオテニーの代表的存在といわれています。

 一般的にいって、ライオンや熊などの動物は、産声を上げるとすぐに自分の足で立ち上がろうとし、ごく短期間で成熟した大人と同じ物を食べるようになります。そういった動物たちは、誕生したときは、確かに赤ん坊の形態をとっていますが、最初からほとんど大人と同じような状態で生まれてくるのです。

 つまり、脳や身体が速く発達することで、環境に適応した生体器官の特殊性を瞬く間に獲得していくのです。

 しかし、一方で、人間の赤ん坊は違います。生まれたばかりの状態では、爪や歯などもしっかりしていないし、すぐに二足歩行できるようには足腰が発達していません。

 また、人間が社会で生き抜いていくための一人前の身体と頭脳を持つまでには、十数年という年数を必要とします。そのうえ、ただほったらかしにしているだけでは、一人前にはなれず、基本的な能力を身につけさせるためには、じつにさまざまな教育や訓練を親や学校が受けさせる必要があります。

 さらにいうなら、人間の赤ん坊は、見るからに無防備な姿で生まれてきますが、十数年の年月を費やして、成人としての身体を獲得できたとしても、その外見的特徴は基本的に大きく変わりません。幼いときの形態のまま、ただ単にサイズが大きくなる、というだけなのです。

 引用終わり(つづきは次回に)

 

 

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2023年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

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 次回の開催は2024428日(日)(←再変更しました)。詳細はこちらで御確認ください↓

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一緒に楽しみましょう!

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L-154202111月医療系研修会 -09;「明日への希望」から生まれる“幸福”の好循環

 

202111月に認知症をテーマとした医療系の研修会で講演を行いました。当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御意見・御質問に回答いたします。

 

 01;認知症を引き起こし、BPSDを悪化させるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33693497.html

 02;人の特性はBSで決まる=人はさまざまな幻想に支配されている

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 03;「ゴール側の世界(w1)の臨場感を維持し続ける」ための鍵

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 04;生体に備わっているホメオスタシスの同調性を利用する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33760483.html

 05;記憶にリアルな臨場感を持たせると、相手も同じ臨場感を感じる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33796873.html

 06;人生の様々な方向性に対してそれぞれゴールを持つ

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 07;ゴールとは「究極的に抽象度が高まった体感」で感じるもの

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 08;誰もが抱えている“根源的な痛み”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33866119.html

 09;「明日への希望」から生まれる“幸福”の好循環

 

 

コーチングの肝はゴールを設定し、エフィカシーを高めること。その結果、前頭葉前頭前野で自己発火がおこる

 

エフィカシーとは、「自分のゴール達成能力の自己評価」のこと。そのポイントは「自己評価」であることです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

価値基準を外に置き、それが絶対であると思うことは、「誰かに支配される」ということ。それは“奴隷”と同じです。苫米地英人博士は“奴隷”にすり込まれているという「3つのモノサシ」を挙げられています↓

F-241:トレーニングは「昨日の自分を超えていく自己確認」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28695996.html

 

私たちは現状に縛られ、“殻(w0)”に閉じ込められたまま生きています。まずはその事実を知り、“殻(w0)”に気づくことが重要です。

F-336:次世代プロファイリングvol.1;コーチングにプロファイリングは必要?>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 

エフィカシーは自己評価なので、本来は自分自身で高めることができます。時間の流れや因果関係を加味すると、「成果が上がる →エフィカシーが高まる」ではなく、「エフィカシーが高い →成果が上がる」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

つまり、エフィカシーとは、「達成できる」「実現できる」という確信のみ(claim)。その確信に根拠(warrant)や事実(data)は必要ありません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 ところが、私たちは、自分でエフィカシーを下げてしまいがちです。

その理由は、“失敗”を記憶しており、思い出すときに「あのときの自分はバカだった」とか、「自分が許せない」などと過去の自分を否定するようなことを(心の中で)つぶやいてしまうから。そのつぶやきが“殻(w0)”を強化していきます。

PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

エフィカシーを上げるために重要なのは、「私はあのときベストを尽くした」「私はすごい人間だ」というように、「今、ここ」にいる自分を堂々と肯定すること。それこそが「セルフトークのコントロール」です。

Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 

コーチングの肝はゴールを設定し、エフィカシーを高めること。その結果、前頭葉前頭前野で自己発火がおこる

 

 「止められてもやりたい」が湧き上がるようなゴールをたくさん持ち(バランスホイール)、ゴール実現を確信しながら挑戦を続けていると、神経伝達物質であるドーパミンがたっぷりと分泌されます。それが「自己発火」のはじまりです。シンプルに記すと

 

 ゴール×エフィカシー

→中脳の腹側被蓋野(VTA)からドーパミン放出

  →腹側線条体の側坐核(NAcc)の刺激によりμオピオイド大量放出

  →セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が放出される

  →“痛み”の信号が脊髄で抑制され、「うれしい」「楽しい」「誇らしい」等が↑

  →ドーパミンがさらに放出される(されやすくなる)

  →μオピオイドがさらに↑

  →セロトニンがさらに↑

  →

 

 …これが“幸福”の好循環。

側坐核は快楽や幸福感を司る部位です。そこが刺激され幸せな気持ちになると、「和顔施」や「眼施」がますます強力にできるようになります。

(詳しくはこちらでどうぞ↓)

Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 

コーチングの肝はゴールを設定し、エフィカシーを高めること。その結果、前頭葉前頭前野で自己発火がおこる

 

 では、そのゴールとエフィカシーは何を源泉とするのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「全速脳 ~脳は鍛えると100倍加速する」(宝島社、p145)より引用します。「死」だけではなく「老病死(+生で四苦)」を、さらには人生全体をイメージしながら読み進めてください。Feel

 

 

4-06 「生きよう」という気持ちが失われたときに死んでしまう人間

 人間は、ときに自らの死を予告するような死に方をすることがあります。

 「どうも、私はこの先、あまり長くないような気がする」

 とても死ぬようには見えないような元気はつらつとしていた人が、あるときを境にして急に自らの死について口にし、3日くらいたつとぽっくりと逝ってしまった。

 この手の話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。まだ、自然死するような年齢ではなかったし、特別な病気を抱えていたわけでもない。にもかかわらず、まるで自分が予告したことを律儀に実行したかのように、突然死を迎えるわけです。

 「あの人は、あんな風に予言していたけれど、きっと虫の知らせか、偶然だったのだろう」

 身近にこういう「自分の死を予告して死ぬ人」が現れると、みな一様に不可解さを感じ、「ありえないこと」が起きたと考えますが、私からすれば、これはごくごく自然な出来事なのです。

 その人は「私はもう十分生きた。もう死んでも構わない」と思ったはずです。その「私には明日は必要ない」という諦念と覚悟が、その人の死期を決めたというのが、私の解釈です。

 人間というものは、じつは「生きたい」とか「生きよう」という考え方や気持ちを喪失すると、死んでしまう生き物なのです。そう考えてすぐには死ななくても、確実に死期は早まるようになります。

 それとは裏腹に、「私にはどうしてもやりたいことがある。だから、明日が来るのが待ち遠しくて仕方がない」と考えている人は、そうそう簡単には死にません。

 そういう人は、たとえどんなに重い病気に罹っていたとしても、医者や周囲の人びとの予想を遥かに超えて長生きしていきます。

 これは、私が何の根拠もなく勝手に考えてそう述べているわけではありません。上述したようなことと同じ現象は、世界中で生み出された数々の記録文学の中に多々登場するのです。

 例えば、自らの強制収容所体験を記録した精神科医、ヴィクトール・フランクルは著書『夜と霧』の中で、こう記しています。

 

 《自分の未来をもはや信じることができなくなった者は、収容所内で破綻した。そういう人は未来とともに精神的なよりどころを失い、精神的に自分を見捨て、身体的にも精神的にも破綻していったのだ》

 

 フランクルが言っていることは、つまり未来を信じることができる人はどんな苦境にあっても生き抜き、信じることができなくなった人はいともたやすく死んでしまう、ということなのです。

 『夜と霧』を読んだことがない人も、じつはこの「信念」の法則の原理を知っているはずです。現に、その証拠として、私たちは過酷な状況に置かれると、自分自身や仲間に向かって、「希望を捨てるな!」と激励します。そして、それが問題解決のための原動力になっていることを、体験的にわかっているのです。

 アメリカの労働省のデータによれば、仕事をリタイアした人の平均寿命は、リタイアからわずか1年半。つまり、私たちは追い求めるべきゴールを失った場合、たったの1年半で生きる気力を失って死んでしまうケースが多いのです。

 

 私たちは、この法則のことをすっかり忘れて生活しています。

 時に危機的な状況ではない、安穏とした日常を送っている場合は、このことを思い出す必要がないかもしれません。しかし、そんな平和な状況にあっても、法則それ自体は静かに働いているのです。

 ですから、「自分はもう長くないだろう」などと自分の寿命を心の中で受け入れてしまうと、その通りの現実があなたに襲いかかってくるのです。

 そのような意味では、これまでに死んでしまった人びとは、全員が全員、その死に際して「もう死のう」と思い、諦めたのではないかと私は推測しているのです。

 仮にそのようにはっきりとは意識していないにせよ、病や事故の苦しみから逃れるため、あるいは未来への希望を損失してしまったがゆえに、もしくはそれまでの人生に心から充足して「もうこれ以上望むものはない」と思ったがゆえに、その人の脳は、無意識のレベルで、ほぼ間違いなくこうした信念を受け入れてしまっているのです。

 そのために、死を迎えるときは、細胞分裂回数が限界を迎えたわけでもないのに、簡単に死んでしまうのです。

 

まとめ

 長寿を実現するためには、まず自分たちが「明日への希望」を失わないようにする!

 引用終わり

 

 

 「私にはどうしてもやりたいことがある。だから、明日が来るのが待ち遠しくて仕方がない」と考えている人は、そうそう簡単には死なない

 

 医師として四半世紀以上働いていますが、「『明日が待ち遠しくて仕方がない』という人は、なかなか老いず、病にもならず(なっても克服し)、そうそう簡単には死なない」ことを強く確信しています。

 

 そう、私が感じているゴールとエフィカシーの源泉とは、「明日が待ち遠しくて仕方がない」という思い。一言でいうと“希望(hope)”です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

 

 とはいうものの、命あるものは必ず老いるし、いつかは死ぬときがきます。物理空間には強力な物理法則(因果)が働いています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 その間に認知機能が衰え、いわゆる認知症と呼ばれる状態になることもあるかもしれません。情報空間には必ず不完全性が働きます。どんなにストレスフリーな生活をしていても、認知症を完全に予防できるわけではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 確実に老い、たぶん病になり、必ず死ぬ。その間に認知症になるかもしれない

 

それでも「明日への希望」を失わないために、私たちは何を心がけるべきでしょうか?

 

L-155につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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F-339:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

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 だから、コーチとしてクライアントさんと関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33775039.html

 vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33827695.html

 vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 

 

 「高度な抽象レベルで、統合的分析をするそれが苫米地博士の“プロファイリング”。苫米地理論を基盤とした次世代のプロファイリングです。

 

 「統合」とは、ゲシュタルト化のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

そして、ゲシュタルト同士のさらなるゲシュタルト化のことです(connect the dots)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 その本質は「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度を上げる力=ゲシュタルト能力は、人間がもともと持っている偉大な能力であり、訓練によりさらに高めることができる無限の力です。

 L-133202111… -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33004210.html

 

 *ゲシュタルト能力を高める訓練はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 

では、今回も苫米地博士と本橋信宏さんの共著「『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!」(宝島社、p69)より引用し、重要な部分(青字で再引用)を解説します。鍵は「情報空間に拡張したホメオスタシス」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 *「情報空間に拡張したホメオスタシス」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

ホメオスタシス同調によるプロファイリングとは?

 人間には天候が暑くなり体温が上昇すると汗をかいて体温を下げたり、寒くなると体温が下がるのを防ぐために毛穴が閉じるように、均衡状態を保つ能力が備わっている。これをホメオスタシスという。

 苫米地博士によれば、実は身体だけでなく精神にも人間のホメオスタシスは存在していると定義する。このホメオスタシス同調を利用したプロファイリングが、ホメオスタシス同調効果によるプロファイリングであり、認知科学としての次世代プロファイリングと言われている。

 「次世代プロファイリングは、軍事利用をはじめとして、色々な理由でやるようになったものです。そのひとつに洗脳解除があります。どういう洗脳がされているか、まずは洗脳されている現場を再現していかなければなりません。洗脳においては様々な仕掛けが施されているから、洗脳解除するときは慎重にやらなければ失敗します。それは地雷みたいなものであり、踏んだら致命的になるからです。洗脳解除は単に催眠を解くだけではなく、その途中で色々なアンカー(錨)が仕掛けられているので、アンカーを1個でも踏むと、地雷のように爆発するから、アンカーがどうやって仕掛けられているか、ビジュアライズして11個はずしていかないといけないのです。どうやって埋め込まれたアンカーを解除するかというと、かけられたときの現場を脳内で再現していくわけです。テレビでよくやっている時限爆弾の解除に似ています。この配線が何、このスイッチが何とカラクリを解明するだけではなく、このワイヤーがこっちのワイヤーと重なって、張力で爆発するというような解析をしなければなりません。赤と青の導線のどっちを切ればいいという単純なものではないのです。時限爆弾製造者が作った順番を意識してまったくその逆にはずしていく。時限爆弾を解除するときは、カラクリだけではなく作った人間のメンタリティ、作り方まで、その人間のすべてを再現していくのです。そうしないと、時限爆弾解除者になれない。1個でもしくじったら、ドカン! 洗脳解除も同じことです。洗脳をかけられたときの情報空間を再現するのです。人間の行動はいろんなところで制約されるから、人間がその場所でその情動であれば、どういう行動をするか、全部再現可能になりますから」

 苫米地博士は、オウムの凶悪な洗脳を解いてきた際に、信者の表情、声のトーン、反応などを見きわめながら、仕掛けられているアンカーをひとつずつ解除していった。

 その手法によって、犯罪プロファイリングもおこなわれる。

 具体的なやり方は、107ページで解説する。

 引用終わり

 

 

次世代プロファイリングは、軍事利用をはじめとして、色々な理由でやるようになったものです。そのひとつに洗脳解除があります

 

 洗脳とは、「人を変性意識状態にして情報の書き換えを行い、洗脳者の望む選択肢に導く」こと

 (「変性意識状態」について、詳しくはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 洗脳は、じつは、特殊なものでも非日常的なことでもなく、生活のあらゆる場面に潜んでいます。その代表が「テレビ」。だから「テレビは見てはいけない」↓

 F-153~:チャリティーマラソンで走った人が走った分だけ募金するシステムは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404043.html

 

 大切なのは「これは洗脳(手法)だな」と気づくこと。そのために常時モニタリングを行っていることが重要です。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

 「洗脳は気づいてしまえば簡単に解けるもの」と苫米地博士は語られます。「モニタリングし続ける →洗脳に気づく →脱洗脳」という流れを無意識化できることが、コーチング前にマスターするべきハビット&アティテュードです。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 

洗脳解除は単に催眠を解くだけではなく、その途中で色々なアンカー(錨)が仕掛けられているので、アンカーを1個でも踏むと、地雷のように爆発するから、アンカーがどうやって仕掛けられているか、ビジュアライズして11個はずしていかないといけないのです

 

 「アンカー(錨)」とは、脳が記憶している何らかの意識状態のこと。その意識状態を引きだすきっかけとなる情報が「トリガー(引き金)」です。

 F-158:無我夢中 <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 「まるで人が変わったかのように目の前の人が豹変した」という経験が、きっと皆さんにもあるはず。その時は埋め込まれた意識状態が突然引き出され、本当に人格が変わっています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 さらにいうと、人格が変わっただけでなく、その人が認識している世界そのものが変わっています。認識を左右するフレームが変わっているからです↓

 F-114:情報が書き換わると現実が変わる vol.5;「幸せなら手を叩こう♪」(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20477749.html

 

 そのようなアンカー解除の秘訣を、苫米地博士は何気に明かされています。その秘訣とは「ビジュアライゼーション」↓

 F-253Corona Panicに打ち克つ ~ビジュアライゼーションによるゴール達成法~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29357204.html

 

 

どうやって埋め込まれたアンカーを解除するかというと、かけられたときの現場を脳内で再現していくわけです

 

 ビジュアライズするものとは、「洗脳をかけられたときの現場」。

 もちろん、その「現場」とは3次元座標で示される物理空間のことだけではありません。

  

 アインシュタイン以後、空間と時間は別々の軸ではなく、ひとつの連続体であることが明らかになりました。よって、「現場」には時間も入ります。

 Q-319~:速いスピードで移動した人は長生きできるって言いますよね?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425265.html

 

 時間+空間の4次元時空は、抽象度という軸をとった場合の情報空間の底面。物理空間の上の次元には、広大な情報空間がひろがっています(物理空間も情報空間の一部です)。

それを理論化されたものが、苫米地理論の第2世代「超情報場理論」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 

時限爆弾製造者が作った順番を意識してまったくその逆にはずしていく。時限爆弾を解除するときは、カラクリだけではなく作った人間のメンタリティ、作り方まで、その人間のすべてを再現していく

 

 その超情報場=情報空間の一部に人間の認知があります。

 

 つまり、先ほどの「洗脳をかけられたときの現場」とは、人間の認知も含めた超情報場のことであり、その情報場が写像された時間を含む物理空間のこと。

 L-132202111月シークレットレクチャー -01;メインテーマ「□」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32989957.html

 

 その再現を行うことが、苫米地博士が行っている“プロファイリング”です。

 コーチングの前にしっかりと“プロファイリング”を行うことは、とても重要。なぜなら

 

 

人間の行動はいろんなところで制約されるから、人間がその場所でその情動であれば、どういう行動をするか、全部再現可能になりますから

 

 なぜなら、「誰もが『過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”』の中で生きている」から。繰り返しますが、その“殻(w0)”はコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)と言い換えることもできます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 つまり、CZが生みだす「現状維持の壁」を突き破り、まったく新しい可能世界(w1)を生みだすことがコーチング!

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 その結果として、これまでのCZ=ブリーフシステム=関数P(←自我の一側面である「評価関数」のこと)が書き換わることになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

F-340につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

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