Q-305:「心身相関」と「超情報場理論」 <後編>
これまでたくさんの御質問をいただきました。ありがとうございます。この「Q:質問等回答編」は、なんと、300回を超えました!
1つのことを突き詰めていくと、やがて「型」が洗練されていき、“意味”がわかるようになります。それは、より深く理解できるということ…
…一方で、スコトーマをさらに外すことは困難になります。本当はもっと深い“意味”があるかもしれないのに、無意識が探究をやめてしまうからです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
だから、新たなゴール設定が重要。
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ゴールは、もちろん、“現状の外”。
“現状の外”にゴールがあり続けると、結果として選択や行動が変わり続けることになります。ブリーフシステムがゴール側に書き換わっていくから。
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今回の「Q:質問等回答編」は、今まで構築してきた「型」を破ってみたいと思います。質問をするのは私。ぜひ私の疑問に対する答えを考えてください。
Q:苫米地理論をよく学ばれている方と話をしている時に、「心身相関」の話題になりました。「心と体は密接に結びついている」という「心身相関」についての私の説明に対して、「それって苫米地博士がいつもおっしゃっていることと同じですね」とコメントされました。
苫米地博士が話されるのは「超情報場理論(仮説)」。それと「心身相関」はまったく違うと思うのですが、同じと理解するべきなのでしょうか?
もしも違うのであれば、苫米地理論をしっかり理解しているはずの人が、なぜ「同じ」とコメントされたのでしょう?
<前編>はこちら↓
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昨秋(2022年9月)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状が長引く「long COVID」のリスクに、COVID-19発症前の心理状態が関連していることを示唆する研究結果が発表されました(「JAMA
Psychiatry」)。
シンプルにまとめると、「罹患前の抑うつレベルが高い場合、long COVIDのリスクが32%高い」。同様に「不安:42%」「危惧:37%」「ストレス:46%」「孤独感:32%」とリスクが上昇し、複数該当する場合にはlong COVID化する可能性が50%になるそうです。
この研究結果は驚くものではありません。医療・介護現場で働く誰もがすでに感じているはずです。
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だから、「ぼんやりとした感触が科学的検証のおかげでクリアになった」という感じでしょう。多くの医療従事者にとっては。
F-189~:くっきりとした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら浮かんできたんです
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_411502.html
現在の医療・介護現場では、COVID-19のような感染症を、物理次元だけで捉えるのではなく、より高次の抽象度次元(情報空間)全体で捉えようとしています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
*抽象度はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
その代表が「3つの感染症」という概念です。
F-186:「新型コロナウイルス感染症」との縁で気づいたこと -03;3つの“感染症”
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25734821.html
3つとは「生物学的」「心理的」「社会的」のこと。それら別々の(と思える)ものを「1(あるいは『同じ』)」とみなせるようになると、理解がより深まります。ゲシュタルトが大きくなる(=統合される)からです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html
今回のテーマでいうと、心と体はそもそも同じ1つのもの。視点(抽象度)が違うだけです。心のことを物理空間では身体といい、身体のことを情報次元で心と表現するだけのこと。
重要なので繰り返しますが、「そもそも同じ1つのもの」です。
L-003~4:2020年1月… -03~4;身体と心は〇〇〇〇
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html
この関係性は、「心と体」だけでなく、すべてに当てはまります。その事実を体感を伴って理解することが悟り。2600年前に釈迦が「縁起」として説き、大乗の天才たちによって「中観」としてまとめあげられた思想 …それを理解し体得することが悟りです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
さらに認知科学者 苫米地英人博士によって、先人の叡智は理論化されました。それが「超情報場理論(仮説)」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html
心と体はそもそも同じ1つのもので、表記する抽象度が違うだけ …それが「超情報場理論」。対して、「心身相関」は「心と体はまったく別のものである」という前提で、その2つが「けっこう関係する」という考えです。
冒頭の例(long COVID)でいうと、心理状態と身体におこる症状が「けっこう関係する」というのが「心身相関」。対して、「超情報場理論」は4次元時空をも超えていきます。「COVID-19発症前の心理状態」と「罹患4週間後の身体(症状)」は同じ1つのものです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
「それって苫米地博士がいつもおっしゃっていることと同じですね」とコメントされた方は、もちろん、苫米地理論をしっかり理解されていました。
では、なぜ「同じ」とコメントされたのでしょう?
…原因は私にありました。もっと正確にいうと、「私の手の動き」にありました。
言葉では「『(別のものであるという前提での)心と体は密接に結びついている』という『心身相関』」を語りながら、私の手は抽象度の階層をしっかり示しながら、高次元の「心」と底面での「体」が「そもそも同じ」というジェスチャーをしていたのです。無意識に。
それが非言語の働きかけとなって(トリガー)、「心と体はそもそも同じ1つのもの」という認識を引き出したのでしょう(アンカー)。相手の思考空間の中で。
その言語化が「それって苫米地博士がいつもおっしゃっていることと同じですね」です。
F-158:無我夢中 <前編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html
この経験を通じて、私は改めて「非言語の働きかけ」の力を感じました。それからは言葉以上に「非言語の働きかけ」に気を配り続けています。
L-082:2021年3月… -05;「非言語」が重要なのはなぜ?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html
…以上が私のセルフアンサーです。
いかがだったでしょうか?
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
この関係性は、「心と体」だけでなく、すべてに当てはまります。その事実を体感を伴って理解することが悟り。2600年前に釈迦が「縁起」として説き、大乗の天才たちによって「中観」としてまとめあげられた思想 …それを理解し体得することが悟りです
…悟りとコーチングの関係について、苫米地博士が「オーセンティック・コーチング」(CYZO)内で言及されています。以下、同書(p74)から引用します。「超情報場理論」をイメージしながらお読みください。Feel!
◎スピリチュアリティのゴールの大切さ
もうひとつ、キリスト教圏で生まれたコーチングらしい「社会貢献」のカテゴリーとして「スピリチュアリティ」があります。
これはカトリシズムのような博愛主義をベースとしたもので、宗教という枠組みの中での人格形成であったり、霊性や精神性をいかに上げていくのかがゴール設定の際に重要になってきます。
事実、敬虔なクリスチャンであったルー・タイスはキリスト教的な人格をいかに高度化していくかというゴールを持っていましたし、そのゴールに向かう力が世界の数々の紛争をおさめてきた原動力にもなっていました。
キリスト経がそれほど根付いていない日本で「スピリチュアリティ」を実行するとすれば、仏教の枠組みの中で考えることになるでしょう。いかに悟りに近づいていくかが日本人に理解しやすい「スピリチュアリティ」ではないかと思います。
ただし、「スピリチュアリティ」の場合は知識の習得ではありません。日本では仏教に取り組むというと、経典を学ぶことや、禅の修行を連想する人が多いと思いますが、それではさきほど説明した「生涯学習」のカテゴリーになってしまいます。「スピリチュアリティ」の場合は知識の習得ではなく、実践が大切です。「霊性を上げる」ために、いかに人間的に優れた人になるか、そのために社会に何をすればいいのかをゴールの一つとして持つことです。
自分は無神論者だから関係ないとは思わず、「スピリチュアリティ」を実践することとは、突き詰めていけば、人間的に優れた人になることだと思ってください。それはたとえ無神論者であっても重要なことですから、「スピリチュアリティ」のカテゴリーの中でゴールを設定することは大切になってくるのではないかと思います。
それにこのゴールは簡単に言ってしまえば、「社会が良くなる」ということでもあります。そのために自分の霊性を上げる。仏教的に言えば、悟るということであり、コーチング的に言えば、悟りを越えることです。
このあたりの詳しいことは私の『超悟り入門』を読んでほしいのですが、いまここで簡単に説明すると「悟りとはこの世が幻であることを理解する」ことです。幻であるからこそ、痛みも苦しみも、幸せも快楽も自分の思いのままになるわけです。つまり、すべては自分で作り出しているものであり、それを理解することが悟りです。これがわかると悟りは決して答えではないことが見えてきます。悟ったという状態であり、理解したという学びであり、だからこそ、悟りは越えていくものなのです。
引用終わり
-告知1-
2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。
メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~Reload&Revolution~」。詳細はこちらでどうぞ↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html
第11回目(R5.3/5開催)のテーマは「リーダーシップ」。詳細はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30729325.html
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
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