苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

2022/05

Q-260:コーチングは弱った人を対象とする臨床心理や精神医療の世界にはなじまないのだろうか? <vol.2;肯定的立場で(affirmative)>

 

 医療関係者より御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:コーチングについて、ある医学誌に「健康度や問題意識が高く、自ら向上したいというエネルギーが充実している当事者の場合には適応になるかもしれないが、弱った人を対象とする臨床心理や精神医療の世界にはなじまない手法である」と書かれていました。

 タケハラコーチはどのように思われますか?

 

私も御指摘の文章を読みました。そこにはこのように書かれていました。

(「〇〇医療」の部分だけ変更しています)

 

コーチングの当事者への適応は限定的

 意欲を引き出すものとして、目標への自発的な行動を促進するために、健康人に対してコーチングという手法がしばしば紹介される。コーチングとは、本人特有の感情や思考の動きを行動の力に変えることで目標達成や自己実現を促すコミュニケーション技術である。これは現状では、組織のマネジメントの対話の技術として、あるいは生産的で目的志向的な組織における人材開発、キャリアアップの手段として応用されている。〇〇医療の世界では治療者側のスキルの向上のために応用されている。本人自身が答えを見つけていくという点では心理療法と一致する面もある。しかし、弱った人を対象とする臨床心理や精神医療の世界にはなじまない手法である。健康度や問題意識が高く、自ら向上したいというエネルギーが充実している当事者の場合には適応になるかもしれない。

 

 vol.1自我から離れ、高い抽象度で物事を捉える技術

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28742699.html

 vol.2;肯定的立場で(affirmative

 

 

 今回は肯定的な立場(affirmative)での回答です。

 

意欲を引き出すものとして、目標への自発的な行動を促進するために、健康人に対してコーチングという手法がしばしば紹介される。

 

 意欲を引き出す」ための動機付けには、大きく分けて次の2種類があります。建設的動機付け(Constructive Motivation)と強制的動機付け(Coercive Motivation)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 建設的な場合、セルフトーク(内省言語)は「want to(~したい)」。その源泉は「価値」です。

自身が価値を置いている対象に向かうときの強い力は、「ホメオスタシス・フィードバック」と考えることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 強制的な場合のセルフトーク(内省言語)は「have to(~しなければならない)」。その源泉は「不安」「恐怖」です。脳でいうと扁桃体を含む大脳辺縁系が優位になりがちで、心身ともこわばり、能力が発揮できなくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 私たちのマインドには、「自身が不安・恐怖を感じている対象を避けようとする働き」があります。「創造的回避」です。それもホメオスタシス・フィードバックといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

意欲」が引き出され、「目標への自発的な行動」が促進されるのは、自分で設定した目標に向かうとき。その目標のことを「ゴール」と呼びます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

コーチングとは、本人特有の感情や思考の動きを行動の力に変えることで目標達成や自己実現を促すコミュニケーション技術である。

 

 コーチングのコアは「ゴール」と「エフィカシー」。

 

 ゴールは心から望むもので、自分中心を捨て、現状の外に設定するもの。それは「未来の自分のイメージ」であり、新たなコンフォートゾーンの源泉です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 エフィカシーとは「ゴール達成能力の自己評価」のこと。よって、「未来の自分のイメージ」の確信度(=臨場感)がエフィカシーです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 ゴールの世界(IImagination)の臨場感が強まると(VVividness)、そのイメージは現実化していきます(RReality)。つまり、どんどん目標を達成し、自己実現を重ねていくということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 私は、コーチングとは、「ゴール側(未来)の自分」と「現在の私」との間の「コミュニケーション技術」でもあると考えています。

 (↑次回、掘り下げます)

 

 

これは現状では、組織のマネジメントの対話の技術として、あるいは生産的で目的志向的な組織における人材開発、キャリアアップの手段として応用されている。

 

 …80年代から90年代にかけてのハーバード大ビジネススクールの研究(ジョン・P・コッター名誉教授)によると、「want to」と「have to」の生産性の差はなんと756倍です。通信機器の性能や速度が向上した現代では、もっと大きな差がでるはずです。

この研究が示すのは「人にはすごい潜在能力がある」と「すべてはマインド(脳と心)の使い方次第である」という事実。

 

 組織とは個人の(マインドの)集合体です。よって、組織の構成員がゴールを共有し、エフィカシーを高めあえば(コレクティブエフィカシー)、ますます能力が発揮されていきます。

 そのためのコーチングが「コーポレート・コーチング」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 

〇〇医療の世界では治療者側のスキルの向上のために応用されている。

 

 日本医師会の日医e-ラーニングには「医師のためのメディカルサポートコーチング」という講座があります。すでに「治療者側のスキルの向上」のために“コーチング”が取り入れられています。

 日医HP>医師のみなさまへ>生涯教育on-line>日医e-ラーニング>生涯教育講座>

 (受講にはサインインが必要です)

 日本医師会生涯教育on-line:日医e-ラーニング (med.or.jp)

 

 

本人自身が答えを見つけていくという点では心理療法と一致する面もある。しかし、弱った人を対象とする臨床心理や精神医療の世界にはなじまない手法である。

 

 弱った人」という表現を物理空間だけで考えないことが重要です。物理空間は「階層をもってひろがる巨大な情報空間」の一部にすぎません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 抽象度という軸をとる場合、物理空間は情報空間の底面です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 物理空間での「弱った」状態を身体的苦痛とすると、より高次の次元に心理・精神的苦痛があり、さらに社会的苦痛、スピリチュアルペインが存在していると考えることができます。

 L-001~20201月シークレットレクチャー(スピリチュアルペイン-1

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_407080.html

 

それらを個別に(部分として)みるのではなく、「トータルペイン」として捉えることが重要。その「部分と全体の双方向性」がわかってはじめてゲシュタルトができ、「弱った人」を丸ごと理解することができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

健康度や問題意識が高く、自ら向上したいというエネルギーが充実している当事者の場合には適応になるかもしれない。

 

 自ら向上したいというエネルギー」が枯渇した状態ではコーチングを実践することはできません。その場合に必要なのはヒーリングです。

ヒーリングとコーチングの違いと共通点(&カウンセリングとの違い)をしっかり理解した上で、目の前の患者さんの状態(状況)に合わせてサポートすることが重要です。

F-237~:「出口が見えない」と「出口戦略」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419486.html

 

 

 以上より、肯定的な立場での私の意見は

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 「弱った人」は様々な苦痛を抱えており、大脳辺縁系優位に陥りがち(data)。その状態では現状の外にゴールを設定することも、エフィカシーを上げることも不可能(warrant)。

 よって、コーチングは「臨床心理や精神医療の世界にはなじまない」といえる(claim)。

 

 

 次回は否定的な立場(negative)で回答いたします。

 

Q-261につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

 

-追記1

強制的な場合のセルフトーク(内省言語)は「have to(~しなければならない)」。その源泉は「不安」「恐怖」です。脳でいうと扁桃体を含む大脳辺縁系が優位になりがちで、心身ともこわばり、能力が発揮できなくなります

 

 直接的な強制だけでなく、間接的なものに対しても働きます。芥川龍之介ではないですが「ぼんやりとした不安」のようにはっきりしないものの方が、むしろ影響力が強かったりします。生権力(Bio-Power)は決して侮れません。

 F-061~:バイオパワー(生権力)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html

 

 

-追記2

 組織とは個人の(マインドの)集合体。よって、組織の構成員がゴールを共有し、エフィカシーを高めあえば(コレクティブエフィカシー)、ますます能力が発揮されていきます。そのためのコーチングを「コーポレート・コーチング」と呼びます

 

 苫米地博士が新刊「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)の中でコーポレート・コーチングについて言及されています。以下、同書より引用します(p23~

 

 ◎いまこそ必要なコーポレート・コーチングのやり方

 では、コーポレート・コーチングのような企業を相手にしたコーチングはするべきではないのでしょうか?

 いえ、私はそうは言っていないのです。

 逆にいまこそ、コーポレート・コーチングは必要な時なのかもしれないと思っているくらいです。ただし、そのやり方は慎重にしないといけません。

 

 まず最初に、なぜ、いまコーポレート・コーチングが必要なのかをお話ししましょう。

 その理由は簡単で、コロナ社会が到来し、さまざまなものが強制的に変更させられているためです。

 わかりやすいのが電気自動車の登場です。

 (中略)

 ですから、電気自動車推進派は、リチウムイオン電池のことも、原発のことも一切口にせず、「電気自動車は走行時にCO2は出しません。クリーンで環境に優しく、人にも優しい技術です」としか言わないのです。

 困ったことに、世界中のマスコミがこれに右にならえで、電気自動車はクリーンだの大合唱です。

 こんな世界が到来している中で、いま最も重要なことは何かといえば、企業や組織の考え方を変えることなのです。

 確かに、コーチングをもっと広めて、一人ひとりの人間の思考を変え、ゴールを変えていけば、世界は変わるでしょう。しかし、それでは時間がかかり過ぎるのです。いまの世の中を変えたいのであれば、企業の考え方、プリンシプルを変えてしまうほうが早いのです。

 コーポレート・コーチングのゴールは企業の利益です。

 しかし、企業の利益とは「利潤の追求ではない。もっと別にありますよ」ということを社長以下、社員も理解すれば、企業風土は変わるでしょう。

 企業が変われば、やがて世界も変わるはずです。

 これがコーポレート・コーチングをいまこそ行うべきだと考える理由です。

 

 

-追記3

以上より、肯定的な立場での私の主張は

 

 「全然肯定していない」と感じた方がいらっしゃるのではw

 ブリーフシステムを止めて、自我から離れ考えることは、決して簡単ではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 だからこそ、つねにトゥールミンロジックで考察することが必要。さらに止観(しかん)まで行えば理想的です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18576926.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684707.html

 

 

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F-129~The Sweet Hello, The Sweet Goodbye

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オーセンティック・コーチング



F-242:鉄は熱いうちに打て

 

 前回(F-242)、長渕剛さんの言葉を紹介しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28695996.html

 

トレーニングは「昨日の自分を超えていく自己確認」

 

 長渕さんの言葉から受けたインスピレーションを言語化していく間、研修医時代の記憶がフラッシュバックしました。もう四半世紀以上前のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7385143.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7385278.html

 

 ゆらぎによってスコトーマが外れたのでしょう。当時よく言われていた「鉄は熱いうちに打て」という言葉を思い出しながら、いまだに物理空間に囚われていることに気がつきました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

「鉄は熱いうちに打て(Strike while the iron is hot)」は、「熱して軟らかいうちが鍛えどきの鉄と同じように、人も柔軟で吸収力のある若いうちに鍛えるべきである」といった意味で使われています。

F-038~:「若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ♪」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268333.html

 

 研修医の頃は「時期」「タイミング」の話だと思っていました。「若いうち」という特定の時間、つまり物理空間上の一点(限定された範囲)に囚われていたのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 それだと無意識は「年を重ねると、柔軟性を失い、吸収力が落ちる」というイメージ(I)を肯定してしまいます。ここで言う「肯定」とは、「臨場感が高まる」ということ(V)。

 「夢をかなえる方程式 I×V=R」のとおり、「柔軟性を失い、吸収力が落ちる」は現実化してしまうでしょう(R)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 抽象度という軸を考えると、物理空間は情報空間の底面です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 その底面には物理法則が働きます。熱した鉄は時間の経過とともに冷え、どんどん硬くなっていきます。物理的因果律により。
 だから、「熱して軟らかいうちが鍛えどき」は真。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 しかし、私たち人間は違います。

本当は物理空間上に限定された存在ではなく、高次元の情報宇宙に拡張している存在です。その事実に無自覚なだけです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

その証拠に、私たちは情報空間にまでホメオスタシスを働かせています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

そもそも私たちは記憶を使って目の前の世界を認識しています。だから「一人一宇宙」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823351.html

 

 同じ世界(宇宙)に生きているように感じられるのは錯覚で、ある臨場感空間を共有しているだけです。いわば「共同幻想」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823843.html

 

 さらにいうと、人類の脳には過去も未来もなく、現在しか存在していません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 記憶とはフレームがあるものですが、頭の中にバラバラに保存された情報にはフレームがないからです。フレームとは「枠組み」のこと。私たちはフレーム(枠組み)をつくって、その中だけで思考しています。

「頭の中にバラバラに保存された情報にはフレームがない」ということは、私たちは何も記憶していないともいえます。バラバラな情報が合成され“記憶”となるのは“今、この一瞬”。

よって、「一宇宙」の「一」はダイナミックに生みだされ続けているといえます。

Q-220:ゴールに対するスケジュールはたてますか? <後編;人類には“今”しかない>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27478021.html

 

 

 ということは、人間の場合、「熱いうち」とは物理空間上の特定の座標の話ではなく、ダイナミックに変化するマインド(脳と心)の状態のことであるといえます。意識状態です。

 

 では、「熱い」意識状態を生みだすためにはどうすればいいのでしょうか?

 

 そう、ゴール設定。現状の外にゴールを設定することです。それも人生のあらゆる領域に(バランスホイール)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 繰り返しますが、現実とはフレームとして認識される世界のこと。表現をかえると「ゲシュタルト」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 ゲシュタルトは、一度できあがると固定化されてしまいがちです。例えば「〇〇は△△である」という思い込みにより、思考は硬直化し、世界は限定的になっていきます。まるで鉄が冷えて硬くなるように。

 

 よって、「鉄は熱いうちに打て」を人間に当てはめると、「ゴール設定(更新)によってゲシュタルトを再構築し続けよ」と言い換えることができます。その感覚をアップル社の創設者の一人 スティーブ・ジョブス(Steven Paul Jobs1955~2011年)は「connect the dots」と表現しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルトはコンフォートゾーン(CZ)と考えることもできます。ホメオスタシスが働き安定的に維持されるイメージ上の空間です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 CZの外側は認識することができません。ゴールはそのCZの外側に、すなわち今までのゲシュタルトをはるかに超えたところに設定するものです。

だから、ゴール設定は簡単ではなく、コーチを必要とします。

 

 コーチの役割はゴール設定のサポートだけではありません。エフィカシーを上げながら、ゴール達成まで徹底的にサポートします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 ゴールを設定し、その達成を確信していると、CZが変化しはじめます。これまでのゲシュタルトがより大きなゲシュタルトに統合されていきながら(connect the dots)、気づき(ひらめき)とエネルギーと創造性を得ることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

ゴールが「鉄は熱いうちに打て」の「熱」を生みだします。

 だから、ゴールをたくさん設定してください。人生のあらゆる領域に(バランスホイール)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 そして、ゴールをどんどん更新し続けてください。気楽にw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

コーチングの実践が「鉄は熱いうちに打て」そのものです。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 「ゴール設定」について、認知科学者 苫米地英人博士の最新コメントを紹介します。「2022年度版 新・夢が勝手にかなう手帳」(CYZO)の Monthly Dr.Tomabechi’s Column4月)からの引用です。

 

奴隷のゴールでもよいから、まずはゴールを設定する

 最初に設定するゴールは何でもよいのです。最初のうちは仮のゴールです。資本主義という洗脳にまみれた奴隷のゴールでも、親に書き込まれた「よい大学、よい会社」という競争社会まっしぐらなゴールでもとりあえずよいでしょう。例えば、「お金持ちになりたい」「出世したい」「スタイルがよくなりたい」「頭がよくなりたい」でもよいのです。まずは仮でよいのでゴールを設定することです。仮のゴールであっても、設定すればスコトーマ(心理的盲点)が外れます。ゴールを掲げると初めて見える風景があります。その風景が見えたらそこでまた新しいゴールを見つけましょう。

 情報空間における自分のコンフォートゾーン(居心地のよい空間)を少しずつ真のゴールへと移動させていくことです。どうやって移動させるかといえば、ゴールを設定し、スコトーマを外し、そこで見えた新しい風景や入ってきた新しい情報でまたゴールを更新すればよいのです。新しいゴールによって、また別のスコトーマが外れて、新しい情報が入ってきます。その情報をもとにまた新しいゴールを設定するのです。このポジティブなゴール更新サイクルを回しているうちに、自分の真のゴールが見つかります。少なくとも資本主義という洗脳が外れていき、自分のIQが上がっていくことに気づくでしょう。IQが上がったというよりは、洗脳が外れて、本来のIQに戻ったのです。

 ゴールを設定し、スコトーマを外し、新しい情報が入ってきたり、新しい風景が広がるというのはとても楽しいことです。楽しみながら、どんどんこのポジティブなゴール更新サイクルを回していきましょう。

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

 第3回目(R4.6/19開催)のテーマは「ゴール」。詳細はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28683163.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

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Q-250:コーチングや苫米地理論をいろいろな視点で多角的に学びたいと思っています。お勧めの著者や本を教えてください

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新・夢が勝手にかなう手帳2022年度版



Q-259:コーチングは弱った人を対象とする臨床心理や精神医療の世界にはなじまないのだろうか? <vol.1自我から離れ、高い抽象度で物事を捉える技術

 

 医療関係者より御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:コーチングについて、ある医学誌に「健康度や問題意識が高く、自ら向上したいというエネルギーが充実している当事者の場合には適応になるかもしれないが、弱った人を対象とする臨床心理や精神医療の世界にはなじまない手法である」と書かれていました。

 タケハラコーチはどのように思われますか?

 

私も御指摘の医学誌を読みました。そこにはこのように書かれていました。

(「〇〇医療」の部分だけ変更しています)

 

コーチングの当事者への適応は限定的

 意欲を引き出すものとして、目標への自発的な行動を促進するために、健康人に対してコーチングという手法がしばしば紹介される。コーチングとは、本人特有の感情や思考の動きを行動の力に変えることで目標達成や自己実現を促すコミュニケーション技術である。これは現状では、組織のマネジメントの対話の技術として、あるいは生産的で目的志向的な組織における人材開発、キャリアアップの手段として応用されている。〇〇医療の世界では治療者側のスキルの向上のために応用されている。本人自身が答えを見つけていくという点では心理療法と一致する面もある。しかし、弱った人を対象とする臨床心理や精神医療の世界にはなじまない手法である。健康度や問題意識が高く、自ら向上したいというエネルギーが充実している当事者の場合には適応になるかもしれない。

 

 vol.1自我から離れ、高い抽象度で物事を捉える技術

 

 

 苫米地式コーチング認定コーチ兼医師として、私は医療・介護の現場にコーチングを届ける活動を行っています。昨年度は、ある医療機関で、御要望に合わせて作成した1年間のプログラム(45分×12回、ワーク付き)に取り組んでいただきました。

 (医療におけるコーチングの必要性についてはこちらをどうぞ↓)

 PM-04~:苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076878.html

 

 コーチングを医療・介護の現場に届け、ひろげている

 

 それが私のど真ん中にある思いであることは間違いありませんが、コーチングと同じようにディベートも届けたいと思っています。その理由はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11613757.html

 

 ところで、皆さんはディベートと聞いて、どのようなことをイメージしますか?

 

 「ディベートは説得の技術である」や「ディベートは反論の技術である」といった印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか? 中には「ディベートは詭弁の技術である」と蔑んでいる方もいることでしょう。

 事実として、私は「論理武装しためんどくさい奴」といった陰口を叩かれたことがあります。

 PM-06~:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15110477.html

 

 「説得」「反論」「詭弁」は完全な誤解!

論題を自らの情動と切り離し、相対化して、物事の裏表両方を見る視点を養えるのがディベート。その目的は「論理脳をフル活用して、シンの問題を見つけ、最短時間で最適解を見いだすこと」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

そのさらに先には「論理的思考を徹底的に極めることによって、論理という系の外に出る」という目的があります。

自分の頭で考えていると思っていても、たいていは他人に言われたことを利用して考えているだけ。それでは思考停止です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 もしも「コーチングの当事者への適応は限定的」という主張(claim)を盲目的に受け入れたなら、コーチングの可能性はスコトーマに隠れ認識できなくなります。

 反対に、「コーチングの当事者への適応は限定的」という主張(claim)を見下したなら、医療・介護現場へのコーチング導入のヒントを見失うでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「盲目的に受け入れる」や「見下す」という行為の根底には何らかの評価・判断があり、その評価・判断にはたいてい情動がはりついています。だから、つい短絡的かつ感情的になってしまうのです。「戦うか、逃げるか」といった感じで。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

そもそも意識・無意識下の判断基準であるブリーフシステム自体が「情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」でつくられています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

その「情動体験」や「情報」は他人や社会の価値観の影響下にあります。しかも、すべて過去。コーチングを実践していない人にとって、目の前にひろがる世界は“過去”の再合成に過ぎません。

Q-220:ゴールに対するスケジュールはたてますか? <後編;人類には“今”しかない>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27478021.html

 

よって、そもそも思考に自由はなく、過去に縛られた「無人運転」「自動運転」であるといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

さらに、不完全性定理により「この世に絶対的な真実はない」ことが明らかになりました。真実と思われることにも、必ず表と裏(光と影)が存在します。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

それは「すべて相対的」ということ。だから、常に疑ってみることが大切なのであり、自身の軸で評価することが重要なのです。それが自由の前提条件です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

ディベートを学ぶことで、私たちは自我から離れ、自分の頭で物事を考え、一段高い抽象度で物事を捉えることができるようになります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

  

 その上でゴール設定をしてはじめて、「自分自身の軸」を得られ、シンの自由を獲得することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20874002.html

 

 

論題を自らの情動と切り離し、相対化して、物事の裏表両方を見る視点を養えるのがディベート。その目的は「論理脳をフル活用して、シンの問題を見つけ、最短時間で最適解を見いだすこと」「論理的思考を徹底的に極めることによって、論理という系の外に出ること」

 

 

現代ディベート論理は、トゥールミンロジックと呼ばれています。

トゥールミンロジックは、イギリスの分析哲学者 スティーブン・トゥールミン(Stephen Edelston Toulmin1922~2009年)により、1960年代に提唱された論理構築法です。

いわゆる三段論法で代表される形式論理の方法論が実社会における論理構築の手段として適さないと考えて提唱された現代の論理技術です。

実際は別途、とくに米国のソール・クリプキ(Saul Aaron Kripke1940年~)以降の分析哲学の進化により人間の思考に近い論理学が分析哲学の世界では生まれてきましたが、60年代までは一階の述語論理(命題の内部構造である主語・述語の関係を中心に分析する論理)という三段論法が教えられており、これよりも優れた実践的な論理構築法として生み出されました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 トゥールミンロジックについて本気で学びたい方は、認知科学者 苫米地英人博士の著書「ディベートで超論理思考を手に入れる」(CYZO)をお読みください。

Kindle版はこちら↓
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 *手短に全体像を把握したい方はこちらをどうぞ↓

 S-01~:よりより“議論”のために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 次回、御質問に対して肯定的な立場(affirmative)で回答いたします。

 

Q-260につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 私がディベート(トゥールミンロジック)を学ぶ中で驚いたのは、「競技ディベートにおいて、肯定側になるか否定側になるかは競技開始時のコイントスで決まる」ということ。自分が肯定側に立つのか、それとも否定側に立つのかは、直前にならないとわからないのです。

 

 つまり、「ディベーターに自分の意見は関係ない」ということ。

 だからこそ、論題を自らの情動と切り離し、相対化して、物事の裏表両方を見る視点を養うことができます。

 

 そして、それは「クライアントの利益100%」というコーチの心得を体得するためにも役立ちます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

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 第3回目(R4.6/19開催)のテーマは「ゴール」。詳細はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28683163.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-129~The Sweet Hello, The Sweet Goodbye

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_396235.html

F-163~:アンチ(anti)からウィズ(with)、そしてウェル(well)へ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404044.html

F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html


  

ディベートで超論理思考を手に入れる

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Q-258:私、立ち直れるかな? <後編;国家~地球+未来の視点で>

 

 医療・介護の現場で働いていると、もちろんうれしいこともありますが、辛く悲しいことが起こります。老病死(+生で四苦)の場だからです。

 医療・介護の現場は、一般の皆さんが思う以上に過酷です。

 PM-04-09:ますます緊張する医療・介護現場の福音となるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166400.html

 

 先日、医療事故に遭遇しました。そのとき関係者が発した言葉が、「先生、私、立ち直れるかな?」。

 

 セルフトークでいえば「第2段階」がヒーリングからコーチングに移行するとき。そのタイミングでしっかり届けることができるように、「立ち直る」ためのポイントをまとめます。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

前編;個人の視点で

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28693339.html

 中編;組織~社会の視点で

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28703188.html

 後編;国家~地球+未来の視点で

 

 

 今こそ自身のコンフォートゾーン(CZ)を疑うとき

今こそCZの外側に新たなゴールを設定するとき

 そして、今こそシンの自由を手に入れるとき

 

 今回は「『CZを吟味し、外側に飛び出す』ためのマインド(意識状態)づくり」がテーマです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

鍵は「抽象度を上げる」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 つまり、個人→組織→国家→地球→未来を含む縁起空間 と視点を上げ、「自分(自我)」を拡張していくことがポイントです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 では、認知科学者 苫米地英人博士の著書「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ)を確認しながら、一緒に考えていきましょう(青色が引用部分)。

呼吸を意識に上げ、リラックスとゆらぎを得ながら読み進めてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23645730.html

 

 

 不殺生戒を保障するために

 「人を殺すべからず」という善悪なき世界の唯一の例外は、戒であれば個人の内的な問題として意識されます。しかし戒は自分で守らなければそれまでです。では、戒と関係ない現代の人々にとって、「人を殺すべからず」はどのように守られるのでしょうか。政治でしょうか? 宗教でしょうか?

 どちらも違います。現代政治は国民の感情やリーダーの意志でいくらでも法律を変えてしまえます。聖徳太子でさえ高句麗からの依頼の百済出兵には反対していません。政治は戒をたやすく超えてしまいます。宗教は殺戮や戦争の歴史を見ればその任に堪えられないのは一目瞭然です。宗教洗脳で殺人は簡単に善行になってしまいます。

 不殺生を全人類がどうやって担保するか。それは、教育によってだと私は思います。人間とはなにか? 生命現象とはなにか? 社会行為とはなにか? と抽象化して考えていくことができれば、自分以外の人たちも認めることができます。自分の煩悩を抑えて周りの人たちの利益を考えることができます。

 

 博士が語られているのは教育の重要性。教育には「抽象化能力を磨き、自由を手に入れる」という大切な役割があります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 そのためには煩悩のコントロールが必須。脳の機能でいえば、扁桃体含む大脳辺縁系を前頭前野でコントロールすることです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

それなのに、前回取り上げたような差別と煩悩をむき出しにした既得権益(大人)の「不安・恐怖による支配」が、子どもたちのマインドを蝕みボロボロにしています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9672774.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9817539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9817603.html

 

それではますます未来がhave toになってしまいます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 今、教育の現場に求められているのは、本気で子どものことを思う「利他心」です。社会が必要としているのも、お互いがお互いのことを思う「利他心」です。

それを鹿児島の先達 西郷隆盛は「克己」と語りました↓

 F-052:人は、己に克つを以って成り、己を愛するを以って敗るる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268337.html

 

 

 圧倒的な利他心を生む

 他者の利益を考える心を利他心と言います。抽象度を高めていくと、圧倒的な利他心が生まれてきます。そうなると殺人はもうできません。利他心とは、慈悲の別名と言っていいでしょう。

 圧倒的な利他心を生むには、脳を活性化させ、前頭前野を使った抽象度の高い思考に熟練し、行動を変えていくこと、つまり人間としての成長が必要です。それは近代社会では義務教育の仕事です。放っておいたら人間の本能は利己心です。教育しないと利他心は生まれません。慈悲は教育によって生まれるものなのです。

 

 「利他心」を生むために必要なことは(case)、「前頭前野を使った抽象度の高い思考に熟練し、行動を変えていくこと」。それ(plan)を一言でいえば「コーチング」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 コーチングのコアは「ゴール」と「エフィカシー」。

 

 1)心から望み、2)自分中心を捨て、3)現状の外 に設定するものがゴール。よって、ゴールを設定(再設定)するたびに、ますます「他者の利益を考える」ようになっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールを達成する能力の自己評価がエフィカシー。エフィカシーが高まるほど、ゴールとして掲げた「他者の利益」がどんどん実現していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 今まで眠っていた無限に等しい能力が覚醒し、エネルギーと創造性を“爆発”させながら、真っすぐゴールに向かっていくからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html

 

 

 現代人はブッダ意識で行動できる

 前頭前野が進化した原始人が人類であり、教育によってブッダの慈悲を問題なく持てるのが現代の人間でしょう。自分の帰属した階級だけを優遇するとか、上から目線で“お恵み”を施すなどということはブッダの世界にはありません。帰属心もなければ、上下の意識もなく、一切が自分と同列であり、自分のためではなく他者のために生きています。

 IQを究極的に高めることのできる現代人なら、ブッダの次元で、だれかが苦しんでいれば救いたいと心から思い、行動を起こせるはずです。

 ブッダの次元でなくてよければ、利他は実は日常にあふれています。世の中のニュースを見ても、たとえばひき逃げや当て逃げなどをする人もいる一方で、事故現場などで周りにいる人が一生懸命、介抱したり、駅などでも具合が悪くて倒れた人を見たら、駅員や救急車に連絡したりして助けようとする行動を、多くの人が当たり前のように行っているでしょう。見ず知らずの人でも、見れば助けなくてはいけない状況だということはわかります。多くの情報を処理している現代人は、どうすればよりよいのか、見知らぬ相手へのとっさの場合でも判断できるのです。

 

 苫米地博士は「慈悲」の英訳として「compassion」を使われています。「mercy」は哀れみ(憐れみ)の意味が強すぎるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28045280.html

 

余談ですが、哀れみ(憐れみ)と同情は違います。その違いは「〇〇」の有無。その「〇〇」はゴール達成の秘訣でもあります。詳しくはこちらで↓

 Q-169~:自身の信念を失いそうです

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

 ゴールに向かう過程で、人は自由になり、「帰属心もなければ、上下の意識もなく、一切が自分と同列であり、自分のためではなく他者のために生きている」という境地に到達します。私はその境地(意識状態)を“無敵”と呼んでいます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

 

 まずは慈悲的なゴール設定

 慈悲を実践するにあたって一つ大事なことがあります。先ほどもふれましたがゴール設定をするのです。慈悲に関したゴールを設定すると、とうぜん役割も慈悲的なものになっていきます。それはもしかすると、あなたが思う以上に意味が深いことかもしれません。うまく慈悲的なゴール設定ができれば、そのゴールに従った慈悲に通じる行動を選べるようになるでしょう。そこには当然、抽象度の高い認識と選択が伴います。

ただし、いきなり最初から抽象度の高い選択が完璧にできたりはしません。最初は物まねでいいのです。「だれかが言ったからおれもゴールは世界平和にしよう」みたいなことでもかまいません。

「自分の幸せは、人を幸せにすることにあるんだ」ということが、自然とわかってくるのです。理解や気づきと行動は裏表です。行動したからこそ気づくこともあります。ですから、ある程度の理解を整えたら、実践あるのみです。

最初はまねでいい、ということは、見本を示す存在が必要です。だから私は若者に「おれのゴールは世界の戦争と差別をなくすこと」といつも言っています。いくらでもまねしてほしいと思います。まねでも、自分で行動しているところで本物ですし、やっていくうちに違うものがみつかるかもしれないでしょう。行動もなにもないところからはバージョンアップなどは無理なので、とにかく行動することです。

 

 博士がおっしゃるとおり、「理解や気づきと行動は裏表」。

 このブログをお読みの皆さんは、すでに理解は整っているはずです。だから、すぐに行動を。そう、ゴール設定(再設定)です。

 

 ゴールを設定(再設定)し、ゴール実現を確信する

 

 シンプルに考えると、well-beingに必要なのはゴールとエフィカシーだけ

 Q-144~191019/20 鹿児島セミナーレポート

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400287.html

 

 そのゴールとエフィカシーをしっかり学び実践するために、コーチングがあり、私たちコーチが存在します。縁起として。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 今こそコーチングを学び、実践し、ひろげ、伝えるとき。

 心の呪縛(リミッター)を打ち破り、自ら生みだす未来に向かって飛びだしてください。

 

Time to fly

 F-206~:マトリックス/Matrix

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414394.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

「利他心」を生むために必要なことは(case)、「前頭前野を使った抽象度の高い思考に熟練し、行動を変えていくこと」。それ(plan)を一言でいえば「コーチング」です

 

 子どもと一緒に大人もセルフコーチングを学べる重要なプログラムがあります。詳しくは↓

 PM-05-33:子どもたちへの最大のプレゼント<後編;スピリチュアルペインはすでに始まっているのだから>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11386276.html

 

 

-追記2

 最初はまねでいい、ということは、見本を示す存在が必要です。だから私は若者に「おれのゴールは世界の戦争と差別をなくすこと」といつも言っています

 

 ...その博士のゴールに関して御質問をいただきました。当時の私の回答はこちら↓

 Q-173:苫米地博士のゴールはなぜ「世界平和」ではないのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24905311.html

 

 今春(20224月)発売された「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)の中で、苫米地博士御自身が言及されています。p.158~「『世界から戦争と差別をなくす』というゴールのその先」をお読みください。

 (上記リンク記事に追記しました)

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

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 第3回目(R4.6/19開催)のテーマは「ゴール」。詳細はこちら↓

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

PM-05~:苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13077001.html

F-110~:情報が書き換わると現実が変わる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_386190.html

F-212~:仕事楽しみですか? ~want toが非難される社会~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415360.html

S-02~:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/17563396.html

 

 

近未来のブッダ



I-075:【告知】コーチング・デ・コンパッションクラブ<220604> 受付開始

 

 すべてのはじまりは“現状の外”へのゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

双方向(多次元)の縁起を意識した気楽なクラブ活動をはじめました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ(CoacHing de Compassion ClubCHCC)」。

(詳しくはこちら↓)

1

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27936349.html

2

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28045280.html

 

 

CoacHing de Compassion Club


 

 このクラブ自体のゴールは「コンパッション実現」。コンパッションとは「慈悲」のことです。

20分(~最長30分)のクラブ活動を通じて、「Compassion = 慈悲」を体感&共有しながら、コンフォートゾーン化していくことを目指します。気楽にw

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その実現のためにエンドステートを2つ設定しました。

 (エンドステート、COA、アサンプションはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

1つ目(クラブ活動前半)は認知科学者 苫米地英人博士が教示されるコンパッションを確認していきながら、「お互いにスコトーマを外しあい、知識を習得・共有していく」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 2つ目(クラブ活動後半)はお互いにエフィカシーを高めあいながら、「コンパッションを高次の抽象度で臨場感豊かに体感しつつ、物理空間でしっかり実践(実装)する」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *物理空間(=情報空間の底面)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 毎回、苫米地博士の著書「近未来のブッダ」(サンガ)より引用します。

 初回(220205開催)の反省を踏まえ、今後は告知の際に次回開催時の引用部分を提示することにしました。

 PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 開催は不定期です(平日/週末の午前/午後)。1週間前までにはブログで告知します。

クラブ活動時間は20分間を予定しています(最長30分)。自由に参加してください(途中入退室可能)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 次回は R4.64日(土) 午前11時~開催。受付は5分前からです。

 

 申し込みは下記メールアドレスに。件名を「コンパッションクラブ<開催年月日>」としてください。

例:「コンパッションクラブ<220604>」

 

 申し込み・お問い合わせ(メール)

coachfor.m2@gmail.com

 

 お申込みいただいたら、zoom招待URLを返信します。あとは当日参加するだけです。

*自動返信ではありません。タイムラグを(compassionしながら)お楽しみください

*招待URLの転送等は御遠慮ください。参加できるのは申し込み者のみです

*申し込み時から匿名可とします(クラブ活動時の表示も)。ご自由にどうぞ

*友人や御家族等と一緒に一端末で参加する場合、申し込みは代表者だけでOKです

*クラブ参加時はカメラ・マイクともにオンにしてください。どうしても顔を出したくない方はzoomに搭載されているフィルター機能をご利用ください

(マスク・覆面・仮面のリアル使用も可w

*注意;録音・録画・撮影は御遠慮ください(私も行いません)

 

 

220604>前半のテーマ(引用部分、p29~)はこちら↓



 220604>後半のテーマ(引用部分、p209~)はこちら↓

 


 最後にもう一度、「近未来のブッダ」(サンガ、p151~)より引用します。

 

 

 現代版慈悲は「一緒に楽しみましょう」

 宗教は、たくさんの人に開かれていて、役に立ってこそ存在意義があります。ブッダの時代は「四つの苦をなくしてあげる」といえば、そのニーズは絶大でした。でも、今はそれではだれもついてこないのです。

 ブッダの時代、大衆のニーズに、教えを説いて応えた実績は意義深いです。しかし、今やニーズが違ってきています。そういう意味では、ブッダの教えが有効に人々の役に立っていないような懸念を感じます。

 宗教は、多くの場合は本人の救済に役立ってこそのものです。そういう機能を提供していくことの大前提として、たくさんの人の耳に届く、たくさんの人が聞きたいと思うメッセージを発信していないといけません。ブッダの教えも基本は不変ですが、時代が変わるにつれて説き方もバージョンアップしていくべきですし、コンパッションという考え方もどんどん現代化していくべきです。

 二十一世紀のコンパッションは、「一緒に苦しみましょう」とか、「一緒に憐れみましょう」とか、「私もあなたと同じように苦しんでいるんですよ」でなくていいと思います。もちろん、そういうニーズにも応えますが、もっと一般的な、基本的には現代社会の楽しさや快適さを享受できている人たちに応える「一緒に楽しみましょう」でいいのです。

 引用終わり

 

 

 さぁ、一緒に楽しみましょう!

 縁がつながることを楽しみにしています。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

2つ目(クラブ活動後半)はお互いにエフィカシーを高めあいながら、「コンパッションを高次の抽象度で臨場感豊かに体感しつつ、物理空間でしっかり実践(実装)する」

 

 抽象度が上がるほど具体的な情報量が減っていくので、臨場感は下がっていきます。

ところが、それは「臨場感についての認識の誤解」(by苫米地博士)。詳しくはこちらで↓

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 

近未来のブッダ





F-241:トレーニングは「昨日の自分を超えていく自己確認」

 

トレーニングは「昨日の自分を超えていく自己確認」

 

 これは鹿児島の先輩 長渕剛さんの言葉です。

 

 現在65歳の長渕さんは18年ぶりにCMに出演されています。その取材でトレーニングへの思いを語られました。

 

 昨日できなかったことが今日出来るようになったり、毎日毎日自分が重いものと向き合いながら、1キロでも1回でも “昨日の自分を超えていく” みたいな、そういう自己確認。“俺はやれた” っていう。そういうのは自然に喜びに変わるんじゃないかな。

自分の世界観の中で “よし、今日はこれでいい” と納得する。日々生きていて何にも考えないよりも、考えられる時間があるってことは幸せだと思うね。

 

 

 ゴールを設定すると、必ずドリームキラー(Dream Killer)があらわれます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ドリームキラーとは「ゴールに向かうことを邪魔する人」。コーチングの祖 ルー・タイスさんは「ホープバンパイア(Hope Vampire)と表現されていました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

 ドリームキラーはコンフォートゾーン(CZ)と深く関係しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 人はそれぞれCZを持っており、それを他人と共有しています。「同志」や「〇〇仲間」という言葉で表現されているのは「情報空間上のCZ」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

新しくゴールを設定した人が共有するCZからはみだすと、まわりはこれまでのCZに引き戻そうとします。その無意識の働きがドリームキリングです。

PM-06-06:仮説01)変わらないコンフォートゾーン(CZ)が生みだす「現状維持の壁」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 じつは、最大のドリームキラーは自分自身。

 Q-203:「自分自身が最大のドリームキラー」という意味はどういうことなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26417115.html

 

 自身の心の奥底に潜むドリームキラーの正体は、これまでの人生で刷り込まれてきた考え方や価値観です。それはブリーフの核となるもの。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

認知科学者 苫米地英人博士は、「刷り込まれてきた考え方や価値観」の代表として「3つのモノサシ」があるとされています。

 

 

 1つ目は「他人の視点」

 多くの人が、他人と比べて自分は劣っていると考え、そこを起点に達成できそうなゴールを設定しようとします。「達成できそう」は現状の中ですし、そもそも他人と比べてゴールを設定する必要がありません。

取り上げた長渕さんの言葉には、まったく「他人の視点」はありません。これが正解!

 

 コーチング中のクライアントさんの言葉に“他人”が出てくる場合があります。

 その場合、私は「まわりの反応を気にしてそれをモノサシにすることは、まったく意味がない」とはっきり伝えます。

 

 コーチングのコアはゴールとエフィカシー。

 ゴールは自分が生み出す世界のことであり、エフィカシーは自分自身のゴール達成能力の自己評価。全部自分の話です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 2つ目は「社会の価値観」

 世の中では、日々、様々な価値観がつくりだされています。例えば「勝ち組」「負け組」もそう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11297824.html

 

 その価値観は時代によってコロコロ変わるもの。しかも権力者により勝手に書き換えられたりします。

 F-110~:情報が書き換わると現実が変わる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_386190.html

 

例えば、つい最近まで公安調査庁のHPには「『ウクライナの愛国者』を自称するネオナチ組織が『アゾフ大隊』なる部隊を結成した」と書かれていました。ところが、先日(202248日)、公安調査庁はその記載を削除しました。その理由はこちら↓

「国際テロリズム要覧2021」中の「アゾフ大隊」に関する記載の削除について | 公安調査庁 (moj.go.jp)

 

 もともとこの世は(あの世も)縁起。縁起は「関係が存在を生みだす」という考え方です。それを突き詰めると、「普遍的な実体はなく、物事は常に変わりゆき、永遠に変わらないものなどない」ことがわかります。一言でいえば「無常」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 ゴール設定に社会の価値観を持ち出しても何の役にも立ちません。反対に、その価値観の外側にゴールを設定(再設定)することで、シンの自由を得ることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 長渕さんの「自分の世界観の中で」という表現に、そんなメッセージを感じました。

 (ただし、その「自分」とは、ゴール設定で生みだす未来の「自分」です)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 

3つ目は「仮想の自分」

ここでいう「仮想の自分」とは、「もし別の道を歩んでいたら、こうなれたであろう」という迷いや後悔のこと。未来のことであったとしても、それは仮想(妄想)が生みだす“今”の時間延長上の未来のことです。ゴール設定によって新たに生みだす「未来」や「自分」のことではありません。

 

今の自分をわざわざ低く評価し、それより優れている仮想の自分を基準にすることは、セルフイメージを傷つける自傷行為といえます。

 この場合、私は「時間の流れ」をしっかり理解していただきます。時間は未来から現在、現在から過去に向かって流れています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

長渕さんが語る「自己確認」の「自己」とは、「ゴール側の自分」のこと。そのゴールが未来から過去への時間の流れを生みだします。

 

 

 最後に、苫米地博士の「すべての仕事がやりたいことに変わる」(CYZO)の「03 夢を潰すドリームキラーの正体を探れ」から一部引用します。

 長渕さんと苫米地博士の言葉を、ぜひconnectしてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

 これら3つの物差しは、なんの役にも立たない「常識」や、不当に低すぎる自己評価にあなたを縛りつけ、本来は無限に広がっている可能性をわざわざ閉ざすように働きかけます。

 あなたがすべきことは、未来で成功している自分自身だけを見つめて、自由に生きること。ですから、これらの物差しだけは、今すぐ捨てるようにしてください。

 

〇ポイント 「他人の視点」「社会の価値観」「仮想の自分」という物差しは今すぐ捨てよ

 

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

CM撮影に向けて約半年間トレーニングしてきたという長渕さんは、「いつも体はケアしてるんだけども、こういう目的があると完璧にやりたいほうなので。どこまでできるか、目標ができた」と語られています。

 

 「いつも体はケアしてる」のはゴールがあるから。CM撮影という縁が生みだす「目的」がエンドステート、「(どこまでできるか、)目標」がCOA(コース・オブ・アクション)といえます(ハズ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 

-追記2

 今回のブログ記事は、いただいた御質問への回答の実践を意識しながら書きました↓

 Q-250:コーチングや苫米地理論をいろいろな視点で多角的に学びたいと思っています。お勧めの著者や本を教えてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28566857.html

 

 ぜひ「抽象度」を意識に上げながら、もう一度読み直してください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 きっとスコトーマが外れます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

私の意図を感じてください(Don’t think, feel!)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

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 第3回目(R4.6/19開催)のテーマは「ゴール」。詳細はこちら↓

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-関連記事-

F-033:その男、〇〇につき

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533150.html

F-125VW

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F-175:脳内を書き換えると「環境」が変わる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25046274.html

F-194:継続は力なり

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26246029.html

 

 

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Q-257:私、立ち直れるかな? <中編;組織~社会の視点で>

 

 医療・介護の現場で働いていると、もちろんうれしいこともありますが、辛く悲しいことが起こります。老病死(+生で四苦)の場だからです。

 医療・介護の現場は、一般の皆さんが思う以上に過酷です。

 PM-04-09:ますます緊張する医療・介護現場の福音となるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166400.html

 

 先日、医療事故に遭遇しました。そのとき関係者が発した言葉が、「先生、私、立ち直れるかな?」。

 

 セルフトークでいえば「第2段階」がヒーリングからコーチングに移行するとき。そのタイミングでしっかり届けることができるように、「立ち直る」ためのポイントをまとめます。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

前編;個人の視点で

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28693339.html

 中編;組織~社会の視点で

 

 

 ゴールを設定し、その実現を確信していると(エフィカシー)、目の前のすべてがゴール達成のための挑戦に感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 もちろん、「うれしい」「楽しい」ばかりではありません。ショックで打ちひしがれることもあれば、怒りに震えることもあるでしょう。理不尽であればあるほど。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 そんなときに心がけるべきことは、動物的な大脳辺縁系優位から人間的な前頭前野優位にリカバーすること。私はそれをヒーリングだと思っています。

 ヒーリングされた状態でなければコーチングはできません。そして、そのヒーリングのためにはコーチングが有効です。つまり、ヒーリングとコーチングは一体。

 F-237~:「出口が見えない」と「出口戦略」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419486.html

 

 前回は個人の視点でまとめましたが、その知識と実践のメリットは個人レベルにとどまりません。すべては関係で成り立っているのですから当然です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 現代社会はますますコーチングを必要としています。

 その証拠に「私、立ち直れるかな?」を聞いた頃、日本ではこんなニュースが流れていました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808495.html

 

    北海道知床半島で観光船「KAZU1(カズワン)」が沈没(R4.4/23

同じ会社の臨時船長が「知識のない社長が、人任せなのに、ベテラン社員を解雇したことが事故の背景にある」「従業員を大事にしない会社」と証言(北海道放送)

    「無添くら寿司」(山梨県甲府市)の30代店長が店の駐車場で焼身自殺(R4.4/1

 従業員や元従業員の詳細なパワハラ証言が報道されるも、会社側は否定。その後、会社側が遺族を恫喝していたことが報道される(週刊文春)

    熊本秀岳館高校サッカー部コーチが部員を暴行

監督がTVで涙の謝罪を行ったが、その裏で部員を強迫してもみ消しを画策していたことが発覚。さらに部員間での暴行問題も浮上(熊本日日新聞)

 

 

 これらの出来事には共通点があります。それは「不安・恐怖による支配が常態化している」ということ。

 F-035~:クライシス(危機)の本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_395184.html

 

 では、その「不安・恐怖による支配」の根底には何があるのでしょうか?

 

 以下、認知科学者 苫米地英人博士の著書「オーセンティック・コーチング」(CYZO)より引用します(p168)。ぜひ問題の本質について感じてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 

 ◎現状維持がなぜダメなのか?

 現状維持がダメな理由については第1章でも書きましたが、人は限定合理性で生きているからです。

 限定合理性とは、人は生来的に変化を好む生き物だということです。同じことが続くことを好みません。ですから、お金持ちたちは有り余るほどお金を持っていても、もっとお金が欲しいと思うのです。人は、いまいくらお金を持っているのか、ではなく、いくら増えたのか、減ったのかにしか興味がないのです。

 人は本来、現状維持なんて大嫌いなのです。必ず、一定量の変化、特に増加を好ましく思うのです。

 その一方で、人は危険を避けます。生物として当然の行為で、慣れ親しんだ場所で安穏に暮らしていればそれで問題はないと考えます。

 つまり、人は変化は好きな一方で大きな変化は大嫌いなのです。

 これをいまの世の中に当てはめると、現状の世界がまったく変わらない中で、現状のシステムだけが肥大化していく理由が見えてきます。

 具体的に言えば、現在のコンフォートゾーンが維持される状態で、少しずつの変化が好まれている状態です。つまり、既得権益だけが肥大する社会なのです。

 これで得するのは誰かというと現在の格差社会の頂点に立つごく一部の人間だけです。巨大な資産は巨大な利益を生み、人々の労働で得た利益など比較にもなりません。

 いまの世の中は、富裕層にとってのコンフォートゾーンであり、それがいま全世界的に広がっている状態なのです。それが「現状」です。そこにいたら当然、格差社会と差別社会が広まるに決まっています。

 私たちはここにノーを突きつけなければならないのです。

 ですから、現状の外側にゴールを設定し、現状の外に出る必要があるのです。

 最後に自分のゴールが現状の外のゴールかを判断する簡単な基準を紹介しましょう。それはゴールについて考えた時、怖くなったり、不安になるか、どうかです。もしも不安になれば、これは現状の外のゴールです。

 そして、私たちコーチの仕事はクライアントに不安を作ることです。コーチは人生のあらゆる場面(バランスホイール)で現状の外のゴールを設定する手伝いをします。それは、人生のあらゆる場面に不安を作ることでもあります。つまり、コーチの仕事はカウンセラーとは正反対だということです。

 引用終わり

 

 

 私は、組織や社会にはびこる「不安・恐怖による支配」の根底には、「差別意識」と「煩悩肯定」があると考えています。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

現在のコンフォートゾーンが維持される状態で、少しずつの変化が好まれている状態です。つまり、既得権益だけが肥大する社会

 

 差別意識が「既得権益」を生みだし(強化し)、煩悩肯定が「肥大」を加速化させているのです。いずれにせよ、思考は停止しています。支配する側も、支配される側も。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 だからこそ、コーチングが重要。

 コーチングによって設定するゴールが、エネルギーと想像性/創造性を生みだし、社会にはびこる束縛から自身を解放します。

 F-061~:バイオパワー(生権力)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html

 

 それが自由!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 その自由を手に入れるマインド(意識状態)をつくりあげることが教育の目的です。

ところが、差別と煩悩をむき出しにした既得権益(大人)の「不安・恐怖による支配」が、子どもたちのマインドを蝕みボロボロにしています。

PM-05~:苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13077001.html

 

 サッカー部員は「不安・恐怖による支配」の被害者です。

 店長も船長も、縁がつながった人たちも皆、「不安・恐怖による支配」の被害者です。

 そして、今、世界中の人々が「格差社会の頂点に立つごく一部の人間」による「不安・恐怖による支配」の被害者になってしまっています。そうとは知らずに。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 それは仕組まれたコンフォートゾーン(CZ)にどっぷり嵌ってしまっている状態。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その証拠に、「コロナ」や「ウクライナ」に異を唱える人は、あからさまに非難され、社会的に抹殺されています。仕組まれたCZの外にいるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13837769.html

 

 今こそ自身のCZを疑うとき

今こそCZの外側に新たなゴールを設定するとき

 そして、今こそシンの自由を手に入れるとき

 

 

 次回は「『CZを吟味し、外側に飛び出す』ためのマインド(意識状態)づくり」を取り上げます。お楽しみに。

 

Q-258につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 先日(202251日)、元サッカー日本代表監督のイビチャ・オシム(Ivica Osim)さんがお亡くなりになりました。そのオシムさんの言葉を紹介します。

 

 いまの日本の選手は、なにをやるべきかを周りから決められている。

 ある程度やったら、「次、なにをやるんですか?」と聞いてくる。

 そうじゃなくて、自分で打ち破って進んでいくべきじゃないか?

 

 

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F-031:「人間関係が嫌になった」

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F-043:「感情労働」という問題とその解決のイメージ

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F-078~:ヘンリー・フォードの教え

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F-110~:情報が書き換わると現実が変わる

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F-212~:仕事楽しみですか? ~want toが非難される社会~

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オーセンティック・コーチング




Q-256:私、立ち直れるかな? <前編;個人の視点で>

 

 医療・介護の現場で働いていると、もちろんうれしいこともありますが、辛く悲しいことが起こります。老病死(+生で四苦)の場だからです。

 よく患者さんの御家族から「(医療従事者の)皆さんは慣れているでしょうけど」と言われますが、老病死に苦しむ姿を見ることはやはり辛いものです。

 PM-04-09:ますます緊張する医療・介護現場の福音となるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166400.html

 

だから、どんなに経験豊かな医療人であっても、大脳辺縁系優位に陥ることが起こりえます。いわゆる「ファイト・オア・フライト」の状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

とくに予想外のことが突然起こってしまった場合、それが重大であればあるほど、不安・恐怖(Fear)、義務感(Obligation)、罪悪感(Guilty)といった感情に苦しむことになります。後々まで。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 不安・恐怖が現場に蔓延してしまうと、さらにトラブルが起こりやすくなります。関わる人たちの心の中でwant tohave toに変わり、心身ともこわばるからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 医療・介護の現場は、一般の皆さんが思う以上に、とてもとても過酷です(いろいろな意味で)。

 

 

 先日、医療事故に遭遇しました。そのとき関係者が発した言葉が、「先生、私、立ち直れるかな?」。

 

 すぐにでも「必ず立ち直れる」ことを(claim)、その根拠(warrant)と事実(data)とともにお伝えしたかったのですが、あまりに憔悴した様子をみて自重しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 コンフォートゾーンから大きく外れていたからです。大脳辺縁系優位から前頭前野優位にリカバーしていなければ、論理的な情報は届きません。

その時必要なのはヒーリングでした。「大丈夫」の一言だけで十分だったはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 セルフトークでいえば「第2段階」がヒーリングからコーチングに移行するとき。そのタイミングでしっかり届けることができるように、「立ち直る」ためのポイントをまとめます。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

前編;個人の視点で

 

 

 まずは「『辛い記憶を引きずる』のはありえない」という事実を理解してください。

 Q-167:自分を苦しめているのは記憶です。過去に苦しめられていることを感じています。コーチングで変化を実感しますか? <プチワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24320549.html

 

 時間は未来から過去に向かって流れています。「辛い出来事」はすぐに過去になり、どんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 「辛い記憶を引きずる」ように感じるのは、わざわざ遠ざかる「出来事」を「辛い」と思い出し、“今”にしてしまっているから。全部自分がやっていることを自覚しましょう。

 Q-220:ゴールに対するスケジュールはたてますか? <後編(コーチング実践者~コーチ向け);人類には“今”しかない>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27478021.html

 

 では「辛い出来事」はまったく気にせず、すっかり忘れてしまえばいいのでしょうか?

 

 それも一つの解決策かもしれませんが、私はお勧めしません。アクシデントが起こったということは、「何かがスコトーマに隠れていた」ということだから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

その「何か」を見つけだし(case)、しっかり共有し、次のアクシデントを防ぐ(なるべく最小限のダメージにとどめる)こと(plan)が重要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 その具体的な方法として「エクスプラネーション・パターン法」があります。

 PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 「ゼロトラスト」は承知の上で、それでも「ゼロ」を目指すことが、責任ある大人の生き方のはず。

 F-228~:ゼロトラスト

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418030.html

 

 責任をしっかり自覚すること、すなわち「自責」はリーダーの大切な資質です。

 F-104:「映写機の故障により上映できるかわかりません」Vol.4;リーダーの視点で

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19485793.html

 

 そして、その「自責」は、豊かな(well-being)人生を送るための秘訣でもあります。

 S-04-05:自責の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

 *詳しくはこちら↓ 「人間関係」について考察しました。

 S-04~:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22305802.html

 

 では、責任をしっかり自覚しながら、アクシデントが起こってもしっかり立ち直り、ますます豊かな人生を送るためには何を心がければいいのでしょうか?

 

 そう、ゴール設定。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールを設定(再設定)し、ゴール実現を確信する

 

 シンプルに考えると、well-beingに必要なのはゴールとエフィカシーだけです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 そのゴールとエフィカシーをしっかり学び実践するために、コーチングがあり、私たちコーチが存在します。縁起として。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 さぁ、コーチングを学んでみませんか?

 

Time to fly

 F-206~:マトリックス/Matrix

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414394.html

 

Q-257につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 シンプルに考えると、well-beingに必要なのはゴールとエフィカシーだけ

 

 エフィカシーの上げ方について、認知科学者 苫米地英人博士が一般向けにもアップデートされました。博士の著書「オーセンティック・コーチング」(CYZO)より引用します(p125)。

 

 

 ◎エスティームの新しい解釈

 鬱になるのは前頭前野の活性が下がって大脳辺縁系が優位になっているからです。エフィカシーが上げられない原因も同様で、大脳辺縁系の活性が優位になり、IQが下がっているからです。情動的になり、論理思考ができなくなってしまった脳を、前頭前野で思考できるようにすればエフィカシーも上がってきます。別の言葉で言えば、マインドの使い方を間違えているためにエフィカシーが上がってこないのです。マインドの使い方を変えていけば、エフィカシーも自然に上がってくるはずです。

 では、マインドの使い方をどう変えていけばいいのでしょうか?

 これについてはすでにいろんな書籍で書いていますので、そちらも参照してほしいのですが、本書で新しく伝えるのはエスティームの効用です。

 エスティームの意味は「尊重する」「高く評価する」という意味で、エフィカシーと似ているように聞こえますが、コーチングでは両者を明確に分けています。

 なぜなら、コーチングにおけるエスティームとは、社会の中での地位のことを指すからです。課長よりも部長の方が高いエスティームであり、部長よりも社長のほうが高いエスティームを持っているということです。

 しかし、社会的地位とは現状の中に居続けることで意味を成します。「私はこの会社の部長なんだ」ということに誇りを持っていればこそ、それを実現したいと思うわけです。つまり、エスティームを高めることは自分を現状に縛り付けることを意味します。ですから、エスティームはコーチングではクローズアップされることが少ない言葉になります。ただし、人間の心理とは不思議なものでエスティームが高い人はエフィカシーも高いことが往々にしてあります。

 ですから、今回、私はエスティームに新たな意味を追加し、再定義しました。この再定義によってエスティームはコーチングにおいて重要な言葉となります。

 エスティームの新しい定義とは自分の社会的地位を誇るのではなく、「自分のゴールの凄さを自ら誇る」というものです。部長や社長といった社会的な地位を誇るように、自分のゴールの高さを自ら評価し、誇るのです。

 これまでのエスティームは「私もとうとう社長にまで上りつめた。凄いな。私は」としみじみ思うことでした。しかし、これからのエスティームは「私のゴールは社会的貢献度がとても高い。現にあそこやあそこの国の人々の暮らしを豊かにできそうだ。私ってすごいなあ」としみじみと思うということです。

 自分が持っているゴールを誇ることでエスティームを高める。エスティームが高まれば、エフィカシーも自然に高まってくるのです。

 

 

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F-065~水木しげるさんの「幸福の七か条」

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F-237~:「出口が見えない」と「出口戦略」

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I-074:【告知】オンラインセミナー(&説明会)<220619> 開催の御案内

 

 認知科学者 苫米地英人博士と縁ある人たちにとって、2022年はコーチング元年(コーチングリブート元年)です。その理由は博士の講義で感じてください↓

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

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 一年間を通したメインテーマは

 

夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution

 

自由を獲得していくReloadと自由をひろげていくRevolutionを楽しみながら、ぜひ「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)」を手に入れてください!

 F-206:マトリックス/Matrix

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414394.html

 

 *年間予定(224月~233月)はこちら↓

 I-066:【告知】2022年度オンラインセミナー(&説明会)の御案内

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

 □毎月開催(日曜1330分~1450分予定、180分、計12回予定)

 □任意の3回参加毎に次の1回を無料招待(自己申告をよろしくお願いしますw

  例:全12回参加なら3回御招待

 □毎回サブテーマを設定

 □苫米地博士の著書を参考に、サブテーマを解説し、ワークを実施

 □コーチング入門者~実践者向け(初心者大歓迎!)

 

 

 今回のテーマは「ゴール」。

苫米地博士の著書「努力はいらない! 『夢』実現脳の作り方」(マキノ出版)を参考に、一緒に学んでいきましょう!

 

努力はいらない! 「夢」実現脳の作り方

 

 夢を叶えるためには、まずは夢を見つける必要があります。その夢のことを、コーチングでは「ゴール」と呼びます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 苫米地理論でいうゴールはシンプルです。まずは「本当に叶えたい」ことであり、かつ「叶いそうにない」こと。言い換えれば、「want to」であり「現状の外」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 夢を叶えられない理由はとてもシンプル。

まわりから薦められたり、常識の中にあるhave toをゴールにしてしまうからです。そしてつい叶いそうなことを、すなわち現状の内側にあるものをゴールにしてしまっているのです。それでは「無人運転」「自動運転」と同じ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

ゴールは「want to」で「現状の外」から選びます。本当に叶えたいことであり、かつ叶いそうにないことをゴールに選ぶのです。

 

それは「これまでのコンフォートゾーンから飛びだす」ということ。だから、決して簡単ではありません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 きっと不安と不満のはざまで苦しむことになるでしょう。

 でも、大丈夫。その不安と不満こそが、叶いそうにないゴールを実現してしまう原動力だから。その扱い方をマスターすれば、一気にゴールに近づきます。

 F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html

 

 人生のあらゆる領域にゴールを設定し(バランスホイール)、それを実現し、さらに更新していくことは大変かもしれません。そんな作業を楽しく積み重ねることが「夢を叶える」ことにダイレクトにつながっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 まずは気楽に仮のゴールを設定しましょう。ホメオスタシスがゴールの世界へ移動すると(ww1)、さらなるゴールを見つけやすくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 *「ww1」はこちら↓

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

ホメオスタシスが移動するとスコトーマが外れます。スコトーマが外れると、また仮のゴールが見つかります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その繰り返しで途方もない本当のゴールが見つかります。「夢」というのは本来、その途方もないゴールを指します。

 Q-213~:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414537.html

 

 夢をつかみとる感覚を、ぜひぜひ体得してください(Don’t think, feel!)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

セミナーでは関連するワークを紹介します。

 事前の御質問や御要望も大歓迎です。

 

 

 □受講料は5,000円(税込)。銀行振り込みのみの対応です

□認知科学者 苫米地英人博士と私の間の守秘義務契約範囲内の内容になります

(受講者の皆さまと私の間で新たな守秘義務契約締結はありません)

□後日の配信はありません。LIVEレクチャーのみです

□無料ミーティングアプリ「zoom」を使用。参加にあたり事前準備(zoomアプリのダウンロード等)が必要となります

□受講料振り込み後に受講できなくなった場合、後日行われるオンラインセミナーに御招待いたします(2022年度内有効)。その場合、今後開催されるセミナーの申し込み時に「オンラインセミナー<開催日、例:220619> 未受講分招待希望」と記載してください

 

 

 受講御希望の方は、下記メールアドレスに御連絡ください

 申し込み(メール):coachfor.m2@gmail.com

 

□件名を「オンラインセミナー<220619>申し込み」としてください

 □(お問い合わせ→)申し込み→「銀行振込案内をメール」→(お問い合わせ→)指定銀行口座に振り込み→「オンラインセミナー受講用zoomミーティングURLをメール」→セミナー受講 という流れです

□初回は私宛(coachfor.m2@gmail.com)にお申込みいただきますが、その後は担当から御連絡さしあげます(メールアドレスは申し込み後提示)

□自動配信ではありません。すべて担当が対応するため、タイムラグが生じることを御了承ください

 

  

<タイトル> 

オンラインセミナー(&説明会)<220619

 *冒頭、オンラインコーチングの説明を行います

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28429113.html

 

<サブテーマ>

ゴール

 

<参考書籍>

 「努力はいらない! 『夢』実現脳の作り方」(マキノ出版)

 

<主催者>

 苫米地式認定コーチ CoacH T(タケハラクニオ)

 

<日時>

 2022619日(日)

 1330分~1450

 (開始10分前から受付)

 

<受講方法>

無料ミーティングアプリ「zoom」を使用
*参加にあたり事前準備(zoomアプリのダウンロード等)が必要となります

 

<受講料>

 5,000円(税込)

 *銀行振り込みのみの対応

 

<対象>

 コーチング入門者~実践者向け

 *初心者大歓迎

 

<お問い合わせ・申し込み>

 coachfor.m2@gmail.com

 

 

私は、縁ある人たちのWell-being実現のために生きています。

F-163~:アンチ(anti)からウィズ(with)、そしてウェル(well)へ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404044.html

 

Well-beingを実現していく人たちが、同時に自身と縁ある人々のWell-being実現をガイドできるように、そして未来にWell-beingを手渡していけるように、サポートしています。

F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

すべてがマインド次第であり、一人ひとりの心の平和がひろがることで、いつか世界平和が実現するからです。

PM-07-11:「平成」という元号に埋め込まれたコード -後編-

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/16660261.html

 

その鍵となるものがコーチング!

私が苫米地博士からいただいている大切な智慧をお届けします。

(守秘義務に該当するものは非言語でw

一緒にさらなるWell-beingを実現しましょう。そのWell-beingをひろげ、未来に伝えていきましょう。

皆さまと縁がつながることを楽しみにしています。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 気楽なクラブ活動を行っています。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

【告知】オンラインセミナー<220619:ゴール>



F-240:「出口が見えない」と「出口戦略」 vol.4;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <実践編;レジリエンス>

 

 前回(フリーテーマ)、「revenge」と「avenge」についてまとめました。

 F-234~:自由訳「revenge」と「avenge

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419026.html

 

 書きながら感じたのは「希望/hope」の重要性。

 PM-04-04:収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

 先々月、私は医師としてCOVID-19のクラスターを経験しました。幸い5週間で収束しましたが、その間中「希望/hope」の重要性を痛感していました。

 F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 ところで、クラスターに対処している間によく耳にしたのが、「出口が見えない」と「出口戦略」という言葉。

きっと無意識が「クラスターの“出口”」を模索していたので、重要度が上がり、RASが変化しスコトーマが外れ、認識に上がりやすくなっていたのでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 縁起を感じながら、その2つの言葉について考えてみました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

vol.1;ヒーリングとコーチング、それぞれの視点で考える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28545704.html

 vol.2;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <理論編前編:カウンセリングとヒーリングの違い>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28576651.html

 vol.3;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <理論編後編;コンフォートゾーン>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28608833.html

 vol.4;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <実践編;レジリエンス>

 

 

 カウンセリングはゴールを設定した時に、厳密にはゴールを設定しようと決意した瞬間に、コーチング&ヒーリングに変わります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

あとは状況(マインドの状態)により、ヒーリングになったりコーチングになったりしながら、ゴールに向かっていく感じです。

 私は「コーチングのためには、まずはヒーリングが必要」「ヒーリングのためには、じつはコーチングが有効」だと思っています。

 Q-068~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切な

 Vol.5;ヒーリングとコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14400982.html

 Vol.6;セルフヒーリングとセルフコーチングのコツ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14524490.html

 

 いずれにせよ、ヒーリングもコーチングも、「マインドの使い方」であり、「意識状態のコントロール」です。

 

 

 ところで、皆さんは予期せぬトラブルが生じた時、どんな気分になりますか? どのようなリアクションを行いますか?

 

 私が知る多くの方々は、「やばい。どうしよう」(不安・恐怖)、「なんとかしないと」(義務感)、「私のせいだ。申し訳ない」(罪悪感)といったマジメな気分(気持ち)で、精一杯努力しようとされます。いち早く現状復帰(復旧)できるように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 でも、頑張れば頑張るほど、その試みはうまくいかなくなります。モチベーションがhave toであり、大脳辺縁系優位に陥りがちだから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 そんな時はカウンセリングが役にたちます。不安を解消しながら「ファイト・オア・フライト」を克服することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 レジリエンスでいえば、「② ShockCascading」から「③ Recovery Phase」への移行。

 F-142:不要不急 vol.3;レジリエンス<ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 F-143:不要不急 vol.4;レジリエンスをコーチング理論で考える<ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22931091.html

 

レジリエンスカーブ(191104バラだん)

「バラいろダンディ」(東京MX2019114日放送回)より引用

 

 

 取り戻した前頭前野の機能を使って無事に現状復帰(復旧)ができることは、もちろん、望ましいことです。ただし、それは元のコンフォートゾーン(CZ)への復帰。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 カウンセリングの場合、ゴールは現状の内側に設定されます(*注意;現状の外側にないものを、本来はゴールとは呼びません)。「現状」とは元々のCZのこと。よって、無事に現状復帰できたら、無意識にとってはゴール達成です。

そのとき不安は解消されるでしょうが、同時にエネルギーと創造力を失います。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

 その結果、いわゆる「幻滅期」に陥るのです。

 F-187:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと -04;“心の災害”にはレジリエンスで! レジリエンスにはコーチングを !!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25802632.html

 

 

時間の経過と被災者のこころの動き

災害時の「こころのケア」の手引き

東京都保険福祉保健局HP(平成205月)より引用

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/tamasou/sonota_jouhou/saigaitaisaku.files/saigai.pdf

 

 

 「ゴールを達成する」ことも、「ゴールを失う」ことも、抽象度を上げて考えれば同じ。ともに「ゴールがない」です。ゴールがない=エネルギーがない=創造力がない。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 幻滅期を防ぐことができ、それどころか「むしろアクシデント前よりよくなる」ことができるのは、ゴールが正しく設定(更新)されている場合のみです。元のCZをはるかに超えた“現状の外”に、しっかりとゴールがあり続ける場合のみ。

 Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

 ゴールとは「今のままでは絶対に達成できない新しい可能世界w1」のこと。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 その「w1」=ゴール側のCZをしっかり感じられていれば、予期せぬアクシデントが生じた時には不安とともに“ワクワク”を感じます。「この試練のおかげで、ますますゴールに近づくことができる」という“ワクワク”です。それがコーチングマインド。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21491283.html

 

 

 正しくゴールを設定できたときの感覚は、「出口が見えない」「どうやったらいいかわからない」が正解。「びびるくらいがちょうどいい」(by苫米地博士)です。

 Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは何が違っているのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

 

 そんな感覚でありながら、大脳辺縁系優位に陥ることなく、根拠なく「ゴールを達成できる」と確信できる力がエフィカシー。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 現状の外にあるはずのゴールのイメージは(I)、徐々に鮮明になりながら(V)、やがて現実化していきます(R)。それがコーチングの重要なプリンシプル「I×V=R」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 ぜひコーチングを学び、どんな逆境も「仮」として楽しめるマインドを手に入れてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

かつての夢はどんどん現実に変わっていきます。

 Q-213~:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414537.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 以下、認知科学者 苫米地英人博士の著書「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社)より引用します(p39)。「不満」についての文章ですが、「不安」に置き換えてお読みください。

 「不満」も「不安」も認知的不協和により生じる大脳辺縁系レベルの情動です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 *こちらもどうぞ↓

 F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html

 

 

 自分の現状に対する不満は、「現状の外」にゴールを設定して行動を変えるチャンス

 一方で、自分の現状に対する不満を抱えている人は、不満を解消しようと考えるのではなく、ゴール(夢、目標)を設定してください。

 ただしそのゴールは、誰かの価値観に従ったものではなく、あくまでも、あなたが本当に望むものでなければなりません。「欲しいもの」「やりたいこと」が見つかったら、それが自分の心から出てきたものなのか、他人の言葉や情報に影響されていないか、慎重に吟味しましょう。

 また、ゴールは必ず「現状の外側」に設定してください。現状の内側にゴールを設定している限り、現状維持の未来しかやってこないからです。

 「現状」には「現在の状況の延長線上にあるもの」「現状を変えなければ、起こり得るもの」も含まれます。たとえば「5年後に課長になる」「30年後に、この会社の社長になる」といったゴールは、その会社で働いている限り、たとえ可能性が低くても起こり得るので、「現状の内側のゴール」ということになります。

 しかし、本を出したこともなく、農業をしたこともない会社員が「作家になって、ミリオンセラーを出したい」「畑を持ち、自分で作った野菜を全国に届けたい」と考えれば、それは「現状の外側のゴール」といえるでしょう。

 ゴールを設定したら、たとえば「自分は作家としてベストセラーを何冊も出し、多くの読者から感謝され、充実した日々を送っている」などと紙に書いて毎日唱え、ゴールが達成された様子を、できるだけリアルにイメージします。

 人間の脳には、臨場感が高いものを現実と思い込み、そこに自分の意識や行動を合わせようとする性質があります。現状の外にゴールを設定すれば、自然と行動が変わり、いつしか不満だらけだった状態から抜け出している自分に気がつくはずです。

 

 

-告知1

 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

 第3回目(R4.6/19開催予定)のテーマは「ゴール」。詳細は後日、このブログにてお知らせいたします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-094~:私はイヤなことは心の中で握りつぶす

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F-184:「新型コロナ感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと

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「感情」の解剖図鑑



Q-255バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?

 

 御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:現在の私は専業主婦をしています。この場合、主婦は職業のゴールなのでしょうか? それとも家庭のゴールなのでしょうか?

 職業としてはともかく、家庭としての現状の外というのがわかりません。

 そもそもバランスホイールは全て現状の外にゴールを設置する方が良いのでしょうか?

 

A:まずはコーチングにおける「職業(仕事)」の定義を確認しましょう。職業(仕事)とは、「自分の機能を社会に提供すること」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

「社会に望まれること」「社会のニーズ」を見つけ出すことが職業(仕事)のゴール設定の1st.step。トゥールミンロジックでは「case-side」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

認知科学者 苫米地博士がブリーフシステムを数理哲学的定義で形式化されたバラダンでの講義(20211213日)でいうと、「新しい可能世界w1」を描くこと。

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

具体的な機能の提供、すなわち「plan-side」は、日々「invent on the way」していきます。その様を苫米地博士は「行き当たりばったり方式」と表現されることがあります。

最初から「明確な役割・機能」「具体的な方法」が明らかな場合、それは現状の中といえます。

Q-218:わりとすぐに達成できそうなゴールを設定してもよいですか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27405307.html

 

 「専業主婦」は家庭という社会に対して機能を提供することですので、もちろん職業(仕事)といえるはずです。今はまだスコトーマに隠れている「家庭という社会に望まれること」「家庭という社会のニーズ」を見つけること自体を楽しみながら、新たなゴールを設定してください。気楽に。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

 「バランスホイール」をしっかり考えることは、自分(自我)をあらためて定義する大切な機会になります。先ほど紹介した苫米地博士の講義でいうと、「関数pの再定義」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 具体的にいうと、私「CoacH T」のゴールのバランスホイールとして「職業(仕事)」「趣味」「健康」「ファイナンス」「家庭」といったカテゴリがあり、「職業」の中に「医師」「コーチ」という枠があるという感じ。それらは“私”を定義する大切な縁起です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 もしも医師やコーチを辞めることになったら(事実、突然“失職”したことがありますw)、私は「職業;医師」や「職業;コーチ」と同じように「職業;専業主夫」のゴールを設定するでしょう。もちろん、100% want toで。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 *“失職”からの学びはこちら↓

 PM-06~:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15110477.html

 

 ここで「職業(仕事)」と関連する重要な注意点をお伝えします。

 

 世間一般の感覚では職業とファイナンスが一体化しています。「稼いでいないから仕事ではない」といった感じ。それは社会的洗脳です。

 

 職業(仕事)=機能を提供する、価値を生みだす、役に立つ

 ファイナンス=機能・価値等を金銭的価値にかえる(厳密には金銭とは限りません)

 

 この両者をはっきり区別することが重要。下記記事を参考にされてください↓

 F-027~:プロとアマの違い

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268331.html

 

 

では、「専業主婦(夫)」が職業ならば、「家庭」のゴールはどう考えればいいのでしょう?

 

 私自身は「家庭」のカテゴリでは、「健康」や「ファイナンス」と同じく、バランスを意識しています。「現状の外を志向する」というよりも、「最適な状態を維持する」という感覚です。

具体的には「いつもニコニコ」「とてもリラックス」「和気あいあい」という(文字どおりの)コンフォートゾーン(CZ)を家族全員が維持できるように心がけています。それは、

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 『家庭という社会に望まれること』『家庭という社会のニーズ』を見つけ出しながらゴールを設定する」場合のようなCZの外を目指すことではなく、理想的な現状としてのCZを保つこと

 

 しかしながら、カウンセリングのように不安を解消することが目的ではありません。不安をしっかりコントロールしながら前頭前野優位を保ち、様々なカテゴリのゴールに挑み続けるマインドを維持することが目的です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 私はそれをヒーリングだと考えています。他のカテゴリのゴールが現状の外にしっかり設定されている(更新されている)ことを前提とした、コーチングと一体となったヒーリングです。

 詳しくは現在連載中の下記ブログ記事を参考にされてください↓

 F-237~:「出口が見えない」と「出口戦略」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419486.html

 

 *コーチングとヒーリングの関係について、こちらもどうぞ↓

 Q-064~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292583.html

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

職業(仕事)=機能を提供する、価値を生みだす、役に立つ

 ファイナンス=機能・価値等を金銭的価値にかえる(厳密には金銭とは限りません)

 

 以下、認知科学者 苫米地英人博士の著書「オーセンティック・コーチング」(CYZO)から引用します(p48~)。

 

 ◎コーチが最初にクライアントに伝えること

 そもそもコーチには、最初に「職業とはお金儲けをする手段ではありません」とクライアントに伝える役割があります。

 これを最初に伝える理由は職業の定義をわかっていない人が多いからです。いま、ほとんどの日本人は職業=お金を稼ぐ手段だと信じて疑いません。

 しかし、本当にそうでしょうか?

 確かに資本主義社会では仕事をすると賃金が発生します。しかし、それは資本主義社会だからであって、共産主義社会ではそうではありません。

 共産主義社会では仕事をしたからといって賃金が発生する仕組みにはなっていないのです。しかしながら、共産主義国に職業がないかと言えば、そんなことはありません。

 職業=賃金というのは資本主義社会だから成り立つ論理であって、どこでも通用するものではないのです。

 では、職業とは何かというと、自分の機能を社会に提供するものです。自分の能力を社会に提供することこそが職業であり、賃金が入るか、入らないかは二の次です。いまの日本で職業に賃金が発生しているのは資本主義社会だからです。資本主義とは、社会に何か自分の機能を提供すれば、その対価を得るシステムなのです。なので、仕事をするとお金が入ってくるのです。

 つまり、お金と職業はイコールではありません。まずはこのことをしっかり理解してほしいのです。

 

 さて、お金と職業の関係ですが、いまの説明で納得できましたか?

 たぶん、しっくり来ていないでしょうね?

 

 「それは理想だろうけど、現実問題として、仕事をすることでお金を稼いでいるのだから、仕事=お金じゃないのか」あるいは「じゃあ、お金はどうやって稼ぐんだ?」という疑問で頭がいっぱいになっているはずです。

 ですから、本書ではこの部分をまずしっかり書いていこうと思います。

 そもそも「じゃあ、どうやってお金を稼ぐんだ」という疑問には「それはファイナンスのゴールを設定します」と答えます。「職業とファイナンスを分けて考えることで、しっかりしたゴールが見えてきますよ」と伝えます(詳細はのちほど)。

 また、「職業とは社会に自分の機能を提供するもの」という言葉を理想主義だと思ってしまう人も多いようです。しかし、その考え方はまさに拝金主義の影響としか思えません。

 一度、よく考えてみてください。かつて人類にはお金というシステムがなかった時代がありました。ところが、その時代であっても職業はあったはずです。

 例えば、力の強い者は重い荷物を運ぶことを職業としたでしょう。手先が器用な者は道具や生活必需品を作ることが職業だったでしょう。狩りが得意な者は狩りをし、ケガや病気を治すことに長けた者は医者になっていったのです。

 かつての共同体での生活を考えれば、それぞれが自分の機能とは何かを考え、それを人々に提供することで共同体の成員として認められ、職能を持った成員が増えることによって共同体は強固になっていったのです。

 職業とはこういうもので、そこにお金は何の関係もありません。

 これを古代の話だと言って一蹴しようとする人もいますが、それならば医者という職業を考えてみましょう。彼らはお金のために働いていますか? お金をもらわなければ治療をしませんか?

 飛行機の中で急病人が出た場合、見てみぬふりをする医者はまずいないでしょう。「お金をもらわなければ治療しない」と言う医者はいないはずです。ということは職業とお金は関係ないのです。

 さきほども話した通り、社会に自らの機能を提供することでお金が入ってくるのはいまが資本主義社会だからです。社会に機能を提供すれば、お金が対価として自然に発生する社会に住んでいるから、お金が発生しているだけなのです。

 

 

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 第3回目(R4.6/19開催予定)のテーマは「ゴール」。詳細は後日、このブログにてお知らせいたします。

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-関連記事-

Q-042~:「明確にリアルに目標がイメージできた時点でほぼゴールに近づいた」とは具体的にどういうことでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_262962.html

Q-136~:問題が生じたゴールへの向き合い方

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_397998.html

Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは何が違っているのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

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Q-217:家庭や人間関係のゴール設定はどのようにすればよいでしょうか?

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Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 

オーセンティック・コーチング



Q-254:最近また頭痛がひどくなりました <vol.3;コロナ禍での頭痛を改善するポイント>

 

 御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:私は若い頃から頭痛もちです。「頭痛と認知的不協和」を読ませていただき心を整えることで頭痛が良くなっていくことを実感していましたが、最近また頭痛がひどくなりました。バランスホイールを意識しながらゴールを見直しています。ぜひアドバイスをよろしくお願いいたします。

 

 vol.1;コーチは指示やアドバイスを行わない

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28603601.html

 vol.2;スコトーマ外しの心得

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28623749.html

 vol.3;コロナ禍での頭痛を改善するポイント

 

 

A:冒頭で「仕掛け」て、中盤で「仕掛けに意味を持たせる主張」を書き、最後は「最初に意図的に仕掛けたアンバランスを、文章全体としてのゲシュタルトを作って解決する」という三段階

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 ここまでの私の心の内を明かすと、

 

 仕掛け(vol.1);

コーチはクライアントに指示やアドバイスを出してはいけない

 =コンテンツには関わらない

 →アドバイスなしでどうやって「最近また頭痛がひどくなりました」を解決する?

 

 仕掛けに意味を持たせる主張(vol.2);

 答えは「スコトーマ外し」。多量の(それも具体的な)情報を提供しながら、同時に新たなスコトーマが生じてしまうのを防ぐ「スコトーマ外しの心得」がある

 =冒頭で「仕掛け」て、中盤で「仕掛けに意味を持たせる主張」を行い、最後は「最初に意図的に仕掛けたアンバランスを、全体としてのゲシュタルトを作って解決する」

↑ただし、その中盤(二段階目)の主張(claim)さえコーチは行わない

 

 今回は「意図的に仕掛けたアンバランスを、全体としてのゲシュタルトを作って解決する」。そのための準備として、まずは医学的情報を提供します。ディベートでいうと「事実(data)」「根拠(warrant)」にあたる情報です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 

 COVID-19によって、すっかり世界は変わってしまいました。その影響は様々な領域にひろがっています。もちろん、「健康」も例外ではありません。

 F-139:沈黙の春

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22636357.html

 

 20代から50代で過去1年間に頭痛や生理痛を経験したことがある男女824名を対象に行われた調査(第一三共ヘルスケア)にて、以下のことが指摘されています。

 【第一三共HC調査】頭痛の悩みが増加傾向‐コロナ禍で要因も多様化|薬事日報ウェブサイト (yakuji.co.jp)

 

    コロナ禍は生理痛より頭痛に影響が大きく、特に20代を中心に頭痛が増加している

    精神的ストレスや、テレビ・スマホによる肩こり・首こり、マスクなどが要因になっている可能性が考えられる

 

他の病気を原因としない頭痛のことを「一次性頭痛(primary headaches)」と呼びます。

1)片頭痛(migraine)、2)筋緊張型頭痛(TTHtension-type headaches)、3)三叉神経・自律神経性頭痛(TACstrigeminal autonomic cephalalgias)、4)その他の一次性頭痛疾患 の4つに分類されています。

 

 代表的なのは1)片頭痛と2)筋緊張型頭痛。コロナ禍ではともに増加していると考えられています。

 

 1)片頭痛の発症機序は「ストレスや環境の変化により脳血管を取り巻く三叉神経が刺激される →神経伝達物質放出 →血管周囲で炎症が発生し、血管が拡張する →刺激が脳に伝わり頭痛となる」。

 片頭痛の特徴は、光(例;明るい照明)や音(例;ドアを閉める音)などの刺激や気温・気圧といった環境変化により誘発されること。そのため「ステイホーム」といった環境変化やそれに伴うストレスが悪化要因になっていると考えられています。

 対策は「ストレスの原因を突き止め、それを取り除くこと」です。

 (↑この部分は後で取り上げます)

 

 2)筋緊張型頭痛もストレスの影響が多いとされています。

機序は「後頚部(首の後ろ)や肩、背中の筋肉が凝ったり張ったりする →神経が刺激される →刺激が脳に伝わり頭痛となる」です。

 体を動かすことが減ると、筋肉の伸び縮みが減ることで凝りや張りが悪化します。そのため、適度に休憩をとり、意識的にストレッチを行うことが勧められています。じつは目の疲れも一因となるため、まばたきをしっかり行い、遠くを見つめ(遠方凝視法)、遠くと近くを交互に見ること(遠近体操法)が推奨されています。

 

 さらに、コロナ禍で注目されているのが「マスク頭痛」(←正式な病名ではありません)。原因として、以下の4つが考えられています。

    マスク内の酸素低下と二酸化炭素増加

マスクの種類やつけ方で変わりますが、マスク内では酸素が87%に減り、二酸化炭素は30倍に増えるという報告があります

    蒸し暑さ

 マスク内の温度や湿度の上昇により、脳内の視床下部が刺激され、片頭痛が起こるとされています。気づかないまま脱水になってしまうことも原因になります

    耳への負担

 「ひもをかけている耳への負担 →首・肩・背中の凝りや張りが増悪 →筋緊張型頭痛発症」とされています。耳だけでなく、頭皮が圧迫されることで頭痛が起こることもあるそうです

    マスクを着用することによるストレス

 マスク着用そのものだけでなく、相手の表情が読み取りづらいこともストレスになっていると考えられています

 

その対策は簡単。工夫して「マスクを外す」w

メリット(solvency)とデメリット(disadvantage)をしっかり検討しながら、適宜実践してください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935992.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935916.html

 

 そのメリット/デメリットを論理的に判断するために、ディベートをマスターすることをお勧めします。詳しくはこちらで↓

 S-01~:よりよい“議論”のために(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11613757.html

 

 

 ここまでを読んで、「最近また頭痛がひどくなりました」の理由として思い当たることはあるでしょうか?

 

 では、最後に重要なポイントをお伝えします。

 それは「頭痛を全抽象度でとらえる」「頭痛を情報空間のバグ(のアラーム)とみる」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *情報空間はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 先程の「ストレスの原因を突き止め、それを取り除く」という方針は、決して間違ってはいません。しかし、意識が物理空間に囚われてしまったなら×。情報空間上の因果がスコトーマに隠れてしまうからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 生命(現象)は全抽象度次元にひろがる縁起

 

「因」は下の抽象度次元で「果」となり、その「果」はさらに下の階層(次元)で「因」となっています。物理空間での変化は、その最終的な写像です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25388178.html

 

縁起と因果をしっかり観ることが大切。

 例えば、頭痛は「身体的痛み」ですが、同時に「心理・精神的痛み」であり、「社会的痛み」であり、「スピリチュアルペイン」でもあります。

 L-001~20201月シークレットレクチャー

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_407080.html

 

 すべてを同時に観る「total」という視点

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 その視点が「最近また頭痛がひどくなりました」という課題(case)=「w」を、「頭痛を克服した私」「病気と無縁な私」という解決(plan)=「w1」に導くはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 *「w」「w1」はこちらで↓

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

私の師である認知科学者 苫米地英人博士は、生命現象を「ゴールに向かう強烈な意思で、抽象度を上げながら、新しいゲシュタルトをつくり続けること」と定義されています。

 (「思考停止という病」p.79

 

 やはり、「Goal comes 1st./ゴールが先」!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 「バランスホイールを意識しながらゴールを見直す」は大正解です。そのときに「total」という視点も意識に上げてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 「先にゴールがあり、その結果として健康=well-beingになる」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882140.html

 

 今の「頭痛」は、さらなるwell-beingのための重要なきっかけ(縁)かもしれませんよ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 コロナに関連して、もうひとつ。

 

 先日(202246日)、国立成育医療研究センターが「COVID-19の治療を行っている病院では、医師・看護師ら医療従事者の90%がビタミンD不足である」と発表しました。

 感染リスクを避けるための「ステイホーム」により日光を浴びる機会が減っていることが主因とされています。

 

 この事実を知り、私は「鍵はやはりゴールだ」と確信しました。とくに「バランスホイール」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 物理空間だけで考えると「コロナ禍→ステイホーム→日光減少→Vit.D不足」ですが、人生のあらゆる領域において現状の外にしっかりゴールがあると、結果としてこの因果が書き換わっていくはずです。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

  

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F-122:免疫力をあげる!

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Q-237:新型コロナウイルスが怖いのですが、どのように対処すればよいのでしょうか?

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Q-249:病気をどのように考えていますか?

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思考停止という病

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 思考停止という病 eBook : 苫米地英人:

 



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