苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

2021/09

F-204:「医学と医療」と「理学と工学」の類似と相違からコーチングで心がけるべきことを考える vol.4;コーチングの対象は「〇〇〇〇〇」

  

 先日、若い医師たちにコーチングを教える機会がありました。講義中に体感したイメージを言語化します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 vol.1;突然あらわれた“謎の穴”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26671282.html

 vol.2;理学とは〇〇心。その正体はCH

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26722183.html

 vol.3;工学とは社会や未来への貢献(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26780331.html

 vol.4;コーチングの対象は「〇〇〇〇〇」

 

ある雑誌から、ある小児科医が書かれた文章を引用します(事情により秘密)。その言わんとするところを「超情報場仮説(理論)のゲシュタルト」でイメージしてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 医学生に小児科学総論の最終講義をするようになり、強調したことが2つありました。

 1つは小児科学と小児医療の違いです。前者は疾病を対象とした学問であり、疾病にはその時代に使われている定義があるので、正解と不正解を区別する試験問題を作成することができるという理屈になります。後者は人(小児)を対象としたもので、geneticepigeneticに同じ人は存在しないため、診断・治療と、その結果は人の数だけありえるので、単純に正解と不正解に分けることはできない、つまり医療の試験問題作成は簡単ではないと伝えてきました。したがって、医師国家試験も医学の試験にならざるを得ず、共用試験の一つである知識を問うCBTの成績と国家試験の成績が強く正の相関を示すのはそのためだと考えています。

 2つ目のメッセージは、小児科医は全身を診る総合診療医としての活動が基本で、子どもの肉体・精神・感情のすべてにわたり配慮する必要があり、病む臓器のみならず彼らの健康な暮らしに影響を及ぼしうる社会環境に至るまで考慮に入れる必要があることです。

 引用終わり

 

 前回(F-203)、理学と工学の関係性を考察しました。それは

 

 まずは個人レベルの「なぜ?」の探究があり、徐々に抽象度が上がりながら(理学)、やがて社会や未来への貢献へと拡大していく(工学) というもの。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 これは医学と医療の関係にもあてはまります。「まずは個人レベルの『なぜ?』の探究があり、徐々に抽象度が上がりながら(医学)、やがて社会や未来への貢献へと拡大していく(医療)」という感じです。

 

 一方で、「理学と工学」と「医学と医療」の間には、決定的な相違が存在します。それは「『医学と医療』の対象は必ず人間(に関するもの)である」ということ。

 

 工学は「役に立つ(貢献)」という観点で人やその集合である社会と関係しますが、研究対象自体は人間に限定されていません。前回のカブトムシの幼虫のように研究対象は広範囲で、実体を伴わない現象や情報空間上の存在(概念)も含まれます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 それに対して、「医学と医療」の場合は、より高次の抽象度次元に向かう研究(医学)も、その物理空間への応用(医療)も、対象は必ず人間。そして、その人間とは「巨大で複雑なネットワークを内包しながら自律する情報処理システム」です。いわば縁起のかたまり。それゆえ無常。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 師である認知科学者 苫米地英人博士の表現を用いると、抽象度のベクトルは違えど医学(↑)も医療(↓)もその対象は「一人一宇宙」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823351.html

 

 それが引用文中の「geneticepigeneticに同じ人は存在しないため、診断・治療と、その結果は人の数だけありえる」という主張(claim)の根拠(warrant)といえます。

*事実(data)は超情報場理論

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 底面である物理空間だけではなく情報空間中にホメオスタシスが働いている人間の情報処理は、いつもダイナミックに変化し続けています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 だから「単純に正解と不正解に分けることはできない」のです。

 

すでに不完全性は証明されています。この世(物理空間)は不確定性原理により、あの世(情報空間)は不完全性定理によって。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

しかしながら、私が感じる「単純に正解と不正解に分けることはできない」はそのレベルの話だけではありません。

 

そもそも「一人」の人間の存在自体が「宇宙」といえます。

その「宇宙」は60兆個の細胞や100兆個を超えるといわれる細菌などとのネットワークで構成されています。物理空間において。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/16541640.html

 

さらに、情報空間において「一人」は全抽象度にひろがっていきます。縁起のネットワークとして。それを哲学では「自我」と、コーチングでは「ブリーフシステム」と表現します。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 「医学と医療」の対象は、コーチングと同様に、いつも「一人一宇宙」

 巨大で複雑でダイナミックなシステムを対象にしているという認識と新たな宇宙を創造(再構築)するという覚悟が、「医学と医療」やコーチングで心がけるべきポイントである

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html

 

 それがコーチ兼医師である私の実感です。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

「医学と医療」の対象は、コーチングと同様に、いつも「一人一宇宙」

 

 「一人」を、「一」ではなく、「巨大で複雑でダイナミックなシステム」と観ることが重要。それはスピリチュアルペインを含む「トータルペイン」の克服にも欠かせません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_407080.html

 

-追記2

「医学と医療」の対象は、コーチングと同様に、いつも「一人一宇宙」

 

 「一宇宙」の「一」が現実(R)です。それは一つということではなく、「無限の可能世界から(I)、その時選びだされる(V)」という意味の「一」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 その「一」は、あるともないともいえる「一」であり、あるともいえなしないともいえない「一」。「空(くう)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

-関連記事-

PM-04~:苫米地理論で見える医療・介護現場のスコトーマ(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076878.html

F-129~The Sweet Hello, The Sweet Goodbye

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_396235.html

F-163~:アンチ(anti)からウィズ(with)、そしてウェル(well)へ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404044.html

F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

F-184~:「新型コロナ感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_410505.html

Q-177~:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408953.html

 

 

-告知-

 今年度(2021-22年)は計8回のオンラインセミナーを予定しています。1年間を通してのテーマは「Well-being」です。

 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

2021年度セミナー予定はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25412318.html

 

 第5回目は2021919日(日)開催。テーマは「クライシスサイコロジー&レジリエンス」です。詳細はこちらから↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26768389.html

 

 超情報場でお会いしましょう!

 

<お問い合わせ・申し込み>

 coachfor.m2@gmail.com

 

 

Q-208:質問という行為はセルフイメージを下げると思っています

 

 御質問をいただきました。ありがとうございます。

 今回は「質問」についての御質問w

その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:私は質問という行為はセルフイメージを下げると思っています。自分がわからないことを聞くからです。今回もそうなのですが、どうしても質問する場合は、先に仮説を立ててから質問しています。むやみには質問しない方がいいと思うのですがいかがでしょうか?

 

A:質問の目的や意図をしっかりと意識に上げることが大切だと思います。質問する側も、質問される側も。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

その際に重要なのはゴール。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 私には質問する側がセルフイメージを下げる理由がわかりません。質問という行為はゴールに向かう「T」であるはずだから。

 F-095:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.2(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

もしもセルフイメージが下がるのなら、そこには「知識がある=スゴイ、ない=ダメ」「答えがわかる=上、わからない=下」というような価値判断(基準)のすり込みがあるはず。

そのような何らかのすり込みが、知らぬ間に各人のブリーフをつくりあげています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 最近「ホームレスより猫の方が」というある有名人の発言が炎上しましたが、たった1つの評価軸での上下(優劣)を絶対とみなすブリーフはとても危険です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 差別を生みだすから。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

そもそも、疑問が湧きあがり、知を求めるのは大切なこと。それは思考している証であり、強烈な「生」のエネルギーのあらわれです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20276623.html

 

 いわゆる「好奇心」とは、ホメオスタシスフィードバックのこと。だから、それは生きている証だといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 (詳しくはこちらで↓)

 F-202:「医学と医療」と「理学と工学」の… vol.2;理学とは○○心。その正体はCH

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26722183.html

 

 

まともな質問をするためには、まずはゲシュタルトができている必要があります。「何がわからないかわかっている」「どんな情報が必要かわかっている」という感じです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 繰り返しますが、その根底には必ずゴールがあります。ゴールは「1)心から望む」ものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

そして、ゴールは「3)現状の外」にあるもの。だから、設定にも、実現にも、他者の視点がある方が圧倒的に有利です。それも抽象度の高い視点ほど、スコトーマを外すための強力なサポートになります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

そのゴールが「2)自分中心を捨て去った」ものであるほど、質問(&回答)をきっかけに、むしろセルフイメージは上がっていくはず。

それは米国の心理学者 アブラハム・マズロー(Abraham Harold Maslow1908~1970年)が示した「人間形成」の階梯をのぼっていく過程でもあります。

PM-05-13~15:そもそも教育とは?-6-1)人間形成

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 

 「先に仮説を立ててから質問しています」はすばらしいHabitだと思います。より大きなゲシュタルトを構築するための、そして、より強く記憶に刻むためのHabitです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 

 質問にはいろいろなタイプがあり、それぞれに目的や意図があります。

コーチングに関していうと、実際、コーチは質問をします。とくに相手の反応を見たい時は「〇〇〇〇〇(←守秘義務内容につき非開示w)」について質問します。その反応で現在のブリーフが分析できます。もちろん、質問したコーチのセルフイメージは下がりません。

 

 そもそもこの世は無常です。「知らないこと」「わからないこと」だらけだということを、常に意識に上げておいてください。ちなみに、無常がスコトーマに隠れた状態が「無明」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879896.html

 

 私は、その「無明」が、たいていの苦しみの根源だと思っています。

 S-04~:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22305802.html

 

 

 最後にもう1つ。

 質問や回答を経て学ぶのは質問者だけではありません。回答する側が大いに学ぶこともあります。認知科学者 苫米地英人博士が、ワークスDVD12弾で詳しく解説されています。キーワードは「同行二人」です↓

 苫米地英人DVD12弾「超次元ゲシュタルト構築の奥義 ~顕密同行と隠覆蔵知の獲得」

 https://maxpec.net/dvd12/index.html

 

すべてが双方向の縁起

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 だから私は、新たな縁起となる質問を楽しみにしていますw

 

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

すべてが双方向の縁起 だから私は、新たな縁起となる質問を楽しみにしていますw

 

 上の言葉は本心ですが、一方で「むやみには質問しない方がいい」とも思っています。相手のリソース(とくに生命時間)を奪うことになるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23177616.html

 

 質問する前に「相手のゴールと自分のゴールが合致しているか?」確認してください。それは大人のマナーだと思います。

 S-02~:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/17563396.html

 

 

-告知-

 今年度(2021-22年)は計8回のオンラインセミナーを予定しています。1年間を通してのテーマは「Well-being」です。

 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

2021年度セミナー予定はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25412318.html

 

 第5回目は2021919日(日)開催。テーマは「クライシスサイコロジー&レジリエンス」です。詳細はこちらから↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26768389.html

 

 超情報場でお会いしましょう!

 

<お問い合わせ・申し込み>

 coachfor.m2@gmail.com

 

 

ワークスDVD第12弾「超次元ゲシュタルト構築の奥義」ver2

苫米地英人DVDオフィシャルサイトより引用

苫米地英人DVDオフィシャルサイト (maxpec.net)

 

 

このページのトップヘ