苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

2020/01

F-121:「あぁ生まれてきてよかったな」で思いだす一例

 

 映画「男はつらいよ」を取り上げた前回のブログ記事(F-120)で、主人公 寅さんのこんなセリフを紹介しました。

 

あぁ生まれてきてよかったな、って思うことが何べんかあるじゃない。そのために、人間、生きてんじゃねえのか

 

 1987年12月に公開されたシリーズ39作目「男はつらいよ 寅次郎物語」において、甥の満男に「伯父さん、人間は何のために生きているのかな?」と問われたときの答えです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21034159.html

 

 

 人間は何のために生きているのか?

 そして、なぜ死ななければならないのか?

 

 

 …医療・福祉の現場で働いていると、そんな問いを突き付けられることが少なくありません。それらの問いは“私”という存在の根底にある“痛み”の表出だといえます。スピリチュアルペインです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_318161.html

 

 思えば子どもの頃から、私は誰かが苦しむ場面に遭遇するのがたまらなくイヤでした。

 「しつけ」と称する暴言・暴力を浴び続けたせいで、痛みや苦しみに敏感になっていたのかもしれません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5445330.html

 

そんな私のブリーフシステムを “炎の行者”が命懸けで炎に向き合う姿が書き換えていったのでしょう。最福寺 池口恵観先生との御縁にはとても感謝しています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854577.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7031387.html

 

恵観先生から学んだ「抜苦与楽」のイメージは、苫米地式のマスターヒーラーやコーチとして果たす機能として“現実化”しました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 

あぁ生まれてきてよかったな、って思うことが何べんかあるじゃない。そのために、人間、生きてんじゃねえのか

 

 …「あぁ生まれてきてよかった」と心の底から思えるのは「誰かの役にたった時」。

それは前頭前野が発達した人間のみが(おそらく)感じることができる幸せです。たとえ結果が伴わなかったとしても、「役に立ちたい」と願い行動し続けたこと自体が人を元気にしていきます。「役に立ちたい」という思いの中に希望が存在するからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

 私が実際に経験したケースを御紹介します。

 (プライバシー保護のため、一部変更を加えてあります)

 

 離婚した直後に脳出血を発症した40代の男性は、初診時は心を完全に閉ざしていました。重度の左半身の麻痺のため寝たきりの状態で、食事など生活動作すべてに介助が必要でした。特に若い看護師や介護士に対しては横柄で、思い通りにいかないと怒って大声で叫んだり、反対にふさぎ込んで食事を拒否したりするなどの行動が続きました。「ファイト・オア・フライト」の状態です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 当初は主治医である私のことも拒絶し、本心を語ることはありませんでした。しかし、ある話題をきっかけに状況が大きく変わりました。その話題とは「母親への思い」。

 

 一緒に入院する患者さんの平均年齢は80歳前後でした。親世代の人たちと一緒に入院生活を送り、反対に自分の親が他の患者さんの子ども世代の人たちと同じように介護してくれることがとても辛く、そして申し訳ないようでした。

「今後どうなってしまうのか」という不安・恐怖(Fear)、「むしろ自分が親の世話をしないといけない(のに)」という義務感(Obligation)、そして「親に迷惑ばかりかけて申し訳ない」という罪悪感(Guilty)…

それらが霧(FOG)を生みだし、その男性の希望や生きる喜びを隠してしまっていました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523715.html

 

 ある日、母親から「子どもたちに絵本を読み聞かせているときが一番幸せそうだった」と伺いました。そこで、ともに生活する入院患者さんや面会に来る(他の患者さんの)孫たちのために絵本の読み聞かせをしてはどうかと提案しました。

嫌々ながらも読み聞かせをしてみた男性は、喜ぶ患者さん達の姿に何かを感じたようでした。おそらくゴール(になりえるもの)を見つけたのでしょう。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 その後リハビリにも積極的に取り組むようになり、入院当初は短時間の座位保持さえ難しかったのがみるみる改善していきました。さらに、厳しめの目標だったベッド⇄車椅子間の移乗や車椅子での移動も自立していきました。

絵本の読み聞かせも大反響です。皆から喜ばれることでますます明るくなった患者さんは、なんと車椅子で病棟を見回りしてくれるようになりました。まるでスタッフのように。

 建設的動機(want to)と強制的動機(have to)の生産性の差は756倍といいますが、医療・福祉の現場でもその圧倒的な差を実感します。例えば、このケースのような回復力という形で。それは生命本来の力、すなわち生命力の表れなのでしょう。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 ある日、すっかり定番化した絵本の読み聞かせ会に母親も参加しました。イキイキとした息子がまわりを喜ばしている姿を優しく見つめながら、「むしろ病気前より元気になっている。こんな息子の姿をまた見られるなんて… ほんと生きていてよかった」と泣いていました。

 

 後で母親のコメントを伝え聞いた患者さんは、自分こそ「生まれてきてよかった」と久しぶりに思ったことをこっそり教えてくれました。その時のとても照れくさそうな笑顔を思い出すたびに、私自身の中でも「生まれてきてよかった」という思いが反響します。

ずいぶんと時間が経った今でも。時空を超えて。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 

あぁ生まれてきてよかったな、って思うことが何べんかあるじゃない。そのために、人間、生きてんじゃねえのか

車寅次郎(映画「男はつらいよ 寅次郎物語」より)  

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 過去のブログ記事(PMⅠ-05-06)で、鹿児島大学リハビリテーション科の前教授 川平和美先生が開発された「促通反復療法(川平法)」を取り上げた「脳がよみがえる ~脳卒中・リハビリ革命~」(主婦と生活社)を紹介しました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9367702.html

 

 その本の中には“革命的”なリハビリ法として「ほめること」が取り上げられています。「ほめること」で高まるものとは「未来の自分の姿の臨場感」。それは「エフィカシーを上げる(高める)」と同意です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

 そのすべてが正しいゴール設定からはじまります。

 よって、コーチングこそが“革命”の本質であるといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15700308.html

 

 

Q-123190919リスクマネジメント研修会(医療法人、鹿児島県)Q&A -02

 

 20199月、鹿児島県の医療法人にて、「リスクマネジメント」をテーマとした研修を行いました。タイトルは「すべてはマインド(脳と心)が生みだしている ~イヤな気持ちをエネルギーと創造性に変える科学的方法~」です。

 内容について御紹介し、いただいた御質問や御意見に対して回答いたします。

 具体的な研修内容はこちら(Q-122)↓

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21034051.html

 

 

研修後のアンケートにはたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございます。

 

 アンケート冒頭の「内容はわかりやすかったですか?」という問いに対して、10段階の目盛りで評価していただきました。これは医療現場でも疼痛の評価等に使われる方法で、VAS(バス、Visual Analog Scale)と呼ばれています。

当日(190919)の講演評価は0から10まで分布し、平均では5.94でした。

今回は評価が低く、かつ、ばらつきました。その理由について追記内で考察します。

 

 現実社会では、誰からも同じように最高の評価を得られることはなく、極端に評価が分かれることも少なくはありません。「ものすごくよかった」と思う人がいれば、「全然よくなかった。最悪っ」と感じる人がいるように。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542066.html

 

 その「評価が大きく分かれること」の最大の理由が、マインドでの情報処理にあります。

 

 自分自身の認識⇄理解⇄評価⇄判断という情報処理の特徴(ブリーフシステム)を知り、それを自由意志でアップデートしていけば、その結果、認識する世界(宇宙)そのものを自在に構築することができるようになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

 それが私たちが生きる宇宙の理です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 今回の研修では、マインドでの情報処理を学び実践することにコーチングがとても役にたつことを説明しました。そして、「コーチングスキルを活かして自身のマインド(脳と心)をコントロールすることこそが最高(最強)のリスクマネジメントである」ことをワークを通じて体感していただきました。

 

次回(Q-124)より、いただいた御意見・御質問に具体的に回答いたします。

 

Q-124につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 評価をVASで行ったつもりでしたが、コピー原本の印字が薄かったため目盛りが消えてしまい、「0」「5」「10」という数字だけが残っていました。半数以上の方々が真ん中の「5」を選択した結果、5.94という低めの評価になってしまったと考えられます。

 ちなみに、人の心理には極端(両端)を嫌う傾向があります。例えば「松竹梅」と並んでいたら、真ん中(竹)を選択する人が最も多くなることが知られています。それを「極端の回避性」や「松竹梅の法則」と呼びます。

 この特徴は、もちろん生得的なものではなく、社会によって埋め込まれたブリーフシステムといえます。そんなブリーフに無自覚なままであることは、無人運転や自動運転に等しく、とても危険なことです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_369873.html

 

 

-追記2

 人の情報処理の特徴を利用して行動を制御することを「コンディショニング」と呼びます。

 認知科学の研究によってマインド(脳と心)の秘密がどんどん解き明かされていますが、それは同時に、思考や行動が知らないうちにコントロールされてしまうリスクがますます増大しているということでもあります。

 大量かつ多種多様な情報から“本物”を選別する能力はますます重要になるはずです。その鍵となるものがゴール設定。したがって、コーチングの知識とスキルの重要度は、今後さらに高まります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_386190.html

 

 

-追記3

 今回のミスをきっかけに「そもそもVAS(バス、Visual Analog Scale)には目盛りがない」ことに気づきました。スコトーマでした。早速修正し、翌月のセミナーからは新しいアンケート用紙を使用しています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 

-参考-

厚生労働省HP「資料3-3 ビジュアルアナログスケール」

https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-sankou3-3.pdf

 

 


ブログ・シリーズ編

S-03:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~

S-03-13A)「概念の階層にエネルギーが生じる」レベルでのコントロール -後編-

 

シリーズ編第3弾(S-03)は、「心のエネルギーとは何か?」をテーマに、怒りに代表される情動の正体やその向き合い方について考察したいと思います。ぜひ皆さん自身の経験を振り返りながら読み進めてください(Don’t think. Feel!)。

 告知(I-035):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19792909.html

 S-03-00(目次):

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

 

前々回(S-03-10)までの分析をシンプルにまとめると、A)概念の階層にエネルギーが生じる→B)無意識レベルでエネルギーを知覚→C)意識化(エネルギーの情動への転換)→D)物理次元で発散 といえます。

S-03-063)エネルギー」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477304.html

 S-03-074)どのように」:

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20575883.html

 S-03-085)発散された」:

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20682042.html

 S-03-092)怒り」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20779253.html

S-03-101)すさまじい」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20873954.html

 

では、「怒り」に支配されないためにはどうすればよかったのでしょうか?

それでは「『心のエネルギー』のコントロールの方法」について考えていきましょう。

 S-03-11A)「概念の階層にエネルギーが生じる」レベルでのコントロール -前編-

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20932747.html

 S-03-12A)「概念の階層にエネルギーが生じる」レベルでのコントロール -中編-

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21033212.html

 

 

カナダでの暴動の例でいうと、「カナックスファン」→「カナダのチームのファン」にとどまらずに、せめて「NHL好き」という階層まで上がることができれば、暴動がおこることはなかったはずです。もちろん、もっと階層を上げて →「ウインタースポーツ好き」→「スポーツ愛好家」→……→「平和主義」というレベルまでいけば、争いは起こりようがありません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5446097.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5448151.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615695.html

 

今年(2020年)は東京オリンピックが開催されます。スポーツの祭典を「平和の祭典」にまで昇華させるものは高い抽象度だといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8749123.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8900535.html

 

この考え方はものすごく重要です。

 

ジョージ・ブッシュ氏が大統領の時代のアメリカは、“正義”の名のもとに様々な争いや戦争を仕掛けました。イラクをはじめ中東の多くの地域に爆弾を落とし、罪のない民間人(しかも子ども達まで)を次々と殺していきました(そのイラクはアメリカとイランの争いに巻き込まれ、今もミサイルを撃ち込まれています)。

もし当時のリーダーがアメリカの子ども達と同じように中東地域の子ども達も大切に感じることができたなら、爆撃などできなかったはずです。「アメリカの子ども」という階層ではなく「地球上の子ども(あるいは人間)」という階層で考えることができたなら、戦争など仕掛けられなかったはずです。

 

宗教の違いや肌の色の違いを超えた世界で思考することができれば、そして過去のしがらみや利権をはるかに超越した階層で決断することができれば、誰も血を流すことはありません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

人類は(地球は)このまま滅びてしまうのでしょうか?

それとも、平和を築きあげ、ともに繁栄することができるのでしょうか?

 

それは「概念の階層を上がることができるか」「抽象度の高いゴールを共有することができるか」にかかっているといえます。

 

まずは自身の心の平和のために概念の階層を上がる

世界の平和や豊かな未来のために概念の階層を上がり続ける

 

そのような“覚悟”こそが、「心のエネルギー」のコントロールを可能にし、エフィカシーの源泉になると私は思っています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19033189.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

 

次回は、B)「無意識レベルでエネルギーを知覚」の段階での「心のエネルギー」のコントロール方法についてまとめます。

 

 (S-03-14につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

ジョージ・ブッシュ氏が大統領の時代のアメリカは、“正義”の名のもとに様々な争いや戦争を仕掛けました。イラクをはじめ中東の多くの地域に爆弾を落とし、罪のない民間人(しかも子ども達まで)を次々と殺していきました

 

遠く離れたアメリカの安全な基地内で「プレデター(捕食者または略奪者)」と名付けられた無人爆撃機を操り殺戮を行う姿は、まるでテレビゲームでもしているかのようでした。“非現実”が“現実”を破壊していくかのような映像は、当時の私にはとても衝撃的でした。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11823351.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11823843.html

 

 

-追記2

 2019129日付のワシントン・ポスト紙に、「2001911日の同時多発テロの1ヶ月後から18年以上にわたるアフガニスタンでの米軍軍事行動の失敗が隠蔽され続けている」ことが報じられました。

2300人以上が戦死し、1兆ドル(約109兆円)以上が投じられた軍事行動の失敗が隠蔽され続けているという事実は、情報公開法に基づきワシントン・ポストが入手した「アフガン・ペーパーズ」と呼ばれる米政府内部文書により明らかになったそうです。3年以上にわたる2件の訴訟を経てようやく開示を勝ち取ったということでしたが、このように事実を明らかにすることができたのは「記録が改ざんされずにしっかり保管されていたから」です。

日本に住む私たちは、今、大きな危機の中で生きている(生かされている)のかもしれません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10691562.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_386190.html

 

 


F-120:男はつらいよ

 

 私が子どもの頃、盆暮れに必ず上映される映画がありました。山田洋次監督(1931年~)の「男はつらいよ」です。

 上映期間中、映画館の入口にはいつも立て看板が飾られていました。渥美清さん(19281996年)演じる主人公 寅さん(車寅次郎)の明るい笑顔と「男はつらいよ」というネガティブなタイトルのギャップを不思議に感じながら眺めていたことを覚えています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

ティーンの頃、私は洋楽や洋画にどっぷりはまっていました。表向きは無関心を装っていましたが、心の内では「男はつらいよ」の新作を楽しみにしていました。自由気ままな寅さんの生き方に憧れていたのだと思います。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 

今の若い世代にとって、寅さんの人物像は、自分勝手で、パワハラ・モラハラ・セクハラの塊のように感じられるのかもしれません。ネット上で「自分は好き放題しておいて他人のやっていることには口をはさみ、逆に自分が指摘されると逆ギレする」という人物評を見かけました。確かにそんなドタバタが毎度お約束のように描かれていました。

 時代は昭和から平成、そして令和へと移りゆき、人々の価値観も大きく変化したのでしょう。まったくそのとおりだと納得する一方で、少しだけせつなさも感じました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

 私はなぜ寅さんに惹かれているのだろうか?

 時代に洗脳されていたのだろうか?

 

 そんなことを考えていたら、不意に「寅さんのゴールは何だったのだろうか?」「山田監督の意図はどのようなものなのだろうか?」ということが気になりだしました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 

 ところで、すごく怒られたのに、むしろうれしかったことはありませんか?

 本気で叱ってくれたことをありがたく感じることはありませんか?

 

 私の体験を分析すると、心に響くときはいつも、怒ってくれる人の意識は相手側にあり、未来を向いていました。「ゴールを達成した未来のあなたにふさわしくない」と断言する感じです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 ありがたいことに、本気で「あなたらしくない」と叱ってもらうたびに、私のエフィカシーは上がっていったのだと思います。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

そういう体験の後は、確かに向上することができました。それも自然な感じで。

コンフォートゾーンがゴール側に書き換わり、ホメオスタシスが「(ゴール側の)あなたらしい/私らしい」を実現するために働いたからでしょう。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

国民に愛され続ける寅さん(&寅さんを生みだした山田監督)はきっと、常に相手の立場に立っていたはずです。

そんな仮説を検証してみたくなって「寅さん語録」(ぴあ)を読み返していたら、こんなセリフを見つけました。198712月に公開されたシリーズ39作目「男はつらいよ 寅次郎物語」において、甥の満男に「伯父さん、人間は何のために生きているのかな?」と問われたときの寅さんの答えです。

 

あぁ生まれてきてよかったな、って思うことが何べんかあるじゃない。そのために、人間、生きてんじゃねえのか

 

 

 1作の公開から50年が経った2019年の年の瀬に、シリーズ50作目となる最新作が公開されました。満男や妹のさくらなど縁ある人々の記憶の中でよみがえる寅さんの姿は、まさに生まれてきてよかったなと思うために生きている」というものばかり。

 

学歴や実績といった過去や社会的価値観などをまったく気にすることなく「生まれてきてよかったと思える自分であり続ける」という生き方を貫くと、周囲との摩擦や衝突は避けられないのかもしれません。寅さんのように。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

それでもそれらすべてを自ら引き受けて生きようとする覚悟が、「つらいよ」という言葉に凝縮されているような感じがしました。「男はつらいよ50 お帰り寅さん」鑑賞後の余韻の中で。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19033189.html

 

 

 最後に、コーチとしての私の心に響く寅さんの名言を御紹介します。

 

 

 ほら、見な、あんな雲になりてえんだよ

  -「どうして旅に出ちゃうの?」と尋ねる妹さくらに対して

  第9作「男はつらいよ 柴又慕情」

 

 旅というものはな、行き先を決めてから出かけるもんじゃねえんだよ

  -就職活動に疲れて家出した甥の満男の気持ちを代弁して

  第46作「男はつらいよ 寅次郎の縁談」

 

 じゃ、また夢の続きを見るとするか

  -御前様の「人生は夢みたいなもの」という言葉を伝え聞き旅立つときの言葉

  第41作「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 医師としての私の心に響く言葉も紹介しますw

 

 レントゲンだってやっぱりね、あれ、ニッコリ笑って写したほうがいいと思うの

 だって明るく撮れるもの、そのほうが

  -寅さんが岡山のお寺で和尚と娘・朋子に話した健康診断にまつわる話

  第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」

 

 

-追記2

 「伯父さん、人間は何のために生きているのかな?」と寅さんに尋ねた時の満男は18歳という設定です。映画で描かれているとおり、自分という存在についての内省はティーンの頃からすでに始まっています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11301259.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11386276.html

 

よって、「スピリチュアルペインへの対処は、人生の最終段階(end of life stage)だけではなく、青春期にこそ行うべきである」というのが私の意見です。もちろん、そのためにコーチングがとても役に立ちます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_318161.html

 

医療・介護現場で緩和ケアとしてコーチングが応用されているだけではなく、教育現場で希望を見いだすためにコーチングが活用されていることを夢見ています。そして、誰もが根源的な“痛み”から解放されていることを強くイメージしながらこのブログを書いています。
 今回はここまで。では、また夢の続きを見るとしましょうw

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 


Q-122190919リスクマネジメント研修会(医療法人、鹿児島県)Q&A -01

 

 20199月、鹿児島県の医療法人にて、「リスクマネジメント」をテーマとした研修を行いました。タイトルは「すべてはマインド(脳と心)が生みだしている ~イヤな気持ちをエネルギーと創造性に変える科学的方法~」です。

 内容について御紹介し、いただいた御質問や御意見に対して回答いたします。

 

 

 当日の研修では、通常のコーチングセミナーと同様に、まずはマインド(脳と心)の不思議を体感していただきながら、「スコトーマ」「RAS」「ゴール」「コンフォートゾーン」といった重要な用語について説明いたしました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 その次は「時間の流れ」。時間は未来から現在、そして過去へ向かって流れています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 その上で「意識的に重要度を操作することで世界が変わることを体感するワーク」を行っていただきました。

私たちは目の前の世界のすべてを認識しているわけではなく、自身にとって重要な情報のみを認識しています。その重要度を決めるものが「ブリーフシステム」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

 強く信じる固定的な考え方や価値観といえるブリーフシステムは、「強い情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」でつくられます。時間でいうと過去です。

一方で、私たちの脳には「失敗した時にモノを覚える」という特性があります。よって、ブリーフシステムを決定する記憶とは失敗であり、私たちが認識する目の前の世界は失敗の合成であるといえます。時間でいうともちろん過去です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html

 

 目の前の世界は失敗の合成

 しかも、そこには情動がべったりと張り付いています。辛い、苦しい、悲しい、悔しい、憎いといったネガティブな情動や怒りなどです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

 

 よって、大げさに言えば、「本当は誰もがPTSDに苦しんでいる」といえます。PTSDとはPost Traumatic Stress Disorderの略で、心的外傷後ストレス障害と訳されます。PTSDの状態では大脳の前頭前野が働きにくくなり、無気力(あるいは感情的)になり、長期的な視野が保てなくなります。米国CDCの「Psychology of a crisis」でいうところの「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)」の状態です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 みんな最初は被害者です。

大人になるまでの間にたくさん心に傷を負い、その心の傷(ネガティブな情動が張り付いた記憶)がブリーフシステムとなって生みだしたイヤな世界の中で、ますます心に傷を負っていきます。大人になってからも。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10114934.html

 

 それどころか、最新の研究では、トラウマの記憶は当人を苦しめるだけでなく、次世代にも受け継がれる「負の連鎖」となる可能性が示唆されています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523096.html

 

 みんな最初は被害者

 しかし、「ファイト・オア・フライト」の状態が続くうちに、やがては自分自身や縁ある人たちを傷つける加害者へと変貌していきます。人間らしさの源である前頭前野よりも、動物的な脳である大脳辺縁系が優位な状態がずっと続くからです。ますます易怒的、攻撃的、他罰的となり、まわりが見えず、未来を豊かに想像することができない状態が続きます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 問題(ケースサイド)の本質は、「前頭前野の活動から大脳辺縁系の活動に変わってしまうこと」「脳の活動が退化すること」です。よって、真のリスクマネジメント(プランサイド)とは、「前頭前野優位を維持すること(すぐに回復すること)」といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12658417.html

 

 その「前頭前野優位を維持すること(すぐに回復すること)」にコーチングがとても役にたちます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9815429.html

 

 ゴール設定を起点に生みだしたポジティブな未来の記憶によって、ブリーフシステムを書き換えることができ、未来から過去へ向かう時間の流れの中で生きれるようになるからです。

目の前のすべては自身のマインド(脳と心)がつくりだしています。コーチングを学び実践することで、そのマインドの使い方をマスターすることができます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

そのようなことをしっかりと説明させていただいた後、実践的ワークをたくさん行っていただきました。「心の傷を解決するためのケースワーク」「重要度を書き換えるためのゴール設定ワーク」「目の前のあらゆる存在にラベルを貼るワーク」など。最後は非公開の「とっておきのワーク」にも取り組んでいただきましたw

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18456250.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20276757.html

 

 

 以上が、当日のリスクマネジメント研修の概要です。

 次回(Q-123)は、研修後のアンケートから「理解度」を分析します。

(通常とは異なる集計結果となったことをきっかけにスコトーマが外れました)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 医療・福祉関連に限らず、コーチングを応用した研修に御興味のある方々は、下記連絡先(メール)に御相談ください。さらに明るくあたたかい未来を、ぜひ手に入れてください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

 

 御連絡をお持ちしております。

 連絡先(メール):coachfor.m2@gmail.com

 

Q-123につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

F-094~:私はイヤなことは心の中で握りつぶす

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_375251.html

F-101~:「映写機の故障により上映できるかわかりません」

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_380649.html

 

 

190919リスクマネジメント研修-タイトル


ブログ・シリーズ編

S-03:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~

S-03-12A)「概念の階層にエネルギーが生じる」レベルでのコントロール -中編-

 

シリーズ編第3弾(S-03)は、「心のエネルギーとは何か?」をテーマに、怒りに代表される情動の正体やその向き合い方について考察したいと思います。ぜひ皆さん自身の経験を振り返りながら読み進めてください(Don’t think. Feel!)。

 告知(I-035):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19792909.html

 S-03-00(目次):

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

 

前々回(S-03-10)までの分析をシンプルにまとめると、A)概念の階層にエネルギーが生じる→B)無意識レベルでエネルギーを知覚→C)意識化(エネルギーの情動への転換)→D)物理次元で発散 といえます。

S-03-063)エネルギー」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477304.html

 S-03-074)どのように」:

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20575883.html

 S-03-085)発散された」:

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20682042.html

 S-03-092)怒り」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20779253.html

S-03-101)すさまじい」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20873954.html

 

では、「怒り」に支配されないためにはどうすればよかったのでしょうか?

それでは「『心のエネルギー』のコントロールの方法」について考えていきましょう。

 S-03-11A)「概念の階層にエネルギーが生じる」レベルでのコントロール -前編-

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20932747.html

 

 

高い階層に上がれれば、より大きな「心のエネルギー」を潜在的に得られるだけでなく、それを自在にコントロールする力も手に入れることができます。そのプロセスは「人間形成」と一致しますが、もっと大きな視点で考えれば「人類の進化」とみることもできます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

孫子に由来する「呉越同舟(ごえつどうしゅう)」という言葉を御存知でしょうか?

 

現在は単に「仲の悪い者同士が同じテーブルにつくこと」を指すことが多いようですが、もとの意味は違いました。

「呉の人間と越の人間は昔からいがみ合っているが、もし同じ舟に乗り合わせ、大シケにあって難破しそうになったら、助かりたい一心で憎しみなど忘れて一致協力する」ということから、「同じ目的のためであれば敵同士であっても協力する」というのが元来の意味です。

 その「呉越同舟」には、「ゴールおよびゴールを共有することの重要性」と「未来(ゴール)が過去を書き換える」という、コーチングにおける2つのポイントが含まれています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

今回のテーマと合わせて考えると、「抽象度の階層を上がり、未来をゴールとして共有することができれば、『対立』『争い』のエネルギーは『協力』『平和』のためのエネルギーに変わる」といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

カナダでの暴動の例でいうと、「カナックスファン」→「カナダのチームのファン」にとどまらずに、せめて「NHL好き」という階層まで上がることができれば、暴動がおこることはなかったはずです。もちろん、もっと階層を上げて →「ウインタースポーツ好き」→「スポーツ愛好家」→……→「平和主義」というレベルまでいけば、争いは起こりようがありません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5446097.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5448151.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615695.html

 

今年(2020年)は東京オリンピックが開催されます。スポーツの祭典を「平和の祭典」にまで昇華させるものは高い抽象度だといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8749123.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8900535.html

 

 (S-03-13につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

「呉越同舟」と「敵の敵は友」は同じと考えていいかと尋ねられたことがあります。

「呉越同舟」に対して、「敵の敵は友」という言葉には(ゴールの共有はあるかもしれませんが)抽象度の概念がありません。そこが決定的に違うはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_284899.html

 

 

F-119:公私混同(ワーク付き)

 

 F-116(:30年後の自分は何歳なのか?)において、日本の国会議員の発言を取り上げました。そのブログ記事に関連して、「最近の政治家は公私混同がはなはだしい」といった御意見をいただきました。ありがとうございます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20682390.html

 

この場合の「公私混同」は完全にネガティブな意味で使われています。「桜を見る会」のような問題でよく用いられる表現でいうと「権力の私物化」。本来は「公」であるべきものを「私」のレベルで扱っているという意味、すなわち「公→私」という方向性での混同です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20377720.html

 

 私は、じつは、コーチとしてクライアントのゴール設定をサポートする際に、どんどん「公私混同」するように促しています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 だからだと思いますが、世間的な「公私混同」の用いられ方に対して、つい不協和を感じてしまいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 実用日本語表現辞典によると、「公私混同」とは「業務上、あるいは公的に携わっている事柄と、私的な事情とを区別せずに扱うこと。業務に私情を持ち込むこと」と定義されています。「業務に私情を持ち込むこと」は「公→私」です。そういう意味での「公私混同」であれば、もちろん私も大反対。抽象度が下がっているからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 残念ながら、「公→私」といった自身の情報処理に対して無自覚であり、かつ指摘されても問題を認識できない方々は実際に存在しています。巨大で強力なスコトーマを生みだす元凶は特権意識でしょう。そして、その根底には差別があるはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14249741.html

 

 それとは反対の「公←私」という方向性での情報処理(公私混同)は、「私」の定義を拡大していくことです。「家族まで含めて私と考える」→「同じ地域の人まで含めて」→「日本の」→「世界中の」のように「私」の定義が拡大するたびに、ますます大きな「公」になっていきます。それは抽象度を上げることであり、「人間形成」であるといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

 コーチングは「“現状の外”にゴールを設定し、その実現に向けて能力を開放すること」を可能にします。そして、ゴールを更新し続ける過程で自然と抽象度の上限を突き破ることができるようになります。それはイマジネーションの限界を超えることでもあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_369873.html

 

 抽象度を上げる方向性での「公私混同」をどんどん続けていくと、最終的には仏教でいう「無分別」の境地にたどり着くはずです。その時、私たちはきっと“無敵”になっています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5446097.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5448151.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615695.html

 

 そもそも、「公」と「私」を分けること自体が「存在が関係を生む」という西洋哲学的な考え方です。かつて構造主義と呼ばれていた時代には「部分が全体をつくる」「部分を順に見ていけば全体が分かる」「部分を順に追っていけば答えが分かる」というように考えられていました。

しかし、実際には「全体が部分から成り立っている」だけでなく、「全体と部分が双方向的に関係しており、全体が分かることで部分が分かる」のです。この全体と部分との双方向の関係を「ゲシュタルト」と呼びます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

ゲシュタルトは「関係が存在を生む」という縁起の思想に通じます。その東洋哲学的観点で考察すると、「そもそも『公』と『私』は一体」です。よって、「公←私」という意味での「公私混同」こそが、私たちが目指すべき生き方であるといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 「桜を見る会」問題では、当初は否定していましたが、安倍総理(&夫人)の友人や後援会関係者が多数招かれていたことが明らかになりました。冒頭で触れたとおり、傍から見るとその行為は「公→私」です。しかしながら、家族や友人、支持者をまるで自分のように大切に考えている安倍総理の心の中では「公←私」だったはずです。そうであれば、その方向性(「公←私」)は間違っていません。問題は「公」の上限にあります。

 

 それでは、ワークを行いましょう。「私」を思いっきり広げていくワークです。

 

 

 <ワーク:「私」を思いっきり広げていく>

1.    逆腹式呼吸を繰り返し、リラックスを深めていく

2.    リラックスが深まったら、「私」とつながる人をイメージし、その人たちとの関係そのものが「私」であることを体感する

Ex.パートナー、家族、友人、仕事仲間、クライアント(お客)

3.    さらにリラックスを深めながら、「私」のイメージを人以外にも拡大し体感する

Ex.趣味、仕事、(仕事の)業界、社会、未来

 

 

 抽象度を上げて「私」をより大きなものの一部と考えることができれば、自身はもちろんのこと、身近な人や社会にとっても、よりよい未来をみつけることができます。真のwin-winの実現です。

 その抽象度を上げた「私」、すなわち「公」の視点でゴールを設定することは、「情報を操作する(される)ことで世界を書き換える(書き換えられる)」ことを悪用しない(させない)ためにもとても重要です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20577177.html

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 「桜を見る会」ですが、海外でも大々的に報道されたようです(英訳は「cherry blossom party」)。

その影響なのでしょうか、昨年(2019年)11月に来日されたフランシスコ・ローマ教皇は、安倍総理との会談後の講話で「日本を訪れる人は誰しも、この国の自然の美しさに感嘆します。自然の美しさは、特に桜の花の姿に象徴されてきました。しかし、桜の花のはかなさに、私たちの共通の家である地球の脆弱さをも思い出すのです」と発言されました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

 ローマ教皇の季節外れの「桜」発言に対して、安倍総理は「思わず舌打ちしていた」そうです(週刊現代、201912714日号)。「舌打ち」は「マインド(脳と心)での情報処理の物理空間への表出」と考えることができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14106619.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14248940.html

 

 シンプルに表現すると、「『桜』をトリガーに『疑惑』がアンカーとして引きだされ、支持率がさらに低下していくことを恐れた」と読み取ることができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477749.html

 

 

Q-121:過去にこだわる人に対してどのように対応すればよいでしょうか?

 

 御質問をいただきました。ありがとうございます。

抜粋した下記部分について、回答させていただきます。

(プライバシー保護の観点で、今回に限らず、変更を加えてあります)

 

Q過去の出来事に対して不満があるからなのか、会社の方針や決定に対して抵抗し続けるスタッフがいます。今までのやり方に固執し、新しいことに取り組みません。管理職として、友人として、私はどのように対応すればよいでしょうか?

 

A:セルフイメージによって決められる、その人にとって心地がよい空間のことをコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)といいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 そのコンフォートゾーンの中では、IQを高め能力を発揮することができる一方で、「さらにIQを高め、もっと能力を発揮する」ことが制限されます。私たちの無意識は常に現状というコンフォートゾーンを維持しようとしているからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628746.html

 

コンフォートゾーンはセルフイメージによって決まります。セルフイメージはブリーフシステムと言い換えることができます。「強い情動を伴った体験の記憶」や「抽象化された情報の記憶」によりブリーフシステムが構築されますので、一般的には「『過去の出来事』が大きな影響を与える」といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

 御相談のスタッフのように「過去の出来事に対して不満がある」場合は、「不満がある状態」がコンフォートゾーンです。そして、自身の無意識がその状況(不満)を強力に維持しています。「なんとか解決(解消)したい」という意識とは裏腹に。

つまり、意識上は認知的不協和の状態ですが、無意識下ではその不協和(このケースでは不満)自体がコンフォートゾーンなのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

コンフォートゾーンを維持する力の源はホメオスタシス(恒常性維持機能)です。血圧や脈拍が簡単には変えられないのと同じように、「不満がある状態」を簡単に変えることはできません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 よって、管理職(上司)がリーダーシップを発揮するほど、そして(管理職の)意見が“正しい”ほど、ますますスタッフは苦しむことになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

では、どうすればよいのでしょうか?

 

私の場合、まず「時間の流れ」をしっかり理解してもらうように心がけています。「時間は未来から現在、そして過去へと流れている」ということを体感してもらうのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 その上で、「未来に背を向けたまま、ますます遠くなる過去を恨み続けるのか」、それとも「過去は省みず、完全に前を向くか(未来志向)」 そのどちらかを選択していただきます。本人の自由と責任において。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 

 「完全に前を向く(未来志向)」を選択したのなら、次に行うのはゴール設定。未来とはゴールを決めることで自ら生みだすものです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 そのゴールがより抽象度の高いものになるほど、対立や矛盾、いざこざが解決していきます。アルベルト・アインシュタイン博士(18791955年)の言葉に「我々の直面する重要な問題は、その問題が生じたのと同じ考え方では解決することができない」というものがありますが、それは「抽象度を上げることで解決できる」というメッセージでもあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8749123.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8900535.html

 

まずは御自身がゴールを設定し、ゴール達成後の未来をしっかりイメージしてください。例えば「スコトーマを外しあうことで、お互いに気づきを得て、課題を解決している」など。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

新たな気づきを積み重ねる中でひらめきが生まれます。「点がつながる」からです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628437.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

意見の相違や対立があることは、じつは、とてもラッキーなことです。

 繰り返しますが、まずは自分自身が相手のwant toをも包摂するゴールを設定してください。そのゴールを相手と共有し、相違や対立のたびにますますゴールに近づいていると確信するとき、かつての頭の痛い問題は素晴らしい未来へ到るための縁起へと変わります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 現状に対する不満があると、ポジティブなものが隠れ(スコトーマ)、ますますネガティブなもののみを認識するようになります(RAS)。多くの場合、その根底にはエフィカシーの低さがあります。その場合、相手のエフィカシーを高めるような働きかけを常に意識することも重要なポイントです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17858263.html

 

 

ブログ・シリーズ編

S-03:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~

S-03-11A)「概念の階層にエネルギーが生じる」レベルでのコントロール -前編-

 

シリーズ編第3弾(S-03)は、「心のエネルギーとは何か?」をテーマに、怒りに代表される情動の正体やその向き合い方について考察したいと思います。ぜひ皆さん自身の経験を振り返りながら読み進めてください(Don’t think. Feel!)。

 告知(I-035):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19792909.html

 S-03-00(目次):

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

 

前回(S-03-10)までの分析をシンプルにまとめると、A)概念の階層にエネルギーが生じる→B)無意識レベルでエネルギーを知覚→C)意識化(エネルギーの情動への転換)→D)物理次元で発散 といえます。

S-03-063)エネルギー」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477304.html

 S-03-074)どのように」:

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20575883.html

 S-03-085)発散された」:

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20682042.html

 S-03-092)怒り」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20779253.html

S-03-101)すさまじい」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20873954.html

 

では、「怒り」に支配されないためにはどうすればよかったのでしょうか?

それでは「『心のエネルギー』のコントロールの方法」について考えていきましょう。

 

 

A)「概念の階層にエネルギーが生じる」レベルでのコントロール

 

概念の階層に生じるエネルギーは、その階層が高ければ高い程大きくなります。この場合の「高い」とは「抽象度が高い」=「情報量が少ない」ということです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

“概念の階層性”については、いただいた御質問に回答したQ-061&062(:犬好きではいけないのですか)にまとめています↓

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_284899.html

 

階層が上がると、エネルギーが大きくなる一方、 “対立”自体はなくなっていきます。「カトリック」対「プロテスタント」の対立は、1つ上の「キリスト教」という階層(次元)ではなくなります。「キリスト教」対「イスラム教」の争いは、1つ上の「宗教」、またはもう一つ上の「幸せになるための方法論」という階層(次元)ではなくなります。

階層を上がっていくたびに“無敵”に近づいていくといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5446097.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5448151.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615695.html

 

ということは、「怒り」等に支配されないためには、「思いっきり概念の階層を上げてしまえばいい」ということになります。そのことを一般的には「俯瞰」と表現します。

禅や瞑想中に行者が頭の中で行っていることは、この概念の階層を上がることです。逆に表現すると、概念の階層を上がっていくための方法論として禅や瞑想、気功が体系づけられてきたといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11594310.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

高い階層に上がれれば、より大きな「心のエネルギー」を潜在的に得られるだけでなく、それを自在にコントロールする力も手に入れることができます。そのプロセスは「人間形成」と一致しますが、もっと大きな視点で考えれば「人類の進化」とみることもできます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

 (S-03-12につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

高い階層に上がれれば、より大きな「心のエネルギー」を潜在的に得られるだけでなく、それを自在にコントロールする力も手に入れることができます。そのプロセスは「人間形成」と一致しますが、もっと大きな視点で考えれば「人類の進化」とみることもできます

 

「人間形成」や「人類の進化」に導くことは、教育の最も大切な役割です。

 PM-00-05:第五章(苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ)目次

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13077001.html

 

 

F-118:Field of Dreams <後編>

 

 ある日聞こえてきた“声”にしたがいトウモロコシ畑に野球場をつくった人の話を御存知でしょうか?

…それは映画「Field of Dreams」で描かれたストーリー。

 

 先日、久しぶりに「Field of Dreams」を観直してみました。認知科学者 苫米地英人博士に学んでいるからでしょうか、スコトーマが外れ、クリアなイメージがどんどん湧き上がってくるような感じがしました。そのイメージを前・後編の2回に分けてまとめます。

 前編(F-117):

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20779662.html

 

 

 …今思えば、“変えられない”過去の記憶でつくられた“自分”を肯定したかったのだと思います。それは現状のコンフォートゾーンの肯定。その肯定が壁を生みだし、思考停止につながっていました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628746.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

 「Field of Dreams」を思う時、私の意識は「Dreams」の方にありました。「叶うはずはないけれど、そうなったら最高なイメージ」という意味での「Dreams」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

 認知科学者 苫米地英人博士に学ぶ現在の私の意識は「Field」の方にあります。博士の提唱する「超情報場仮説(理論)」における情報場としての「Field」です。その「Field」へのアクセスが“声”を生みだすと確信しているからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165789.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165823.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165888.html

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 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5306445.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5445932.html

 

 ところで、皆さんは“声”を聞いたことがありますか? “声”に導かれるような体験をしたことがありますか?

 

 …苫米地博士の著書「人を動かす『超』話し方トレーニング」(開拓社、復刊版)の中に「calling」という言葉が登場します。以下、同書より引用します。

 

 あなたの話に「calling」はあるか?

 この「世界観」、日本人にはイメージが湧きにくいのかもしれませんが、キリスト教圏の人にとってはとてもわかりやすい概念です。

 「calling(コーリング)」という言葉があります。

 英和辞典を引いてみますと、「1.呼ぶこと」「2.召集」「3.訪問」のあとに、「4.天職、(……したいという)強い衝動〔欲求〕」「5.神のお召し、召命」とあります。

 「召命」というのは、「神に呼び出されて新しい使命を与えられること」を言います。その人が神様に期待されていること、それが「calling」というわけです。

 この自分なりの「calling」を一言で言い表したものが「世界観」になります。西洋的に言えば、あなたにとって、神に与えられた使命とは何かを考えることが、世界観を見つける手掛かりになるというわけです。現在の日本でなら、「自分の生きる目的」ぐらいに解釈したらいいでしょう。

 引用終わり

 

 “声”とは「神に与えられた使命」であり「世界観」

“声”とは「自分の生きる目的」

 

 …つまりそれは、コーチングにおける「ゴール」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

映画「Field of Dreams」の主人公レイが聞いた“声”とは、ゴールを示す“I(Image、Imagination)”だったといえます。その突飛な“I”は、当初は完全に“現状の外”にありましたが、家族のサポートや新たな出会いという縁によってvivid(“V”)になり、ついに現実化しました(“R”)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

「現実化だって?! それはあくまで映画の中の出来事(フィクション)であって、実際には人生をやり直せることも、死者が現れることもないはずだ」と疑念を感じる方もいることでしょう。

そのとおりです。

 

 情報空間の底面である物理空間には、物理法則という強力な秩序が働いています。よって、すべてのイメージをリアルにすること(物理空間へ実装すること)はできません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html

 

もし秩序を超えてリアルだと感じ、かつその自覚がないのなら、残念ながらそれは病気であり、精神医療の対象といえます。

 しかし、その一方で、この世のすべては情報であり幻想です。その幻想をそのまま現実化(物理空間への実装)することはできなくても、そこからエネルギーやひらめきを得て、新しい何か(ゲシュタルト)を生みだすことはできます。物理法則に適う形で。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

 「Field of Dreams」でいえば、舞台となったトウモロコシ畑の中の球場に、映画本編と同じように往年の名選手やかつての野球ファンを復活させることはできないとしても、代わりの“新しい何か”を創造することはできます。“声”に導かれるままに。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8583393.html

 

 

 …実際の話として、映画公開から32年が経過した今年(2020年)の8月13日(米国時間)、“新しい何か”が現実化します。メジャーリーグ(MLB)の公式戦が、映画のロケ地であるアイオワ州ダイアーズビルで開催されるのです。その試合のために、なんと、8000人を収容できる球場が建設されているそうです。映画で使用された野球場の隣に。

球場外に広がるトウモロコシ畑と撮影で使用された野球場が見えるように、右翼席の壁には窓が設けられるということです。きっと映画の世界に浸りながらMLBの試合を観戦することができるのでしょう。

 まさにField of Dreams!

 

 情報空間には様々な情報場が存在しています。「Field of Hopes」「Field of Peace」「Field of fairness」、そして「Field of Liberties/Freedoms」等々

 …そんな情報場にアクセスしている時に聞こえてくる“声”の主とは、未来の自分に違いありません。ゴールを達成した自分自身です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 よって、「コーチングは(情報場にアクセスすることで)時空を超越して本当の自分に出会うためにある」ともいえるかもしれません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20576958.html

 

 本当の自分に出会う

 

 …いよいよ2020年が幕を開けました。

 今年を「本当の自分に出会う」すばらしい一年にしてみませんか?

 

 夢や希望があるかぎり、そしてコーチングの知識とスキルを磨きあげるたびに、それらはきっと現実化していきます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15395021.html

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 「Field of Dreams」の球場で開催されるMLBの試合は、シカゴ・ホワイトソックス対ニューヨーク・ヤンキースです。映画に登場する“シューレス”ジョー・ジャクソンが八百長事件に関与したとしてMLBを永久追放された時に在籍していたのがホワイトソックス(ブラックソックス事件)。そのホワイトソックスが、“シューレス”ジョー復活の地で試合をします。

きっと、いろいろな人たちが、様々な思いとともに、その試合を見守るはず。かつての「Dreams」とともに。

8か月後、情報空間の「Field of Dreams」は、物理空間の「Field of Dreams」として、本当に現実化します。

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19678041.html

 

 

MLB at FIELD of DREAMS(Bloomberg)

MLB at FIELD of DREAMS

Chicago White Soxのtwitterから引用

 

 

Q-120:情報空間の移動と身体の軸について

 

 御質問をいただきました。ありがとうございます。

抜粋した下記部分について、回答させていただきます。

(プライバシー保護の観点で、今回に限らず、変更を加えてあります)

 

Q整体について調べてみました。そこで緩めることと身体の軸(背骨、重心の位置)が大切だと教わったのですが、私の感覚では身体の軸が固まってしまうと情報空間の移動が困難になる感覚があります。軸を意識にあげさせて洗脳されてしまうのではと感じました。

先生は情報空間の移動と身体の軸についてどうお考えになりますでしょうか?

 

A:身体から心に、すなわち物理空間(次元)から情報空間(次元)に、アプローチできるのは事実です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html

 

物理的身体は生命(現象)という情報的存在の物理空間への写像であり、そもそも「体と心」「脳と心」「脳と体」は同じものだからです。表記する抽象度の違いにすぎません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14106619.html

 

 古武術では物理空間でのコンタクトによって、一瞬で情報を書き換えます。気功では物理に近い情報空間での操作によって、物理とより高次の情報を同時に書き換えます。よって、「軸を意識にあげさせて洗脳されてしまう」ことは起こりえると思います。ただし、それは苫米地理論と縁がない人の話です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 まずは逆腹式呼吸を行いながらリラックスを維持しましょう。その上で、「絶対はなく(不完全性・不確定性)、すべてはマインドがつくりだしている」という事実(縁起)を理解していれば大丈夫です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

なぜなら「身体の軸」も空(くう)であり、自分次第だからです。私はそのように考えています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

ブログ・シリーズ編

S-03:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~

S-03-10:「すさまじい“怒り”のエネルギーはどのように発散されたのか?」の「すさまじい」について

 

シリーズ編第3弾(S-03)は、「心のエネルギーとは何か?」をテーマに、怒りに代表される情動の正体やその向き合い方について考察したいと思います。ぜひ皆さん自身の経験を振り返りながら読み進めてください(Don’t think. Feel!)。

 告知(I-035):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19792909.html

 S-03-00(目次):

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

 

 

うつは「心のエネルギー不足」といわれています。その“エネルギー”とは一体どんなものなのでしょうか?

私は「『心のエネルギー』は概念(情報空間)の階層の高低差から生まれる」と考えています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20276623.html

 

2011615日、カナダのバンクーバーで、100人以上が逮捕され、130人以上の市民と9人の警官が負傷(うち12人は刃物での刺傷)するという事件(暴動)が起こりました。そのきっかけは“アイスホッケーの試合”でした。

では、すさまじい“怒り”のエネルギーはどのように発散されたのでしょうか?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20377205.html

 

「すさまじい“怒り”のエネルギーはどのように発散されたのか?」を、1)すさまじい、2)“怒り”、3)エネルギー、4)どのように、5)発散された、の5つに分けて考えたいと思います。

S-03-063)エネルギー」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477304.html

 S-03-074)どのように」:

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20575883.html

 S-03-085)発散された」:

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20682042.html

 S-03-092)怒り」:

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20779253.html

 

 

最後は「1)すさまじい」について。

エネルギーそのものは、「概念(情報空間)の階層の高低差」から生じています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20276623.html

 

しかしながら、このケースでは、そのエネルギーが“すさまじい”ほどに燃え広がりました。その理由として、私は3つの要因があると考えています。1つ目は「重要性」、2つ目は「希少性」、そして3つ目は「ホメオスタシス同調」です。以下、簡潔にまとめます。

 

カナダ人にとって、アイスホッケーは特別かつ重要なものです。なぜなら、カナダの国技だから。国技とは「国家が特別の地位・待遇を与えるもの」(Wikipediaより)であり、法令で定められています。

対するアメリカ合衆国には法令で定められた“国技”はありません。Wiki.には「国民に親しまれて国の文化に重要とされるもの」として、ベースボール、アメリカンフットボール、バスケットボール、そしてアイスホッケーがあげられていますが、厳密にいうとそれらは国技ではありません。

カナダ人にとってのアイスホッケーの重要性が、エネルギーを発火しやすくしたといえます。少し大げさに言えば、それはカナダ人の(評価関数としての)“自我”です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

2つ目の「希少性」は「タイムラグ×優勝」だと考えてください。カナックスは1982年と1994年の2回、スタンレーカップの決勝に進出しています。1982年は完全に敗北。それから12年後の1994年は33敗で迎えた最終戦で惜しくも敗れました。つまり、2011年は18年ぶりにようやくつかみ取った初優勝のチャンスだったのです。

3-3での最終戦を地元で迎えたファンの期待が、その希少性によって、エネルギーをさらに燃えやすいものへと変えました。

 

ホメオスタシス(Homeostasis)とは、「恒常性維持機能」と訳される生体の働きのことです。外部環境の変化にかかわらず、体温や血圧、心拍数などをある一定の幅に保つことができるのは、この機能によります。

人間の場合は、進化の結果として、ホメオスタシスの能力が物理空間から情報空間にまで拡張しました。その事実を世界に先駆けて提唱したのは認知科学者 苫米地英人博士です(「サイバーホメオスタシス仮説」)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 そのホメオスタシスは、なんと、同調します。それは人間の特性であり、「心理的感染効果」や「ラポール(rapport)」として知られているものです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20377591.html

 

「カナックス」より一段上の「カナダのチーム」というフレームで通常より大きなエネルギーとして蓄えられたとはいえ、そしてそれが重要かつ希少だったといえ、たった1人の話であれば町中が炎上するような事件にはならなかったはずです。商店のガラスを割った時点で「ハッと我にかえり(あるいは叱られて)おしまい」です。

 

事件当日の写真を確認すると、多くの若者がともに行動しているように見えました。10数人が協力して車をひっくり返している写真がありましたが、その時若者たちは「怒り」を共有していたと考えられます。それぞれの「怒り」がシンクロし「すさまじい怒り」に燃え広がりながら、そして抽象度を下げながら、さらに拡大していったのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

「朱に交われば赤くなる」という言葉のとおり、怒りが感染・拡大し、バンクーバーの町が赤く炎上してしまいました。もちろん、その「怒り」とは、「動物的怒り」であり「私憤」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

 

 

ここまでの分析をシンプルにまとめると、A)概念の階層にエネルギーが生じる→B)無意識レベルでエネルギーを知覚→C)意識化(エネルギーの情動への転換)→D)物理次元で発散、といえます。

 

では、「怒り」に支配されないためにはどうすればよかったのでしょうか?

 

次回から、「『心のエネルギー』のコントロールの方法」について考えていきましょう。

 

 (S-03-11につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 「日本の国技は?」と聞かれたら「相撲」と答える方が多いと思いますが、じつは、日本には“国技”は存在しません。法令で定められていないからです。

 そもそも国技を法で定めることは妥当なのでしょうか?

 

 マナー、ルール、モラルについては下記ブログ記事で↓

 S-02:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_368012.html

 

 

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