苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

2019/04

F-078:ヘンリー・フォードの教え -前編-

 

 

あなたができると思おうが思うまいが、どちらにしてもあなたは正しい

Whether you believe you can do a thing or not, you are right.

 

 

 これは米フォード・モーターの創設者 ヘンリー・フォード(18631947年)の言葉です。

 フォードは自動車自体を発明したわけではありませんが、ライン生産方式による大量生産技術を導入したことで、自動車を国民にとって身近な存在に変えました。

 1908年に発売されたT型フォードの売値は825ドル。手作り自動車の相場が30004000ドルだった時代にT型は爆発的に売れ、わずか6年で販売台数が25万台に到達しました。1916年には360ドルという安価モデルが発売され、たった10年の間にアメリカで保有される自動車の半分がT型フォードになったといわれています。

 

 そんな業界の革命者 ヘンリー・フォードの先の言葉は、フォードの時代には経験則に過ぎなかったのかもしれませんが、認知科学の研究により紛れもない事実であることが明らかになりました。

 

 

あなたができると思おうが思うまいが、どちらにしてもあなたは正しい

 

 

この言葉は「思いが現実をつくる」ということを言い表しています。コーチングの元祖ルー・タイス氏のプリンシプルでいうと「I×V=R」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 そして、それは「この世は心(マインド)がつくっている」という釈迦の縁起の思想と同じともいえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 目の前の世界はすべて心(マインド)が生みだしています。

 それは記憶でつくられ、ホメオスタシスで維持される、重要な情報の集まりであり、幻想です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11823351.html

 

 一つの情報空間(情報場)にホメオスタシスがフィードバック関係を持つようになると、当然その臨場感は高くなっており、その空間(場)がリアルになります。その人にとって。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

この認知科学的事実を方程式にしたものが「I×V=R」。そして、この「I×V=R」が人々の間で約束事をうみ、幻想を共有させます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11823843.html

 

 

あなたができると思おうが思うまいが、どちらにしてもあなたは正しい

 

 

しかしながら、この言葉は成功の永続を保証するものではありません。

 

I:イメージ」を更新しなければ、さらなる進化・向上は望めないからです。時代の変化に合わせて「I」を変えることができなければ、やがては必ず衰退していきます。

(その時代の変化さえ「I」として生みだすものであるということについては後編で)

 

事実、一時代を築いたフォード・モーターは衰退しました。

そのことについて経営学者 ピーター・F・ドラッカー(19092005年)がするどい指摘を行っています。代表的著作「マネジメント-課題・責任・実践」(ダイアモンド社)より引用します。

 

 

 ヘンリー・フォードの成功と失敗、そしてその孫ヘンリー・フォード二世によるフォード社の再生については多くがいわれている。しかしそれが、二人の人間の成功と失敗の物語をはるかに超える意味を持つものであったことは認識されていない。それは、まさにマネジメント無視の実験だった。

 ヘンリー・フォードは、事業にマネジメントは必要ないとの信念ゆえに失敗した。事業に必要なものは、オーナー起業家とその助手だけであるとした。他の起業家との違いは、彼が自らの信念に固執した点だけだった。いかに有能な部下であっても、マネジメントとして行動し、意思決定を行い、命令なしに行動した者を馘(くび)にするか左遷するという彼の行動は、自らの信念の間違いを証明する実験となった。

 フォードの物語が重要な意味をもつのは、寿命と資金に恵まれたために、そのような実験を実際に行うことができたところにあった。失敗したのは、性格や気質のためではなかった。マネジメントを機能と責任に根ざすものとして受け入れることを拒否したためだった。

 

 

 マネジメントの由来は「手」を意味するラテン語「manus」で、「モノを扱う」という意味がはじまりだそうです。それが「行き届いた管理」を意味するようになり、「すべての資源(とくに資金)を効率的かつ効果的に使う」というように拡大しました。

 

ドラッカーは、マネジメントを「組織に成果をあげさせるための道具・機能・機関」と定義しましたが、「経営管理」という意味で使われる現代のマネジメントは「組織の目標を設定し、その達成に向け経営資源を効率的に活用し、同時にリスク管理を行うこと」を意味します。

 

 では、ドラッカーの分析を踏まえたうえで冒頭のヘンリー・フォードの言葉を考察するとどのようなことがわかるでしょうか?

 

F-079に続く)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

ヘンリー・フォード

ヘンリー・フォード(1919年の肖像画)
Wikipediaより引用

 

 


Q-080181122福祉講演会(鹿児島県)- 02

 

 20181122日に、鹿児島県の福祉施設にて、コーチングをテーマとした講演を行いました。講演後にいただいたコメントに回答いたします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15981131.html

 

 

「何が印象に残りましたか?」というアンケートに対する皆さまの御意見です。

 

・スコトーマについて

・スコトーマを知ることによって自分が変われる

など  

 

A:スコトーマについての感想をたくさんいただきました。スコトーマとは「心理的盲点」のことですが、文字どおり今まで盲点の中に存在していたスコトーマという概念を理解することで、これからの人生が豊かになるに違いありません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 誤解されている方がいますが、「スコトーマに隠れる(隠す)」ことは決して悪いことではありません。例えば、コーチングを実践すると、いわれのない不安・恐怖やドリームキラーの言葉、過去のしがらみや社会の価値観といったものをスコトーマに隠すことができるようになります。そうやって認識できなくすると、まったく気にならなくなります(認識できないのですから気にしようがありません)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

 本当にそんなこと(スコトーマのコントロール)ができるのか?

  答えはもちろんYesです。

 

 スコトーマを生みだすものは「知識」「重要性」「役割」の3つ。日々学習しつつ、自分の重要性や役割を意識的にコントロールしていけば、RASが変わり、認識する世界自体が変わっていきます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

 重要性や役割は過去の延長上ではなく、まったく新しい世界(次元)に自ら設定するものです。その操作をコーチングではゴール設定と呼びます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 つまり、ゴールがスコトーマを決め、目の前の世界(宇宙)を決めるということ。それは“わたし”という定義を決めることでもあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

 

・最後に○○が見えました。驚きの瞬間でした

・スコトーマという言葉を初めて知り、最後に見えた瞬間がとてもうれしかったです

 

A:スコトーマがはずれた瞬間には、驚きとともに喜びを感じます。「あっ、わかった~!」というようなスッキリ感を味わったときには、より大きなゲシュタルトが構築されています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

 より大きなゲシュタルトができたときのことを、アップル社の共同創設者 スティーブ・ジョブス(19552011年)は「connect the dots」と表現しました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

 ジョブスがその重要性を訴えたのは、ゲシュタルトができあがると理解が深まるからです。より大きなゲシュタルトをつくることはひらめきの源泉になります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628437.html

 

 さらに、より大きなゲシュタルトをつくることとは、抽象度を上げることでもあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 

・スコトーマがとかされた?ときはなされた時の瞬間は気持ちがよかったし、自分の思い込みで見てしまっていることに気づかされました

 

A:「より大きなゲシュタルトをつくること」「抽象度を上げること」は、私たちに一人ひとりにとってとても重要な意味を持ちます。「自分」という思考のプログラムを再構築し、「自分」を形作る関係のネットワークを再構成することになるからです。それは「(かつての)ゴールが決めた“わたし”という定義をアップデートすること」といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 

・見方ひとつで見えるものが違うこと

・見えているはずのことはほんの一部で、全体を見たり、一部を見たり、意識の持ちようで変わることが楽しく学べました

・自分の見えない世界があることが体験してわかりました

 

A:「自分にはスコトーマに隠れ気がついていないことがたくさんある」といつも自覚していることはとても重要なことです。

もし今はうまくいっていないとしても、それは「うまくやる方法がスコトーマに隠れているだけ」と考えてください。もし何が問題なのかさえわからないとしても、それは「問題(課題)自体がスコトーマに隠れているだけ」です。

 

 答えは必ずあります(さらなる課題も)。焦らず、慌てず、まずはしっかりリラックスして、ゴールに向かいながらスコトーマをはずしていきましょう。

 

 そうやって進み続けるうちに、より大きなゲシュタルトをつくり、抽象度を上げて、さらなる成長・進化を実現することができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

 

・仕事っていろんな目で(視界)力を合わせて皆で協力して目標(利用者さんの在宅復帰など)に向かってやっていかないといけないな~と思いました

 

A:スコトーマは人間のマインド(脳と心)での情報処理の結果生まれます。

 

 それは人間という存在の不完全性の表れといえますが、現代科学はこの宇宙そのものが不完全であることを証明しました。情報空間では不完全性定理、物理空間(という情報空間の底面)では不確定性原理といいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

 では、そもそも不完全な宇宙に生きている、必ずスコトーマを持った私たちが、「よりよく生きるために心がけるべきこと」とはなんでしょうか?

 (私の答えはこのシリーズの最後で)

 

Q-081につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

181122福祉講演会-02



PMⅠ:The Power of Mind

PM-07:一人ひとりの心の平和から世界の平和へ

PM-07-07:新たな挑戦-4 「教育現場に苫米地理論(式)を 届ける」

 

この章(第七章)は未来についてまとめます。新たな希望であり、新たなゴールです。

“現状の外”へのゴール設定が、強力なコンフォートゾーンを抜けだすエネルギーと創造性を生みだします。ぜひ私の“気”を感じてください。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 

未来に向けたダイナミックな変化の中、私はコーチとして次の“現状の外”を思い描きました。「医師であり、病院長経験者であり、苫米地式認定コーチであり、苫米地式認定マスターヒーラーである私が社会に果たすべき機能・役割とはなんだろうか?」と自問しながら。

リラックスしながら未来を思い描いていると、いろいろなイメージが湧きあがりました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15548808.html

 

 

    新たな挑戦-4:教育現場に苫米地理論(式)を 届ける

 

スピリチュアルペインの本当の定義は、「自己の存在と意味がわからないことから生じる苦痛」であるはずです。本当はみんなが潜在的にこの痛みを抱えています。気がついていないだけです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11386276.html

 

スピリチュアルペインは自我の目覚めである思春期からすでに始まっています。2018年の自殺白書で報告されている死因順位において、1539歳の年齢層の最多の死因が自殺であることは決して偶然ではありません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11298916.html

 

 さらに先日、衝撃的な事実が報道されました。厚生労働省がまとめた2017年の人口動態統計から、戦後初めて日本人の1014歳の死因として自殺が1位になっていたことがわかったのです。

2017年に自殺した1014歳の子どもは100人で、この年代の死因の22.9%2位はがんで99人(22.7%)、3位は不慮の事故で51人(11.7%)でした。

 

教育現場での自殺対策はもう待ったなしの状況です。ところが教育の現場は、医療・介護の現場と同じように、すでに疲弊しています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142435.html

 

すでに疲弊している教育関係者に、さらに自殺予防が重くのしかかっていく...

20154月に施行された「改正自殺対策基本法」により、学校は保護者や地域と連携し、児童・生徒の心の健康を保つ教育(自殺予防教育)や啓発活動を行うことになりました。しかしながら、自殺予防教育の具体的な内容については各学校まかせであり、明確に示されてはいません。これからまともな教育者ほどさらに悩み、苦しむことになるはずです(もちろん親も)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045200.html

 

私は、苫米地理論を届け、コーチングの実践を指導することが有効な自殺予防になると確信しています。そして、それは医療・福祉と同様に、すでに疲弊しきっている教育関係者自身にとっても希望となるはずです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166400.html

 

教育現場にコーチングが広がることで、死にたいほどの苦しみを抱えている子どもたちを救うことができたらどんなにすばらしいでしょうか。

コーチングを実践することで、子どもたちと子どもを支える大人全員が未来に希望を持てる社会を実現できたらどんなにうれしいでしょうか。

我が子やその友達たちを見守りながら、いつもそんなことを考えます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11301259.html

 

 

ところで、コーチングの元祖であるルー・タイス氏と認知科学者 苫米地英人博士が開発したセルフコーチングプログラム「PX2」「TPIE」は、21言語に翻訳され、世界の60か国で導入されています。

このうち子供・青年と親および教師を対象としたPX2は、海外では有料のプログラムですが、日本では2011年から教育機関への導入に関しては無償で提供されています。ファシリテーターと呼ばれるコーチ陣がボランティアで出張し、直接導入を指導します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11386276.html

 

 私はまだファシリテーターの資格は持っていませんが、必ずPX2を届ける活動を始めます。もちろん医療・介護現場にもです。そのためにもコーチとしてのスキルを磨き続けます。PX2を通じて教育関係者や親とともに子どもたちに希望を届けているシーンを強くイメージしながら。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

PX2パンフレット(BWF HPより引用)

BWFインターナショナルHPより引用
http://bwf.or.jp/

 


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