苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

2019/02

Q-075180804医療講演会レポート vol.3:「生と死の間にあるもの」を見つけるワーク

 

 

 愛の反対は憎しみではない。無関心だ

 美の反対は醜さではない。無関心だ

 信仰の反対は異端ではない。無関心だ

 生の反対は死ではない。生と死の間にあるものへの無関心だ

 

The opposite of love is not hate, it’s indifference.

The opposite of beauty is not ugliness, it’s indifference.

The opposite of faith is not heresy, it’s indifference.

And the opposite of life is not death, but indifference between life and death.

 

エリ・ヴィーゼル(19282016年) 
1986
年にノーベル平和賞を受賞したハンガリー(当時)出身のユダヤ人作家

 

 

 201884日(土)に、鹿児島県霧島市で開催された「市民健康教育公開講座」にて講演をさせていただきました。

 全体のテーマは「がんの総合ケアと疼痛マネジメント」。私のパートは「がんはもう痛くない!? ~全人的苦痛に対する認知科学的対処法(ワーク付き)~」というタイトルでした。

 

 その講演について、当日の内容に補足を加えながら御紹介します。最後は講演直後に会場で伺った驚きの情報をもとに、「全人的苦痛に対する認知科学的対処法」について再度考察します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15099158.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15237306.html

 

 

しかしながら、さらに抽象度を上げて考察すると、現在の緩和ケアの概念には次の段階に進むための課題があることに気がつきます。

 

緩和ケアとは、「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に同定し適切に評価し対応することを通して、苦痛(suffering)を予防し緩和することにより、患者と家族のQuality of Lifeを改善する取り組み」のことです(WHO2002年)。

 

その緩和ケアを「『自分らしく』過ごせるように支援する」ものとするためには、絶対に欠かせないものがあります。それは何でしょうか?

 

また、「早期から終末期まで病期を問わず、また心身の問題だけでなく、生活の不安や社会復帰までの道のりなども含め、幅広く支援する」のは、どの医療職の役目なのでしょうか?

 

 

 緩和ケアを「『自分らしく』過ごせるように支援する」ものとするために欠かせないものとは“コーチング”です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15237306.htm

 

 そのコーチングの知識とスキルを用いて「早期から終末期まで病期を問わず、また心身の問題だけでなく、生活の不安や社会復帰までの道のりなども含め、幅広く支援する」のは(理想的には)全医療職といえます。

 

 ただし、四苦(とくに老病死)が身近な病院や福祉機関といった“いのちの現場”にコーチングを浸透させる取り組み自体は、プロのコーチが主導するべきです。

 

 なぜなら、“いのちの現場”は不安や恐怖により大脳辺縁系優位になりやすく(ファイト・オア・フライト)、正しいゴール設定が困難だからです。さらに、四苦に苦しむ患者さんやその家族に(ホメオスタシス同調により)引っ張られ医療・介護従事者自身がファイト・オア・フライトに陥ると、ますます四苦は増幅し拡散されてしまいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 もしもゴール設定を間違えてしまうと、かえって(過去の記憶でできた)現状に縛られてしまいます。そうなるとますます四苦から逃れられなくなります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

まとめると、「早期から終末期まで病期を問わず、また心身の問題だけでなく、生活の不安や社会復帰までの道のりなども含め、幅広く支援する」のは(理想的には)全医療職の役目ですが、そのためのコーチングの導入とフォローはプロコーチがしっかりと行うべきべきです。ファイト・オア・フライトに配慮しながら。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166400.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430972.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8900705.html

 

 

 では、プロコーチがしっかりと介入し、医療・介護従事者がコーチングスキルを活かせるようになると、どんなことがおこるのでしょうか?

 

 答えはハッピーになり、結果として健康が実現します。患者さんやその家族はもちろん、医療・介護従事者自身も。

 

 

 講演では、健康とゴールとの関係をお話しし、簡単なワークを行いました。「生と死の間にあるものを見つけるためのワーク」です。

 

 WHO(世界保健機関)の定義では、健康とは「身体的に、精神的に、スピリチュアル的に、そして社会的に、完全に幸福な(満たされた:well-being)ダイナミックな状態であることであり、単に病気がないとか、弱っていないということではない」です(1998年のWHO執行理事会での採択)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859675.html

 

 私はその定義には誤りが複数あると考えています。苫米地理論を学ぶ私の健康の定義は、「そのときの自分の状況にとって正常な状態」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859828.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859896.html

 

 その“状況”を未来側に新たにつくりだすものがゴールです。ゴールを設定することで、未来志向で生きることができるようになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 それではワークを行いましょう。

 

 まず呼吸に意識を向けてください。だんだんゆっくりと息を吐きながら、体を緩めていきます。柔らかいゴムがグニャグニャになるイメージや熱した鉄板上のバターが溶けていくようなイメージで体の力を抜いていきます。

 

 すっかり緩んだら、「元気いっぱいな私」をイメージしましょう。身も心も軽いあなたは爽快な気持ちで毎日をエネルギッシュに生きています。

 

 次に「元気いっぱいな私」「健康な私」がニコニコしながら何かを行っている場面をイメージしてください。趣味、仕事、地域での活動、家族との時間、友人との約束 あなたは自由になんでも取り組むことができます。

 

 何をしているイメージが浮かびますか?

そのイメージを、ゆったりとした気分のまま、存分に味わってください。

 

 

「健康な私は、○○をしていて楽しい」

 

「ますます元気な私は、○○をしていてとてもうれしい」

 

「もっと○○したいから、病気になっている場合じゃない」

 

 

 ○○に当てはまるものがゴールとなり、「生と死の間にあるもの」になります。

 

健康はゴール設定の結果であり、ゴール達成のための手段です。健康自体が人生の目的ではありません。ぜひゴールを、「生と死に間にあるもの」を、しっかりと感じてください。その時の体感は、皆さんにとっての大きな財産になるはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_277070.html

 

 (Q-076につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html

 

The Power of Mind Ⅰ」第四章:苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_124524.html

 

第四章目次

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13076878.html

 

 

180804市民公開講座-3



PMⅠ:The Power of Mind

PM-07:一人ひとりの心の平和から世界の平和へ

PM-07-02:釈迦が教えてくれること ~3Kを新たな3K

 

この章(第七章)は未来についてまとめます。新たな希望であり、新たなゴールです。

“現状の外”へのゴール設定が、強力なコンフォートゾーンを抜けだすエネルギーと創造性を生みだします。ぜひ私の“気”を感じてください。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 

釈迦が教えてくれること ~3Kを新たな3K

 

釈迦が説いた縁起は、「自分を含めてすべては他の何かとの関係性で成り立っている」ということを示し、さらに「関係が存在を生みだす」という見方につながっていきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 PMⅠ第五章でマズローの「欲求階層説」を用いて人間形成を考察しました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

その本質は「抽象度を上げること」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

抽象度が上がっていくと、やがて自と他の区別がなくなります。そのレベルで設定したゴールは必ず「unselfish」なものとなります。私はその「unselfish」な状態こそが“無敵”であると信じています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5446097.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5448151.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615695.html

 

前回(PM-07-01)御紹介した福岡の施設の「夢実現プロジェクト」は、100%利用者のためを思って行われているはずです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15237057.html

 

その高い抽象度にあるポテンシャルエネルギーが、福岡の施設職員の行動のエネルギーとなり、年老いた母娘を幸せにし、鹿児島の私たちに感動を与えました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 医療や介護は「きつい・汚い・危険」の3Kの仕事であるというイメージが広く浸透していますが、苫米地理論を学びコーチングを実践しながら抽象度を上げ、unselfishなゴールを同志と共有することができるようになっていくと、きっとかつての3Kは新たな3Kに変化していきます。

 

新たな3Kとは「感謝・感動・希望」です。医療・介護現場が互いの縁に感謝しあえる場となり、さらなる感動を共有できる場となり、そして、社会に、未来に、希望を広げていく場となるのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11301259.html

 

 

 このエピソードに対して、「病院や福祉施設がそのような取り組みを続けることは理想ではあるけれども、すでに崩壊している現状では実現はとても不可能。“お花畑”のような心で夢想する理想論にすぎない」という厳しい御意見をいただきました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13837953.html

 

 でも、そんなことはありません。第二章の「06)モチベーション」中にも書いたとおり、建設的動機と強制的動機の違いにより生じる生産性の違いは10年間で756倍です。7倍ではなく、70倍でもなく、756倍です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

正しいゴール設定と高いエフィカシーにより、その756倍は実現します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

 私たち一人ひとりが圧倒的な潜在能力を秘めています。ただお互いにドリームキラーとなり、その潜在能力を封印してしまっているだけです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

与えられた人生や夢を真実のものと思い込み無明に陥ってしまっている私たち人類が、その洗脳から解放され、本物の自由意志を獲得し、抽象度を上げる生き方を歩み始めたとき、その封印が解け本当の能力が解放されます。

 

それはマインド(脳と心)について学び、実践することで始まります。

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 


F-072:「糖尿病リスク予測ツール」に思う vol.2;わかっちゃいるけどやめられない♪

 

 「糖尿病リスク予測ツール」をテーマに、4回に分けてお届けします。

 

 前回(F-071)は、医師の視点で、国立国際医療研究センター(NCGMNational Center for Global Health and Medicine)が開発した予測ツールを御紹介しました。未確認の方は(前回記事の)文末のリンクからアクセスし、予測ツールをぜひお試しください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15236875.html

 

 残り3回は、コーチの視点で、「糖尿病リスク予測ツール」について考察します。

 

 

 予測ツールが示すものは「3年後の糖尿病発症リスク」です。「このままの状態(生活習慣や体重など)が続くと、3年後のあなたは○○%の確率で糖尿病になっています」というのは時間軸では確かに未来といえますが、コーチングでは(その未来も含めて)現状と考えます。

 

このまま続く延長上の未来はすべて現状(=ステイタスクオ、SQStatus Quo

 

その現状の外にゴールを設定した時に、はじめて本当の未来があらわれ、時間が流れだします。未来から現在、現在から過去へと向かって。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

「糖尿病リスク予測ツール」を否定しているのではありません。「このまま続く延長上の未来」を臨場感高く体感するきっかけとして、予測ツールは確かに有効です。

 

しかし、例えば「糖尿病の私」という自己イメージが予測ツールによってさらに鮮明になってしまったら、I×V=Rのとおり、その「糖尿病の私」という未来予測がますます現実化しやすくなってしまいます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 イメージというのは諸刃の剣です。

 

実現が信じられないようなことであってもそのイメージの臨場感が高まると本当に現実化してしまう一方で、どんなに「抜けだしたい」「回避したい」と願う状況であっても、その(悪い)イメージの臨場感が高いままであれば、それもやはり現実化してしまいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15096276.html

 

(古い例えですが)その様子を植木等さんは「わかっちゃいるけどやめられない♪」と歌いました。「わかっちゃいるけどやめられない」「それがよくないことだとわかっているのになかなか変えられない」のは、その状態がホメオスタシス(恒常性維持機能)で強力に維持されるコンフォートゾーンとなっているからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

「わかっちゃいるけどやめられない」といったよくないイメージは、恐怖や不安と結びつきファイト・オア・フライトを誘発します。そうなると扁桃体を含む大脳辺縁系の活動が活発になってしまい、ますますイメージの書き換えは難しくなります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

では、「わかっちゃいるけどやめられない」状態から抜けだすためにはどうすればよいのでしょうか?

 

「糖尿病リスク予測ツール」をうまく活用するためには何を心がければいいのでしょうか?

 

F-073へつづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 「わかっちゃいるけどやめられない♪」は、1961年にリリースされた“ハナ肇とクレージキャッツ”の「スーダラ節」中の一節です。この曲によりボーカルの植木等さんは爆発的な人気を得ました。

「スイスイス~ダララッタ スラスラスイスイスイ~」という軽妙なフレーズや「お呼びでない?こりゃまた失礼いたしました!!」などのギャクで想起されるイメージと違って、実際の植木さんはとても真面目な性格だったそうです。初めて「スーダラ節」の歌詞をみた時には、「この曲を歌うと自分の人生が変わってしまう」と真剣に悩んだといいます。ちなみに作詞したのは盟友 青島幸男さん(ドラマ「いじわるばあさん」の主演で有名な第13代東京都知事)です。

 

 そんな植木さんの後押しをしたのが浄土真宗の僧侶でもある実の父親でした。あまりにふざけた歌詞に激怒されると思いきや、父は「すばらしい!」と感動し、息子を励ましたそうです。

親はドリームキラーとなってしまうことが多いのですが、植木さんの父親は見事に息子をサポートしました。その結果、「わかっちゃいるけどやめられない♪」が世にでたのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html

 

-追記2

 その時の父親の励ましをWikipediaから引用します。

 「この歌詞は我が浄土真宗の宗祖、親鸞聖人の教えそのものだ。親鸞さまは90歳まで生きられて、あれをやっちゃいけない、これをやっちゃいけない、そういうことを最後までみんなやっちゃった。人類が生きている限り、このわかっちゃいるけどやめられないという生活はなくならない。これこそ親鸞聖人の教えなのだ。そういうものを人類の真理というんだ。上出来だ。がんばってこい!」

 

 まさにNot Normal

もし親鸞が今の時代に生きていたら、「糖尿病リスク予測ツール」についてどんなコメントをするのでしょうか?

 

 

植木等氏(Wikipediaより引用)

植木等氏(1963年 キングレコードの広告)
Wikipediaより引用


Q-074180804医療講演会レポート vol.2:スピリチュアルペインを克服するために

 

 

 愛の反対は憎しみではない。無関心だ

 美の反対は醜さではない。無関心だ

 信仰の反対は異端ではない。無関心だ

 生の反対は死ではない。生と死の間にあるものへの無関心だ

 

The opposite of love is not hate, it’s indifference.

The opposite of beauty is not ugliness, it’s indifference.

The opposite of faith is not heresy, it’s indifference.

And the opposite of life is not death, but indifference between life and death.

 

エリ・ヴィーゼル(19282016年) 
1986
年にノーベル平和賞を受賞したハンガリー(当時)出身のユダヤ人作家

 

 

 201884日(土)に、鹿児島県霧島市で開催された「市民健康教育公開講座」にて講演をさせていただきました。

 全体のテーマは「がんの総合ケアと疼痛マネジメント」。私のパートは「がんはもう痛くない!? ~全人的苦痛に対する認知科学的対処法(ワーク付き)~」というタイトルでした。

 

 その講演について、当日の内容に補足を加えながら御紹介します。最後は講演直後に会場で伺った驚きの情報をもとに、「全人的苦痛に対する認知科学的対処法」について再度考察します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15099158.html

 

 

しかしながら、さらに抽象度を上げて考察すると、現在の緩和ケアの概念には次の段階に進むための課題(=ケース)があることがわかります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12658417.html

 

緩和ケアとは、「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に同定し適切に評価し対応することを通して、苦痛(suffering)を予防し緩和することにより、患者と家族のQuality of Lifeを改善する取り組み 」のことです(WHO2002年)。

 

その緩和ケアを「『自分らしく』過ごせるように支援する」ものとするためには、絶対に欠かせないものがあります。それは何でしょうか?

 

また、「早期から終末期まで病期を問わず、また心身の問題だけでなく、生活の不安や社会復帰までの道のりなども含め、幅広く支援する」のは、どの医療職の役目なのでしょうか?

 

 

 今回(Q-074)は、最初の疑問について考察いたします。

 

 ところで皆さんは、「スピリチュアルペイン」について、しっかりとイメージできますか?

 

 PM-04-12(:次世代型緩和ケアの鍵となるもの)で御紹介したとおり、私は2011年に「症状の評価とマネジメントを中心とした緩和ケアのための医師の継続教育プログラム」を受講しました。「PEACEPalliative care Emphasis program on symptom management and Assessment for Continuous medical Education)」と呼ばれる緩和ケア教育プログラムです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 

 2006年に成立した「がん対策基本法」に基づいて、2007年にがん対策基本計画がたてられました。その計画中に「すべてのがん診療に携わる医師が研修等により、緩和ケアについての基本的な知識を習得する」ことが目標として掲げられました。

 その流れの中で、それまで米国で開発された研修プログラムを用いていた日本緩和医療学会が、日本独自のプログラムとして新たに開発したものが「PEACE」です。

 

 その「PEACE」では、スピリチュアルペインは「自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛(無意味、無価値、虚無、孤独など)」と定義されていました(2011年当時)。最新版では「自分の存在や意味を問うことに伴う苦痛」です。

 

「自分の存在や意味」を決めることができるのは、もちろん、本人のみです。医療・介護の現場でいえば患者さん本人です。

しかし、患者さん自身が「自分の存在や意味」を見いだすことは、じつは、とても難しいことといえます。

 

なぜなら、人の認識には必ずスコトーマ(心理的盲点)が生じるから。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 スコトーマ(Scotoma)はギリシア語由来の言葉で「盲点」を意味します。

もともとは眼科で用いられる医学用語でしたが、コーチングの元祖であるルー・タイス氏により「心理的盲点」として拡張されました。

 

 目の前のモノはすべて見えていると思いがちですが、実際は物理空間すらしっかりとは見えておらず、情報はザルで水をすくうように抜け落ちています。

 

スコトーマを生みだすポイントは二つ(より詳細には三つ)。

一つ目は「知識」です。私たちは、そもそも知らないものは認識することができません。

二つ目は「重要性」です。私たちは自身にとって重要な情報しか認識していません。

三つ目のポイントとして、私は「役割」を強く意識しています。

 

通常、「知識」「重要性」「役割」といったものは過去の記憶でつくられています。よって、「人は過去に縛られている」といえます。(繰り返しますが)私たちが認識している目の前の世界は「すべて過去」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

さらに、「重要性」や「役割」は、親や教師といった他人の価値観や常識と呼ばれるような社会の価値観でつくられていきます。それらの積み重ねにより認識する世界が決まり、無意識下も含むすべての行動が決まるのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

本当の「自分の存在や意味」は、過去の呪縛を断ち切り、他人や社会の価値観を克服することで、はじめて見いだすことができます。

 

では、そのためにはどうすればいいのでしょうか?

 

 

答えは「ゴール設定」です。“現状の外”にゴールを設定することではじめて、スコトーマを外すことができます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

よって、「緩和ケアを『自分らしく』過ごせるように支援するために絶対に欠かせないもの」とはゴール設定であり、そのためのコーチングに関する知識とスキルであるといえます。

 

ゴールがない人は、ヴィーゼルのいう「生と死の間にあるもの」がスコトーマに隠れたままです。それがスピリチュアルペインを生みだします。

 

 より正確に述べると、自我の問いが生まれる思春期にすでに生じており、その後も潜在的に抱え続けているスピリチュアルペインの原因はゴールがないことであり、「生と死の間にあるもの」への無関心がそのスピリチュアルペインをスコトーマに隠し続けるのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11386276.html

 

 第二次世界大戦中にナチスにより強制収容所に送られた体験を「夜と霧」に記した精神科医 ヴィクトール・E・フランクル(19051997年)は、「あらかじめ精神的に、また人間的に脆弱な者が、その性格を展開していくなかで収容所世界の影響に染まっていく」という事実を発見しました。脆弱な人間とは、「内的なよりどころをもたない人」「目的がない人」「希望がない人」「志がない人」「夢がない人」のこと。

それはコーチングでいうと「ゴールがない人」「潜在的にスピリチュアルペインを抱えた人」のことであり、今回のテーマでは「生と死の間にあるものに無関心な人」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

 教育の現場も、医療・介護の現場も、本当はコーチングを切実に必要としています。

 

 

次回(Q-075)は、2番目の疑問について考察します。

「早期から終末期まで病期を問わず、また心身の問題だけでなく、生活の不安や社会復帰までの道のりなども含め、幅広く支援する」のは、どの医療職の役目でしょうか?

 

 (Q-075につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html

 

The Power of Mind Ⅰ」第四章:苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_124524.html

 

第四章目次

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13076878.html

 

 

180804市民公開講座-2




PMⅠ:The Power of Mind

PM-07:一人ひとりの心の平和から世界の平和へ

PM-07-01:ある特別養護老人ホームでの出来事

 

この章(第七章)は未来についてまとめます。新たな希望であり、新たなゴールです。

“現状の外”へのゴール設定が、強力なコンフォートゾーンを抜けだすエネルギーと創造性を生みだします。ぜひ私の“気”を感じてください。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 

ある特別養護老人ホームでの出来事

 

 厚生労働省の雇用動向調査によると、医療・福祉関連の離職率は14.7%H27年)。全産業の平均離職率が15%H29年分では14.9%)ですので、世間で言われているほどは高くないようです。

 

介護事業所に対して毎年行われる公益財団法人 介護労働安定センターの介護労働実態調査(H29年度)においても、離職率は16.2%で全産業比率と比較してめだつものではなく、平成20年以降は連続して20%を下回っています。

平成29年度「介護労働実態調査」の結果:

http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf

 

 一方で、介護事業所への調査では全体の六割が「介護士不足」と回答しており、介護従事者に対しての意識調査でも半数以上が「人手が足りない」と回答しています。

 

 これらの調査より、そもそも介護の職に就きたいと考える人が少ないという事実が浮かびあがります。これは業界にとっても、社会にとっても、とても大きな問題です。

なぜなら、今後ますます高齢者の数は増えていくのだから。

 

 2025年には団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となります。それに備える地域医療構想についてコーチの視点で考察しましたが(PMⅠ第四章)、この人口構造の変化は医療・介護現場を直撃します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8584052.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8584289.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8584437.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8748808.html

 

 厚生労働省の委託でみずほ情報総研が行った調査(20161112月)により、全国の特別養護老人ホームの1/4で空床が生じていることが判明しました。その主たる理由は「職員採用が困難」「離職が多い」でした。職員不足から高齢者を受け入れられないという現状が浮かびあがったといえます。

 

 全国的に報道されたのでご記憶の方も多いと思いますが、鹿児島県鹿屋(かのや)市のある有料老人ホームでは、全介護職員(8名)が退職した後の201810月からの1カ月間に入居者7人が相次いで死亡しました。同11月に問題が発覚した後退去者が相次ぎ事実上の閉鎖状態となった老人ホームは、ついに事業を廃止する届けを県に提出しました。

 

 一施設の介護職員不足が、地域の安心・安全にまで影を落としたといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

社会のニーズにより、今後は職員不足の状況でも満床となるまで受け入れを行うことが求められると予想されます。人手が足りない状況が改善しないままであれば、利用者に対して丁寧なサービスをしてあげたいと思えば思うほど、さらに時間に追われ、ますます身体的に追い込まれることになります。

負担に耐えかねた職員が離職すればさらに人手不足となり、残されたスタッフの負担増大がさらなる離職を加速させるという悪循環に陥るでしょう。鹿屋の施設のように。

 

 そんな業界全体を覆う閉塞感を、かつて関わっていた法人の福祉施設でも感じていました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14249741.html

 

 ところが、そんな重たい雰囲気を吹き飛ばす“ある事例”を経験しました。

 

ある日、施設に入所している母親に会うために、その入所者の娘さんが来訪されました。おそらく80才前後であろうその娘さんは、自身が要介護者で福岡のある施設に入所中だということでした。

 

「鹿児島にいる105才の母に一目会いたい」

 

そんな願いを知った施設職員数名が、自分たちの休みを使ってボランティアで福岡から鹿児島まで連れてきたのです。

 

 なんとその施設では「夢実現プロジェクト」というものがあって、施設入所者の夢をかなえるために職員全員で取り組んでいるということでした。「入所者のゴールをかなえる」というのが、施設職員で共有するゴールとなっていたのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 娘さんと母親の感動的な再会場面やそれを見守る福岡の施設職員の様子を教えてくれた時のスタッフの目は輝いていました。さらにうれしいことに、「私たちにも何かできることがあるのではないか?」と新たな取り組みを模索しはじめました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

福岡の施設職員との縁起でスコトーマが外れ、感じたものを物理空間に結実しようと思ったのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 


F-071:「糖尿病リスク予測ツール」に思う vol.13年後のリスクを予測する

 

 「糖尿病リスク予測ツール」をテーマに、4回に分けてお届けします。

 

 今回(F-071)は、国立国際医療研究センター(NCGMNational Center for Global Health and Medicine)が開発したリスク予測ツールの紹介です。文末にリンクをはっていますので、ぜひ御自身の糖尿病リスクをチェックされてください。

 

 

 世界で最初に日本が経験することになる少子・高齢化社会に備えて、平成19年に改正医療法が施行されました。医療計画制度のもと、いわゆる4疾病5事業ごとに医療連携体制を構築することが決まりました。平成25年度からは「5疾病5事業および在宅医療」とされています。

 

 5疾病とは「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」「精神疾患」で、5事業とは「救急医療」「災害時における医療」「へき地の医療」「周産期医療」「小児救急医療を含む小児医療」です。

 

 5疾病の中でも糖尿病は、強く疑われる人が約1000万人、可能性を否定できない人が約1000万人と推計されており、その対策は国民的な課題となっています。

 

 糖尿病の多くを占める2型糖尿病(糖尿病全体の約95%)は、遺伝的素因を背景に生活習慣などの環境要因や加齢の影響が加わることで発症します。初期段階では自覚症状が乏しく早期発見が難しいのが特徴です。

 

 その一方で、いったん糖尿病が発症してしまうと、3大合併症と呼ばれる網膜症、腎症、神経障害という重大な合併症も加わり、日常生活に大きな支障が生じてしまいます。最近の研究では、同じく5疾病である脳卒中や急性心筋梗塞、さらにはがんや認知症のリスクまでも(糖尿病があると)高くなることが明らかになってきました。

 糖尿病情報センター・ホームページ>一般の方へ>合併症:

 http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/060/index.html

 

 そんな状況の中、国立国際医療研究センター(NCGM)は、主に働く世代における糖尿病の予防対策を支援するために、「糖尿病リスク予測ツール」を開発しました。健康診断等で得た自分のデータを入力することで、3年後の糖尿病発症リスクを予測することができます。対象は「糖尿病と診断されたことのない3059歳の人」です。

 

 職域多施設研究「J-ECOHスタディ」で収集した約3万人の健康診断データをもとに人工知能(AIArtificial Intelligence)の機械学習の技術により開発されたこのツールによって、自身の糖尿病発症リスクを把握し、食事や運動といった生活習慣改善のきっかけにすることが期待されています。

 

 糖尿病リスクの予測は、「糖尿病の既往」「性別」「年齢」「身長」「体重」「腹囲」「タバコを吸っている(いいえ/はい)」「最高(収縮期)血圧」「最低(拡張期)血圧」「高血圧の薬(なし/あり)」「脂質異常症の薬(なし/あり)」の入力だけでできます(1.基本項目)。

 

 さらに「空腹時血糖」「ヘモグロビンA1c」「LDLコレステロール」といった血液データを入力すると、より正確なリスク予測を知ることができます(2.追加項目)。

 

 健診結果等を使って簡単に3年後の糖尿病発症リスクを知ることができますので、ぜひ御確認ください。

 国立国際医療研究センター 糖尿病リスク予測ツール:

 https://www.ncgm.go.jp/riskscore/

 

F-072へつづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 もちろん私も、医師として、誰もが健康に暮らしてほしいと願っています。

しかし、「健康でいるべき」「肥満はだめ」「糖尿病はいけない」といった風潮は、とても危険だと思っています。バイオパワーだからです。詳細は下記ブログ記事にまとめています。

 

F-056~「不摂生が理由で病気になった人の医療費を健康のために努力している人が負担するのは『あほらしい』ことなのだろうか?」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_277070.html


F-061~
「バイオパワー(生権力)」:

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292569.html

 

 

糖尿病リスク予測ツール

国立国際医療研究センター HPより引用




I-027:ブログ更新予定変更のお知らせ

 

 「一人ひとりの心の平和」がひろがることでWorldPeaceは実現します。

 

 その福音となるコーチングを、そしてその理論的根拠である苫米地理論を、皆さんと皆さんの大切な人たちに届けるために、このブログは存在しています。

   …
次回より更新スケジュールを変更いたします。

  月曜日:「The Power of Mind Ⅰ(全九章)」より第七章~ を投稿

  金曜日:フリーテーマとして、その時々の話題に関連した文章を投稿

  その他の曜日に、御質問への回答やセミナー開催の告知などを行います(不定期)

  御質問や研修・講演の御依頼等については、コメント欄またはメールで御連絡ください(
coachfor.m2@gmail.com)。

  パーソナルコーチングや医療・福祉機関向けコーチングの受付も随時行っております。詳細についてはメールで御相談ください(
coachfor.m2@gmail.com)。

  御連絡をお待ちしております。

 

 

苫米地式認定コーチ                        

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PMⅠ:The Power of Mind

PM-00:序章

PM-00-06:第六章(職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題)目次

 

 

PM-06:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_124527.html

 

 

PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html

 

PM-06-02:禅道場をもつ病院

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13398543.html

 

PM-06-03:抗不安薬を常用する医師の叫びで気づいた「FOG

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523715.html

 

PM-06-04:訴え続けたことは「抽象度を上げること」

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523887.html

 

PM-06-05:なぜ取り組みはうまくいかなかったのか?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628531.html

 

PM-06-06:仮説01)変わらないコンフォートゾーン(CZ)が生みだす「現状維持の壁」

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628746.html

 

PM-06-07仮説02)「want to」「have to」とコンフォートゾーン(CZ)の関係

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13837769.html

 

PM-06-08:仮説03)シュッド・アーギュメント(Should argument)とウッド・アーギュメント(Would argument) の違い

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13837953.html

 

PM-06-09:仮説04)自由と責任の関係の理解不足

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13958864.html

 

PM-06-10:仮説05)権利と義務の関係の理解不足

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13959033.html

 

PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

 

PM-06-12:仮説07)思考停止

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14249741.html

 

PM-06-14:仮説09)個人攻撃が生みだすスコトーマ

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14249780.html

 

PM-06-15:仮説10)コーポレートイメージ&コーポレートトーク

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14401202.html

 

PM-06-16:仮説11)縁起とは真逆のゲーム理論

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14401412.html

 

PM-06-17:仮説12)リーダー、マネジメント、コーチの役割と抽象度の関係

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14526054.html

 

PM-06-18:仮説13-1)宗教の限界 -前編-

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14526199.html

 

PM-06-19:仮説13-2)宗教の限界 -中編-

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14687391.html

 

PM-06-20:仮説13-3)宗教の限界 -後編-

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14687476.html

 

PM-06-21:仮説14)空(くう)なき実観の行き着く先にあるもの

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14833876.html

 

PM-06-22:進化・向上し続ける組織をつくるためのチェックポイント

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14834138.html

 

PM-06-23:コーポレート・スピリチュアルペイン、インダストリアル・スピリチュアルペイン、ソーシャル・スピリチュアルペイン

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14973580.html

 

PM-06-24:ドラッカーの忠告に対して ~苫米地式コーポレートコーチング~

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14973661.html

 

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

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Q-073180804医療講演会レポート vol.1:「がんはもう痛くない」とは

 

 

 愛の反対は憎しみではない。無関心だ

 美の反対は醜さではない。無関心だ

 信仰の反対は異端ではない。無関心だ

 生の反対は死ではない。生と死の間にあるものへの無関心だ

 

         The opposite of love is not hate, it’s indifference.

         The opposite of beauty is not ugliness, it’s indifference.

         The opposite of faith is not heresy, it’s indifference.

         And the opposite of life is not death, but indifference between life and death.

 

エリ・ヴィーゼル(19282016年) 
1986
年にノーベル平和賞を受賞したハンガリー(当時)出身のユダヤ人作家

 

 

 201884日(土)に、鹿児島県霧島市で開催された「市民健康教育公開講座」にて講演をさせていただきました。

 全体のテーマは「がんの総合ケアと疼痛マネジメント」。私のパートは「がんはもう痛くない!? ~全人的苦痛に対する認知科学的対処法(ワーク付き)~」というタイトルでした。

 

 その講演について、当日の内容に補足を加えながら御紹介します。最後は講演直後に会場で伺った驚きの情報をもとに、「全人的苦痛に対する認知科学的対処法」について再度考察します。

 

 

 「がんはもう痛くない」というタイトルには強烈なインパクトがあったようで、「そんな大胆なタイトルをつけて大丈夫か?」という御意見をいただきました。

 

 でも、大丈夫なんです。

 

なぜなら、「がんはもう痛くない」は、国立がん研究センターの先生方による本のタイトルだから(笑)。20184月に文春新書から出版されています。

 

その本には「心や身体の痛みやつらさを訴える患者や家族を、人として、全体としてサポートするのが、今、注目されている緩和ケア」とあり、「『自分らしく』過ごせるように支援する緩和ケアは、早期から終末期まで病期を問わず、また心身の問題だけでなく、生活の不安や社会復帰までの道のりなども含め、幅広く支援する役割を担っている」とあります。

 

鍵は「全体として」という言葉。

 

その「全体」には、「病期を問わず」という言葉からわかるように、「時間的なひろがり」が含まれています。そして、「心身の問題だけでなく幅広く支援する」という言葉からわかるように、「次元的なひろがり」も包摂されています。

 

時間とは「未来から過去に向かって流れる」ものです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

「次元的なひろがり」の「次元」とは抽象度のことであり、その「ひろがり」とは縁起として考えることができます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 

かつての医療は「まずがんなどの病気の治療を最優先に行い、やりつくしたら緩和ケアを開始する」という考えでした。それが現在は「がん等の診断と同時に緩和ケアも開始し、徐々にその比重を大きくする(大きくなる)」という考え方に変わりました。

 

 

緩和ケアの考え方(MaindsガイドラインセンターHPより引用)   
MaindsガイドラインセンターHPより引用   


さらに、その緩和する対象となる問題を「身体的」「心理的(精神的)」「社会的」「スピリチュアル的」と四つに分類し、それぞれ個別に捉えるのではなく全体として捉えるために「トータルペイン(Total Pain)」という概念が生まれました。

 

PM-04-10(:すでに始まっている医療に抽象度を取り入れる試み -前編-)では、それが「抽象度が上がった視点である」と書きました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8292888.html

 


 

 

トータルペイン(MindsガイドラインセンターHPより淫羊)

MaindsガイドラインセンターHPより引用             



 

しかしながら、さらに抽象度を上げて考察すると、現在の緩和ケアの概念には次の段階に進むための課題(=ケース)があることがわかります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12658417.html

 

緩和ケアとは、「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に同定し適切に評価し対応することを通して、苦痛(suffering)を予防し緩和することにより、患者と家族のQuality of Lifeを改善する取り組み 」のことです(WHO2002年)。

 

その緩和ケアを「『自分らしく』過ごせるように支援する」ものとするためには、絶対に欠かせないものがあります。それは何でしょうか?

 

また、「早期から終末期まで病期を問わず、また心身の問題だけでなく、生活の不安や社会復帰までの道のりなども含め、幅広く支援する」のは、どの医療職の役目なのでしょうか?

 

 (Q-074につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

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-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html

 

The Power of Mind Ⅰ」第四章:苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_124524.html

 

第四章目次

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13076878.html

 

 

190804市民公開講座-1



F-070:「夢をかなえる方程式 I×V=R」のとおり、本当に夢が現実化した一例 ~映画「メジャーリーグ」~

 

 今回は、「夢をかなえる方程式 I×V=R」のとおりにファンの夢が現実化した一例を御紹介します。ある映画に関するストーリーです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 その映画とは、1989年公開のアメリカ映画「メジャーリーグ(Major League)」です。

 

34年も優勝から遠ざかっている弱小球団 クリーブランド・インディアンスを亡き夫から相続した新オーナーは、1年の観客動員数が80万人を下回れば本拠地の移転が認められる制度を利用してマイアミに移転することを目論みます。

 ファンから見放されるために負け続けることを目的に集められたユニークな選手たちによる新生インディアンスは、シーズン当初から順調に負け続けます。しかし、ノーコン剛腕投手 リッキー・ボーンの突然の覚醒などにより次第に勝ちはじめます(覚醒のきっかけは監督によるシンプルなスコトーマ外しでした。笑えます)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 そんなシーズンの中盤、未亡人オーナーの企みを知り心に火がついた選手たちは怒涛の快進撃をみせ 続きはどうぞ映画でお楽しみください。

 

 あまりにもおもしろくて(&感動して)、映画を見終わった後、続けてもう1回観てしまったことを思いだします(当時の鹿児島の映画館はそんなことが可能でした)。

 

 あの頃は知りませんでしたが、この映画には「ゴール」「エフィカシー」「コンフォートゾーン」「モチベーション」「認知的不協和」といったコーチングの重要な概念がちりばめられています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 もちろん、ドリームキラーも。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html

 

しかし、なんといっても、この映画が教えてくれる最大のコーチング・プリンシプルは「夢をかなえる方程式 I×V=R」です。なんと、映画公開後、ファンのIImageImagination)は本当にRReality)に変わりました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 映画に描かれていたとおり実際に34年間も優勝から遠ざかっており「お荷物」と揶揄されていたクリーブランド・インディアンスは、映画公開後強豪に生まれ変わり、ついに1995年(映画公開の6年後)にアメリカンリーグ優勝を果たします。そして、その後1999年まで5年連続地区優勝という黄金期を築いたのです。

 

 よく「映画のような出来事」といった表現をしますが、本当に「映画で描かれた出来事」が現実化してしまいました。

 

 この奇跡は「イメージと思考と行動の関係性」について教えてくれます。

 

 人はイメージ(映像)で思考しています。

そして、その思考に基づいて、つまりそのイメージ(映像)が実現するように行動します。

 

 それをコーチングの元祖 ルー・タイス氏は「すべてのことはまず心の中のイメージとして始まって、それが現実世界に広がる」と表現しました。

 

さらに、それは「心が現実をつくる」ということであり、釈迦が縁起として見いだしたことと同じです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 

 …34年間も優勝から遠ざかっていたインディアンスの選手やファンは、映画の前は「優勝」というイメージを感じることができなかったはず。「お荷物」と呼ばれることがコンフォートゾーンとなっており、優勝へ向かう道程などまったく認識できなかったはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 ところが映画「メジャーリーグ」により鮮明な「優勝」のイメージができあがったことで、「優勝」側に新たなコンフォートゾーンが生まれ、無意識下の行動が変化していきました。

 

 「優勝」という鮮明なイメージのさらに先にあるものがオーナーや選手、ファンたちの共通のゴールとなったとき、そして「私たちはやれる」とみんなが確信を持ったとき(コレクティブエフィカシー)、スコトーマが一気に外れ、RASを働かせて優勝に必要な情報が流れ込むようになっていったのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

優勝に向けたベストな判断や行動が(頑張らなくても)自然にできるようになった選手たちは、リラックスした雰囲気の中でエネルギーと創造性をますます発揮していったはず。確認はしていませんが、多くの選手たちがその「黄金期」と呼ばれた間にMLB選手としての最高の成績を残しているはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 

 ゴールは、“現状の外”であるがゆえに、最初はなかなか見つけることができません。

 

 しかし、そのゴールを達成したときに自分が見ている景色、聞いている音、感じている体感などはしっかりとイメージすることができます。それをビジョンと呼びます。

 そのビジョンを映像や音、体感で再現することがビジュアライゼーションであり、言語化することがアファメーションです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12645685.html

 

 未来志向でゴールを設定し、アファメーションを書き、ビジュアライゼーションを行うことは、マインド(脳と心)の内側に有意義で継続的な変化を生みだします。

 それが「夢をかなえる方程式 I×V=R」の実践であり、イメージどおりの未来に自分を導く秘訣です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14675567.html

 

 人のマインド(脳と心)には想像する力があります。

 そして、その想像力によって、人は自らの未来を新たに創造することができます。

 

 映画「メジャーリーグ」公開後に起こったことは、その事実をしっかりと示しています。

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 反対にいうと、映像を含む情報をコントロールされてしまうと、RASを変えられ、権力者にとって“不都合な真実”がスコトーマに隠されてしまうといえます。映画(Screen)はスポーツ(Sport)や性産業(Sex)と合わせて、大衆の関心を政治に向けさせないようにする愚民政策として利用されているという主張があります(3S政策)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10691562.html

 

-追記2

 今回のテーマに関連するコーチング・プリンシプルについては、苫米地博士の著書「コンフォートゾーンの作り方」(フォレスト出版)のUnit12「公式 I×V=R イメージの再構築」やUnit13「映像で思考し、思考が実現する」を御参照ください。

 

-関連記事-

Q-042~「『明確にリアルに目標がイメージできた時点でほぼゴールに近づいた』とは具体的にどういうことでしょうか?」:
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_262962.html



コンフォートゾーンの作り方




PMⅠ:The Power of Mind

PM-06:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題

PM-06-24:ドラッカーの忠告に対して ~苫米地式コーポレートコーチング~

 

この章(第六章)では、「院長を務めていた病院へのコーチング導入“失敗”」という事例について、仮説を立て、トゥイーキングを行っていきます。その目的(ゴール)は、「失敗から学び、“いのちの現場”にコーチングをしっかり届けること」です。

告知:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13216030.html

“失敗”を解決する方法:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html

 

 

ドラッカーの忠告に対して ~苫米地式コーポレートコーチング~

 

しかし、仮にすべての人が個人のスピリチュアルペインを克服したとしても、組織(会社)としての、業界としての、そして社会としてのスピリチュアルペインはなくならないかもしれません。

それらを克服するためには、ドラッカーのいう「人間の本質および社会の目的についての新しい理念を基盤として、自由で機能する社会をつくりあげること」が必要なはず。

 

では、そのためにはどうすればよいのでしょうか?

 

 

 201410月に「企業向けコーチング」セミナーに参加したことを前述しましたが、その時の撮影も含め作成された新たなプログラムは「Cognitive Corporate Coaching ProgramCCCP)」として完成し、一般社団法人 コグニティブコーチング協会による提供が始まっています。

普及の中心的な役割を果たすのは久野和禎コーチと、苫米地式のグランドマスターコーチでもある田島大輔コーチです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628531.html

 

 私はまだCCCPは受講していませんが、教材づくりのためのセミナーと苫米地博士の「コーポレートコーチング 上・下巻」(開拓社)を通じて、その大きな可能性を感じています。前回御紹介したドラッカーの「人間の本質および社会の目的についての新しい理念を基盤として、自由で機能する社会をつくりあげること」を実現するための重要な役割を果たすに違いないと感じるのです。

組織(会社)の、業界の、そして社会のスピリチュアルペインを克服するための強力な取り組みとしてCCCPが機能を発揮することを確信しています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

 私自身は院長として11年間関わった組織へのコーチング導入に“失敗”しました。

コーチとして独立したため、もう管理者として病院経営に関わることはないと思いますが、この苦い経験を活かしコーチとして医療・福祉業界に貢献し続けるために、「コーポレートコーチング」を一から学びなおしたいと思っています。

そして、その成果を一刻も早く“いのちの現場”に届けたいと願っています。

 

コーチングやその理論的根拠となる苫米地理論がひろがっていけば、いつかきっと“無敵”が実現します。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5446097.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5448151.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615695.html

 

その時こそ、すべての人が個人のスピリチュアルペインを克服しているだけではなく、組織(会社)としての、業界としての、そして社会としてのスピリチュアルペインをも克服しているはずです。

 

社会を構成する一人ひとりの人間形成の結果として、「人間の本質および社会の目的についての新しい理念を基盤として、自由で機能する社会」が実現するのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

そのとき、「世界から戦争と差別がなくなっている」というゴールは“現実”となっているはずです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 

「第六章:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題」完

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 


-追記-

 失敗と挑戦に関する“Air Jordan”の言葉を御紹介します。

 

失敗をすることは耐えられるが、

挑戦しないでいることには耐えられない

 

マイケル・ジョーダン(1963年~)  

アメリカの伝説的バスケットボール選手   

 



PMⅠ:The Power of Mind

PM-06:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題

PM-06-23:コーポレート・スピリチュアルペイン、インダストリアル・スピリチュアルペイン、ソーシャル・スピリチュアルペイン

 

この章(第六章)では、「院長を務めていた病院へのコーチング導入“失敗”」という事例について、仮説を立て、トゥイーキングを行っていきます。その目的(ゴール)は、「失敗から学び、“いのちの現場”にコーチングをしっかり届けること」です。

告知:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13216030.html

“失敗”を解決する方法:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html

 

 

コーポレート・スピリチュアルペイン、インダストリアル・スピリチュアルペイン、ソーシャル・スピリチュアルペイン

 
 
ピーター・F・ドラッカーの「産業人の未来」(ダイアモンド社)から引用します。 

 

 

 引用開始

 われわれはすでに、経済発展が最高の目的であるとする信条を捨てた。経済的な成果を最高の価値にすることをやめ、数多くの価値の一つに過ぎないとすることは、つまるところ、経済活動をあらゆる社会活動の基盤として扱うことをやめるということである。経済的な領域を社会の中心的な領域とすることをやめるということは、さらに大きな意味をもつ。それは、人はみな経済人(エコノミック・マン)であり、行動の動機は経済的であり、自己実現は経済的な成功と報奨によってはかられるという信条を捨てることを意味する。

 われわれは、人間の本質および社会の目的についての新しい理念を基盤として、自由で機能する社会をつくりあげなければならない。したがってわれわれは、社会についての理念を見つけなければならない。それは、哲学あるいは形而上学の領域で見つけなければならない。

 引用終わり

 

 

ピーター・F・ドラッカー(19092005年)は、ユダヤ系オーストリア人の経営学者で、「現代経営学」あるいは「マネジメント」の発明者として知られています。「未来学者(フューチャリスト)」と呼ばれたこともあったそうですが、自分では「社会生態学者」と名乗ったようです。

そのドラッカーが1942年に書いた著作が「産業人の未来」です。この著作をきっかけにゼネラルモーターズから会社組織の変革と再建を依頼され、大成功をおさめました。

 

ドラッカーはあるべき“未来”から変革を実行しました。それは「経済的な成果を最高の価値にすることをやめ、数多くの価値の一つに過ぎないとする未来」でした。
 つまり、「お金」を絶対的価値観とみなさない世界です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

そして、さらに「人間の本質および社会の目的についての新しい理念を基盤として、自由で機能する社会をつくりあげなければならない」とし、その理念を「哲学あるいは形而上学の領域で見つけなければならない」としました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14687476.html

 

もしドラッカーが生きていたら、今のこの世界は、そして未来は、どのように見えるのでしょうか?

 

かつてドラッカーが捨てたと語った「経済発展が最高の目的であるとする信条」や「経済的な成果を最高の価値にすること」「経済的な領域を社会の中心的な領域とすること」はいつのまにか復活しています。それは、「人はみな経済人(エコノミック・マン)であり、行動の動機は経済的であり、自己実現は経済的な成功と報奨によってはかられるという信条」が復権したことを意味します。

 

 

ところで、私の考えるスピリチュアルペインの定義は、「自己の存在と意味がわからないことから生じる苦痛」です。「自分の存在と意味」を確信していない人や「生きる意味(=死ぬ意味)」がわからないまま今を過ごしている人は、すでに潜在的にスピリチュアペインを抱えています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 

 先のドラッカーの言葉を考慮すると、時代の変化により、人はスピリチュアルペインをますます抱えやすくなり、かつ克服しづらくなっているといえます。

 

 

 人の集まりにより組織(会社)ができ、組織(会社)の集まりが業界をつくります。いろいろな業界が繋がり社会が構成されています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 その組織→業界→社会を構成する一人ひとりが潜在的にスピリチュアルペインを抱えているのです。よって、社会のために、業界のために、そして組織のために、まずは個人レベルでこのスピリチュアルペインを解決していかなければなりません。

 そのためにコーチングがとても役立つはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430972.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8431066.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8431170.html

 

 

しかしながら、仮にすべての人が個人のスピリチュアルペインを克服したとしても、組織(会社)としての、業界としての、そして社会としてのスピリチュアルペインはなくならないかもしれません。

 

それらを克服するためには、ドラッカーのいう「人間の本質および社会の目的についての新しい理念を基盤として、自由で機能する社会をつくりあげること」が必要なはず。

 

では、そのためにはどうすればよいのでしょうか?

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

ピーター・F・ドラッカー(Wiki.)

ピーター・F・ドラッカー
Wikipediaより引用


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