苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

2018/08

F-047ACT-FAST

 

 猛暑となった2018年の夏も終わろうとしています。

 

 今年はとくに「熱中症」「脱水症」の患者さんが多かったようです。2018731日に総務省消防庁が発表したデータによると、熱中症の症状で2018430日~同729日に救急搬送された人は全国で57534人になり、201751日~同930日の52984人をすでに上回りました。

 総務省消防庁HP>救急救助>熱中症情報

 http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html

 

 ところで、脳梗塞は夏に多いことを御存知ですか?

 

 年間を通じては夏と冬に多く、夏は脱水、冬は体を動かさなくなることが発症に関わっているとされています。ちなみに、発症時間で最も多いのが夜間から早朝にかけてで、就寝中に水分をとらないために脱水傾向になるからとされています。

 厚生労働省HP>「健康のために水を飲もう」推進運動

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html

 

 まだまだ残暑が続きますので、ぜひ水分補給をこまめに行ってください。

 

 残念ながら脳梗塞を発症してしまったら、治療は「時間との戦い」になります。

 

 脳梗塞とは、脳の血管が血栓等で詰まることにより、下流の脳細胞が酸素不足と栄養不足のために傷んでいき(虚血)、やがて壊死してしまう(梗塞)病気です。

 よって、治療は詰まり(血栓)を解消することを目的に行われます。200510月より血栓を溶かす薬(rt-PA:遺伝子組み換え組織プラスミノゲン・アクティベータ)の静脈注射治療ができるようになりました。しかし、この治療を受けるにはいくつか条件があり、発症から4.5時間以内に限られています。

 日本脳卒中学会HP>脳卒中治療ガイドライン

 http://www.jsts.gr.jp/jss08.html

 

 前述のとおり、多くの脳梗塞は夜間から早朝にかけて発症します。その時間帯はほとんどの医療機関が対応できないため、また医療崩壊を食い止めるためにコンビニ受診の抑制が広く謳われているため、どうしても「しばらくしたら改善するに違いない」「夜が明けるまで様子を見よう」と考えてしまいがちです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040752.html

 

 そんなときに参考になるのが「ACT-FAST」です。米国脳卒中協会では、脳卒中(血管が詰まる脳梗塞と血管が破ける脳出血などを包摂する、一つ上の抽象度の疾患概念)を疑う人を見たら、3つのテストを行うように勧めています。その頭文字をとってFASTです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html

 

 

Face(顔の麻痺):顔の片側が下がる、ゆがみがある

Arm(腕の麻痺):片腕に力が入らない

Speech(ことばの障害):ことばが出てこない、ろれつが回らない

Time(発症時刻)

 

 

 「これらの症状(FaceArmSpeech)のいずれかに気づいたら、発症時刻を確認して(Time)、すぐに119番に連絡する(ACT)」というのが、ACT-FASTです。

 国立循環器病研究センターHP>循環器病情報サービス>脳卒中

 http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/disease/stroke.html

 

 繰り返しになりますが、脳梗塞の治療は「時間との戦い」です。

 「Face(顔の麻痺)、Arm(腕の麻痺)、Speech(ことばの障害)のいずれかに気づいたら、すぐに救急車!」という大切な知識を、ぜひ身近な方々にも教えてあげてください。

 

 

 以上、医師としてACT-FASTを御紹介しました。

 

次回は苫米地式認定コーチとして、ACT-FASTの前に取り組むべきことについて考察します。それは「○○○○対策」です。

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 時間に関連して。

 

最近、あるスペイン人のツイートが話題となりました。

 

「俺スペイン人だから、12分遅れたら『さすがスペイン人』とか『ラテン系は時間守らない』と日本人によく言われますね。日本人は、自分は時間を守る1位国だと思ってるけど、日本人は○○○○時間しか守らない。」

 

 「○○○○時間」とはなんでしょうか?

 

 本質を鋭くついています。答えは次回(F-048)に。

(本編の「○○○○対策」、追記の「○○○○時間」とも、それぞれカタカナ4文字です)

 

 

-追記2

 夏の健康に関連して。

 

 2018727日、東京五輪組織委員会の森喜朗会長が首相官邸を訪れ、安倍晋三首相にサマータイムの導入を要請しました。これを受け政府・与党が検討した結果、超党派の議員立法として秋の臨時国会での成立を目指し制度設計に入ったと報道されています。

 

一般社団法人日本睡眠学会が発行している「サマータイム -健康に与える影響-」によると、ロシアは1981年からサマータイムを実施していましたが、2011年に廃止。その理由のひとつが時間を切り替える時に心筋梗塞で救急車が出動する回数が増えたからだとされています。スウェーデンではサマータイムが始まった週の心筋梗塞発症のリスクが5%上がるというデータが出ているそうです。

来年以降の夏は、「熱中症」「脱水症」に加え、「サマータイム」への備えも必要になりそうです。前述の「サマータイム -健康に与える影響-」に詳しくまとめられていますので、ぜひ御確認ください。

日本睡眠学会HP>日本睡眠学会からの声明>サマータイム -健康に与える影響-

 http://jssr.jp/data/pdf/summertime_20120315.pdf

 

 

ACT-FAST

国立循環器病研究センター 循環器情報サービスより引用

 

 


I-017:ブログ更新予定変更のお知らせ ~「恐れはダークサイドに通じる」を克服するために~

 

 次に御紹介する言葉は、ある映画からの引用です。

主人公の心の中に恐怖があることを感じ取ったマスターが、諭すように語ったものです。何の映画の誰の言葉でしょうか?

(ヒント:201912月にシリーズ最新作が公開予定です)

 

 

  Fear is the path to the dark side.

  Fear leads to anger. Anger leads to hate.

  Hate leads to suffering.

 

   恐れはダークサイドに通じる。

   恐れは怒りを招き、怒りは憎しみを、

   そして、憎しみは苦しみを招く。

 

 

正解は、「Star Wars  Episode Ⅰ:The Phantom Menace」の中で、主人公のアナキン・スカイウォーカーに対して、グランドマスターであるヨーダが語った言葉です。

 

ジェダイ最長老のマスター・ヨーダは、9歳のアナキンに恐れの影を見ていました。とてつもない潜在能力を持ったアナキンをジェダイ候補生にするか諮った評議会において、ヨーダはためらいます。多くが1歳までに訓練を開始するジェダイにおいて、9歳のアナキンは「すでに年を取り過ぎている」のです。9年の間に母親からの愛情をたっぷりと受けて育ったアナキンには母を失うことに対する恐怖があります。

そのたった一人の人間の恐怖という情動が、いつか宇宙全体にまでおよぶ災いを招いてしまうことをヨーダは予見したのです。そして、ヨーダの危惧は現実化しました。

 

恐れはダークサイドに通じる

 

 

ちょっと前に国技である相撲界や世界レベルにあるレスリング界でのパワハラが問題となりました。その後も、日本大学アメフト部の監督指示による傷害事件、東京医科大学の裏口入学問題、そして日本ボクシング連盟の不正審判事件と同じようなことが立て続けに報じられています。

 

すべてに共通しているのは、絶対的な権力者の下でよこしまな運営が行われていたこと、そして、長期にわたって誰もその社会的に許されない行為を止められなかったことです。

 

過去には問題に気づき、改革を訴えた人たちもいたはずです。しかし、そういう改革者は既得権益の怒りを買って、社会的に葬られていきます。揚げ足をとられたり、執拗に嫌がらせを受けたりしながら。

そんな醜い現実を見せつけられた者の多くは、おかしいと内心では思いながらも仕方なく権力者に従い続けます(=have to)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

恐れがあるからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9815429.html

 

恐れなどの情動を、仏教では迷いや煩悩、あるいは執着と表現します。

縁起を学び、空観を体得し、仮観を実践しながら、中観で生きることができれば、恐れは消えてなくなります。消えるまでいかないとしても、自由にコントロールすることができるようになります。例えば、怖い映画をわざわざ観て楽しむように。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

仏教での修行のひとつである坐禅(禅定波羅蜜)の目的は、非言語的なアプローチで宇宙の理を体得することです。その結果、恐れや怒りといった情動のコントロールが可能になります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142143.html

 

 

私は禅道場がある病院で11年間院長を務めました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7556145.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702279.html

 

その院長という役割は、今春、病院の顧問弁護士からの一通の手紙をきっかけに、突然終わることになりました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html

 

病院からの唐突かつ一方的な通知に納得のいかなかった私に対して、病院側は調停を申し立てました。詳細は避けますが、調停のための証拠として(病院側が)次々に裁判所に提出した文書には私や苫米地英人博士に対する誹謗中傷が書かれており、その文面からは怒りや憎悪が滲み出ていました。いずれも調停の主旨にはまったく関係ないもので、むしろ自らの主張を否定してしまうものばかりでした。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040752.html

 

調停期間中、私は「弁護士まで使って用意周到に計画したはずの解任劇にもかかわらず、なぜこんなにも杜撰なのだろうか?」と考え続けました。
 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9033937.html

 

たどり着いた結論は「恐れがあるから」。そして、「恐れによりファイト・オア・フライトの状態に陥ったから」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 繰り返しますが私が勤めていたのは禅道場を持ち、スタッフが坐禅に取り組む病院です。坐禅はしっかりと行われていたと仮定すれば、非言語的なアプローチだけでは縁起の理解や中観の実践は難しいといえます(だから波羅蜜が六つあるのだと納得しました)。

 ヨーダの言葉でいえば、禅定だけでは「恐れからはじまり、怒り・憎しみを経由して、苦しみに至るダークサイドへの堕落を防げない」ということです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142143.html

 

 では、恐れからダークサイドに堕ちないために、私たちはどのようにすればよいのでしょうか?

 

 

そのヒントになる言葉を紹介いたします。

放射線の研究で2度ノーベル賞を受賞したポーランド出身の物理学・化学者 マリ・キュリー(18671934年)の言葉です。

 

 

  より多くを理解すれば、恐れはなくなっていくだろう

 

 

より多く学びつつ理解を深め、正しく考察し、そして、しっかりと実践するためには、論理的な思考が欠かせません。その論理的思考を身につけるためにディベートが役立ちます。論題を自らの情動と切り離し、相対化して、物事の裏表両方を見る視点を養えるからです。

現代ディベート論理は、トゥールミンロジックと呼ばれています。トゥールミンロジックは、イギリスの分析哲学者 スティーブ・トゥールミンにより1960年代に提唱された論理構築法で、いわゆる三段論法で代表される形式論理の方法論が実社会における論理構築の手段として適さないと考えて提唱された現代の論理技術です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194585.html

 

今まで更新(月~水)を続けてきた「The Power of Mind Ⅰ」の第六章では、医療・社会福祉法人理事長の同意の下行ったはずの苫米地式コーチング導入が失敗してしまった理由を検証し、明らかになった「進化・向上し続ける組織をつくるための重要なポイント」についてまとめていきます。

 

その目的は、スコトーマを外し、これからベチシキ(苫米地式)を導入しようという方々への有意義な参考(戒め)となることです。そして、よりよい未来を実現することです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

そのために必須の知識であるトゥールミンロジックについて、「ブログ・シリーズ編」の第一弾として、これから週二回ペースで更新していきます(月~水)。タイトルは「よりよい“議論”のために」です。その間、「The Power of Mind Ⅰ」はお休みいたします。

 

「ディベートは初めて」という方にとって最初は難解に感じられるかもしれませんが、一回の投稿文章量を少なめにしていますので、ぜひ繰り返しお読みください。

理解しづらいように思えても、何度も読むうちにゲシュタルトができ、突然クリアになるはずです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

ディベートを理解すると、私たちは、自我から離れ、自分の頭で思考し、一段高い抽象度で物事を捉えることができるようになります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html

 

 それは“無敵”になる、あるいは“無敵”の組織をつくりあげる、大切な一歩となります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5446097.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5448151.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615695.html

 

 苫米地博士の著書「ディベートで超論理思考を手に入れる」(CYZO)を参考にまとめていきますので、ぜひあわせてお読みください。

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615496.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542066.html

 

 

DrT ディベート本



PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-34子どもにも大人にも生きる喜びを伝えるために ~苫米地式教育コーチング~

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察しています。

 

 

子どもにも大人にも生きる喜びを伝えるために ~苫米地式教育コーチング~

 

 第三章で、当時勤めていた医療・社会福祉法人にてPX2が開催されたことを紹介しました。詳細は次章で取り上げますが、予定していた二回目のPX2は中止に追い込まれました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702480.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702640.html

 

 苫米地博士は「PX2は子どもだけに届けてもダメだ」と断言されています。

私自身も身をもって体験したことですが、子どもにとって身近な親や教師などまわりの人たちがドリームキラー化するからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

PX2の受講生は間違いなくエフィカシーが上がっていきます。現状の外にゴールを設定することを学び、過去の記憶でつくられたそれまでのコンフォートゾーンをはるかに超える世界に新たなコンフォートゾーンをつくります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

そのとき「コンフォートゾーンを乱された」と感じたPX2未受講者が敵にまわってしまいます。それを防ぐために、子どもと同時に親や教師も、そして現場と同時に教育の権威と呼ばれるような方々も、PX2を受講していくことが求められます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html

 

 ところが、現状では、その実現は困難です。

医療・福祉の現場と同じように教育現場はあまりの多忙さで疲弊しきっていて、教育の権威と呼ばれる方々は大量の知識と経験で自ら生みだしたスコトーマによりその重要性を認識できないからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142435.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

コーチングが真っ先に役立ちそうなところほど、現状のコンフォートゾーンが強固なゆえに届かない(続かない)というジレンマが生じています。

では、その壁を乗り越えるためにはどうすればよいのでしょうか?

 

 

 2016年に教育界を激変させていく壮大なプロジェクトが始まりました。「苫米地式コーチング認定教育コーチ養成講座」です。

 

 苫米地博士による最新の講座で、誤った教育により洗脳されてしまったマインドを脱洗脳しながら、苫米地理論を徹底的に脳にインストールしていくものです。コーチングの基礎から実践応用、そして日本再生のために必要な知識や技術を徹底的に学ぶプログラムです。

 

世界をよりよくしていくためには、教育の質を高めていく必要があります。教師がコーチになる、親がコーチになる。そして、子どもたちがお互いのコーチとなってコレクティブエフィカシーの社会をつくることができれば、未来に差別はなくなり、世界は確実に平和に近づいているはずです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

そんな未来にふさわしいリーダー達を育成するために、この講座は始まりました。

 私は提案者である青山龍苫米地式マスターコーチの高い志と熱い思いに強く共感しています。まだまだバリアがたくさんありますが、必ず合流すると心に決めています。

 

 皆さんもぜひコレクティブエフィカシーの社会(未来)をつくる取り組みに参加してください。

 自らの自由意志でコーチングについて発信しているこのブログにアクセスしているあなたは、すでにコレクティブエフィカシーを実現するコミュニティの一員です。

 

 

「第五章:苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ」完

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

 



PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-33子どもたちへの最大のプレゼント <後編:スピリチュアルペインはすでに始まっているのだから>

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

子どもたちへの最大のプレゼント <後編:スピリチュアルペインはすでに始まっているのだから>

 

ラニア王妃は、「希望やゴールを持つことによって自尊心(エフィカシー)が高まり、それこそがテロや戦争をなくす平和へとつながる」と話され、「まず知識が必要。そして希望(ゴール)を持つこと。自尊心(エフィカシー)が自分の人生を楽しく生きる鍵だということを強く認識しよう」と説かれています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

気づかれた方も多いと思いますが、これはまさにコーチングの考え方そのものです。

 

コーチングの元祖であるルー・タイス氏と苫米地博士が開発したセルフコーチングプログラムである「PX2」と「TPIE」は、21言語に翻訳されて、世界の60か国で導入されています。

 

このうち子ども・青年と親および教師を対象としたPX2は、海外では有料のプログラムですが、日本では2011年から教育機関への導入に関しては無償で提供されています。ファシリテーターと呼ばれるコーチ陣がボランティアで出張し、直接導入を指導します。

 

これはルー・タイス氏が、日本の若い人たちの学習意欲や向上心を高く評価した証です。さらには、PX2を世界に広げることで「ホープギャップ」を克服し、世界平和を実現してほしいという日本の次世代のリーダー達への願いでもあります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11301259.html

 

残念ながら、ルー・タイス氏は2012年にお亡くなりになってしまいましたが、その願いは「希望」となって受け継がれています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html 

第四章(PM-04-12)で、スピリチュアルペインの正しい定義は「自己の存在と意味がわからないことから生じる苦痛」とするべきであり、がん等の診断と同時に開始される緩和ケアの中だけで行われるものではなく、もっと早い段階から取り組むべきものであると書きました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 

その段階というのは「自分という存在についての内省が始まる中・高校生の頃がふさわしい」と私は考えています。その頃からスピリチュアルペインは始まっているといえるからです。

 

PX2を学ぶことで、自由意志で、未来側から、“自分”を創造していくことができるようになります。それはスピリチュアルペインを克服するための緩和ケアといえます。よって、このPX2プログラムは、子どもたちへの人生最大のプレゼントとなります。

 

 追加しますが、PX2の受講資格は、現在、医療・福祉関連の法人にも拡大されています。ただし、その運営母体であるBWFインターナショナル本部が認定する公益的な活動をしている法人に限られます。詳細はBWF事務局(HPhttp://bwf.or.jp/)に御確認ください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702480.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702640.html

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

 

PX2パンフレット-2(BWF HPより引用)
BWFインターナショナルHPより引用
http://bwf.or.jp/

 



Q-049:霧島市(鹿児島)教育講演会<180628> vol.3

 

 2018628日(木)、霧島市(鹿児島県)で開催された姶良地区学校保健会において、教育に関する講演を行わせていただきました。

 当日の講演内容については、Q-047を御確認ください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142259.html

 

 いただいた御意見・御質問に対して回答いたします。

 

 

・未来に目を向けて(ゴールを決めて)今を決めていく(作っていく)こと(が印象に残った)

・時間は未来から過去に流れるということ(が印象に残った)

・未来に目を向けさせることの大切さ(が印象に残った)

・未来にフォーカスを向けさせること(が印象に残った)

・未来に意識を向けることの重要性がよくわかりました

 

A:時間に関しては前回(Q-048)回答しておりますので、まずはそちらを御確認ください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11297824.html

 

 先日、「『過去に起きたことは未来に起こることに一切関係ない』と言うのなら、『コーチングを受けた』という過去の出来事は未来に影響しないのではないか?」という意見に対して、苫米地英人博士がリツイートされました。

 

 未来に起こる出来事は過去から独立。過去のコーチングも含む。

だからこそ常に未来のゴールを更新する。

自己流やめてコーチング理論を基礎から学んで

 

 この文章を読んだとき、私は、身が引き締まる思いと同時にワクワク感を感じました。

 

 私にとって苫米地博士のコーチングを受けたという事実(過去)は、特別な意味を持つものです。しかし、それすら関係ない。つまり、未来に起こる出来事により過去の解釈は変わるため、「あくまでこれからゴール達成に向けて何を行うか」が重要ということなので身が引き締まる思いがしたのだと思います。

そして、博士にコーチングを受けたという事実(過去)にさえ縛られることなく自由に生きることができると感じたからワクワクしたのだと思います。

 

博士のこのコメントは、釈迦が最後に語った「自帰依自灯明」と同じ意味です。気をつけなければならないのは、「自」とは過去の記憶でできているという事実です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987549.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 教育熱心な親や教師がドリームキラーになってしまう理由のひとつに、「過去を手放せないから」というものがあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

 今まで熱心に取り組んできたという記憶、経験を積み重ねることで得てきた自信、そして経験とともに重くなっていく肩書といったものが、巨大なスコトーマを生み、Push-Push backを生み、子どものモチベーションを「have to」に変え、やがてはドリームキラー化していきます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882703.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html


 過去に対する思いの強さが、“現状”という強力なコンフォートゾーンをつくってしまうのです。そして、情報空間まで働く人間のホメオスタシス(恒常性維持機能)が、その“現状”を強力に維持し続けようとします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 「過去」という強力な束縛から抜け出すために、まずは「時間は未来から過去へと流れる」という体感を徹底的に身につける

 次のステップとして、「(過去も未来も含む)時間」というさらに強力な束縛から覚醒するために、「時間はそもそも流れていない」「時間は自分自身のゴールでうみだすもの」という体感を行動に落とし込んでいく

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html 

 それが苫米地式コーチングを学んだ者の生き方です。

 

 苫米地博士が認定コーチに向けて「一念三千(いちねんさんぜん)」という天台智顗の言葉を話されるたびに、「そんな生き方を極めよ」という励ましを感じます。「一念三千」に関しては、「思うままに夢がかなう 超瞑想法」(PHP)や「一生幸福になる 超訳 般若心経」(Gakken)といった博士の著書をご覧ください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

 

・マルトリートメントやスコトーマという言葉(が印象に残った)

・両親の暴言を見るより、聞くときの方が脳の萎縮が大きいということ。心が傷つくことは脳が傷ついているのだなと改めて感じました

・「ストレスによって脳が物理的に傷つく」ということが、大変驚きました。子どもの前で話す言葉にも気をつけたいです

 

A:「心の傷は、やがて脳の傷へと変わる」ことは、最新の医学研究がどんどん明らかにしている科学的事実です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10114934.html

 

 NHKスペシャル取材班がまとめた「キラーストレス 心と体をどう守るか」(NHK出版新書)の中で、国立精神・神経医療研究センター疾病研究第三部 功刀(くぬぎ)浩研究部長は、「健康な方でもストレスが積み重なって、それが長い時間持続すると、ストレスホルモンが海馬を傷害します。それが強くなってくると、うつ病のような症状が出てくる可能性があるのです」と語っています。

御承知のように、海馬は記憶や空間学習能力に関わる大切な部位です。

 

 超高齢化社会を迎え、ますます認知症患者が増えることが危惧されていますが、その対策として早い段階からストレス対策を行うことが重要であるといえます。「早い段階」というのは小児期です。幼少時の段階で、すでにストレスによる海馬や扁桃体への悪影響が生じていることが確認されています。

 

 人間の心身に起こる変化を測定する研究を行っているワシントン大学のライアン・ボグダン氏は前述の「キラーストレス」(NHK出版)の中で、「人生の早い段階、つまり子ども時代に不運な経験をした人たちは、恐怖や不安に対するストレス反応が大きくなる傾向があります」と語っています。幼少期のストレス量が多い人ほど、大人になってから扁桃体が反応しやすくなるというのです。

 これは幼少期にストレスを経験した者は、「ファイト・オア・フライト」に陥りやすいことを意味します。
 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9815429.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

PM-04-08(一つ上のリンク記事)で御紹介したとおり、苫米地博士は「イヤな気持ちを消す技術」(フォレスト出版)の中で、身に降りかかったイヤな体験や情動を無害化するための「情動を消し去る三つの方法」を記されています。

その方法とは、1)高い抽象度で考える、2)イヤな出来事の記憶に「うれしい・楽しい・気持ちいい・すがすがしい・誇らしい」という情動感覚を結びつける、3)脳を自己発火させる、です。

 詳細は書籍で確認していただきたいのですが、その実行のための強力な方法論としてコーチングがとても有効です。

 

 

・スコトーマ(心理的盲点)、エフィカシー、リミッターをはずす、ゲーム障害→自殺との関係、ゴール設定の方法、コーチング(が印象に残った)

・スマホの使用と自殺が関係しているということ(が印象に残った)

・学校の立場として、スマホのどんなところが自殺願望につながっていくのかということが気になりました

 

A:講演で御紹介したとおり、スマホやインターネットの使用時間と自殺・希死念慮増加の関連を示唆する研究報告があります。しかし、その原因はまだよくわかっていないようです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542248.html

 

 最近、「むしろスマホをもつことでストレスが下がる」というニュース記事を読みました。

 「スマートフォンはデジタル安心毛布?持っているだけでストレス値が下がるという研究結果https://japanese.engadget.com/2018/08/08/securityblanket/)」

 

 いずれにせよ、ネットゲームやスマホの使用から子どもたちを守ることは必要です。

 

 「守る」とは、スマホを取りあげたり、制限することではなく、自らその使用をコントロールできるように導くことです。

 それは釈迦が最後に語ったという「自帰依自灯明」を自己責任とともに教えることであり、もともと教育の目的であることです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9034343.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987549.html

 

人命よりもギャンブルを優先する国においては、依存を自ら予防・克服し自由に生き続けるために、コーチングがますます必要不可欠なものとなります。

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

超瞑想法&超訳般若心経&イヤな気持ちを消す技術



F-046:笑顔のままお亡くなりになった患者さんから学んだこと 後編:ミラーニューロン

 

 この世は無常です。

 

 生じたものには、必ず滅するときがやってきます。

 生あるものには、必ず死が訪れます。

 

 その死までの道程に深く関わる医療・介護現場では、辛いことですが、老病死がとても身近に感じられます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045953.html

 

 医師としての本音でいえば患者さんにはいつまでも元気でいてもらいたいのですが、自然な(そして楽な)最期を迎えられるようにお手伝いすることも、私の大切な機能・役割だと思っています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 

先日、穏やかな看取りに立ち会いました。

 

患者さんは70代の男性でした。詳しくは書けませんが、アルコール依存が原因で家族とは疎遠だったようです。

 

その患者さんは、肺炎を繰り返すたびに老衰が進行していきました。血液中の酸素量を示す酸素飽和度(SpO2)の低下があり、酸素吸入を必要とする時間がどんどん増えていきました。

 

でも、そんな状況にもかかわらず、私が診察に伺ったときはいつも、とびきりの笑顔で迎えてくださいました。

 

死の2週間前からは、とてもとても辛そうな呼吸をされていました。

しかし、スタッフには必ず笑顔で応えてくださいました。死のほんの直前まで。

 

そんなあたたかい看取りに携わりながら学び考えたことを、3回に分けてまとめます。前編(F-044)は「布施」、中編(F-045)は「ブラインドサイト」がテーマでした。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142143.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11294790.html

 

 今回は「ミラーニューロン」です。

 

 

 人間の脳にはミラーニューロンというものがあります。人間が認識や理解を共有することができるのも、言語を獲得することができたのも、このミラーニューロンのおかげです。

 

以下、Wikipediaから引用します。

ミラーニューロン(英:Mirror neuron)は霊長類などの高等動物の脳内で、自ら行動するときと、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞である。他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように“鏡”のような反応をすることから名付けられた。他人がしていることを見て、我がことのように感じる共感(エンパシー)能力を司っていると考えられている。このようなニューロンは、マカクザルで直接観察され、ヒトやいくつかの鳥類においてその存在が信じられている。

(中略)

ミラーニューロンの機能については多くの説がある。このようなニューロンは、他人の行動を理解したり、模倣によって新たな技能を修得する際に重要であるといえるかもしれない。この鏡のようなシステムによって観察した行動をシミュレートすることが、私たちの持つ心の理論の能力に寄与していると考える研究者も存在する。また、ミラーニューロンが言語能力と関連しているとする研究者も存在する。さらに、ミラーニューロンの障害が、特に自閉症などの認知障害を引き起こすという研究も存在する。しかし、ミラーニューロンの障害と自閉症との関係は憶測の域を出ておらず、ミラーニューロンが自閉症の持つ重要な特徴の多くと関連しているとは考えにくい。

 

ミラーニューロン(マカクザル、from Wiki)

マカクザルの新生児が相手の表情を真似ている


 引用終わり

 

 

シンプルにまとめると、相手の行動と同じ行動をするための神経回路網がミラーニューロンです。

例えば、目の前の人が右手を上げたのを見た場合、視覚野が発火するだけでなく、運動野も発火していると考えられています。まるで、自分が右手を上げているかのように。

 

つまり、何かの行動を見たとき、あたかも自分がそれを行っているように、人の脳は神経活動をしているのです。

例えば、勇敢な行動をとる人を見た場合は自分もその勇敢な行動をとったように脳は情報処理を行います。逆に、口汚く罵る人を見てしまった場合、まるで自分自身が口汚く罵っているように情報処理が行われてしまいます。

 

「仁義なき戦い」などの任侠映画を観終わった大人達が、肩で風を切るように歩く様子をおもしろいと思いながら見ていた子供の頃の記憶があります。歩容の変化は(変性意識と臨場感で説明することも可能ですが)ミラーニューロンによるミラーリングにより起こっていたと考えられます。もちろん、その様子を観察していた私の脳でもミラーニューロンが発火していたはずです。

 

以前のブログ記事で、「観測者(認識主体)の知識・知能が上がれば上がるほど観測(認識)される宇宙は『たいしたことがある』ものになるという可能性」についてまとめました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9672202.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963314.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400813.html

 

その「『たいしたことがある』ものになるという可能性」は、ミラーニューロンによって周囲の人々に広がります。

そして、その広がりをきっかけとした周囲の人々のそれぞれの知識・知能の向上を、今度は“私”がミラーリングすることで(自分の)知識・知能がさらに向上し、観測される宇宙がさらに「たいしたことがある」ものになっていきます。

 

周囲を「宇宙」と表現すると、「自分」をアップデートすることで「宇宙」をアップデートすることができ、アップデートした「宇宙」から(ミラーニューロンにより)影響を受けることで「自分」をさらにアップデートできる

 …それがミラーニューロンを持つ人間と宇宙の理のようです。まさに縁起です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

人間は、ミラーニューロンを持つ

 

ミラーニューロンを進化・向上の方向にどう導くか? 

その鍵がコーチングにあると、私は確信しています。

 

 

 ゴールに向かい生きる充実感が自然に笑顔となってあらわれる

 その笑顔が関わる人たちへ伝わり(ブラインドサイト)、あたたかい働きかけとなり(布施)、まわりを徐々に笑顔に変えていく

 まわりが笑顔にあふれ、ますます自身も笑顔になる(ミラーニューロン)

 その笑顔の輪の広がりの先に、各人の心の平和があり、世界の平和がある

 

 

 以上が、笑顔のままお亡くなりになった患者さんの看取りに携わりながら学び考えたことです。

 

 

笑顔は万国共通のパスポート

by 斎藤茂太

(精神科医、19162006年)

 

 

 笑顔とは、平和な世界(未来)へ“入国”するための、誰もが持つことができる、大切なパスポートなのかもしれません。

 

 

Peace begins with a smile

by Mother Teresa

(カトリック教会の修道女、19101997年)

 

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831371.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10691562.html

 

 


PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-32子どもたちへの最大のプレゼント <前編:HOPE GAPを克服するために>

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

子どもたちへの最大のプレゼント <前編:HOPE GAPを克服するために>

 

 内閣府は毎年「子供・若者白書」を発表しています。

2017年度版には、小・中学生の意識に関する調査結果をもとに、「両親を信頼し,家庭が楽しいと思う小学生・中学生は増加」とまとめられ、「子供の自主性を尊重しつつ,子供に関心を持って臨む保護者が増えていることがうかがえる一方,家庭や学校に安心や満足を感じ,将来に積極的な志向を持つ子供が増えていることが指摘できる」と前向きな考察がなされています。

内閣府 平成29年版子供・若者白書(概要版)「特集 若者にとっての人とのつながり」

 http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h29gaiyou/s0.html

 

 一方で、過去には気になる調査結果もありました。2014年版「子供・若者白書」では、特集として世界7カ国の若者の意識調査が実施されていました。

「自分の将来に明るい希望を持っているか」という質問に対して、「希望がある」「どちらかと言えば希望がある」と答えた人が、日本は61.6%にとどまり、7カ国中最低でした。他の6カ国(82.491.1%)と比べても突出して低い結果でした。

内閣府 平成26年版子供・若者白書(概要版)「特集 今を生きる若者の意識 ~国際比較から見えてくるもの~」

 http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html

 

 この結果を知ったとき、私は「ホープギャップ(HOPE GAP)」という言葉を思い出しました。「ホープギャップ」とは、ヨルダンのラニア王妃が2002年から提唱している概念です。このホープギャップこそが「人類の直面する最大の課題」だと、ラニア王妃は主張されています。

 

ホープギャップとは、その名のとおり「希望を持てる人と持てない人との格差」のことです。生まれついての環境や教育などにより、希望を持つことができる子どもと持つことができない子どもとに分かれます。夢(ゴール)がある子とない子とに分かれていきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

様々な研究により、「希望・夢・ゴールがある子どもとない子どもでは、その後の人生がまったく異なってしまう」という結果が明らかになっています。飢餓や貧困で苦しむ地域においてもホープギャップの格差により、免疫力やパフォーマンスがさらに違ってしまうようです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882140.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615641.html

 

通常「格差」というと経済的格差を考えますが、より重要なものは情報的な格差、すなわち「ホープギャップ」なのかもしれません。

モノや食糧など物資の支援や金銭的な援助ももちろん重要ですが、「希望を与えること」や「夢やゴールの設定の仕方を教えること」といった情報的支援がとても重要だといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

ラニア王妃は、「希望やゴールを持つことによって自尊心(エフィカシー)が高まり、それこそがテロや戦争をなくす平和へとつながる」と話され、「まず知識が必要。そして希望(ゴール)を持つこと。自尊心(エフィカシー)が自分の人生を楽しく生きる鍵だということを強く認識しよう」と説かれています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

気づかれた方も多いと思いますが、これはまさにコーチングの考え方そのものです。

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

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-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

 

 


PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-31自殺対策白書が示唆すること

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

自殺対策白書が示唆すること

 

 当然ながら、教育現場の疲弊は、子どもたちにも悪影響を与えています。無関心やあきらめ、不安・恐怖といった情動が生んだ“よどんだ空気”が子供たちを直撃しています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142435.html

 

厚生労働省が20186月に発表した自殺対策白書によると、2017年の自殺者数は21321人で、22年ぶりに22000人を下回った2016年(21897人)よりもさらに減少しました。前年同様中高年の自殺は減少しており、大人向けの自殺予防の取り組みは効果が表れていると評価されました(それでも、2万人以上の人が自ら命を絶ち、さらに自殺を考えたことがある人は4人に1人といわれています)。

厚労省 平成30年版自殺対策白書(概要)「1 自殺者数の推移」

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/18-2/dl/1-1.pdf

 

最近の自殺の動向で注目すべきは「中学生の自殺者数」です。2015年は102人で17年ぶりに100人を超えました。子どもの総数が減っているにもかかわらず自殺者数は増加傾向にあり、1980年以降でみると女性アイドル歌手が自殺した1986年の133人に次ぐ多さでした。年代別人口10万人当たりの自殺者数では、中学生で2.94人と最多を記録しています。

 

子ども、特に中学生において、早急な自殺対策が必要です。

 

2018年の自殺対策白書で人口動態統計を基に死因順位を5歳ごとの年齢層別に見ると、10代前半や40歳以上は「がん」が最多で、2位に「自殺」「心疾患」が並びます。一方、1539歳はいずれも前年と同様に「自殺」が最も多く、中でも20代後半は2位「がん」の3.7倍、20代前半も2位「不慮の事故」の2.7倍でした。これは、中学生の頃から始まる思春期においての教育 -特にマインド(脳と心)について- が、その後の人生に大きく影響を与える可能性を示唆しています。

 ちなみに、先進国の年齢階級別死亡者数及び死亡率(1534歳)において、日本は「自殺」が1位(死亡数:4557人、死亡率:17.8)で、先進7カ国の中で突出しています。

 厚労省 平成30年版自殺対策白書(概要)「3 年齢階級別の自殺者数の推移」

 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/18-2/dl/1-3.pdf

 

20154月に「改正自殺対策基本法」が施行されました。

10年ぶりとなった改正の主な点は、「子どもの自殺対策」でした。学校は保護者や地域と連携し、児童・生徒の心の健康を保つ教育(自殺予防教育)や啓発活動を行うことなどが新たに盛り込まれています。

しかし、自殺予防教育の具体的な内容は各学校に任されています。どうしていいかわからずに途方に暮れている学校関係者が多いのではないでしょうか。

 

子どもたちはもちろん、苦悩を抱える学校の先生方にも、コーチングは福音となります。

自殺対策白書は、教育の現場にコーチングが必要とされていることをはっきりと示しています。

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 


Q-048:霧島市(鹿児島)教育講演会<180628> vol.2

 

 2018628日(木)、霧島市(鹿児島県)で開催された姶良地区学校保健会において、教育に関する講演を行わせていただきました。

 当日の講演内容については、Q-047を御確認ください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142259.html

 

 いただいた御意見・御質問に対して回答いたします。

 まずは講演当日に会場でいただいたものからです。

 

 

・よく子どもたちに(自分の子どもにも)「過去に囚われるな」「前向きに考えよう」「過去についていつまでも考えたってどうしようもないじゃないか」という話をするのですが、それとコーチングの関連性や違いは?

 

A:多くの人が「過去→未来」という時間観を受け入れています。その考え方では過去の束縛から逃れることは容易ではありません。

 コーチングにおいて重要なことは、「クライアント(御質問では子どもたち)の意識を未来に向けさせる」ということです。それは本物のコーチを見分けるポイントでもあります。

私は「時間は未来から現在、現在から過去へと流れている」という話を繰り返しお伝えします。「未来→過去」という時間観を無意識レベルまで徹底的に体得してもらいたいからです。過去に起きたことは、未来に起こることに一切関係ありません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10829042.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 “現状の外”にゴールを設定し、そして、それを達成するためには、必ずスコトーマを外す必要があります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

そのために過去をふりかえる場合がありますが、それはあくまで「ゴールを達成した未来」にlock onした状態での過去の振り返りであり、過去そのものにフォーカスしているわけではありません。

苫米地博士のブログにあるとおり、昨日まで起きたことは、明日起きることに1%も関係ありません。過去が未来に与える影響はゼロパーセントであり、過去はあなたの未来に一切関係ありません。
 苫米地英人博士ブログ:
http://www.tomabechi.jp/archives/51569396.html

 

おそらく、かなり多くの方々が「過去は未来に一切関係ない」という言葉に抵抗を感じてしまうのではないかと思います。それはブリーフシステムやセルフイメージが過去の記憶によりつくられているからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

 よって、時間観を「未来→過去」に変え、その未来をゴールとして自由自在にうみだすことを可能とするコーチングは、人を束縛から解放する究極のツールであるといえ、宇宙を新たに創造するための奥義であるといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 

・スピリチュアルペインに関する教育も大事だと思うが、「うまくやっていかないと」と悲観的に思って自分を肯定的に考えられないというような考えに陥る子どもたちもいると思うから、そこの教育の仕方もすごく大事だと思う

 

A:「うまくやっていかないと」と考えることが「悲観的」となるのは、モチベーションが「have to(~ねばならない)」だからです。本来楽しいはずの学習が「have to」となってしまう原因はいろいろと考えられますが、いずれにせよ、不安・恐怖が心の奥底にはびこっています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 不安・恐怖という強い情動は、扁桃体を含む大脳辺縁系という古い大脳(旧皮質)の活動です。人間の場合、通常は前頭葉(特に前頭前野)により制御されていますが、危機的状況ではその制御が外れ情動が剥き出しになります。それを「ファイト・オア・フライト(fight or flight)」といいますが、その結果、成績が下がったり、感情的な言動が多くなったり、体調を崩すという状況を招きます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9815429.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 では、なぜ子どもたちの心に「have to」が入り込むのでしょうか? なぜ子どもたちは不安や恐怖を感じてしまうのでしょうか?

 

 私は、その理由として、「他人の評価」「社会による順位づけ」があると考えています。

 

受験や塾通いなどで常に順位づけをされ、他人と比べられ評価されてしまう現代の子どもたちの間にも、大人の世界と同じように、「勝ち組」「負け組」という考え方が浸透しているそうです。そのために失敗が許されないという風潮が生まれてしまっているようです。

そんな考え方や風潮が、「うまくやっていかないと」=「悲観的」を生みだします。モチベーションを「want to」から「have to」に変えていきます。

 

本物のコーチにコーチングを学び、さらにセルフコーチングができるようになると、「失敗」という概念はなくなります。「(一時的な、あるいは他人の評価としての)失敗はスコトーマを外すための貴重な機会である」と思えるようになるからです。「失敗はゴール達成のための大切な縁起である」と確信できるからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

私は、苫米地博士に学ぶ前から、「勝ち組」「負け組」という言葉が大嫌いでした。その話を振られるといつも、「私は『かちぐみ(価値組)』です」と答えていました。もともとそんなブリーフを持っていたから、コーチングに強く惹かれたのかもしれません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

 人は誰もが「価値組」!

 

その価値を自分自身で生みだすものがゴールです。

子どもたちがコーチングを学べば、そのために子どもを見守る大人自身がコーチングを学び本物のコーチとなれば、子どもたちは失敗のプレッシャーから解放されていきます。

 

 一つ上の回答で、「未来に意識を向けさせる」ということを書きましたが、複数の調査にて日本の子どもは将来に対する夢や希望が先進国の中ではとびぬけて低いことが明らかになっています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10256356.html

 

 よって、日本においては、ただ単純に未来に意識を向けさせるだけでは足りません。

 「未来には希望がある」「生きることは楽しい」ということを大人が自身の姿をもって伝えてあげることが大切だと思います。

そのために教師や親といった子どもの身近にいる大人が、自身のゴールに向かって日々を嬉々として生きる必要があります。その方法であるコーチングを、子どもはもちろん、大人こそが学ぶ必要があります。

 

 苫米地博士が代表を務める一般財団法人 BWF internationalBWFBetter World Foundation)は、世界の教育の高度化を目的とした非営利団体です。世界中の子どもたちと子どもに関わる人たちすべてに「人生の可能性の開き方」を広め、戦争と差別のないよりよい世界を実現することを目指しています。

そのBWFPX2(ピーエックスツ―)というコーチングプログラムを無償で提供しています。ぜひBWFHPにアクセスしてみてください(医療・福祉機関も対象です)。

BWF internationalHPhttp://bwf.or.jp/what_is_px2

 

 

・失敗した子ども、うまくいかなかった子どもには、「同じ失敗を繰り返さないようにしようね」という話をするが、同じ失敗を次に生かすというのはこの考え方(コーチング)ではどうなのでしょうか?

 

A:一つ上の回答内容を繰り返しますが、「人生に失敗はない」というのがコーチングの考え方です。ゴールを達成するために大切なことを、スコトーマを外して発見したのだから、それは失敗ではなく貴重な経験です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

「未来から過去に流れる」という時間の流れを考慮すると、ゴールとは「すでに達成しているもの」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

スポーツ指導などでよくあることですが、失敗の分析を何度も行うのはNGです。「失敗する私」「ダメな私」というセルフイメージを強化してしまうからです。そうではなく「すでに成功している私」というイメージを強化するのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

せごどん(西郷隆盛)も、「過ちを改めるにあたっては、自分から誤ったとさえ思いついたらそれで良い。そのことをさっぱり思いすてて、すぐ一歩前進することだ」と語っています(南洲翁遺訓)。「エフィカシーを下げずに、ゴールに向かって進め!」と言っているのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

 失敗をするから人は成長します。

 子どもたちが「間違えた」と思ったときに、「自分らしくなかった」と自然に言えるように導いてあげてください。

 「こんなのは自分らしくない。次は○○する!」と未来の姿をイメージできれば、そのイメージ、すなわち成功は現実化します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 スコトーマを外すために分析は必要です。しかし、その時に「ゴールを達成するために」という目的を忘れないでください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 


PX2パンフレット(BWF HPより引用)

BWFインターナショナルHPより引用
http://bwf.or.jp/

 


F-045:笑顔のままお亡くなりになった患者さんから学んだこと 中編:ブラインドサイト

 

 この世は無常です。

 

 生じたものには、必ず滅するときがやってきます。

 生あるものには、必ず死が訪れます。

 

 その死までの道程に深く関わる医療・介護現場では、辛いことですが、老病死がとても身近に感じられます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045953.html

 

 医師としての本音でいえば患者さんにはいつまでも元気でいてもらいたいのですが、自然な(そして楽な)最期を迎えられるようにお手伝いすることも、私の大切な機能・役割だと思っています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 

先日、穏やかな看取りに立ち会いました。

 

患者さんは70代の男性でした。詳しくは書けませんが、アルコール依存が原因で家族とは疎遠だったようです。

 

その患者さんは、肺炎を繰り返すたびに老衰が進行していきました。血液中の酸素量を示す酸素飽和度(SpO2)の低下があり、酸素吸入を必要とする時間がどんどん増えていきました。

 

でも、そんな状況にもかかわらず、私が診察に伺ったときはいつも、とびきりの笑顔で迎えてくださいました。

 

死の2週間前からは、とてもとても辛そうな呼吸をされていました。

しかし、スタッフには必ず笑顔で応えてくださいました。死のほんの直前まで。

 

そんなあたたかい看取りに携わりながら学び考えたことを、3回に分けてまとめます。前編(F-044)は「布施」がテーマでした。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142143.html

 

 今回は「ブラインドサイト」です。

 

 

 ブラインドサイト(blindsight)は、「ブラインド(blind)=盲目」の「サイト(sight)=視覚」で、「盲人の視覚」のことを指します。

 

「目が見えない人の視覚って?」と疑問に思う方が多いと思いますが、イギリスのL.バイスクランツという研究者が1970年代に明らかにした科学的事実であり、「盲視」と訳されます(誤解を防ぐため、このブログではブラインドサイトとします)。

 

 2012年に放送されたNHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたのか」内で、脳卒中で視力を失った男性が取り上げられました。

 男性は視覚野が損傷しているので、映像を処理し認識することができません。□や〇などの記号を見せても見えないと答えるのですが、なぜか人の表情だけは読み取ることができます(=ブラインドサイト)。

 ブラインドサイト患者の脳の活動を調べると、表情を読み取るときには視覚野ではなく扁桃体が活動していることが明らかになりました。

 

扁桃体は大脳辺縁系の一部で、大脳の古い部分にあたります。魚類や両生類といった進化の古い段階の生物にもあります。その働きは情動反応の処理と記憶(詳しくは「情動的な出来事に関連付けられる記憶の形成と貯蔵」)で、命に関わる危険な(vitalな)情報を処理する大切な場所です。

進化した脳を持つ人間にとっても扁桃体は重要な場所で、危機に遭遇した時には扁桃体を含む大脳辺縁系がより進化した部位である前頭葉(とくに前頭前野)よりも優位に働きます。それを「ファイト・オア・フライト(fight or Flight)」と表現します。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 研究によって、人間においては、網膜からの視覚情報が視覚野に向かう既知のルートだけではなく、直接扁桃体に向かう別ルートが存在することがわかりました。そのため視覚野の機能を失っても、扁桃体で人の表情を判断することができるのです。

 

 この事実は、人は無意識に他人の表情を分析し、記憶と照らし合わせながら心を推測していることを示唆します。

 

 番組(NHKスペシャル)では、「人間はその歴史の初めから仲間との協力が必要なので、相手の内にある感情を読み解く能力を身につけた。これは集団で生きていく仕組み、つまり、人間を人間たらしめている能力である」と結論づけていました。

 

 英ウェールズ大学の研究によると、相手が無表情な場合は、対象が男性か女性かに関わらず感情を読み取りづらいといった傾向が確認されたということです。

反対に、顔に明確な感情(怒り、喜び)を示した人の顔を見せた場合は単なる当てずっぽうを上回る正解率を示し、また同様に悲しい顔とうれしい顔、怯えている顔と幸せそうな顔といった感情表現の場合でもほぼ同様の確率で正解したそうです。

それらを動物に置き換えると、例えば襲いかかろうとしているのか、そうでないのかなどを見分けることはできなかったことが報告されています。

 

 私たち人間は、無意識に相手の表情を読み取り、記憶と照合しながらその状況を評価しているのです。それは「ファイト・オア・フライト」のジャッジのためともいえます。
 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9815429.html

 

 では、ブランドサイトという人の能力を理解した上で、前回御紹介した「眼施」や「和顔施」を考察するとどのようなことがいえるでしょうか?

 

 

 答えは、「相手を人間らしくさせる(人間にもどす)」です。

 

 怒りや悲しみの表情を見て扁桃体が発火すると、容易に情動優位になってしまいます。自律神経の働きでいうと、交感神経優位となります。コーチング用語でいえば、コンフォートゾーンから外れた状態です。いずれも高ストレスによりIQが低下します。進化の過程でいえばサルやゴリラレベルに(一時的に)退化した状態といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 反対に、表情から喜びや楽しさ、うれしさを読み取ると、扁桃体の発火は起こらずリラックスした前頭前野優位の状態を維持できます。仮に何らかのストレス状態にあったとしても、笑顔を見ることで「ファイト・オア・フライト」の扁桃体優位の状態から脱することができるようになります。皆さんは相手の笑顔を見て、心が軽くなった経験はありませんか?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166400.html

 

 私は、ありがたいことに、「先生を見るだけでよくなる」「先生と話をすると痛みがとれる」とよく言っていただきます。それは、私が相手のマインド(脳と心)に働きかけて扁桃体の発火を鎮めているからかもしれません。縁起空間を観察しつつ、真言密教的に表現すると加持、道教的にいうと気功を無意識下で行うことは、私のハビット(ブリーフシステムの行動への表れ)となっています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

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 相手を自然に笑顔にする「眼施」や「和顔施」は、自分自身が心から笑顔でいられるから可能になります。happyであり、well-beingであるから実現します。

 

 happyでいられるのは、本当にやりたいことを自由意志でゴールとして設定し、その実現に向けて全力で(かつ自然に)生きているからです。

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 そのゴール設定は、コーチングを学び、実践することで可能となります。

 

 

…次回F-046)は、眼施や和顔施に隠されている科学的事実についてさらに考察を続けます。テーマは「ミラーニューロン」です。

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

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PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-30教育現場の疲弊

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

教育現場の疲弊

 

 素人の私に言われるまでもなく、教育の大切さは、教師の方々が一番わかっているはずです。しかし、現状では、教師の皆さんは本来の機能・役割を十分に発揮することが困難です。

 

物理的にも、情報的にも、すっかり疲弊してしまっているからです。

 

コーチとして、親として、教師の方々と接するうちに、現場の苦悩の大きさを知りました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8040944.html

 

 先に述べたとおり、教育の目的は「自由」ですが、その教育を授ける教師の方々が自由ではないのです。先生自身の「望ましい」を決める基準が外にあるからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9034343.html

 

 誰もが高い志を持って教育現場に飛び込んだはずです。

ところが、かつては確かに感じていた「want to」は、改革のたびにどんどん増える業務量や課外活動という名の強制的時間外労働により、やがて「have to」へと変わっていきます。

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さらには「モンスター」と呼ばれる理不尽な保護者の言動により、精神的にもどんどん追い詰められていきます。情動優位の「ファイト・オア・フライト」の状態です。

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もともとの志が高い人ほどそんな現状に幻滅し、すっかり夢や希望を失ってしまっているのではないでしょうか。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

そして、エフィカシーが不当に下がってしまっているのではないでしょうか。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

それはまさに医療・介護現場で起こっている危機と同じ構図です。

 

「やる気がない」というレベルはゴール設定をやり直せば改善します。しかし、物理的身体も疲れきってしまった「エネルギー枯渇」の状態では、ゴールを設定しなおすことさえできません。現在の医療・介護現場や教育現場はそこまで削り取られています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166400.html

 

だから私は、医療・福祉の現場と同じく、教育現場にも、一刻も早く苫米地理論やコーチングという福音を届けることを切望しています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430972.html

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 


PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-29自分を縛るたったひとつのルール ―後編-

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

自分を縛るたったひとつのルール ―後編-

 

「消極的自由」とは、「フリーダム」「リバティ」の和訳として日本語に置き換えられた「自由」のことです。そして、仏教に由来する日本語本来の「自由」が「積極的自由」にあたります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 

バーリンが生きたのは二つの世界大戦が起こった時代です。その悲惨な経験の中で、自由を求めることが、一歩間違えると、戦争につながることに気がついたのです。

 

一方で自由を求めながら、一方で「戦争と差別のない世界の実現」を目指す未来において、このことは決して忘れてはならない大切な“戒め”です。

 

しかしながら、たとえ大きな危険があろうとも、私たち人間は自由であるべき存在です。自由を追求すべき存在です。

 

自由を追求しながら、同時に自己責任を徹底する。そして、抽象度を高めることで「自我=私」の定義を広げていく

 

…それが現代に生きる私たちが挑戦するべき生き方です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 

そして、その生き方は、社会性を身につけることを目的として幼児教育として家庭で始まり、学校で学びながら完成に向かい、社会の中で発展していきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10256634.html

 

その間に抽象度が上がり、人間形成が行われていくのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

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http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

では、「自律ができているのか?」「自己責任を果たしているのか?」をどうやって確認すればよいのでしょうか?

自由を履き違え、全体主義に傾き、戦争を引き起こすことを防ぐためにどうすればいいのでしょうか?

 

その答えは苫米地博士に学びました。自分を縛るたったひとつのルール…「フェアネス」です。

 

「私は(私たちは)フェアか?」

「社会に対しての私の(私たちの)言動はフェアか?」

 

…その視点で常に自分を見つめ続けることができれば、必ず自律できるようになります。そして、全体主義に走ることを防ぐことができます。

 

フェアネスを基準とする自由こそが“真の自由”です。そして、フェアネスを基準とする社会こそが“真の平和な社会”です。

その「フェアネスを基準とする自由」へ到る道を教え、サポートすることが教育の真の目的です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9034343.html

 

ただ「自らに由る」ことで心から望む「本当の私」になるのと同時に、抽象度を上げて社会性を身につけていく それは苫米地理論を学ぶことから始まります。

 

そして、コーチングを実践し、本当にやりたいこと、「want to」だけをする人生に挑戦し続ければ、そしてフェアネスを意識し続ければ、その先にはきっと真の平和があります。

 

純粋に自分の意志によって選択したものこそ、本当の夢であり、目指すべきゴールです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

自ら定めたゴールに挑み続ける人生はいつもエキサイティングであり、充実した生を全うすることができます。そんな心の状態が物理空間での体にもあらわれた結果、健康が実現します。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165888.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859896.html

 

私は確信しています。真の教育の結果として、本当の夢、ゴールを追い求める生き方が当たり前になったとき、人間は生まれながらに自由な存在であることをみんなが理解し、社会全体が明るく平和になり、やがて「空(くう)」に到達することを。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

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