F-106:超実写版「ライオン・キング」で描かれた“超現実”を生きる極意 <前編>

 

 前回(F-101105)は、映画館での体験をきっかけに考えたことをまとめました。

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 今回も映画に関する話題です。2019年夏に公開された映画「ライオン・キング(The Lion King)」から得たインスピレーションをまとめます。

 

 アニメ版「ライオン・キング」が公開されたのは1994年。それから25年ぶりにリメイクされた今回の売りは“超実写”。監督のジョン・ファブローは「オリジナルを大切にしながらどうやって新しくするのか? 挑戦する中でたどり着いた答えが“超実写”だった」と語っています。

 “超実写”は“現状の外”へのゴール設定が始まりだったようです。

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 “超実写”はまったく新しい撮影技術によって誕生しました。他の全編CGcomputer graphics)の映画と同じように動物たちの動きはすべて事前にアニメートされていますが、その動きをカメラマンが実際にバーチャルカメラで撮影することで映像をつくっていったとのこと。VRゴーグルをつけたカメラマンがバーチャルな世界(ライオン達の住む王国)に入り込み、実際のロケーションにいるかのように撮影位置を決めていった(ロケハン、location hunting)そうです。その結果、あのようなイキイキとした映像が生まれました。

 

現実世界を実写するように仮想世界を実写する 

 

まるでネイチャードキュメンタリー番組を見ているような、いや実際に王国にいるかのようなリアルな映像は、まさに“超実写”という言葉がふさわしい圧巻の臨場感体験でした。

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 映画を観終わった後、あらためて「リアルとは何か?」「現実と幻想の違いはどこにあるのか?」と考えさせられました。“超実写”によりますますリアルとバーチャルの境界が不明瞭になった気がしたのです。

 

 

 認知科学者 苫米地英人博士の読者にとってはあたりまえのことだと思いますが、じつは、目の前に存在する現実世界は情報でありすべてバーチャルです。

個人が五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)&言語という6つの情報入力経路(=モーダルチャンネル ←じつはこの言葉も苫米地博士の造語)で得た情報をもとに構築した臨場感世界が目の前にある現実の正体です。

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ということは、実写も“超実写”も本質的な違いはないといえます。その違いは認識する一人ひとりの心により生みだされます。情報をリアルと認識すれば実写といえ、「本当は現実ではないけれども限りなくリアルに近い」と思えば“超実写”というように。

 

つまり、“超実写”とは空の理解を前提とするものであり、仮観の実践であるといえます。

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“超実写”の“超”には「物理も情報である」「すべてが情報である」という理解、そして「だから情報を書き換えることで世界そのものを変えることができる」という悟りへ到達するという意味がこめられていると感じました。

 

“超実写”とは悟りを体感する縁起。そして、“超現実”が悟り

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ところで、「ライオン・キング」の監督 ジョン・ファブローは、MCUMarvel Cinematic Universe)の最新作「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(SFFH)」に俳優として出演し、重要な役どころ(ハッピー・ホーガン)を演じています。

そのSFFHも「現実は情報であり、情報を書き換えると世界が変わる」ことをテーマとしており、「本当は一人一宇宙である世界を共同幻想として共有している」ことが描かれていました。

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SFFHで示唆されていたとおり、「現実は情報である」ということは「もし他人に情報を書き換えられてしまったら、世界が変わってしまう」ことを意味しています。安倍首相が好む表現を用いると、「印象操作で現実をつくりだせる」ということ。

もし“超実写”のような臨場感技術をよこしまな権力者に使われてしまったら、私たちは既得権益に有利な世界に閉じ込められてしまうことになります。支配がもっと巧妙かつ強力になり、格差がますます広がるでしょう。

 

 AERAのインタビュー中に「コンピューターでこれほどリアルな映像を作れるとなると、フェイクニュース動画も簡単に作ることができそうです。映像技術を極めたからこそ、これはやってはいけないと自分を律していることはあるのですか?」と質問されたジョン・ファブローは、「技術の進歩は誰にも止められない。でも技術で一番大事なのは人々を結びつける力だと思う。社会のいろんな問題も技術で解決できる。そういう技術の可能性に対する感受性や責任感を持つことが大事だと思う」と答えています。

 

 では、その感受性や責任感を持つために欠かせないこととはなんでしょうか?

 

 答えはもちろん「ゴール」です。ゴールが目の前のすべてを生みだします。

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 次回(F-107)は、そのゴールを設定するために重要なあるポイントについて取り上げます。じつは、そのポイントとは「ライオン・キング」で描かれたテーマそのものでもあります。

 

F-107につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 最近、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究者らが皮膚感覚のフィードバックを与える新たな人工皮膚を開発したことが報じられました。絆創膏を巻くように指先に装着するだけで触覚刺激を再現するというデバイスの誕生により、ますます現実と幻想の境界はあいまいになっていきそうです。