F-103:「映写機の故障により上映できるかわかりません」 Vol.3;不安や怒りへの対処法
このブログシリーズでは、目的の映画を観ることができると信じて待ちながら感じたこと、そして、日本語吹き替え版さえ観ることができないまま帰途につき思ったことをまとめます。
Vol.1;映画館での出来事
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19153107.html
Vol.2;期待が失望に変わるときの注意点
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19263292.html
Vol.3;不安や怒りへの対処法
Vol.4;リーダーの視点で
Vol.5;フォロワーの立場で
…今回のテーマは「湧きあがった不安や怒りへの対処法」です。
人間は進化の過程で前頭前野での思考を手に入れました。
平常時は、本能的な情報処理を行う大脳辺縁系の活動より、高度な情報処理を行う前頭前野の方が優位に働いています。
しかし、いったん危機に瀕すると、「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)」という「戦うか、逃げるか」という心理状態に陥ってしまいます。不安や恐れが怒りを招くのです。それはダークサイドへの転落であり、その先に待つのは苦しみ(suffering)です。
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危機により「ファイト・オア・フライト」の状況になると、人間の脳では前頭前野の活動が抑えられ、扁桃体を含む大脳辺縁系の活動が活発になります。これはより確実に生き残るための本能的な働きではありますが、人間らしさを失い、ただの動物に成り下がってしまう原因にもなります。怒りでいえば、「人間的怒り」「公憤」は不可能となり、「動物的怒り」「私憤」に支配されることになります。
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米CDC(Centers for Disease Control and Prevention、疾病予防管理センター)が公表している「Psychology of a Crisis」中に、危機に瀕したときの行動(Negative Behavior)として、下記の四つがとりあげられています。
・Demands for unneeded treatment:不必要な治療(対処)を求める
・Reliance on special relationships:特別な関係に依存する
・Unreasonable trade and travel restriction:不必要に商業取引と渡航を制限する
・MUPS(Multiple Unexplained Physical Symptoms):複数の医学的に原因不明な身体症状が現れる
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緊迫する日韓関係を考えると理解しやすいと思いますが、「ファイト・オア・フライト」の状態に陥ると、「天皇が謝罪をせよ」「日本企業の財産を差し押さえて賠償させよ」などの要求やそれに対する強硬的対抗措置が続き(Demands for unneeded treatment)、政権支持率が上昇し(Reliance on special relationships)、不買運動や渡航制限が深刻化します(Unreasonable trade and travel restriction)。
今後は、国民の健康状態の悪化だけでなく、いろいろな社会的不具合が顕在化していくはずです(MUPS:Multiple Unexplained Physical Symptoms)。
その本質的な解決策は「抽象度を上げること」です。政治家はもちろんのこと、国民一人ひとりのレベルで。
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http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html
抽象度を上げて「より高い視点」「より大きな枠組み(ゲシュタルト)」で思考することができるようになると、扁桃体・大脳辺縁系処理を制御し、前頭葉前頭前野優位の情報処理を行うことができるようになります。IQが下がった状態から抜けだせるのです。
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繰り返しますが、本質的な解決策は「抽象度を上げること」です。そのことをふまえた上で、今回は具体的な対処法を御紹介します。
…先日、興味深い報道がありました(CNN、2019年8月26日)。米フロリダ州の空港で、サウスウエスト航空の係員がゲーム大会を開催して、3時間近い遅れが出た便の乗客たちを楽しませたというものです。そのゲームとは「最悪の免許証写真コンテスト」。さらに「紙飛行機コンテスト」も行われ、勝った人には25ドル(約2600円)の商品券とサウスウエスト航空グッズが贈呈されたといいます。
乗客の一人はCNNの取材に対し、「友人を訪問するために急いでDCへ行きたかったので、便が遅れ続けることにひどく苛立っていた。でも係員がゲームを始めると、笑って素晴らしい時を過ごし、便の遅れも気にならなくなった」と答えています。
結局、便の出発は3時間近く遅れました。しかし、出発の際には乗客たちは係員に拍手と歓声を送ったそうです。最初はとっても険悪な雰囲気だったのに。
乗客たちの心理は、なぜ大きく変わったのでしょうか?
…通常、空港は「飛行機に乗り降りする場」であり、そこで過ごす時間は「移動のための(待ち)時間」です。当然、なかなか飛行機に乗る(降りる)ことができずにたくさん待たされたなら、「ファイト・オア・フライト」の状態に陥りやすくなります。理想的な状況(予定)との乖離が認知的不協和を生むからです。
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今回のケースでは、係員の機転により、乗客の意識が「待つ」から「楽しむ」に変わりました。そして、空港が「(一時的に)ゲームを楽しむ場」に変わり、そこで過ごす時間が「(空港ではめったに経験できない)すばらしい時間」に変わりました。拍手や歓声はゲシュタルトが変わったことのあらわれです。
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その時、乗客の心の中ではゴールが変わっていたといえます。
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ゴールが変わったことで、have toがwant toにかわり、RAS/スコトーマが変化し、見えるものや感じるものが大きく変わったのです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html
それは「認識する世界(宇宙)が変わった」ともいえます。世界が変わるのは、そもそも私たちが認識している世界自体が私たちの心(マインド)により生みだされているからです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11823351.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11823843.html
空港でのこの事例が示すのは、「ゴールを人生の様々な領域にたくさんもつことの重要性」です。「あれをしたい」「これもやりたい」がたくさんあれば、何かのトラブルに遭遇しても、心が自然にベストな判断を行います。エネルギッシュに、そしてクリエイティブに。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html
鍵はゴールのバランスホイールです。それは臨場感空間の移動を可能とします。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14524490.html
前回のブログ記事(F-102)のテーマでいうと、期待が失望に変わることを防ぐために、ひとつのゴールを持ち続けるだけではなく、ゴール自体の種類(カテゴリー)や数を豊富にすることが重要であるということです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19263292.html
人生の様々な領域で期待を持ち続けることができると、やがて一度は挫折した(期待が失望に変わってしまった)領域においても、再び新たな期待を抱くことができるようになります。必ず。
ゴールの数だけ希望があります。だから、希望を失わないためにもゴールをもっとたくさん見つけてください。人生のあらゆる領域に。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html
(F-104につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
2019年10月に、鹿児島市と霧島市で、コーチングセミナーを開催します!
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19130955.html
-関連記事-
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10691562.html
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