F-097:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.4(ワーク付き)

 

 

私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 

 

 …これは戦前・戦後を通じて日本映画界で活躍した女優 高峰秀子さん(1924~2010年)の言葉です。vol.1(F-094)でこの言葉をコーチの視点で読み解き、vol.2(F-095)で関連するワーク(ラベリング)を御紹介しました。vol.3(F-096)では、そのワーク(ラベリング)の実践例を紹介し、さらに踏み込んで「私はイヤなことを心の中で握りつぶす」という言葉を考察しました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18340552.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18456250.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18576926.html

 

 前回(F-096)、「そして、ゴールが生みだす未来からの時間の流れを感じながら、心の中でイヤなことを握りつぶしました」と書きました。握りつぶした「イヤなこと」とは、その場にいた元同僚のことではありません。“だまし討ち”という痛い記憶やそれに紐づく経営陣の悪意でもありません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628437.html

 

 では、握りつぶした本当の「イヤなこと」とは何でしょうか?

 

 

 …答えは、「『イヤなこと』と一瞬でも認識してしまった自分自身」です。それはゴールを達成している本来の私の姿ではなく、「私らしくなかった」から。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 ラベリングは、重要度を「ゴールから考えたとき、どれくらい重要か」という尺度に統一するために行います。それはつまり、時間を未来から過去に向かって流れるようにするということ。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 ラベリングを行うことで、自分を俯瞰して見る視点を得るだけでなく、ゴールを実現した未来のコンフォートゾーンに自身を導くことができるようになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 その未来のコンフォートゾーンが、(前頭前野優位から)大脳辺縁系優位になってしまうことで「ファイト・オア・フライト」の状態に陥ることを防ぎます(あるいは、すぐに回復させる)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 私の例でいえば、「妻と過ごす楽しい“場”」が元職員の存在により一瞬で「怒りに満ちた修羅場(復讐場)」に変わったときが「ファイト・オア・フライト」の状態。

それをラベリングによりすぐに前頭前野優位に戻し、「コーチしての修行場(トゥイーキングによって気づきを得る機会)」に変えた…という感じです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html

 

(“場”とは、情報空間における特定の座標を指しています)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165888.html

 

 

 握りつぶした本当の「イヤなこと」とは、「『イヤなこと』と一瞬でも認識してしまった自分自身」…

 

 

 …それでは「ラベリング」と「エモーションコントロール」の次に行うべきワークを紹介いたします。

 

 それは「すでにゴールを達成している自分を確定するワーク」です。

 

 

<Work> すでにゴールを達成している自分を確定する

 

 イヤなことを「ゴミ箱にポイッ」と捨てたり「握りつぶした」後に、さらなる未来に意識を持っていく

「もっと大きくなっている私」「さらにパワフルになった私」「ますます明るく、あたたかい私」を存分にイメージ

 逆腹式呼吸でリラックスをさらに深めながら、そのイメージをどんどん強化していく

 (スポットライトを浴びたり、光が降り注ぐイメージを楽しむ)

 最後は「確定」。さらに未来の、そしてもっと抽象度の高い自分が「本当の私」であることを確定するために、心の中でキーボードを描き「ENTER」キーを押す

 カチッと押す手ごたえ(触感)とともに、選択音が鳴り(聴覚)、目の前の世界がゴールを達成した未来の自分にふさわしい世界に変わったこと(視覚)を感じる

 (スコトーマが外れたことで感じる、今までは気づかなかった新しい認識を楽しむ)

 

 

 …以上です。

 

 

私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 

 

もしもイヤなこと(人、モノ)に遭遇してしまったら(思い出してしまったら)、「ラベリング」 → 「エモーションコントロール」 → 「すでにゴールを達成している自分を確定するワーク」と連続して行ってください。

 

ワーク後、その「イヤなこと」は、「ゴール達成のための大切な縁起」に変わっています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 認知科学者 苫米地博士の新刊「超悟り入門」(徳間書店、2019年6月28日発売)に、ラベリングが「止観瞑想(しかんめいそう)」として記されています。

以下、前回引用した部分のつづきです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18576926.html

 

また、こうやって思考を深めていくと、過去のイヤなことが突然浮かんできたりします。そのときにもまた「記憶」などとラベリングし、記憶について思考していきます。

 ただし、イヤな思い出のように情動が強く動くときは注意が必要です。「記憶」というラベリングならいいのですが、「イヤなヤツ」のようなネガティブなラベルを貼ってしまうと、次から次に、イヤなヤツの記憶がよみがえってきて、そこから離れることができなくなってしまいます。一番の問題は、そうやってイヤな記憶を繰り返してしまうとそれが長期記憶となってしまい、やがて前頭前野とのネットワークができて、そのイヤなヤツと関連するモノや場所などを見ただけで、イヤな記憶が湧き上がってしまうことです。これではせっかく瞑想をしているのに、イヤな記憶を強化してしまっています。

 ですから、ラベルはポジティブなもので構成していってください。

 また、この止観瞑想ですが、実は、座禅のように座って行うよりは、日常生活の中で、やりたいときにやったほうがいいのではないかと私は思っています。

 

 

超悟り入門2