F-096:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.3

 

 

私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 

 

 …これは戦前・戦後を通じて日本映画界で活躍した女優 高峰秀子さん(1924~2010年)の言葉です。前々回(F-094)はこの言葉をコーチの視点で読み解き、前回(F-095)は関連するワーク(ラベリング)を御紹介しました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18340552.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18456250.html

 

 今回は、そのワーク(ラベリング)の実践例を紹介した後、さらに踏み込んで「私はイヤなことを心の中で握りつぶす」という言葉を考察します。

 

 

 …先日、妻と買い物している際に、かつて“だまし討ち”された病院の職員に会いました。しかもその職員は、私を誹謗中傷するだけで調停の主旨とは全く関係のない(むしろ申し立て理由を自ら否定する)“証拠”を書いた一人です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628437.html

 

 私はその職員のことを医療人として高く評価し、人としてもとても信頼していました。だからだと思いますが、裁判所に提出された“証拠”を目にしたときには激しい怒りを感じました。

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その怒りが、痛い記憶とともに、一気に吹きだしたのです。それまでの楽しかった“場”は、一瞬で修羅場に変わりました。私の中で。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 

私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 

 

 その時に行ったのがラベリングです。

 まずは噴出した「D」を切り離しました。「私らしくない」「コーチらしくない」とセルフトークしながら。

 次に「T」か「Nil」かを判別し、「T」と判断した後さらに分析していきました。具体的には、「The Power of Mind Ⅰ」第六章で行ったように仮説を立てて、トゥイーキングを行いました。

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 そして、ゴールが生みだす未来からの時間の流れを感じながら、心の中でイヤなことを握りつぶしました。

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 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 

私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 

 

 ところで、イヤなことを握りつぶす“私”とは誰のことでしょうか?

 

 …もちろん、それは「ゴールを達成した私」のことです。その「私」は、抽象度でいえば、より高い次元にいます。

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 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 

私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 

 

 イヤなことの正体は何でしょうか?

 

 …「イヤなこと」の「イヤ」はすべて「D」。情動であり、心の迷いです。「イヤなこと」の「こと」が「Nil」ならば無視すればいいですし、「T」ならば解決策を考えるいい機会となります。ゴール実現にますます近づいていくことを楽しむことさえできます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 

私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 

 

 (握りつぶすのが)心の中でなのはなぜでしょうか?

 

 …情報空間の方が書き換えやすいからです。宇宙は多次元の階層構造で、その底面が物理空間です(物理空間も情報空間の一部です)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14106619.html

 

すべては双方向の縁起ですが、より高い抽象度次元に因があり、低い次元で果としてあらわれています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

だから、情報量のより少ない高次の抽象度空間の方が書き換えやすく、かつ、より大きな変化を(物理空間など低次の抽象度空間で)起こしやすいのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165888.html

 

 

私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 

 

 では、握りつぶすためのエネルギーはどこから生じるのでしょうか?

 

 …答えは抽象度の差です。抽象度が高くなるほど大きくなるポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)が、「握りつぶす」力の源です。つまり、ゴールの抽象度が上がるほど、強力に握りつぶすことができるようになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045827.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html

 

 

 エネルギーは、時間軸でいえば未来に、抽象度でいえば高次の抽象度空間に存在しています。そのエネルギーにアクセスする方法がゴール設定。

だから、「Goal comes 1st.」(by Lou Tice)なのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8583393.html

 

 皆さんはすでに大きなエネルギーと創造力を潜在的に持っています。それらを引き出すものがコーチングです。

 

 

 …先程、「そして、ゴールが生みだす未来からの時間の流れを感じながら、心の中でイヤなことを握りつぶしました」と書きました。

 

私が握りつぶした「イヤなこと」とは、じつは、その場にいた元同僚のことではありません。“だまし討ち”という痛い記憶やそれに紐づく経営陣の悪意でもありません。

 

握りつぶした本当の「イヤなこと」について、次回、新たなワークとともに記します。

 

(F-097につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 認知科学者 苫米地博士の新刊「超悟り入門」(徳間書店、2019年6月28日発売)に、今回御紹介したラベリングが「止観瞑想(しかんめいそう)」として記されています。

今回と次回の2回に分けて引用します。

 

止観瞑想

 …この煩悩を上手に扱うのに適しているのが「止観瞑想」です。止観の止とは煩悩を止めることを意味しています。煩悩を一時的に止めて自分の思考や感覚を観るのが止観瞑想になります。

 では、煩悩を一時的に止めるにはどうすればいいでしょうか?

 それは、ラベリングです。瞑想中に湧き出てきた情動にラベルを貼っていく作業を繰り返すのです。

 例えば、「お腹が減ってきたな」といった感情がふと湧いてきたら、「空腹」とラベリングします。「眠くなってきたぞ」と思ってきたら「睡眠」といった感じです。

 そして「空腹」とはなにか、「睡眠」とはなにかを思考していくのです。

 「空腹とは食欲から発せられるものであり、その源は大脳辺縁系にあるといわれている。これに従って食べていかなければ人は死んでしまう。しかし、人は水さえ飲んでいれば一週間ぐらい断食しても死ぬことはない。かえって健康になるといわれる。ということは、いま感じているこの空腹は従う必要がそれほどない可能性が十分にある。少なくとも緊急性は低い。ならば、この空腹はなにゆえ発生したのであろうか? 瞑想を邪魔する感覚なのか?」などなど、思考を深めていく作業を行っていくのです。

 

 

超悟り入門