ブログ・シリーズ編
S-02:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~
S-02-04:ケース別考察 -4
「マナー」「ルール」「モラル」は(議論を通じて出来上がった)誰もがよりよく生きるための約束事のはずですが、一方でお互いの自由を奪い合う装置として働きます。
ただし、その3つには明確な違いがありそうです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292569.html
このシリーズ編第2弾(S-02)では、自由に生きることをテーマに、マナーやルール、モラルについて考察します。ぜひ皆さん自身の自由について思いめぐらしながら読み進めてください(Don’t think. Feel!)。
告知(I-030):
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17320680.html
S-02-00(目次):
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17563396.html
04:ケース別考察 -4
皆さんはマナーやルールとは何か不思議に思ったことはありませんか?
まずは、いろいろなケースで考察してみましょう。
01:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17707498.html
02:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17857553.html
03:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17976928.html
<case 9>
所有する畑を荒らしていたイノシシを捕獲。食用に自宅で解体した
これは「マナー違反ではない」かつ「ルール違反ではない」です。シカやクマを解体する場合もルール違反ではありません。
ところが、解体した動物が牛・馬・豚・羊・ヤギのいずれかであった場合は「ルール違反」になります。屠畜(とちく)場法違反です。
屠畜場法は食肉の安全を確保するための法律です。食用となる動物が適切に処理されることを目的として、屠畜場以外の場所で、食用目的で牛・馬・豚・羊・ヤギを屠殺(とさつ)・解体することを禁止しています。
イノシシ・シカ・クマは狩猟の対象となる動物であり、「屠畜場での解体が困難」という理由で対象から外れているのだそうです。
ちなみに、ニワトリは「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」により、指定場所での処理が定められています。ただし、屠畜場法と違って、規制は「不特定または多数へ提供する場合」に限られています。
家庭で家族にふるまうためにニワトリを解体する場合は「ルール違反ではない」のでご安心ください(笑)。
<case10>
大学時代のサークル仲間と久々に再開。二人で食事をしているうちに自分の気持ちに気がつき告白した。すると相手から「私もずっと好きだった。結婚してほしい」とまさかの逆プロポーズを受けた。早速、結婚を約束したことを同じサークル仲間に報告したら、お祝いのメッセージとともにたくさんのプレゼントが届いた。
ところが、後日、結婚を約束したはずの相手から「エイプリルフールの冗談だと思っていた。結婚話はジョークであることをすぐに周知してほしい」と連絡がきた
結婚の約束が確かに4月1日の出来事だったとしても、「結婚してほしい」と言われ喜んでいた側が精神的ショックを受けたのなら「ルール違反」を問われます。不法行為(民法709条)に基づく損害(慰謝料)賠償責任を負う可能性が考えられるそうです。
さらに、もしも発信者が上場しているベンチャー企業の有名社長で、相手が芸能人など著名人であった場合は、金融商品取引法158条の「風説の流布」にあたる可能性があります。株価に影響を与えようとしてデマ情報を流したと判断されたなら、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処せられます。かなり重い「ルール違反」です。
サークル仲間がどう判断するかにより、逆プロポーズ側が「マナー違反」になる場合もあれば、結婚を真に受け発信した方が「マナー違反」となる場合もあります(あるいは、両方とも「マナー違反」、ともに「マナー違反ではない」と思われる場合も)。
事実とは異なる話を信じて送ったプレゼントに関しては、民事上の不当利得の返還請求が可能なようです。同情され「マナー違反ではない」と判断されたとしても、もしもプレゼントを返さなかったら「ルール違反」となります。
ただし、プレゼントを購入した段階での損害賠償請求は難しいようです。「法は人の好意まで保護しないから」だそうです。
どうですか?
「マナー」や「ルール」がどんなものであるのかイメージできましたか?
…なんかよくわかりませんよね(苦笑)。
少なくとも「マナー」や「ルール」は“絶対的なもの”ではなさそうです。不完全性が働くのですから当たり前ですが。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html
次回は「マナー」や「ルール」について、これまで考察してきたことをまとめ、それぞれの定義を確認します。
(S-02-05につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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シリーズ編第一弾(S-01)「よりよい“議論”のために」
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_254557.html
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