F-091:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~:vol.3
2019年6月1日、横浜市の新交通システム「シーサイドライン」の新杉田駅(同市磯子区)で無人運転の車両が逆走し、乗客14人が重軽傷を負う事故が発生しました。
「バラ色ダンディ」(東京MX、同6月3日放送回)に出演された認知科学者 苫米地英人博士は、この事故について「無人運転と自動運転が混同されている」とコメントされていました。
博士のコメントを考察してみました。シリーズでお届けします。
Vol.1:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17722318.html
Vol.2:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17868025.html
…Vol.1(F-089)は無人運転と自動運転の違いについてまとめました。
その中で「今までトラブルが起こらなかったのは、『変化のない決められたコースを、決められたとおりに走行する』というシンプルなタスクを繰り返す無人運転だから」と書きました。
そして、「無人運転に対しての自動運転とは、『複雑(多種多様)な環境の変化に即座に対応しながら、自身をつねに最適化して走行する』という自律的なもの」であると。
それらを人のマインドでの情報処理に置き換えると、AI(Artificial Intelligence)時代にふさわしい生き方が浮かび上がります。
前回(F-090)は、「『変化のない決められたコースを、決められたとおりに走行する』というシンプルなタスクを繰り返す無人運転」をコーチの視点で考察しました。
人の生き方に置き換えると、「他人に与えられた過去の延長線上にある目標に向かって、誰かに言われるまま(自分で考えることなしに)生きる単調な人生」という感じ。
もちろんそれは「奴隷の人生」です。
では、自動運転はどうでしょうか?
…無人運転に対しての自動運転とは、「複雑(多種多様)な環境の変化に即座に対応しながら、自身をつねに最適化して走行する」という自律的なもの。
それをコーチの視点で人の生き方に置き換えると、「他人に与えられた過去の延長線上にある目標に向かって、誰かに言われるまま(自分でも考え修正しながら)生きる単調な人生」といえます。
例えば、自動車では搭載されたカメラやレーダーでまわりの状況を随時確認しながら、自身の状態を自律的に判断し最適化することで自動運転を実現します。
しかし、それはあくまで決められたゴールに向かうプロセスでの自律的判断であり最適化。すべてゴール設定が他によりなされた後の話です。
将来はゴール(目的地)自体をAIが自律的判断で決めてくれる時代が来るのかもしれません。例えば、その時の気分にふさわしい場所に運んでくれたり、体の不調を診断して適切な病院に送り届けてくれたりなど。
しかし、それらも過去にあらかじめプログラムされている情報内か、あるいはその延長線上での判断であり、すべて現状の中といえます。ゴールが現状の中にあればスコトーマが大きく外れることはありません。
(そもそも現状の中のものをゴールとはいいません)
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html
もっとも、自動運転はそれでかまいません。反対にゴール(目的地)を勝手に決められたら、そちらの方が困ってしまうでしょう。想像してみてください。急いで空港に行きたいのに、「たまには図書館にでも行きませんか?」とか「今日こそは歯医者に行きましょう!」と提案してくる自動運転車を(笑)。
繰り返しますが、AIの自律的判断はゴール設定後のプロセス最適化でかまいません。
誰かが入力したゴールに向かって(あるいは前提条件の範囲内で)、途中の状況変化をセルフチェックしながら最適化を図ります。
ですが、人は違います。
私たちにはマインド(脳と心)があります。そのマインドで自らの目的地を、すなわちゴールを決めることができます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html
そして、ゴールを自ら決める必要があります。自由に生きるために。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html
もし、ゴールを“自分”で決めなければ、生きるエネルギーをうみだすことはできず、創造性を発揮することもできません。モチベーションがwant to(建設的動機)の場合とhave to(強制的動機)の場合の生産性の差は756倍です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html
ゴールを“自分”で決めない(決められない)と、自身の潜在能力を封印し、可能性を閉ざすことになります。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12794797.html
自分の限界とは、自分のイマジネーションの限界のことである
…これはコーチングの祖 ルー・タイス氏の言葉です。
苫米地博士はこの言葉を下記のように言い換えていらっしゃいます。
人間の限界はイマジネーションの限界がつくる
イマジネーションによって人は限界を作り、それを壊すことで新しい世界を獲得していく
…私たち人類は長い歴史の中で何度もイマジネーションの限界を打ち破ってきました。絶望的な苦難を新たなイマジネーションで克服してきました。
AIが身近になった現代は、その驚くような演算処理能力を使って、ますますイマジネーションを現実化しやすくなっているといえます。
ポイントは「自由自在なイマジネーション」!
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html
さあ、今すぐゴールを設定してみましょう。もちろん“現状の外”に!
ワクワクしながらイマジネーションの限界を超えていきましょう!
ゴール設定でイマジネーションの限界を超え続ける
…それがAI(Artificial Intelligence)時代にふさわしい生き方であるはずです。
(F-092につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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