ブログ・シリーズ編

S-02:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~

S-02-02ケース別考察 -2

 

 「マナー」「ルール」「モラル」は(議論を通じて出来上がった)誰もがよりよく生きるための約束事のはずですが、一方でお互いの自由を奪い合う装置として働きます。

ただし、その3つには明確な違いがありそうです。

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 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292569.html

 

 このシリーズ編第2弾(S-02)では、自由に生きることをテーマに、マナーやルール、モラルについて考察します。ぜひ皆さん自身の自由について思いめぐらしながら読み進めてください(Don’t think. Feel!)。

 告知(I-030):

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 S-02-00(目次):

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02:ケース別考察 -2

 

皆さんはマナーやルールとは何か不思議に思ったことはありませんか?

まずは、いろいろなケースで考察してみましょう。

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case 4

挨拶はいつも大声

 

これも状況しだいです。

 

例えば、医療・介護現場で、もうすぐ心肺停止となりそうな看取りの場面だったとします。そんな時に出勤したスタッフが次々に大声で(しかも明るく)挨拶したら、御家族はどのように感じるでしょうか?

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一般的には「マナー違反」だといえます。

ただし、家族の心理状態によっては、元気な挨拶の方が喜ばれる場合もあります。

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いずれにせよ、「ルール違反ではない」はずです。

 

 

case 5

職場の懇親会で他人が歌っている途中に壇上にあがり一緒に歌った

 

これも状況しだいです。先に歌っていた人が嫌がったら「マナー違反」です。喜んだら「マナー違反ではない」といえます。

 

先に歌っていた人が嫌がっていたとしても、その様子を見ているその他大勢が大喜びなら、大多数にとっては「マナー違反ではない」のかもしれません。

 

いずれにせよ、これも「ルール違反ではない」といえそうです。

 

 では先に歌っていた人が平社員で、壇上にあがり一緒に歌ったのが社長ならどうでしょう?

 

 もし先に歌っていた平社員が嫌がったなら、社長は「マナー違反」です。しかし、むしろ社長が飛び入りしたことを露骨に嫌がる平社員の方を、居合わせた人たちは「マナー違反」だと感じるかもしれません。

 

 

case 6

犬の散歩中、突然犬が暴走して、見知らぬ子どもを噛んでしまった

 

リードを放して犬をフリーにしていたのなら「マナー違反」です。

 

しっかりリードをしたままであれば「マナー違反ではない」といえますが、他者にけがを負わせた時点で「ルール違反」になります。

 

民法7181項により、動物の占有者は飼い犬が他人に与えた損害を賠償しなければなりません。同項のただし書きには「動物の種類および性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときはこの限りではない」という記載があります。

よって、裁判所に「相当の注意を払って管理していた」と認めてもらえれば、「ルール違反」が「ルール違反ではない」に変わります。

 

「ケガを負わせた」という事実(データ)は変わりませんが、根拠(ワラント)をひっくり返すことで主張(クレーム)が変わるということ。それをターンアラウンドと呼びます。

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ちなみに、刑事責任が発生する余地もあります。飼い主の過失の程度により、過失傷害罪(刑法209条)や重過失傷害罪(刑法2111項後段)が考えられます。

 

 (S-02-03につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 「もし先に歌っていた平社員が嫌がったなら、社長は『マナー違反』です。しかし、むしろ社長が飛び入りしたことを露骨に嫌がる平社員の方を、居合わせた人たちは『マナー違反』だと感じるかもしれません」

 

 これが政治の世界だったら、「ちゃんと忖度しろよ」と叱られるのでしょう。

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 そんなプレッシャーは「バイオパワー(生権力)」となり、人々からやる気と創造性を静かに奪い取っていきます。このシリーズの後半で掘り下げます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292569.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 

-関連記事-

シリーズ編第一弾(S-01)「よりよい“議論”のために」

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_254557.html