F-073:「糖尿病リスク予測ツール」に思う vol.3;ツールを使いこなすために

 

 「糖尿病リスク予測ツール」をテーマに、4回に分けてお届けします。

 

 F-071vol.1)は、医師の視点で、国立国際医療研究センター(NCGMNational Center for Global Health and Medicine)が開発した予測ツールを紹介しました。未確認の方は、ぜひ(F-071の)文末のリンクからアクセスし、予測ツールをお試しください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15236875.html

 

 残り3回は、コーチの視点で、「糖尿病リスク予測ツール」について考察します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15394923.html

 

 

「わかっちゃいるけどやめられない」といったよくないイメージは、恐怖や不安と結びつきファイト・オア・フライトを誘発します。そうなると扁桃体を含む大脳辺縁系の活動が活発になってしまい、ますますイメージの書き換えは難しくなってしまいます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

では、「わかっちゃいるけどやめられない」状態から抜けだすためにはどうすればよいのでしょうか?

 

「糖尿病リスク予測ツール」をうまく活用するためには何を心がければいいのでしょうか?

 

 

 ところで、皆さんに質問です。

実際に「糖尿病リスク予測ツール」を試されましたか?

 

 

 「糖尿病リスク予測ツールにアクセスした/しなかった」「予測ツールを使った(入力した)/使わなかった(入力しなかった)」で分類すると、3つのパターンができます。

 (「アクセスしなかった」「アクセスしたが使わなかった」「アクセスし使った」)

 

おそらく世間一般では、「アクセスしなかった」>「アクセスしたが使わなかった」≧「アクセスし使った」となるはずです。

 

このブログをご覧になっている皆さんは、実際にアクセスし使った(入力した)方がほとんどではないかと推測します。なぜなら、皆さんはコーチングに興味がある(=重要度が高い)から。

 

コーチングのエッセンスは「“現状の外”にゴールを設定すること」と「エフィカシーを高めること」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

ゴールは、人生のあらゆる領域にバランスよく設定します。それをバランスホイールといいます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14524490.html

 

複数のゴール実現に向けてエネルギーや創造性を遺憾なく発揮するためには、もちろん、健康が欠かせません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859675.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859828.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859896.html

 

よって、コーチングに興味がありゴールの重要性を理解している人は、健康(でいること)がコンフォートゾーンとなり、RASがオープンになることで自然に健康に関する話題を拾い上げ実践します。いいツールがあれば試してみたくなるはずです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

もし糖尿病リスク予測ツールを使っていなかったのであれば、健康のゴールについて再検討し、コンフォートゾーンを修正してください。

 

その時注意するべきなのは、「健康でいること」「病気がないこと」「検査結果がいいこと」自体が目的化するとhave to(~ねばならない)となってしまい、無意識が創造的に回避するようになってしまうということ。健康はあくまでwant toで自然に実現しているものであり、have toで頑張って手に入れるものではありません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040752.html

 

具体的にダイエットで考えてみましょう。

「痩せないといけない」「太っていてはいけない」と考え、「○○kg減量」を目標にダイエットに取り組む場合、意識している間は食べる量をコントロールできるかもしれませんが、ちょっと気を抜くとつい食べ過ぎてしまいます。実際に目標の体重に近づいてくると(あるいは目標体重を本当に達成してしまうと)、途端にコントロールがきかなくなり、次第に元の体重に戻ってしまいます。

 

それを「リバウンド」と呼びますが、その原因はコンフォートゾーン(=セルフイメージ)を変えられなかったことにあります。コンフォートゾーンを変えられない理由は、「痩せている私」「ちょうどいい感じの私」を当り前とするようなゴールがないことです。ゴールがない(あるいは不明瞭な)状態でのダイエットは「have toで」「頑張って」行うものであり、want toによる自然な行動ではありません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

仮にゴールが正しく設定できたとしても、未来の新たなセルフイメージ(コンフォートゾーン)を維持できなければ、やはり「リバウンド」してしまいます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

日々の食事と体重をメモするだけの「レコーディング・ダイエット」という方法を自ら実践し、1年で55kgの減量に成功した“オタキング”こと岡田斗司夫さんは、2007年に「いつまでもデブと思うなよ」(新潮新書)、2010年に「レコーディング・ダイエット 実践版」(文藝春秋)等を出版し、その概念と具体的メソッドを世に広めました。

ところが現在の岡田さんは25kgリバウンドし、かつて自らが提言したレコーディング・ダイエットを全否定しているといいます。

 

じつは、「毎日の体重測定」については専門家でも意見が分かれています。

セルフモニタリングはあらゆる種類の行動変容に適用できるエビデンスに基づいた方法のひとつではありますが、こだわり過ぎてしまうと呪縛に変わります。

大切なのはモチベーションがwant toだということ。そして、そのwant toをしっかり維持していること(have toに変えないこと)だといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

つまり、方法論の問題なのではなく、ゴール設定やコンフォートゾーンといったマインド(脳と心)に関する課題だということ。

 

「わかっちゃいるけどやめられない」状態から抜けだすために必要なものも、「糖尿病リスク予測ツール」をうまく活用するために重要なことも、すべてマインド(脳と心)に関する知識とスキルです。

 

「このまま続く未来」の臨場感を高めるきっかけとして糖尿病リスク予測ツールは確かに有効です。しかし、それを使いこなすためには健康な未来の姿をゴールとして先に創造していることが必要です。そして、糖尿病を予防(あるいは克服)した新たな未来を本当に現実化するためにコーチングを実践し続けることです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

よって、糖尿病リスク予測ツールと同時にコーチングが医療現場に広がることが、国民的な課題となっている糖尿病克服の鍵であるといえます。

(もちろん、他の病についても同様です)

 

 

 次回(F-074、最終回)は、これまでとちょっと違った視点で、糖尿病リスク予測ツールを再考察します。キーワードは「AI」です。

 

F-074へつづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)