Q-069:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいでしょうか? Vol.6;セルフヒーリングとセルフコーチングのコツ

 

 認知科学者 苫米地英人博士の読者の方から御質問をいただきました。セルフヒーリング&セルフコーチングのコツをイメージしながら、しっかりとまとめてみました。

シリーズ(計八本)でお届けします。

Vol.1 はじめに(目次):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13825164.html

 

 

Vol.6;セルフヒーリングとセルフコーチングのコツ

 

 機能性ディスペプシア(FDFunctional Dyspepsia)という疾患を御存知ですか?

 

 …FDとは、食後の胃もたれや早期満腹感(すぐにお腹がいっぱいになる)、食事と関係なく生じる上腹部の痛みや灼熱感、そして吐気や膨満感(お腹が張った感じ)を感じる病気です。1週間に23回以上こういう症状がみられることが1ヶ月程度続く場合に疑われます。

 

 健診を受けた方を対象に行った調査によると、FD症状を自覚している人は1117%。とくに真面目な性格の人やストレスを感じやすい人などに起こりやすいといわれています。

 日本消化器学会 機能性消化管疾患診療ガイドライン2014-機能性ディスペプシア(FD):

 https://www.jsge.or.jp/files/uploads/FDGL2_re.pdf

 

 以前はこれらの症状が続いたとしても、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)などの検査で異常がなければ、「病気ではない」「気のせい」とされていました。

 ところが、検査にて異常がなくても胃の不快な症状(dyspepsia)が継続する場合は「FDと診断して治療しよう」ということになりました。2013年に正式な診断名として認められ、健康保険の対象となっています。

 

 FDが認知されるようになった背景には、「病を物理空間の異常としてだけでなく、情報空間での異常としても捉えよう」という考えがあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html

 

もちろん病だけではなく、体や健康を含む生命(現象)そのものを全抽象度でとらえようとしているはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

それは「西洋医療から東洋医療へのシフトの一端」とみることができます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13958654.html

 

 そのイメージを明確に理論化したものが、認知科学者 苫米地英人博士が唱える「超情報場仮説(理論)」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165789.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165823.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165888.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5306380.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5306438.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5306445.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5445932.html

 

 

 前回(Q-068)御紹介したとおり、病院長という機能と医師という役割を突然失った私は、重たい吐気が続き、数日間は食事が喉を通りませんでした。

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私の体の変化は、「だまし討ち」によるストレスが「情報空間のバグ」となり、「写像である物理空間にあらわれたもの」と考えられます。医学的には「胃の運動異常」や「知覚過敏」と表現しますが、その因は情報空間にあります。
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 幸い1週間ほどで症状はすっかり治まりましたが、もしも情報空間のバグを解消できなかったならば、きっと脳や体のバグ(器質的異常)としてあらわれていたに違いありません。

「情報的な心の傷が、物理的な脳の傷となる」ことは、現代の医学研究が明らかにしつつある科学的事実です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10114934.html

 

 

 ところで、前回(Q-068)は「コーチングのために、まずはヒーリングが必要」ということと「そのヒーリングのために、じつはコーチングが有効」ということを書きました。矛盾を感じたと思いますが(笑)、その理由はわかりましたでしょうか?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14400982.html

 

 理解のヒントは「I×V=R」にあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 

 前回はヒーリングとコーチングの関係についてまとめました。その中で、「I×V=R」は「夢をかなえる方程式」であり「人を救い助けるありがたいもの」ですが、一方で「現状打破を阻む方程式」であり「人を苦しめ続ける厄介なもの」でもあると書きました。

 

 「現状打破を阻む方程式」であるのは、「何らかのネガティブなイメージ(I)の臨場感が高く(V)、それが現実となっている(R)」からです。そして、「人を苦しめ続ける厄介なもの」となるのは、「そのネガティブな現実(R)に恒常性維持機能(ホメオスタシス)が働いているから」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 それは大脳辺縁系優位の情報処理が継続する状態であり、「ファイト・オア・フライト」から抜けられない状況。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 そのような場合、コーチングのある“ポイント”が役にたちます。そのポイントとは「バランスホイール(バランスの輪)」です。

 

 

 コーチングの要諦は「“現状の外”にゴールを設定すること」と「エフィカシーを高めること」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

 そのゴールを人生のあらゆる領域に幅広く設定することが「バランスホイール」です。

例えば、職業、家庭、趣味、健康、ファイナンス、身近なコミュニティへの貢献、社会への貢献、生涯学習、老後、人間関係、精神性などの大きなカテゴリーがあり、その一つひとつの中にさらにサブゴールを設定していきます(達成しそうになったら、再設定していきます)。

そうすると20個以上のゴールができあがっていきます。その一つひとつが「I」であり、「R」となりうるものです。

 

つまり、I」の数だけ「R」を、すなわち現実となりうる可能世界(可能性)を持つことができるのです。

 

ネガティブな現実(R)から脱出するのは、それ(ネガティブ)を生みだす「I」とは違うカテゴリーの「I´」へジャンプするだけです。

私の例でいうと、「職業」や「ファイナンス」のゴール(が生み出す世界)から離れ、「趣味」や「家庭」のゴール(が生み出す世界)へとフォーカスすることでFD症状が軽減していきました。

わかりやすいようにセルフトークにすると、「驚いたけどおかげで時間ができてラッキー!せっかくだから○○をして、家族とも楽しんじゃおう!!」という感じです。

 

 

以上をシンプルにまとめると、問題(ファイト・オア・フライト)が生じた時は、1)バランスホイールを意識し、違うカテゴリーのゴールにフォーカスする(セルフコーチング)2)認識(意識)する世界を変えつつ大脳辺縁系優位を前頭葉優位に戻す(セルフヒーリング)3)前頭葉優位にもどったら問題が生じた領域のゴールを再検証(再設定)する(セルフコーチング) ...という流れです。

 

ゴールの再検証時には、仮説をたて、トゥイーキングを行います。

私の例でいうと、「The Power of MindⅠ」第六章および第七章が 3)のセルフコーチングに相当します。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_124527.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_124528.html 

 

バランスホイールを常に意識し、そして偏りなくゴールを達成していくことは、とても重要なことです。じつは、それは「ヒーリングのコツになる」といった小さな話では終わりません。

 

その“バランスホイールの先にあるもの”については、最終回(Q-071)で「バランスホイールの重要性」とともに考察します。

 

次回(Q-070)は、いよいよ(ようやく)いただいた御質問に具体的に回答いたします。ぜひ“バランスホイールの先にあるもの”についても考えながらお読みください。

 

Q-070につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

本文中に「以前はこれらの症状が続いたとしても、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)などの検査で異常がなければ『病気ではない』『気のせい』とされていました」と書きました。

 

物理空間にあらわれていないものを「気のせい(=情報空間のバグ)」とみる感覚は正しいといえます。その時「だから、医療とは関係ない」「だから、病気ではない」とするのではなく、情報空間の書き換えに導けることがこれからの医療のブリーフシステムになることを私はイメージしています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

その鍵となるコーチングを“いのちの現場”にしっかりと届けるために活動しています。

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http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html