F-066:水木しげるさんの「幸福の七か条」 -後編-

 

 

<幸福の七か条>

第一条   成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない

第二条   しないではいられないことをし続けなさい

第三条   他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし

第四条   好きの力を信じる

第五条   才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ

第六条   怠け者になりなさい

第七条   目に見えない世界を信じる

 

「水木さんの幸福論」(日本経済新聞社) 

 

 

 前編(F-065)で御紹介したとおり、漫画家 水木しげるさん(19222015年)は太平洋戦争時に左上肢切断術を受けるなど波乱万丈の日々を過ごされましたが、大好きな妖怪話から生まれた「ゲゲゲの鬼太郎」のヒットなどで人気作家へとなっていきます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14400204.html

 

 そんな水木さんの言葉には100% want toのゴールに向かうエネルギーとクリエイティビティ(創造性)があふれています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

今回は、コーチングマインドを持っていたに違いない漫画家 水木しげるさんの著書に書かれている「幸福の七か条」を、コーチの視点で読み解きます。

 

 

第一条  成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない

 

 この言葉はゴールの抽象度の重要性を語っています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 高い抽象度のゴールに向かう間に「人間形成」が実現します。そして、そのプロセス(ベクトル)そのものが幸福といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

 反対に、抽象度の低いゴールのままであれば、幸福は実現しないばかりか、豊かな潜在能力を発揮することもできません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10692725.html

 

 

第二条  しないではいられないことをし続けなさい

 

 「止められてもやりたいようなこと(= want to)だけを行え」ということ。反対にいうと「~ねばならない(= have to)は一切しない」です。

モチベーションの説明(PM-02-06)で御紹介したとおり、「want to」と「have to」の違いは10年間で756倍の生産性の差をうみだします。756倍です!

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 

第三条  他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし

 

 これも第二章と同じくwant toの大切さを語っています。

気を付けるべきは「want toであっても、ちょっとしたことでhave toに変わってしまう」という事実。私はとくに「恐怖・不安」「義務感」「罪悪感」(FOG)に気を付けています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523715.html

 

 認知科学者 苫米地英人博士の著書 「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(徳間書店、開拓社から再販)の中で、悩みの原因となる「頭のゴミ」として「他人のモノサシ」が取り上げられています。

 

 “他人という視点”は人生には必要ありません。それに囚われてしまうと、前回(F-065)の追記内に記したとおり、「人間形成」に支障をきたします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14400204.html

 

ちなみに、その他の「頭のゴミ」として、苫米地博士は、「感情」「これまでの自分」「マイナスの自己イメージ」「我慢」「自己中心」「恐怖」「論理へのとらわれ」を取り上げていらっしゃいます)

 

 

第四条  好きの力を信じる

 

 好き=ゴールと読めば、「好きの力」は「ゴール実現力」。それを信じることとはエフィカシーを語っているといえます。

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 幸せに生きるための最大の秘訣はゴール設定だといえ、ゴールを達成するための鍵がエフィカシーだといえます。そのエフィカシーを高めることこそが教育の最大の目的であるはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116488.html

 

 

第五条  才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ

 

 私はこの部分を「才能は誰にもある」「その才能を引き出すのはゴール」「ゴール実現でうみだした付加価値を収入に変えるのは(職業のゴールから独立した)ファイナンスのゴール」というように理解しました。

 ゴールのバランスホイールが重要だということです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 「努力」「根性」という感覚にはhave toが入り込んでいます。「have to」の状態では才能を発揮することはできません。創造的回避がおこるからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040752.html

 

 そう考えると、「裏切る」とは、「ゴール設定を誤ることで、自らの才能を封じ込めてしまうこと」といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12794797.html

 

 

第六条  怠け者になりなさい

 

 「怠け者」とはバランスホイールに関するメタファーだと理解しました。

 

 (ひとつ上の)第五章で触れたように「努力」や「根性」といった言葉は、コーチングには存在しない(してはいけない)言葉です。「目の前のすべてがwant to」というのが、コーチング後のクライアントが認識する世界です。世界がwant toに変わるのは、ブリーフシステムが書き換わり、RAS&スコトーマが変化するからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 しかし、want toだからこそ注意が必要になります。

例えば、職業や趣味のゴールに向かって熱中するあまり健康を害した(または家庭が壊れた)となっては幸福からは遠ざかります。

ゴールのバランスをとるための心構えを「怠け者」と表現されたのではないでしょうか。

 

 

第七条 目に見えない世界を信じる

 

 妖怪を愛した水木さんらしい言葉です。おそらく、水木さん御自身にとっての最大の幸福の秘訣なのではないでしょうか。

 

 以前、同じ職場の看護師さんに真剣に相談されたことがあります。「子どもにサンタクロースのことをどのように話せばいいですか?」と(笑)。

 

 私の答えは「地球のどこか(物理空間)に本当に実在しているかはわからない。でも、心の空間(情報空間)には間違いなく存在している」です。

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 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html

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子どもが“サンタからの贈り物”に喜び、その姿を見守る大人も一緒に幸せを感じるのであれば、サンタは存在しているといえます。縁起として。

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「サンタクロース」という言葉で表される機能・役割があり、その機能・役割をはたす人がいるなら、その人はサンタです。

もちろん、すべての機能・役割は空(くう)なのですが、それでもその“機能・役割”を積極的にみようと考えるのが仮観です。

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 サンタと同様に、ゴールも心の空間(情報空間)に、つまり「目に見えない世界」に存在しています。機能・役割として。

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ゴールとは未来のことですが、その未来は「このまま続く時間延長上の未来(=現状=ステイタスクオ)」とは異なるものです。ゴールとは“現状の外”にあるもので、現在のブリーフシステム(=自我)では想像すらできない“何か”です。

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http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

 その“何か”を、そしてその達成を、信じきることがとても重要だと水木さんは伝えたかったのではないでしょうか。

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 「目に見えない世界にある“何か”」をゴールとしてしっかりと設定するためには、コーチングの知識と実践が必要です。

 

このブログはその福音となることを目的としています。皆さんと皆さんに縁ある方々に幸福がひろがっていくことをイメージしながら心(気)をこめて書いています。

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苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 水木さんのアドバイスにある「怠け者」のニュアンスを、鹿児島弁で表現すると「てげてげ」でしょうか。「てげてげ」は「中くらい」や「適当」といった意味で使われますが、私は“中観”のイメージで使っています。

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