Q-068:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいでしょうか? Vol.5;ヒーリングとコーチングの関係

 

 認知科学者 苫米地英人博士の読者の方から御質問をいただきました。セルフヒーリング&セルフコーチングのコツをイメージしながら、しっかりとまとめてみました。

シリーズ(計八本)でお届けします。

Vol.1 はじめに(目次):

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Vol.5;ヒーリングとコーチングの関係

 

 夢をかなえる方程式「I×V=R」を御存知でしょうか?

 

I」はイメージ(imageまたはimagination)、「V」は鮮明さ(vividness)、「R」は現実(reality)。「まずイメージがあり、その臨場感を上げていくと、そのイメージが現実となる」という意味で、「すべての変化は心の中に生まれて、外に広がっていく」というルー・タイス氏の言葉を理論化したものです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 I×V=R」は、コーチとしての感覚でいうと「夢をかなえる方程式」であり「人を救い助けるありがたいもの」ですが、ヒーラーとしての(正直な)感覚では「現状打破を阻む方程式」であり「人を苦しめ続ける厄介なもの」です。

 

 

 コーチングのポイントをシンプルに述べると、「“現状の外”にゴールを設定すること」と「エフィカシーを高めること」。

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 コーチングが対象としているのは未来。過去は一切関係ありません。

その未来を想像(創造)すること(I:Image,Imagination)がゴール設定であり、未来の臨場感を高めること(V:Vividness)がエフィカシーだとすることができます。

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“現状の外”、つまりスコトーマに隠れ想像すらできない未来の何かをゴールとして新たに創造し、その臨場感をしっかり高めていくためには、進化した脳である前頭葉(とくに前頭前野)をフル稼働させる必要があります。

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 反対にいうと、前頭葉(前頭前野)をフル稼働させる準備ができていてはじめてコーチングが可能となり、「I×V=R」を「夢をかなえる方程式」として使いこなすことができるといえます。

 

 

 次にヒーリングについて考えてみましょう。

 

 ヒーリングが必要な状況とはどのようなものでしょうか?

あるいは、ヒーリングを切実に求めているのはどのような人たちでしょうか?

 

 ヒーリングが必要とされるのは「前頭葉(とくに前頭前野)の働きが低下してしまう状況」であり、「(その結果)大脳辺縁系優位になってしまった人たち」です。マズローの「欲求階層説」でいうと下から2層目の「安全の欲求(Safety needs)が満たされていない状況」であり、米CDC的に表現すると「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)に陥った人たち」といえます。

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 「ファイト・オア・フライト」に陥る最大の要因は「恐怖」と「不安(=将来の恐怖の予期)」です。それは頭痛など体の不調であったり(身体的苦痛)、苛立ちや孤独感であったり(精神的苦痛)、仕事や家庭、お金の悩みであったり(社会的苦痛)、死の恐怖や生きる意味への問いであったり(スピリチュアルペイン)とどんどん形を変え、しかも複雑に絡み合いながら、何度も押し寄せては人々を苦しめます。

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 その時の心理状態は、“時間の流れ”でいえば「過去に囚われている状態」であり、“RAS&スコトーマ”の視点でいうと「悲観的なモノばかりにフォーカスし、希望を失っている(ように感じている)状態」です。

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さらに、“モチベーション”でいうと「have toになっている状態」で、“抽象度”では「下向きに転がり落ちている状況」といえます。

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 そんな状況で「思わずビビってしまうようなとんでもない何かを思い描きましょう!」なんて言われたら、困惑したうえにすっかり疲れ果ててしまうはずです。

 

 

前頭葉(前頭前野)をフル稼働させるコーチングを成功させるためには、その前提として大脳辺縁系を落ち着かせる(鎮める)ヒーリングが必要なのです。ヒーリング→コーチングの順に進めることが重要であるといえます。

 

 

 充実した日々を過ごしている方々は「私には関係ない」「ヒーリングは必要ない」と思うでしょうが、そんな方々こそこれからの人生にしっかりと備えておく必要があるといえます。

 

なぜなら、「人は必ず老い、その過程で多くは病になり、そして必ず死ぬ」からです。その事実がスコトーマに隠れ、今はリアルに感じられていないだけです。

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 何かをきっかけにスコトーマが外れ四苦(とくに老病死)を実感した瞬間に、「ファイト・オア・フライト」に陥ることになります。そしてその状態が続けば、やがてはより重大な心身の不調を招いてしまうことになるでしょう。

(あるいは、ダークサイドに堕ちることになります)

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 例として、昨年(2018年)の私の経験をお話しします。

 

 過去のブログ記事でも取り上げましたが、私は、突然「だまし討ち」にあいました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628437.html

 

 管理者(病院長)として働いていた病院の顧問弁護士から一方的な通知が届き、経営陣の態度から議論の余地がないことを悟った時、私は崖から突き落とされたような感覚を味わいました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13216030.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_124527.html

 

そして、病院長という機能と医師という役割を突然失った私は、ファイト・オア・フライトの状態に陥りました。幼少の頃の苦しい記憶に襲われ、死を身近に感じました(「赤黒くザビついた銀色」の「鼻をつくにおい」「血生臭い味」「ガシャンという重たい音」「冷たい手触り」を確かに感じました)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854165.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854341.html

 

 マインドについて学ぶようになってからはすっかり忘れていましたが(=スコトーマに隠れていた)、20代から30代前半にかけてはたびたび消化器症状に苦しめられていました(ストレス&アルコールのダブルパンチです)。その頃と同じような重たい吐気が続き、数日間は食事が喉を通りませんでした。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7555985.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7556082.html

 

 鉛のように重たい体とどんよりしてまとまらない思考を自覚しながら、「ヒーリングとコーチングの関係」を改めて実感しました。

 

 

 コーチングのために、まずはヒーリングが必要

 

 

 繰り返しますが、それは大脳辺縁系優位の情報処理から、コーチングを可能とする前頭葉(とくに前頭前野)優位の情報処理に戻すためです。ヒーリングがしっかりと行われ十分にリラックスした状態だから「自分のリミッターをはずす!」ことが可能になります。

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では、そのヒーリングのために必要なものとは何でしょうか?

 

 

逆説的に聞こえると思いますが、答えはコーチングです(笑)。

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次回(Q-069)、セルフヒーリングとセルフコーチングのコツとともに解説いたします。ぜひその理由について考えてみてください。

 

きっと巨大なスコトーマが外れ、ヒーリング&コーチングのポイントを体感していただけると思います。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 (Q-069につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)