PMⅠ:The Power of Mind Ⅰ
PMⅠ-06:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題
PMⅠ-06-02:禅道場をもつ病院
この章(第六章)では、「院長を務めていた病院へのコーチング導入“失敗”」という事例について、仮説を立て、トゥイーキングを行っていきます。その目的(ゴール)は、「失敗から学び、“いのちの現場”にコーチングをしっかり届けること」です。
告知:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13216030.html
“失敗”を解決する方法:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html
禅道場をもつ病院
私は、2018年春まで、鹿児島県の病院で内科医として働いていました。病院のほかにも介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどの関連施設があり、地域の医療・福祉を幅広く支える法人でした。
温泉施設も運営するエキセントリックな病院でしたが、その一番の特徴は敷地内に禅道場があることでした。以前の私は、「禅道場を持つことが21世紀の医療の象徴になる」と考えていました。
アルベルト・アインシュタイン博士(1879~1955年)の下記の言葉に共感していたからです。
宗教なき科学は不具合であり、科学なき宗教は盲目である
Science without religion is lame、religion without science is blind
もともと禅道場は、病院の開設者でもある先代院長の病気をきっかけに建立されました。おそらく、病の苦しみや死の恐怖から逃れるために必要だったのだと思います。
2007年にその院長が急逝され、私が院長職を継ぎました。
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http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702279.html
今思えば、経営陣は院長就任当初から、やがて時が来たら(用が済んだら)私を排除するつもりだったのかもしれません。前兆はたびたびありました。
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http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6681282.html
例えば、院長二年目の2008年頃にはこんなことがありました。
法人が所有する広大な森林を開拓して憩いの場を作り、「森林療法」を始めようというビッグプロジェクトが動き始めました。東京農業大学の准教授(当時)に指導していただきながら、看護・介護職はもちろん、事務職員から厨房職員まで全職種が参加して、自らの手で作業を行い「病院敷地内の森林を治療・療養の場にする」というものです。
しかし、“全職種”の中に医局は入っておらず、院長の私さえもそのプロジェクトの存在自体を知りませんでした。
ある日、見知らぬ方々が、理事長とは別にいる経営者とその部下(“経営陣”)と歩いているところを目撃しました。登山家のような姿は明らかに病院には不釣り合いで違和感を覚えました。
近くのスタッフに「あの人たちは誰?」と質問すると、凍りついた表情で「えっ、院長は知らないんですか?東京農大の先生方ですよ」と教えてくれました。
その時初めて「森林療法」の存在を知りました。
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院長に内緒のまま病院全体で取り組むビッグプロジェクトを推し進めようというのは、通常の組織ではありえない“not normal”な発想だと思います。
苫米地理論を学ぶ今は、トップダウンによる「have to」の押し付けではなく、ボトムアップでの「want to」の実現を推し進める文化は素晴らしいと思っています。
しかし、それを医局にはあえて教えないという思考と行動は、とても危険だと思いました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9815429.html
「森林療法」は主に認知症患者さんの症状軽減を目的として2009年から本格的に始まり、地域の方々にも開放されました。夏の暑さや冬の寒さにも負けずに行う週一回の活動は、今も続いているはずです。病院をあげたユニークな活動は評判となり、複数のメディアから取材を受けました。
余談ですが、そのマスコミ取材中、「ただでさえ忙しい医療現場で、なぜ診療報酬というインセンティブのない活動が続いているのですか?」と質問されたことがあります。
私の答えは「やりたいから」の一言でしたので、質問者は困惑した様子でした。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html
(つづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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アルベルト・アインシュタイン博士
Wikipediaより引用
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